近年、請求書の電子化は「手間を減らす」だけでなく、企業のコンプライアンス維持とコスト削減に不可欠な経営戦略となりました。紙の印刷・郵送コストを削減し、2024年1月からの電子帳簿保存法(電帳法)にも確実に対応できるのが、電子請求書の最大の強みです。
本記事では、「電子化って何をすればいいの?」「紙と電子が混在したらどうなる?」といった具体的な疑問を解消するため、電子化の概要から導入手順までを詳しく解説します。
なお、以下の記事では、請求書を電子化した際の受領側の視点から、サービスを選ぶポイントや導入メリットについて、紹介しています。
関連記事:請求書受領サービスとは?6つの比較ポイント、5つの導入メリットまで徹底解説!
請求書の電子化とは?

請求書は、電子化する場合に遵守すべき法律があります。努力義務ではないため、違反した場合には以下の罰則が生じます。
そのため、これから請求書を電子化することを検討している企業は、電子請求書について覚えておくべき事項について、確認していきましょう。
電子請求書の定義
電子請求書とは、従来の紙ではなく、PDFやデータ形式で発行や受領、保管される請求書全般を指します。
電子帳簿保存法の改正により、2024年1月1日以降、電子取引データは電子のまま保存が原則となりました。これにより、以前まで認められていた「電子データで受け取った請求書を紙に印刷して保存する」という措置は廃止されています。
電子請求書に該当するものは、以下のとおりです。
- 電子メールに添付されたPDF
- ECサイトからダウンロードした領収書
- クラウドサービス上で発行や受領する取引データ
これらはすべて、法律上の電子取引にあたります。
なお、単に紙の請求書をスキャンしてPDF化する行為は、電子帳簿保存法における「スキャナ保存」という別の扱いになります。
電子取引データは、受け取った時点で電子形式であるため、法律が求める改ざん防止措置と検索機能を満たした状態で保存しなければなりません。
また、インボイス制度(適格請求書等保存方式)に対応した形式で電子請求書を管理することで、仕入税額控除の適用をスムーズに受けることが可能です。
電子請求書の種類
電子請求書は、システム型とメール型、ダウンロード型の3種類にわかれます。以下で、それぞれの特徴を解説します。
- システム型
- メール型
- ダウンロード型
システム型の電子請求書は、作成や発行、クライアントへの交付といった業務を一貫して行えます。すべての作業がクラウド上で完結するため、時間や場所を選びません。請求書周りの業務を一元管理できるため、経理業務もスムーズに進みます。
メール型の電子請求書は、WordやExcelで作成した請求書のことです。システム型と似ていますが、メール型の場合は、紙で印刷した請求書がベースとなります。スキャナで請求書データを取り込みPDF化し、その後、メール添付で送付することで送受信を行います。この際、誤送信や情報漏洩に注意してください。
ダウンロード型の電子請求書は、オンライン上で請求書を作成し、クライアントへ共有するシステムです。ダウンロード型の場合、クライアント側でソフトをダウンロードしてもらう必要があります。一定の期間がすぎるとダウンロードできなくなるため、リマインドしなければならない点がデメリットです。
なぜ今、請求書を電子化しないといけないのか
現在、多くの企業や個人事業主が請求書の電子化を急速に進めているのには、主に以下4つの理由があります。
- 法律対応が必須になったため
- 紙運用のままだと手間とコストが増え続けるため
- 取引先から電子化への対応が求められるケースが増えているため
- 脱紙や効率化が業界全体の前提になりつつあるため
次で詳しくみていきましょう。
法律対応が必須になったため
2024年1月1日以降、電子帳簿保存法の改正により、電子取引データは電子のまま保存することが完全義務化されました。紙に印刷して保管する従来の運用では、税務調査時に認められないリスクが生じます。
