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作業員名簿

【記入例】作業員名簿の書き方とは?項目や注意点、エクセルテンプレートもご紹介

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現場管理
作業員名簿

作業員名簿は、労務安全書類の中の1つです。現場が新しくなる際に必ず求められる書類のため、作成する機会は多いといえるでしょう。この記事では、作業員名簿に関する義務化の概要や目的、書き方、注意点などを解説します。ぜひ役立ててください。

作業員名簿とは

作業員名簿とは

作業員名簿とは、労務安全のための書類です。建設現場において、どのような作業員が携わっているのかを把握するために、作成が求められます。安全衛生管理や、労災が発生した場合に必須といえます。作業員を雇用する一次以下の協力会社が作成し、一次の協力会社がまとめて元請企業に提出する仕組みです。

作業員名簿の義務化と目的

2020年10月の建設業法の改定により、「建設工事従業者に関する事項」が追加され、作業員名簿の作成が義務化しました。作業員名簿は、引き渡し後5年の保存が義務づけられています。作業員名簿が義務化された目的は、建設業に携わる人員の確保や、作業員への待遇改善などです。以下にて詳細を解説します。

働き方改革

2024年4月から、建設業における時間外労働の上限規制が適用されました。慢性的な人手不足や長時間労働などに対して、待遇改善が求められています。作業員名簿は「いつ・どこで・誰が」従事するかを、明確にする目的があります。

参考:建設業における働き方改革|国土交通省

社会保険加入の確認

建設業に携わる作業員に対する待遇改善には、社会保険加入といった福利厚生を受けられる環境が重要です。加入していない作業員がいる場合には、該当企業が指導を受けることになります。

作業員名簿の提出

作業員を雇用する企業ごとに作成し、一次の企業がまとめて元請の企業へ提出します。なかには、作成を委任する意思確認をしたうえで、作業員名簿を代理で作成するケースもあります。

自社の作業員名簿を作成するのか、協力会社の作業員名簿を作成するのかを、確認することが重要です。作業員名簿の提出後に新たに雇用した場合は、提出した名簿に追記するか、新たに名簿を作成します。

作業員名簿の書き方(全建統一様式第5号)

作業員名簿の書き方(全建統一様式第5号)

2021年に国土交通省が提示した作業員名簿が、シンプルでわかりやすいでしょう。書き方において、元請の企業から指示がある場合は従うことが重要です。全国建設業協会が発行している「全建統一様式第5号」に沿って、書き方を解説します。

参考:建設産業・不動産業:作業員名簿(作成例) – 国土交通省

作業員名簿の書式テンプレート

国土交通省が公開しているエクセルテンプレートは、以下からダウンロードが可能です。

参考:建設産業・不動産業:作業員名簿(作成例) – 国土交通省

欄外部分の書き方

ここではまず、欄外部分の書き方から解説します。

事業所の名称

事業所の名称は、「工事を実施する作業所」または「工事名称」を記入します。たとえば、以下のように記入しましょう。

  • 〇〇事業所

  • 〇〇新築工事

  • 〇〇ビル改修工事

所長名

所長名は、元請の現場代理人のことです。元請企業もしくは現場代理人の氏名を記入します。

作成日

作成日は、作業員名簿を作成した日付を記入します。

一次会社名

一次会社名は、作業員名簿を提出する一次請け企業名を記入します。一次企業の現場代理人を記入することも可能です。事業者IDは、建設キャリアアップシステムに登録している場合のみ、記入が必要です。

自社会社名

自社会社名は、自社が何次請けかを記入します。記入漏れをしやすいため注意しましょう。企業名の代わりに、自社の現場代理人の氏名を記入しても問題ありません。

提出日

提出日を記入しますが、提出日が確定していない場合は、空欄にしておきます。提出時に追記しても問題ありません。

欄内部分の書き方

欄内部分の書き方を解説します。

氏名・ふりがな・技能者ID

氏名欄に間違いがあると、現場にて身分証明書との照合ができずに、現場に入場できない可能性があります。身分証明書の写しを確認しながら、正確な表記の記入が重要です。

職種

職種数は多く、企業によっても表現が異なります。「型枠大工」「オペレーター」「電気工事工」「とび工」などが、一般的に使用されます。作業員が工事において、どのような役割を担うのかがわかれば問題ありません。

特記事項

特記事項は、紙面の下部に解説が掲載されています。職種の右にある「※」欄には、略語を記入します。略語は以下のとおりです。

  • 現:現場代理人

  • 作:作業主任者

  • 女:女性作業員

  • 未:18歳未満の作業員

  • 主:主任技術者

  • 職:職長

  • 安:安全衛生責任者

  • 能:能力向上教育

  • 再:危険有害業務・再発防止教育

  • 習:外国人技能実習生

  • 就:外国人建設就労者

  • 1特:1号特定技能外国人

作業主任者は、複数の現場を兼務できないため、何人かの選任が必要です。

雇入年月日・経験年数

雇入年月日は、作業員の雇用を開始した年月日、経験年数は、担当している仕事の経験年数を記入します。自社に所属している年数ではないため注意しましょう。ブランクや数社を経ている場合も間違いやすいため、入念な確認が必要です。

