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安全管理とは

安全管理とは?施工管理における重要性、建設現場での具体的な取り組みなどを解説

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現場管理
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安全管理とは、施工管理における重要な要素の1つです。この記事では、効果的な安全管理の実施方法について知りたい建設会社の管理職の人に向けて、安全管理の重要性と具体的な対策方法を解説します。安全管理に求められる能力や、万が一の労災事故発生時の対応についても解説するので、現場の安全管理の参考にしてください。

施工管理における安全管理とは

施工管理では、Quality(品質)、Cost(原価)、Delivery(工程)、Safety(安全)、Environment(環境)の5つの要素である「QCDSE」が重要視されています。施工管理者は、これら5つの要素を意識しながら、それぞれの現場の特性や状況に応じて適切な判断と対応を行うことが求められます。ここでは、施工管理における各要素の概要と重要性について解説します。

安全管理

施工管理において最も重要な要素が安全管理です。作業員や周辺地域の住民の安全と健康を、最優先で確保します。常に危険が伴う工事現場では、施工管理者は危険性を認識し、事前に適切な対策を講じなければなりません。朝礼での注意喚起、定期的な安全パトロール、ヒヤリ・ハット事例の共有など、日々の安全確認や教育を通じて事故防止を徹底することが求められます。

品質管理

品質管理では、建物の安全性、耐久性、機能性を確実に確保することが求められます。施工管理者は、設計図書や法令基準に基づいた厳格な管理を行い、指定された材料や工法が正しく使用されているかを確認します。また、工程ごとの品質検査の実施と、適切な記録の保管を行い、完成後に確認できない部分の品質管理は、特に慎重に行う必要があります。

原価管理

原価管理では、予算内での工事完了を目指しながら、品質を維持することが求められます。施工管理者は、利益確保と品質維持のバランスを取りながら、材料費や人件費などのコストを適切に管理します。予期せぬ事態により予算超過が見込まれる場合には、柔軟な予算調整を行うとともに、原因を詳細に分析し、必要な対策を講じます。

工程管理

工程管理では、定められた工期内での工事完了を目指し、計画的な施工を行います。施工管理者は、進捗状況を常時把握し、必要に応じて作業工程の調整を行います。天候不良や資材の調達遅延など不測の事態が発生した場合にも、工期内完成に向けて柔軟な対応力で、適切な措置を講じることが求められます。

環境管理

環境管理では、自然環境、周辺環境、職場環境の3つの側面を総合的に考慮する必要があります。施工管理者は、現場の特性に応じて各環境要素の優先順位付けを行い、適切な対策を立案します。騒音や振動の低減、排気ガスや粉じんの抑制など、法令遵守はもちろんのこと、近隣との良好な関係を維持しながら工事を進めることが重要です。

施工管理における安全管理の重要性

建設現場は、足場上での作業や建設機械の使用など、常に安全への配慮が求められる環境です。他の産業と比べて労働災害のリスクが高いため、細心の注意が必要とされます。適切な安全管理は、事故防止に加え、工期や品質の維持にも直結するものです。近年、最新技術の導入により安全性は向上していますが、人的要因による事故のリスクは常に存在するため、継続的な安全教育と対策が求められます。

労働安全衛生法とは

労働安全衛生法は、労働者の安全と健康を守るための重要な法律です。特に建設業界では、危険を伴う作業が多いため、この法律の厳格な適用が求められています。この法律では、作業員への安全教育の徹底、専門の安全衛生管理者の配置、計画的な安全パトロールの実施、事故報告と対策の義務付けなどを規定し、建設現場における労働環境の改善と作業員の保護を目指しています。

施工管理における重要な安全管理9選

施工管理における安全管理は、以下の9つに大きく分類されます。

  1. 計画と準備

  2. 日常的な安全管理活動

  3. 作業環境の安全確保

  4. 機器・設備の安全管理

  5. 従業員の健康管理

  6. 従業員の定期的な教育・訓練

  7. 作業手順の確認と遵守

  8. ヒヤリ・ハットの共有

  9. 緊急時対応

それぞれの具体的な内容と重要性について解説します。

1. 計画と準備

一般的に、1年ごとに安全衛生管理計画を策定します。基本方針、目標、労働災害防止対策を含む計画には、潜在的危険性や有害性、管理体制なども明確に記載します。リスクアセスメントを通じて、現場の潜在的危険を特定し評価することで、適切な対策の立案が可能です。

2. 日常的な安全管理活動

安全管理活動は、毎日の現場巡視による危険要因の発見と改善、危険予知訓練(KYT)の実施が主な活動です。KYTでは、潜在的リスクの認識と対策立案の能力を培います。また、整理・整頓・清掃・清潔・しつけの5S活動を通じて、安全で快適な作業環境を整備します。作業前にその日の作業内容と予想されるリスクを共有することも、安全管理活動の1つです。

