週間工程表とは、1週間または2週間分の期間にフォーカスして作成された工程表です。短期の工事であれば、週間工程表のみで対応可能です。また、長期の工事でも、期間ごとの工程表があれば円滑な工程管理につながります。この記事では、週間工程表の記入項目や作成手順、意識するべきポイントや作成手段について解説します。
表計算ソフトによる工程表の作成・修正に時間がかかる、最新の工程表が共有されず社内の案件進捗状況がわからない、などを解決する「ANDPAD工程表機能」について下記で詳しくご紹介しています。
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週間工程表とは?
週間工程表とは、1週間または2週間単位の工程表です。短期間の工事における工程管理なら、週間工程表のみで事足ります。一方、長期の工事でも、全体工程表とは別に週間工程表が用意されるケースは少なくありません。週間工程表には詳細に指示やスケジュールなどを書き込めるため、全体工程表ではフォローできない部分まで厳密に管理できます。
月単位で工程を管理する「月間工程表」について、以下で詳しく解説しています。
関連記事:【建設業】月間工程表のテンプレート3選!種類や見やすい表のポイントを解説
週間工程表を作成する目的
週間工程表を作成する目的は、綿密にスケジュールを決めて円滑に工事を進めることです。工事では複数の工程を同時並行で進めます。数々の工程を詳細に把握できる週間工程表なら、スケジュールを設定しやすく、作業の抜け・漏れを防ぐことも可能です。
スケジュールを決めやすくなると、材料や機材の調整、業者を手配する段取りもスムーズになり、工事全体が効率化します。
以下、工程管理の全体像についても解説しています。
関連記事:工程管理とは?建設業で重視される理由・チャート種類・管理方法などを解説
週間工程表に記入する項目
週間工程表に記入する項目は、工事名・業者名・予定・日付・全休日などです。記入内容の詳細を解説します。
工事名
週間工程表がどの工事の内容か分かるように、工事名を記入します。工事名がなければ作業員が混乱し、工程表の保存先も分かりません。また、作成者の名前も記入しておくと、不明点があった際に確認しやすくなります。
業者名
業者名を入れる目的は、工事の場所や内容などを把握しやすくするためです。業者名を調べ直す手間がなくなれば管理の負担が減り、バッティングのリスクも抑えられます。
予定
工事の内容や作業の手順など、期間内の予定も工程表に記入してください。詳細な予定が分かれば準備や段取りがスムーズになり、効率よく工事を進められます。
日付
現場の作業員が工事や作業の内容を確認できても、日付の記載がなければ実行に移せません。日付の間違いや記入漏れなどはトラブルの原因になるため、注意して書き込みましょう。
全休日
工事が一切ない全休日も、予定表に記入してください。間違って全休日にまで作業を入れてしまうと、スケジュールを調整し直す必要に迫られます。稼働日と全休日で表示する色を変えると、情報を視覚的に分かりやすく整理できます。
週間工程表の作成手順
工事の納期を守るには、期間ごとに区切って着実に工事を進める必要があります。週間工程表の作成手順を解説します。
1. 予定を洗い出す
週間工程表で設定する期間ごとに、済ませておきたい予定を洗い出しましょう。月間工程表など、より規模の大きい工程表を参考にすると漏れがなくなります。大きい工程表から特定の期間を切り出して、細部の詳細を明確にしたうえで週間工程表に落とし込むイメージです。大きい工程表では煩雑になるため書き込めなかった内容も、週間工程表なら詳細に記載できます。このとき、あわせてマイルストーンを設定することで作業の抜け漏れや進捗状況を正確に把握することができます。
関連記事:【建設業】工程表にマイルストーンを設定する手順やメリット、注意点を解説
2. 必要日数を設定する
工事や作業内容が決まれば、それぞれに必要な日数を予想して設定します。ギリギリで終わる日数で設定せず、余裕を持って終えられる日数を確保しましょう。
作業員の欠員や悪天候による影響などを受けて、予定どおりに工事が進まない可能性もあります。作業員の経験値でも、要する日数は変わってきます。注意していても、工事で使う機器がバッティングしていたというミスが起きるかもしれません。
多少のトラブルなら数日の余裕を持たせていればリカバリーでき、全体の予定を見直さずに済むでしょう。
3. 業者や人数の振り分けをする
予定している工程に対して、対応する業者や人数を設定します。関係者が多すぎると人件費がかかりすぎます。ただし、人件費を削りすぎると進捗に影響が出るため、適切に振り分けることが大切です。週間工程表を作成する過程で、作業員ごとの負荷が可視化されます。特定の作業員に負担がかかっていれば調整しましょう。