また2023年10月からのインボイス制度の本格運用により、請求書に記載すべき項目や管理の手間が増加しているのが実状です。
インボイス制度における仕入税額控除の適用を受けるためには、法定事項が記載された請求書の保存が必須ですが、紙運用のままでは、管理が煩雑になり紛失の恐れがあります。
しかし請求書を電子化することで、法要件を満たしつつ、紛失などのリスクを回避できるのです。
紙運用のままだと手間とコストが増え続けるため
紙ベースの請求書の発行や受領を続けることは、企業の利益を圧迫する直接的な要因となります。
紙の運用は、印刷代や封筒代、そして昨今の郵便料金の値上げによって経費負担が重くなっています。さらに手作業による封入や投函、保管や検索にかかる時間的コストも見落としてはならない点です。
少子高齢化が進み労働力不足が深刻化する中で、非効率なアナログ作業に貴重な人的リソースを割くことは、大きな経営リスクとなりえます。
電子化によってコストも削減することで、浮いたリソースを売上アップや分析業務などのコア業務に投資できるため、最終的に企業の成長につながるでしょう。
取引先から電子化への対応が求められるケースが増えているため
近年では、自社だけでなく取引先も業務効率化や法対応を進めているため、請求書の電子送付や受領を求める要望が急増しており、これに対応できないことがビジネスの障壁になりつつあります。
電子化は、発行側と受領側の双方がデジタル化してはじめて、最大の効率化効果を発揮します。取引先が会計システムへの自動取り込みや完全ペーパーレス化を進めている場合、紙の請求書は処理しづらい書類と捉えられ、取引効率が低下する可能性があるでしょう。
またコロナ禍以降、急激にテレワークなどの多様な働き方が増えたため、会社にいなければ確認できない紙の請求書では、業務が滞るケースもあります。
ゆえに、柔軟に対応できるデジタル基盤を整えることが、良好な取引関係の維持に有効といえるでしょう。
脱紙や効率化が業界全体の前提になりつつあるため
DXやSDGsの観点から、紙を前提とした業務プロセス自体が見直されており、電子化は業界全体の標準になりつつあります。
たとえば、労働人口の減少に伴い、企業は「デジタル技術を活用して生産性を上げること」が存続の前提となっており、そのために必要な業務スピードと情報共有の正確性が求められています。
また環境保護の観点からペーパーレス化を推進することは、企業の社会的責任としても重要視されているため、請求書の電子化が急速に進んでいるのです。
これらのことから、今のうちから計画的に電子化へ移行しておかないと中長期的に業務コストや取引先対応の面で不利になるという危機感を持ち、早期にデジタル化に着手することが、企業の競争力維持のためには重要です。
請求書を電子化しない場合に起こり得るバックオフィスの課題
ここでは請求書の電子化を行わず、従来のアナログな運用や不完全なデジタル化を続けた場合に、経理部門などのバックオフィスが直面する具体的な課題についてご紹介します。
郵送作業に手間と時間がかかる
紙の請求書を発行し続けることは、経理担当者の業務負担増の要因となります。
請求書はデータを作成した後、印刷して押印、封筒にいれて投函まで一連の作業が必要です。そのため、どうしても人員が必要となってしまい、テレワークが普及する中でも、請求書発行のためだけに出社を余儀なくされる状況が当たり前でした。
さらに月末月初に集中するこれらの作業は、経理担当者全員が数時間かけて行うケースも珍しくありません。そして用紙代やインク代、封筒代、そして値上げが続く切手代といったコストもかさみます。
これらの手作業や物理的なコストは、一見すると小さな負担に見えますが、毎月繰り返されることで、経理部門全体の生産性を大きく低下させる要因となってしまいます。
このような状況を抜本的に改善するためには、請求書の発行プロセスそのものを見直す必要があるでしょう。
PDF送付でも作業にばらつきが出る
「紙をやめてPDFをメールで送るようにしたから大丈夫」という認識は危険です。
