新築工事において、工程表は欠かせないものです。この記事では、新築工事で工程表を作る目的やメリットについて解説します。施工管理を行う建設会社や工事部の方など、工程表を作る機会がある人向けの内容です。工程表を作る方法や種類も解説するため、参考にしてください。
工程表の全体像を把握したい場合は、こちらの記事をご覧ください。
関連記事:効率的な現場管理のための工程表とは?役割や種類、効果的な作り方などを徹底解説
新築工事に工程表が必要な理由とは
新築工事には、なぜ工程表が必要なのでしょう。ここでは、工程表の概要や作る目的について解説します。
工程表の概要
工程表とは、工事の進捗状況や納期などをまとめたスケジュール管理表です。工事現場や建設現場で使用される表であり、スケジュールを顧客に説明する際にも役立ちます。全体のスケジュールをまとめた「総合工程表」だけでなく、「月間工程表」や「週間工程表」など、用途に合わせた種類があります。
関連記事:週間工程表とは?作成方法や記入するべき事項などを解説!
関連記事:【建設業】月間工程表のテンプレート3選!種類や見やすい表のポイントを解説
工程表を作る目的
工程表を作る目的は、工事を正確かつ予定通りに進めるためです。工事のスケジュールや進捗状況を見える化し、プロジェクトの関係者間で共有することで、関係者がスケジュールを具体的に把握できます。
以下、工程管理の全体像についても解説しています。
関連記事:工程管理とは?建設業で重視される理由・チャート種類・管理方法などを解説
工程表は、お施主様と工事情報を共有するための大切なツール
工程表は、お施主様にとっても必要なものであり、進捗を共有するための大切なツールです。工事の進捗状況を共有し、把握することで、工事の遅れや不利益の発生防止にもつながります。
さらに、工事の進捗状況と照らし合わせながら代金を請求するため、工程表があるとお施主様が支払い計画を立てやすくなります。専門用語はできるだけ控え、お施主様に分かりやすい工程表を作りましょう。
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新築工事の工程表を作成するメリット4選
工程表を作ることで、どのようなメリットが得られるのでしょう。ここでは、4つのメリットを解説します。
1. 納期管理に役立つ
工程表は、納期どおりに工事を終わらせるためには欠かせません。進捗状況を常に把握できるため、納期管理に役立つだけでなく、作業効率の向上にもつながります。マイルストーンを設定するとさらに効果的です。
関連記事:【建設業】工程表にマイルストーンを設定する手順やメリット、注意点を解説
2. コスト削減につながる
工程表を作ることで、作業に無駄な部分や、効率化できる部分を把握しやすくなります。無駄を省きやすくなり、コスト削減につながることもあるでしょう。どの工程で時間と費用が必要になるか、工事の見通しが立てられるため、原価管理にもに役立ちます。人員の配置や、機材や材料の手配を効率的にできる点もメリットといえます。
3. 万が一のトラブル回避や対応ができる
工事の現場では、トラブルやイレギュラーなことが発生する可能性があります。工程表を作ることで全体のスケジュールを把握できるので、トラブルを未然に防ぎ、万が一の場合でも即時に対応できます。
4. お施主様と信頼関係を築くことができる
お施主様と信頼関係を築くことは、工事を円滑に進めるにあたって重要です。工程表を作り、工事進捗を共有することで、お施主様の安心につながります。逆に、工程表の共有がない場合や工程表自体がない場合、不信感を持たせてしまう可能性があります。工程表を共有することで、顧客満足度を担保することが期待できるでしょう。
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新築工事の工程表を作成する手順
作成が難しそうな工程表ですが、手順は意外と簡単です。ここでは、工程表を作成する4つの手順を解説します。
1. 施工する範囲や手順を決める
まずは、工事対象となる施工範囲を確認し、施工内容を決めます。施工内容ごとに、適切かつ具体的な手順を設定することがポイントです。手順を決めるときに、機材や材料、人員の配置まで決めておくとスムーズに作業が進みます。範囲や手順の確認に不備がある場合、思わぬトラブルにつながる可能性もあるため、細かく確認しましょう。
2. 施工する期間を設定する
次に、施工する期間を設定します。それぞれの工事が完了するまでにかかる期間は、短すぎず長すぎない適切な期間がよいでしょう。悪天候や自然災害など、万が一のトラブルに備え、空白期間を設けるのもポイントです。
3. 各工事の配分や調整をする
施工する期間が定まったら、それぞれの工事配分と調整をします。工事が納期までに完了するように、工事の流れを考慮しながら検討します。共通の機械や資材を使うタイミングが被らないよう、工夫をしながら計画を立てましょう。余裕をもった配分になるように心がけることも重要です。
4. 工程表の作成方法と種類を選ぶ
工程表は、さまざまな作成方法と種類があります。作成方法は、施工順に沿って作る順行法や、完工日からさかのぼって作る逆算法などです。種類は、進捗状況を把握するのに適しているガントチャートや、スケジュール管理に向いているバーチャートなどがあります。目的に合った種類を選ぶことで、把握しやすい工程表になるでしょう。
関連記事:工程表5種類の特徴・メリット・デメリットとは|工程表の役割も解説
新築工事で使用する代表的な工程表の種類
工程表にはさまざまな種類があると上記で解説しましたが、ここではさらに詳しく、種類別に解説します。
ガントチャート
ガントチャートとは、作業の進行や進捗状況の把握に適している工程表です。工事計画の全体像が把握できるので、ひと目でタスクやプロジェクトの進捗状況が分かります。タスクをツリー構造で展開できるため、全体の状況を把握し、工程管理がしやすくなることもメリットです。
関連記事:ガントチャート工程表とは|バーチャート工程表との違いや作成方法も解説
バーチャート
バーチャートは、縦軸に作業項目を表示し、横軸に時間を表示する工程表です。工期や進行状況がひと目で把握できます。作成が簡単なことがバーチャートのメリットです。棒グラフのようなデザインで分かりやすいため、建設業界では多く活用されています。
関連記事:バーチャート工程表とは?メリット・デメリットや作成手順について解説!