生年月日・年齢

生年月日は、和暦と西暦どちらでも問題ありません。年齢が18歳未満の場合は、元請に対して年齢証明書(住民票記載事項証明書)の提出が必要です。18歳以上は、年齢の記入のみでかまいません。

労働基準法により、18歳未満の時間外労働、危険有害業務への就労は禁止されています。また、満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでは、土木、建築、その他の工事、準備に関わる業務には従事できません。

現住所・電話番号・家族連絡先

作業員に対して、労災といった事象が発生した場合の緊急連絡先が必要です。両親や配偶者、親近者が一般的ですが、引っ越しで住所が変更になっていることがあるため、入念に確認しましょう。

最近の健康診断日・血圧・血液型

労働安全衛生法により、雇入時または年に1回の健康診断の実施が義務づけられています。健康診断日が古い日付になっていないか確認し、随時更新が必要です。血圧は、最低血圧と最高血圧を記入します。血液型も重要な情報のため、記入を忘れずに行いましょう。

特殊健康診断日と種類

有害業務従事者は、半年に1回、特殊健康診断を受けることが義務づけられています。特殊健康診断が必要とされる業務は以下のとおりです。

  • 高気圧業務

  • 放射線業務

  • 特定化学物質業務

  • 石綿業務

  • 鉛業務

  • 四アルキル鉛業務

  • 有機溶剤業務

特殊健康診断の種類は以下のとおりです。

  • じん肺健康診断

  • 有機溶剤中毒予防健康診断

  • 鉛健康診断

  • 四アルキル鉛健康診断

  • 特定化学物質健康診断

  • 高気圧作業健康診断

  • 石綿健康診断

  • 電離放射線健康診断

参考:職場のあんぜんサイト:特殊健康診断[安全衛生キーワード]

雇入・職長・特別教育

作業員は、雇入時に教育を受けていることが前提のため、すべての作業員の「雇入時教育」を記入します。「職長教育」「フォークリフト」といった特別教育を受講している場合は、下部に記入しましょう。

「フォークリフト」のような特別教育とは、法令に沿ったカリキュラムです。各企業が実施しており、携わる業務の難易度や範囲は、「特別教育」「技能講習」「免許」の順で大きくなります。

技能講習

技能講習とは、各都道府県の労働局に登録されている教育機関で受けた講習のことです。該当がなければ「なし」と記入します。

免許・資格

免許とは、試験を受けて合格したものを指しますが、特別教育や技能講習は含まれません。作業員の建設工事における知識や、技術に対する免許情報を記入します。たとえば、以下のような免許や資格の記入が必要です。

  • 移動式クレーン運転士免許

  • 発破技士免許

  • 2級建築施工管理技士

  • 一級とび技能士

入場年月日

入場年月日は、新規入場者教育を実施した場合に記入します。印刷時に追記しても問題ありません。

受入教育実施年月日

受入教育実施年月日は、入場年月日と同日を記入します。

退職金共済手帳所有の有無

建退共手帳所有は「建」、中退共手帳所有は「中」、その他の手帳所有は「他」、所有していない場合は「無」の箇所を〇で囲みます。

社会保険加入状況(別紙)の書き方

以下では、社会保険加入状況(別紙)の書き方を解説します。

健康保険

加入している健康保険の種類を選んで記入します。健康保険の種類は、以下のとおりです。

  • 健康保険組合

  • 協会けんぽ

  • 建設国保

  • 国民健康保険

  • 適用除外  (後期高齢者)

健康保険番号の記入は不要です。

年金保険

年金保険に当てはまる種類を、上段に記入します。年金保険の種類は、以下のとおりです。

  • 厚生年金

  • 国民年金

  • 受給者

番号の記入は不要です。

雇用保険

雇用保険の上段口は、以下3つのいずれかを記入します。

  • 空白(通常の作業員)

  • 日雇保険(日雇労働被保険者)

  • 適用除外(事業主やその親族)

下段に保険番号の下4ケタを記入します。

作業員名簿の注意点

作業員名簿の注意点

作業員名簿を作成する際には、いくつかの注意点があります。主な注意事項を解説します。

添付する証明書類について

作業員名簿を提出するときは、資格や免許のコピーを添付します。事前にそろえておくことが重要であり、いつでも使用できるようにデータ化することがおすすめです。多くの作業員を雇用する企業では、添付書類がそろうまでに時間を要するため、忘れないようにしましょう。

個人情報について

作業員名簿に記入する内容は、すべて個人情報に該当します。漏洩のリスクがあるため、取り扱いには十分な注意が必要です。

現時点で不明な項目について

現場入場年月日といったわからない項目は、空欄で作成し、後日追記するとよいでしょう。手書きで見栄えがよくない場合は、わかる項目から作成し、判明した時点で追記します。

まとめ

作業員名簿は、安全書類の1つで、建設業法施行規則において作成が義務づけられています。誰がどの現場で働いているのかを把握するために必要です。安全衛生管理や労災が発生した場合の、緊急連絡対応にもなるため大切な書類といえるでしょう。書き方や記載内容を確認し、作業員名簿を正確に作成することが重要です。

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