専用システムを使わず、個人のメールソフトでPDF請求書を送るだけの簡易的な電子化では、担当者ごとに作業品質にばらつきが生じ、ミスやセキュリティ事故のリスクが高まります。
なぜなら、ファイル名の付け方やパスワード設定の有無、保存場所のルールなどが個人の判断に依存しやすく、組織として統一管理することが難しいためです。
メール添付運用を続ける場合でも、ファイル名の規則や送付手順のマニュアル化を徹底するなど、統一したルールの規定が必要になるでしょう。
請求書の保管・管理が統一されない
紙と電子データが混在していたり、保存場所が分散していたりすると、過去の書類を探し出すのに、多大な手間と時間がかかります。
たとえば、過去の取引内容を確認したい時に、ファイルを探しにいったり、退職した担当者のPC内にデータが残ったまま見つからなかったりするケースも考えられるでしょう。
これにより、過去の請求内容の確認漏れによる二重支払いなどのリスクがあります。
保管場所をクラウドなどの一箇所に集約し、紙もスキャンして電子データとして一元管理する体制を整えることが、トラブル回避につながります。
支払いや入金確認に時間がかかる
アナログな請求書運用を続けると、発行から受領、そして入金確認までのリードタイムが長期化し、正確なキャッシュフローの把握が遅れる原因となります。
郵送による配送日数に加え、受領側での開封や入力作業、発行側での入金データの照合作業など、多くの非効率なステップが存在します。
具体的な問題として、紙の請求書が郵便事情で遅れ、支払い期限ギリギリに届くケースや、銀行振込された金額と請求額を目視で突き合わせる消込作業に時間がかかり、月次決算の確定が遅れるといった事態が発生します。
こうした課題に対しは、請求データをシステム連携させ、銀行データと自動で照合する入金消込の仕組みが有効です。自動化を図ることで、月次決算の早期化と資金繰りの透明化を実現できます。
社内や取引先とのやりとりが煩雑
請求書のステータスが可視化されていないと、確認のためのコミュニケーションコストが増大し、本来注力すべきコア業務を圧迫します。
とくに、「あの請求書は送ったか?」「まだ届いていない」といったやりとりが電話やメール、チャットで散発的に行われると、情報が分散しトラブルに発展しかねません。
たとえば、営業担当者からの進捗確認によって経理担当者の作業が中断されたり、取引先からの問い合わせや再発行手続きに追われたりする状況です。また、社内の承認フローにおいても、誰の手元で処理が止まっているのかがわからず、全体の作業が停滞する原因となります。
これらの問題を解消するには、ステータスが一目でわかるワークフローシステムや、請求書発行システムの導入が必須といえるでしょう。
紙と電子が混在して管理が複雑になる
請求書の電子化を進める移行期や、一部の取引先が紙での発行・受領を希望する場合、紙と電子データの二重管理が発生し、業務が煩雑になるリスクがあります。
受領形式によって処理フローや保存方法を使い分ける必要があり、これがミスを誘発する最大の原因です。具体的には、管理台帳への記録漏れや、電子取引データの誤った保存といった法令違反のリスクも生じます。
「A社は紙で郵送、B社はPDFをメール、C社は専用システム」といったようにバラバラに対応していると、担当者が混乱し、同じ請求書が重複して届き二重払いしてしまうリスクも高まります。
この混乱を防ぐためには、社内のプロセスをデジタルに統一する運用フローの構築が不可欠です。
請求書を電子化するメリット
電子請求書は、送付する側と受領する側、どちらの立場からみてもメリットがあります。ここでは電子請求書のメリットを、立場別に解説します。
送付側のメリット
電子請求書をクライアントへ送付するメリットは、以下の3つです。
- セキュリティが強化される
- コストを削減できる
- 業務効率化につながる