ネットワーク
ネットワークは、作業工程や工事内容などを、番号や矢印を使って表す工程表です。工事全体のスケジュールを明確化し、スムーズに作業できるので、無駄のない工程管理が可能になります。しかし、ネットワーク工程表は、専門用語やルールを理解しておく必要があるため、作成の難易度が高いことが特徴です。
関連記事:ネットワーク工程表とは?作成方法や知っておきたい用語・ルールも徹底解説
新築工事の工程表を作成する方法
工程表を作成する方法は3つあります。それぞれに特徴やメリットがあるので、目的に合った方法を選びましょう。
方法1. 一から手書きで作る
手書きで工程表を作る方法は、自由にデザインできることがメリットです。紙とペンがあれば作れるため、コストがかかりません。予定変更や更新が少ない少人数の工事に向いています。しかし、紛失の恐れがあるので、電子データで保存しておくと安心です。
方法2. エクセルやワードで作る
エクセルやワードで工程表を作るメリットは、手書きに比べて時間削減になることです。エクセルは、図表や図形を取り入れやすく、テンプレートを使うことで簡単に分かりやすい工程表が作れます。ワードにもテンプレートがあり、手間なく低コストで工程表が作れます。
関連記事:工程表テンプレートのおすすめ5選
この方法は、手書きよりも編集・共有しやすくなることが特徴です。しかし複雑な工程表は、作成者以外がメンテナンスできなくなるという注意点があるので、慎重に扱いましょう。
関連記事:工程表はエクセルで作れる?作成できる工程表の種類や作成方法などを徹底解説!
関連記事:ガントチャートをエクセル(Excel)で作成|メリットや方法を解説
関連記事:工程表をワード(Word)で作成するには|作成の手順やコツ、注意点について解説
方法3. 工程管理ツールで作る
工程管理ツールで工程表を作る方法は、オンラインで作成や管理をしたい人向けです。ツールによっては、複数人で共有・編集ができます。マウス1つで工程表を作れる簡単さが特徴で、変更が多い現場や大人数が関わる工事の場合におすすめです。
新築工事の工程表を作成するポイント
新築工事の現場では、どのような工程表を作るとよいのでしょう。ここでは、お施主様にも分かりやすい工程表作りのポイントを解説します。
関連記事:見やすい工程表を作成するポイント
現場の状況に合った種類の工程表を作る
工程表の種類は、工事内容や目的に合ったものを選ぶことがポイントになります。現場の状況に合わせて、全体の工程表か、期間別の工程表かを見極めることも大切です。目的に沿った工程表を作ることで、必要な情報がひと目で分かります。
担当者の割り振りは明確にする
分かりやすい工程表を作るには、担当者を明確に割り振ることがポイントです。担当者を決めることで、タスクが明確になります。責任者をひと目で認識できることで、現場内での情報共有に役立ちますが、1人の担当者に業務が集中しないように意識しましょう。
ひと目で分かる工程表となるよう心がける
工程表はさまざまな人が見るものなので、誰が見てもひと目で分かるデザインにすることがポイントです。見やすい工程表は、確認ミスの削減にもつながります。行数を抑え、すっきりとした工程表作りを心がけましょう。
新築工事の工程表を作成する際の注意点
工程表を作る際に注意点があります。注意点を意識することで工程表の見やすさが変わるので、参考にしてください。
色を多用しない
工程表に色を多用すると見にくくなります。カラフルになりすぎないよう、使用する色は3色程度にしましょう。重要な部分の色を変えたり、完了した工程の色を揃えたり、ポイントに絞って色分けすると見やすくなります。
専門用語は控える
工程表は、工事関係者だけでなくお施主様も見ます。お施主様も内容が理解できるように、工事関係者しか分からない専門用語は多用しない配慮が必要です。工事内容をスムーズに共有するためにも、伝わりやすい工程表を作りましょう。
まとめ
新築工事の工程表は、お施主様でも理解できるデザインで作成することが重要です。誰が見ても分かりやすい工程表を作ることで、思わぬトラブルの防止にもつながります。簡単に作成できる工程管理ツールを導入すれば、管理や共有が楽になるのでおすすめです。
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