請求書処理は手間がかかる業務であり、多くの企業で改善の余地があります。請求書処理業務の効率化には、業務フローの理解とシステム化が必要です。この記事では、請求書処理の流れや受領から支払い、保管までのポイントなどを解説します。ぜひ参考にしてください。
請求書の受領・管理について、以下の記事で全体像を解説しています。ぜひご覧ください。
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請求書業務の流れ
請求書処理は、さまざまな部署と関わる業務です。業務効率化を図るためにも、流れを理解しておくことが求められます。ここでは、請求書処理の主な流れを解説します。
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請求書の受領
支払いが必要な請求書を取引先から受領します。受領方法は郵送、電子メール、専用サイトからのダウンロードなどさまざまです。主に顧客接触担当者が受領し、経理部門担当者に受け渡しますが、郵送で受け取った際には、封を開ける作業も必要です。開封前に宛先を確認し、自分または自部署宛であるかを確認し、誤配を防ぐことがポイントといえるでしょう。
請求内容の確認
請求書の受領後は、内容を確認し誤りや不明点がないかを確認します。主な確認項目は、以下の通りです。
宛名、発行者名、発行日の正誤
取引年月日、取引内容、金額の一致
消費税の計算、適用税率の適切性
支払期限、振込口座、振込手数料の変更
添付資料と請求書の整合性
インボイス制度の対応や繰越金記載の請求書は、経理部門との情報共有が重要です。
支払依頼書の作成
請求書の内容に問題がなければ、支払依頼書を作成します。支払依頼書とは、請求書に記載された買掛金の支払いについて、経理部門に承認を求める書類です。請求書とは異なり、書類は社内の承認プロセス用であり、取引先から提供されたものではありません。承認者が支払いの妥当性を確認しやすくするために、「納品書」や「購入発注書」を添付するとよいでしょう。
取引内容の記帳
経理部門の担当者は、会計システムを使い請求書の項目を帳簿に記載します。複数の振込をまとめる場合は、ファームバンキング(FB)を使うと便利です。エクセル(Excel)で、全国銀行協会(全銀協)のフォーマットに沿ったFBデータを作成します。記入者と確認者を分けることで、記入ミスの防止につながります。
支払承認の受領
支払依頼書を提出し上長からの承認を受けたら、期限内に支払いを実行します。内部不正防止のために、記帳担当者とは異なる担当者が支払うことが望ましいでしょう。経理部門の人材が不足している場合は、同じ担当者が支払うケースもあります。
支払実行時には、承認済みや指定された支払い方法、金額の正確性の確認が重要です。支払証明や振込明細を取得しておけば、万が一のトラブルも回避できます。
支払消込
請求書の支払いが完了したら、会計システムで買掛金や未払金の残高と突き合わせを行い、消し込みをします。この作業を支払消込と呼びます。支払消込のミスは、残高管理に影響するため、以下の2つに注意が必要です。
支払い処理が完了したあとは、速やかに消し込みを実施する
支払管理表を作成し、銀行記録と自社記録の一致を確認する
請求書原本の保管
支払完了後の請求書は、必ず原本を保管しましょう。請求書の保管期間は、法律で7年間と定められています。保管期間の開始日は「発行日」や「受領日」ではなく、法人の場合は「事業年度の確定申告書提出期限の翌日から7年間」となるため、注意が必要です。正しい起算点を理解しておくことが求められます。
請求書処理における注意点
請求書処理に関する課題を整理しておくことも、必要です。以下では、請求書処理でよくある注意点を解説します。
請求書の取りまとめに手間がかかる
請求書が、紙、FAX、電子データ、Web請求書など多様な形式で届くことが、経理業務の効率化が進まない要因となっています。異なるフォーマットの請求書の取りまとめには、手間と負担がかかるため、大きな課題です。取引先ごとの支払い日や支払い方法の整理にも、時間がかかるでしょう。また、紙の請求書処理は紛失リスクが高まるため、注意が必要です。
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紙と電子データ別に管理が必要
2022年1月に電子帳簿保存法が改正されました。電子データで受け取った請求書は、特定の条件を除き、電子データの原本として保管することが義務化されています。電子データで交付された請求書を印刷して、紙で保管することは認められていません。
相手がペーパーレス化が進んでいない企業の場合、自社で電子データ化してから処理するため、紙と電子データの原本を二重に保管する手間が発生する恐れがあります。
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承認フローに時間がかかる
従来の請求書処理では、支払依頼書を発行し、各部門の上長から承認を得る必要がありました。承認業務は記載ミスや不正防止が目的ですが、紙で管理している場合は、担当者不在で時間がかかるケースもあり、承認プロセスに時間がかかります。
また、リモートワークでは、承認のために出社する必要があり効率的ではありません。ペーパーレス化し、電子署名を用いることで承認プロセスの効率化が可能です。
ミスによる未払いが発生する
請求書処理のフローが複雑な場合、手作業による金額計算や入力のミスが発生する恐れがあり、未払いのリスクも高まります。従来の処理には、確認作業、支払依頼書の作成、仕訳、入力作業が含まれます。大量の請求書処理で、ヒューマンエラーのリスクが高まるため注意が必要です。ミスが発生すると、取引先との信用問題に発展することもあります。
請求書処理における効率化のポイント
請求書処理を効率化するポイントはいくつかあります。以下で、主なポイントを2つ解説します。
業務プロセスの自動化
請求書処理の自動化を進めることで、作業効率の向上が期待できます。以下の観点から、自動化の可能性を検討することが重要です。
開封作業を省略できないか
紙の請求書を電子請求書に変更できないか
OCR技術を活用できないか
手作業での計算を排除できないか
自動化できる作業を洗い出し実行することで、担当者の負担軽減につながります。人的・時間的コスト、計算ミスで起こるヒューマンエラー、担当者の精神的負担などの軽減も可能です。
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請求書管理システムの活用
請求書管理システムは、請求書の受領や保管を効率化するサービスです。自動化やペーパーレス化を進めることで、入力作業の負担を軽減しヒューマンエラーを低減させます。主なメリットは以下の通りです。
関連作業の自動化で業務効率化
リモートワークの推進
人的ミスの削減
クラウド型サービスは随時アップデートされ、法改正に自動対応
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請求書処理でよくある悩みはさまざまです。
受領請求書を現場ごとに仕分けることが困難
査定・承認申請のため事務所に戻って確認作業が必要
事務所にいなければ承認作業ができない
すべての査定結果を基幹/会計システムに手作業で入力しなければならない
電子帳簿保存法への対応が必要
膨大な請求書を紙で保管する場所が必要
書類の検索も困難
また、一般的な請求管理システムの導入を検討する中で、新たな悩みも出てくるでしょう。特に建設業では、特有の要件で対応が難しいこともあります。
請求書の工事現場ごとの振り分け
注文・工種との紐づけ
出来高査定
立て替え経費などの相殺
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まとめ
請求書処理では、インボイス制度や電子帳簿保存法の影響で業務効率化が急務です。支払い処理は正確性と期限厳守が求められます。日々の業務に慣れると気づきづらいですが、請求書処理の負担が大きい場合は効率化を検討しましょう。
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