紙の請求書には、紛失のリスクがあります。クライアントから「届いていない」と言われ、書類が行方不明になることもあります。コストを抑えられるメリットもあり、1ヶ月あたり100通の請求書を発行する場合、1通あたり110円(50g以内)の郵送費がかかります。請求書を電子化することで、この費用が抑えられます。
また、電子請求書であれば書類のために出社する必要はありません。管理にかかる工数も削減できます。
また請求書の発行業務は、慣れないと合っているのか不安に思う方もいるでしょう。たとえば契約書や領収書には印紙を貼るのに、同じように金額の記載のある請求書にはなぜ印紙を貼っていないのか、疑問に思ったことはありませんか。
以下の記事では、なぜ請求書には印紙が不要なのかを詳しく解説しています。
関連記事:請求書に収入印紙は原則不要?必要なケースや注意点・金額・貼り方を解説
受領側のメリット
電子請求書を受領する側のメリットは、以下の3つです。
- 保存スペースが不要である
- 請求書発行日に受領可能である
- 管理しやすい
電子であれば、パソコン1台で保存できて省スペースです。また、郵送は届くまでに、時間がかかってしまいます。電子請求書であれば、即時受け取りが可能です。タイトルに、取引年月日・取引金額・取引先名を記載すると、一覧で管理できます。
とはいえ、請求書の締め日を過ぎても、なかなか提出してくれないという協力会社もあるでしょう。そのような時は、以下の記事を参考に対応してみてください。
関連記事:【例文あり】請求書の催促メールの書き方とは?対処法や5つの催促ポイントも解説
請求書を電子化するデメリット
一方で、電子請求書を導入することは、送付と受領、双方の立場においてデメリットもあります。
送付側のデメリット
電子請求書を送付する側にも、以下のようなデメリットがあります。
- 紙を希望するクライアントもいる
- 導入コストがかかる
- フローを見直す必要がある
すべてのクライアントが、電子請求書に対応しているわけではありません。さまざまな理由で、これまで通り、紙を希望するクライアントもいるでしょう。このようなクライアントには、個別で対応しなければなりません。システムの導入直後にはコストがかかり、フローの見直しも必要です。これまで紙の請求書を使用していた場合は、一時的に大幅な変更が発生する恐れがあります。
受領側のデメリット
電子請求書を受領側に想定されるデメリットは、導入コストがかかることです。送付する側と同様に、受領する側も導入コストがかかるケースがあります。また、ランニングコストもかかり、経費を極力かけたくない場合は不向きです。しかし、メール型のシステムであれば、コストを最低限に抑えられるかもしれません。
【手順】請求書を電子化するロードマップ

ツールの導入が失敗したという事態にならないように、実際に請求書の電子化を成功させるための具体的なステップをご紹介します。
- 現在の請求業務フローを整理する
- 電子化する範囲と方法を決める
- 取引先へ電子化の案内を行う
- 社内で保管ルールとファイル名ルールを統一する
- 運用をスタートして月次で改善を重ねる
1.現在の請求業務フローを整理する
電子化の第一歩は、現在の請求業務を正確に把握し、可視化することからはじめます。
現状を把握せずにシステム導入を進めても、費用対効果が算出できず、どの業務を優先的に電子化すべきかの判断がつきません。また、作業が遅れる原因となる部分を特定しないままシステムを導入しても、現場の混乱を招くだけに終わってしまうリスクがあります。
現状把握のためには、まずは以下の要素を詳細に洗い出し、数値をリスト化しましょう。
- 月間発行数と受領数
- 郵送とメールの割合
- 発行作業にかかっている人員と時間、コスト
次に、取引先ごとに紙での受領が必須か、PDFでも可能かといった条件を整理したリストを作成します。
そして、請求書業務のフローチャートを作成し、どこで手作業が発生しているか、どこで承認が滞りやすいかを視覚的に把握しておくと、後のシステム選定がスムーズになるでしょう。
2.電子化する範囲と方法を決める