3. 作業環境の安全確保

作業環境の安全確保には、現場の特性に応じた適切な対策が重要です。墜落防止のための手すりや安全ネットの設置、転倒防止のための通路整備、季節や天候に応じた対策などを講じます。また、上下作業での落下物防止、機器・設備の定期点検、重機使用時の安全区域設定なども必要です。

4. 機器・設備の安全管理

作業開始前の機械点検、仮設設備の継続的な点検・整備、墜落制止用器具や安全ネットの定期確認も必須です。チェックリストを活用した効率的な点検体制を構築し、小さな不具合の早期発見・対処を心がけます。専門技術者による定期的な詳細点検も重要です。

5. 従業員の健康管理

健康管理は、作業員の日常的な健康状態の把握、作業開始前の体調チェック、適正な人員配置を基本とします。作業中も頻繁な巡視と体調確認、作業員同士の声掛けの促進などを行います。適切な休憩時間の確保、長時間労働の防止、作業環境の改善に加え、定期的な健康診断の実施や体調管理の指導も欠かせません。

6. 従業員の定期的な教育・訓練

建設現場は工程に応じて作業員が入れ替わるため、新規作業員もベテラン作業員も全員に対してリスク予知・回避のための教育を実施します。後から参加する作業員にも安全ルールや禁止事項を徹底して伝達し、全作業員の安全意識を持続的に高めることが重要です。

7. 作業手順の確認と遵守

事前に作業手順を検討し、作業員に周知します。正しい工法や手順の遵守を徹底するため、マニュアルの作成・配布や、現場巡視による確認を行います。不適切な手順が見つかった場合は、速やかに改善を指示しましょう。これにより、予期せぬ事故のリスクを低減し、安全な作業環境を維持することができます。

8. ヒヤリ・ハットの共有

重大事故には至らなかったものの、その恐れがあった事例を「ヒヤリ・ハット」と呼びます。これを記録・共有することで未然に事故を防ぐ効果があります。小さな事例も見逃さず拾い上げ、改善につなげることが重要であり、従業員間で具体的なリスクを共有し、安全意識を高めます。

9. 緊急時対応

労働災害や事故の完全な防止は困難なため、発生時に備えた対策が必要です。救急体制の整備、関係機関との連携、迅速な対応のための事前準備が重要になります。また、火災や自然災害などを想定した緊急対応計画の策定、従業員への教育・訓練の実施も不可欠です。

施工管理における安全管理に求められる能力とは

現場の安全管理をする施工管理者は、以下の3つの重要な能力が求められます。

問題解決力

安全管理の場面では、現場で発生する不測の事態に対し、迅速かつ適切に対応する能力が求められます。問題が発生した際には、原因を正確に特定し、効果的な対策を立案・実行する必要があります。さらに、同様の問題が再び起きないよう、再発防止策を考える能力も重要です。

コミュニケーション力

作業員、上司、関連会社など、さまざまな立場の人々と円滑に意思疎通を図り、信頼関係を構築する力も、安全管理には不可欠です。良好なコミュニケーションによってチームワークが向上し、伝達不足による事故を防止できます。各工程の作業を安全かつ円滑に進めるためにも、高いコミュニケーション能力が求められます。

スケジュール管理・マネジメント力

安全管理には、プロジェクト全体を把握し、効果的なスケジュール管理を行う能力も重要です。悪天候や人員不足などの予期せぬ事態を考慮しつつ、工期内に作業を完了させる能力が必要とされます。また、作業員のモチベーション維持や、リスク予測・対策立案能力も求められます。

労災事故が発生した際の対応

建設現場で労災事故が発生した場合、人命を最優先とした初期対応と、その後の再発防止に向けた取り組みが重要です。具体的な対応手順について解説します。

迅速な初期対応

事故発生時は、まずけが人の救出・救護を最優先で行い、状況に応じて直ちに救急車の出動を要請します。同時に、二次災害を防止するため、事故現場を立ち入り禁止にするといった安全措置を講じます。重大事故の場合には、警察と労働基準監督署への通報も必要です。

事後対応と再発防止

事故の収束後は、詳細な事故状況の調査と原因究明を行い、労働基準監督署への報告を行います。再発防止に向けては、関係者でミーティングを開き、事故の根本原因を分析して具体的な改善策を検討します。これらの情報は社内全体で共有し、今後の安全管理に活かすことが重要です。

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まとめ

建設現場の安全管理とは、施工管理の重要な5つの要素のうちの1つで、主に9つの項目に分けられます。建設現場は危険を伴う環境のため、労働災害のリスクが高く、継続的な安全教育と対策が求められます。

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