4. 作成方法を決める
予定ごとの必要日数を決め、工程ごとの業者や人数を決めたら、いよいよ週間工程表の作成に移ります。週間工程表の代表的な作成方法には、専用のシステムやツール、エクセルなどが挙げられます。
作成した週間工程表を共有・配布するためには、何かしらの媒体に落とし込まなくてはいけません。専用のシステムやツールなら、作成から共有・配布までスムーズに進められます。
週間工程表を作成する際のポイント
週間工程表の作成に関するポイントを解説します。現場の作業員だけではなく、関係者全員に伝わりやすい週間工程表を作成しましょう。
以下、見やすい工程表を作成するポイントについても解説しています。
関連記事:見やすい工程表を作成するポイントとは?作成時の注意点やおすすめツールも紹介
分かりやすいデザインや内容にする
週間工程表は複数の人が見るため、経験や知識に関係なく理解できるようにデザインや内容を見直してください。分かりにくい部分があると、説明する手間が発生して時間のロスにつながったり、ミスが発生したりする恐れがあります。
発注者や現場に配属されたばかりの新人など、専門的な知識を持たない人が週間工程表を確認する場合もあります。専門的な言葉は避け、理解しやすい表現で週間工程表を作成しましょう。
各作業の担当者を明確にする
週間工程表各作業の担当者を明確にすると、各自が取り組む作業が分かりやすくなります。ほかの人の作業に取りかかってしまった、情報共有する相手が分からなかった、というミスや時間のロスを防げると作業の効率化が可能です。また、遅れが見られる作業の担当者が分かれば、作業員同士がフォローし合ってスケジュールを守れます。
管理や共有に関するルールを策定する
週間工程表の管理や共有に関するルールを決めておくと、スムーズに運用できます。週間工程表のファイルを消去してしまった、誤った内容を入力したなど、想定されるトラブルへの対処法も考えておくと、万一のときに速やかに動けて被害を最小限に食い止められます。
リスクを未然に防ぐために、週間工程表に編集権限を設定する、ファイルのバックアップを取っておくといった対策も重要です。
協力会社との兼ね合いも意識する
複数の協力会社が関わって取り組む場合も多いため、自社で作成した週間工程管理表をもとに協力会社とすり合わせをしてください。自社の都合だけではなく、関係者の都合も考慮してスケジュールや作業内容を決めましょう。すり合わせ後内容を調整して、週間工程表を完成させます。
週間工程表を作る方法
週間工程表を作る主な方法を3種類紹介します。メリットやデメリットを含めて解説するので、自社に合う方法を選びましょう。
国土交通省のテンプレート
国土交通省中部地方整備局が公開する「月間工程表・週間工程表」を活用すると、テンプレートを作成する手間を省いて工程表の作成に着手できます。ただし、テンプレートが合わなければ、使いにくく感じる場合もあります。国土交通省のテンプレートは、以下からダウンロード可能です。
参考:官庁営繕の工事書類様式【簡素化】|国土交通省 中部地方整備局
以下では、おすすめの工程表テンプレートを5つ紹介しています。
関連記事:工程表テンプレートのおすすめ5選
エクセル
多くの企業で導入されているエクセルでも週間工程表を作成できます。エクセルを使うと特定のテンプレートに縛られずに、自由にデザインを決めて目的や用途に沿った週間工程表を作成できます。数式や関数を用いれば一定の自動化も可能です。
ただし、分かりやすい週間工程表を作成するためには、エクセルに関する一定の技術が必要です。また、テンプレートの作成から始めるとなると、使用し始めるまでに手間がかかる点にも注意してください。
以下、エクセルで工程表を作成する方法について、詳しく解説しています。
関連記事:工程表はエクセルで作れる?作成できる工程表の種類や作成方法などを徹底解説!
専用のシステムやツール
建築・建設業界専用のシステムやツールには、週間工程表を作成できる機能が備わっているものもあります。便利な機能を活用すると、週間工程表の作成や修正を効率よく進められます。スマートフォンやタブレットから週間工程表を確認できるものを選ぶと、関係者への共有・配布もスムーズです。
ただし、専用のシステムやツールの導入、維持にはコストがかかるので、自社に合うものを慎重に選定しましょう。
まとめ
週間工程表とは、1週間または2週間単位で作成された工程表です。長期の工事でも、週間工程表を作成すると円滑にスケジュールを管理でき、納期遅延を防げます。専門用語を省き、関係者の都合も考慮して分かりやすい週間工程表を作成しましょう。分かりやすい工程表を速やかに作成するには、建築・建設業界専用のシステムやツールがおすすめです。
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