次に、電子化を発行業務と受領業務のどちらから着手するか、またメール添付とシステム導入のどちらの手法を採用するかを決定します。
一般的に、相手先の環境に依存せず、自社だけでコントロールしやすい発行業務からのシステム化がスムーズに進められます。
導入にあたっては、いきなり全社一斉導入するのではなく、特定の部署や取引先からスモールスタートし、徐々に適用範囲を広げる段階的な計画を立てます。
また、紙を希望する取引先には、システムの郵送代行機能を活用するといった方針も決めましょう。
システム選定の基準として、インボイス制度や電子帳簿保存法に確実に対応するためには、「JIIMA認証」を取得している専用のクラウドシステムの利用が安全です。法規制への対応漏れを防ぐためにも、システム選定は慎重に行いましょう。
3.取引先へ電子化の案内を行う
システムが稼働する2〜3ヶ月前には、取引先へ「請求書電子化のお知らせ」を送付し、同意を得るプロセスを開始しましょう。
電子化は相手側の経理処理の変更をお願いすることになるため、事前の丁寧な周知と準備期間の確保が不可欠です。予告なしにいきなり切り替えると、トラブルに発展する可能性があります。
案内文には、電子化の開始時期や送付元のメールアドレス、受領方法を明確に記載しましょう。さらに、請求書の紛失リスクがなくなるといった、取引先にもたらされるメリットも伝えることで、協力を得やすくなります。
紙での受領を希望する取引先に対しては、システム上の郵送代行オプションなどを利用する柔軟な対応策を用意しておくことが、スムーズに移行を進めるための大事なポイントです。
4.社内で保管ルールとファイル名ルールを統一する
電子帳簿保存法の要件を満たすため、保管やファイル名に関するルールを定めた社内マニュアルを策定します。
運用ルールが曖昧だと、法律が求める検索機能要件を満たせず、税務調査で指摘を受けるリスクがあります。
具体的には、ファイル名は「20241031_株式会社A_11000.pdf」のように統一し、保存先は特定のクラウドストレージの指定フォルダにする、といった規定を策定し、全従業員に周知徹底します。
5.運用をスタートして月次で改善を重ねる
運用開始直後は、予期せぬトラブルや問い合わせが発生しやすいです。
社内の問い合わせ対応体制を整えつつ、まずは紙と電子の並行稼働期間を設け、徐々に完全移行を目指すのが現実的でしょう。
最初の1ヶ月はテスト期間として、一部の取引先のみで実施し、問題点を洗い出します。この期間中は、KPI(電子化率、作業時間の削減量、コスト削減額)を毎月モニタリングし、「電子化率が低い原因は何か?」を分析して改善策を打ち続けます。
とくに電子化できた割合や削減できた時間を社内で共有し、業務が楽になったという実感を持たせることが重要です。
電子請求書の送付方法
電子請求書を送付する方法は、大きく3つにわかれます。ここでは、それぞれの方法について解説するため、参考にしてください。
システム上で送付
システムで請求書を送付できる場合は、システム上で完結できます。しかし、送付方法はサービスによってさまざまです。他サービスと連携することで送付可能なシステムもあるため、システムによって利便性にも差があります。
メールで送付
特別なフローを必要としない方法として、メールでの送付も可能です。請求書をPDF化し、メールに添付するだけで完了するため、手軽な導入方法といえます。しかし、メールは一度送付してしまうと、取り消せません。送付する相手や金額を間違えないように、注意することが重要です。
チャットツールで送付
クライアントとのやりとりをチャットツールで行っている場合は、ツール上で請求書を送付できます。送信取り消しや送信履歴の確認、ファイル管理も容易です。
電子請求書システムを選ぶポイント
自社に最適な電子請求書システムを選定する際に、確認すべき5つの基準についてご紹介します。
システム選びで失敗しないためには、単なるコスト比較だけでなく、以下のポイントも確認しておきましょう。
- インボイス制度へ対応できるか
- 郵送に対応できるか
- 郵送に対応できるか
- 他システムとの連携はできるか
- セキュリティ対策は万全か
インボイス制度へ対応できるか
導入するシステムが、適格請求書(インボイス)の発行要件を満たしているかは必ず確認しましょう。
インボイス制度に対応していない請求書を発行してしまうと、取引先が仕入税額控除を受けられなくなり、最悪の場合、取引停止等のリスクを招く恐れがあります。
必要項目への対応として、インボイス制度に沿った請求書フォーマットを標準搭載しているか、必要な記載項目に対応しているかを確認します。
また、自動処理機能が搭載されているかも重要です。登録番号や税率をシステム上で管理し、軽減税率や消費税処理が自動処理できる機能が、計算ミスを防ぐ重要なポイントです。
また、受領側も、インボイス要件を自動判定し、不備がある場合にアラートを出せる機能があれば、経理処理の手間が大幅に削減できるでしょう。
郵送に対応できるか
電子化プロジェクトを進めても、一部の取引先からはどうしても紙での郵送を求められる可能性があります。そのため「郵送代行機能」を持ったシステムを選ぶことが、業務効率化を進める上で非常に重要です。
100%電子化は理想ですが、現実には取引先の事情で紙が残るケースが多いのが実状です。
郵送機能がないシステムだと、紙の請求書だけを手作業で印刷・封入することになり、かえって管理が煩雑になってしまいます。
この機能があれば、取引先が電子化に未対応の場合でも紙の郵送をシステムから代行できます。また、郵送代行を依頼した場合、印刷や発送、到着といった進捗ステータスがシステム上で確認できるかどうかも重要です。
法改正に対応できるか
請求書業務に関わる法律は、電子帳簿保存法やインボイス制度のように常に変化し続けます。法改正のたびに出るコストや手間を避けるため、追加費用なしで機能が自動アップデートされるクラウド型のシステムを選ぶのが賢明です。
パッケージ型ソフトや自社開発システムを使っていると、改正のたびに高額な改修コストや再インストールの手間が発生し、経理担当者の負担は膨大になってしまいます。
これに対し、クラウド型なら、電帳法やインボイス制度の改正といった環境変化に合わせて、機能が自動で更新されます。これにより、常に最新の法令に準拠した状態で、安心してシステムを使い続けられるのです。
他システムとの連携はできるか
現在社内で使用している販売管理システムや、会計ソフトとスムーズにデータ連携できるかどうかが、会社全体のデジタル化がうまくいくかどうかを決めると言っても過言ではありません。
請求書システムが独立していると、請求データを手入力し直したり、仕訳データを手動で打ち込んだりする転記作業が発生してしまいます。これは、入力ミスや余計な手間を生む最大の原因です。
理想的なフローは、販売管理システムで確定した売上データをそのまま請求書システムに流し込み、発行後は会計ソフトへ売掛金仕訳として自動で連携させることです。
そのため、API連携でボタンひとつでデータ同期ができるか、あるいはCSVファイルで一括取り込みが可能かを確認しましょう。
自社の既存システムとの連携実績が豊富なシステムを選定することで、部門や支店ごとのデータ統合もスムーズに進められます。
セキュリティ対策は万全か
請求書は企業の取引内容や口座情報を含む極めて重要な機密情報です。
情報漏洩やサイバー攻撃といったリスクで企業の信用を一瞬で失墜させないよう、万全なセキュリティ対策が施されたシステムを選ぶ必要があります。
機能として、通信のSSL暗号化やデータの自動バックアップ、二要素認証やIPアドレス制限などが備わっているかを確認しましょう。
また、ユーザーごとに閲覧や編集、承認などの権限設定ができることで、誤操作や不正アクセスを防げる設計になっているかも重要です。
システム提供会社がISMS認証やプライバシーマークを取得しているかどうかも、信頼性を図る上で重要な判断基準となるでしょう。
ANDPAD請求管理なら課題をまとめて解消
ANDPAD請求管理は、建設業界の実務に即した請求業務をクラウド上で一元管理できる、建設業特化型の請求管理システムです。
建設業界では、請求書を現場ごとに仕分ける手間がかかることや、現場代理人が事務所にいなければ承認作業ができないといった特有の課題があります。
ANDPAD請求管理であれば、以下の機能で課題を丸ごと解決できます。
- 請求書の工事ごとの自動振り分け
- 注文・工種との正確な紐づけ
- 立て替え経費などの相殺処理
- クラウドでの承認ワークフロー
ANDPAD請求管理を活用することで、経理部門と現場部門の連携が強化され、煩雑な紙ベースの請求処理や仕分けの作業負担が大幅に軽減されます。
この機会に、クラウド型建設プロジェクト管理サービスの連携ソリューションであるANDPADの導入をご検討ください。
電子請求書でよくある質問

はじめて電子化に取り組む場合、何から手をつけてよいか迷う方も多いでしょう。
ここでは、よくある疑問を解消し、安心してスムーズに電子化を進めていただくために、電子請求書についてよくある質問とその回答をまとめました。ぜひ参考にしてください。
電子印鑑は有効なのか
電子印鑑は、業務の慣習として使われることが多く、法的に厳密な「本人性の証明」にはなりません。
これは、電子印鑑がただの印影の画像データであるため、誰でも簡単に複製や貼り付けができてしまい、「この人が押した」という証明力が低いとされているためです。
しかし、取引先との間で「電子印鑑付きPDFで問題ない」という合意があれば、業務上の運用に問題が生じるケースはほとんどありません。
多くの企業が、慣用として書類の視認性を高めるために電子印鑑を使用しています。
より正式な証明が必要な場合や、高額な契約書を交わす際には、電子署名やタイムスタンプといった技術を用いることで、法的証拠力を高めることが可能です。
紙で印刷して保管は可能なのか
2024年1月1日以降の電子帳簿保存法により、電子メールの添付ファイルやクラウドサービスから受け取ったデータは、原則として電子のまま保存することが義務化されました。
もし紙で印刷保管だけで運用していると、法令で定められた検索要件などを満たせず、税務調査時に保存義務違反として否認されるリスクがあります。
ただし、法令で定められた要件を満たした電子保存を行った上で、追加で紙での保存を行うことは自由です。あくまで紙での保存のみが認められない点に注意が必要です。
電子帳簿保存法に沿った保存ルールとはなにか
電子帳簿保存法では、電子取引データを保存する際に、データの信頼性と視認性を確保するため、主に以下の4つの要件を満たすことが求められています。
| 要件 | 概要と目的 |
| 検索性 | 取引日、金額、取引先名といった主要項目で、 必要なデータをすぐに探し出せる状態にすること |
| 改ざん防止性 | データが作成・受領された後に、 訂正・削除の履歴が残るか、 または訂正・削除ができない仕組みになっていること |
| 見読性 | PCや閲覧環境が変わっても、 請求書の内容(文字やレイアウト)を明確に確認できる形式で保管すること(PDFなど) |
| 保存期間 | 企業は原則として7年間、個人事業主は原則5年間、 データを保管すること |
専用のシステムを利用すれば、これらの要件のうち「検索機能」や「改ざん防止機能」を自動で満たしやすくなるため、手作業で運用するよりも安全かつ確実に法令を遵守できます。
参考:電子取引関係|国税庁
まとめ
請求書の電子化は、コスト削減や業務効率化だけでなく、電子帳簿保存法やインボイス制度への確実な対応を実現するためにも不可欠です。
導入に不安を感じるかもしれませんが、記事で紹介した手順に沿って段階的に進めれば、法的リスクを回避しつつスムーズに移行できます。
まずは現状の業務を整理し、無理のない範囲から着手しましょう。紙の作業から解放されれば、本来注力すべきコア業務に時間を割けるようになります。


