工事写真台帳の作成にエクセルを活用すると、コスト削減や効率化を図れます。この記事では、エクセルを使って工事写真台帳を作成するメリットや具体的な手順、課題などを解説します。アプリを使用した工事写真台帳のメリットやデメリットについても紹介するので、現場管理の効率化に役立ててください。
事務所に戻ってから工事写真のデータ整理と写真台帳の作成が必要で業務負荷が大きい、などを解決する「ANDPAD写真管理・黒板機能」について下記で詳しくご紹介しています。
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工事写真台帳のエクセルテンプレート
工事写真台帳のエクセルテンプレートは、さまざまなサイトで公開されています。多くが無料でダウンロード可能で、なかには自治体が公開しているものもあります。いくつか比較しながら、自社に合ったテンプレートを選ぶとよいでしょう。
工事写真の整理にエクセルを活用するメリット
工事写真をエクセルで整理するメリットには、手軽さや効率化などが挙げられます。具体的なメリットを3つに分けて解説します。
コスト削減と誰でも扱える操作性
エクセルの1つ目のメリットは、工事写真台帳の作成にかかる追加費用が少ないことです。多くの企業ではエクセルがすでに導入されており、新たな費用は不要です。これから導入する場合でもコストは低く抑えられます。エクセルの普及率は高いため、操作に慣れている人も多く、新たな学習コストもあまりかかりません。
効率的に作業が可能
エクセルで工事写真台帳のテンプレートを一度作成すれば、以降は社内で転用できます。エクセルはスマートフォンやタブレットでも操作可能なため、現場で即時作成したり、作成したファイルを担当者同士で共有・編集したりするなど、作業効率の向上につながります。関数やマクロの活用ができれば、さらなる効率化も可能です。
ソフトのインストール不要で即時利用可能
エクセルが社内に導入済みであれば、すぐに工事写真台帳の作成に取りかかれます。エクセルは、多くの人が日常的に使用しているツールのため、新たなソフトのインストールや学習なしで編集作業が可能です。作成したテンプレートを共有すれば、だれでも即時に利用を開始できます。
工事写真台帳をエクセルで作成する際の具体的な手順とコツ
エクセルで工事写真台帳を作成する手順を、3ステップで解説します。
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1. 写真の整理と事前準備
工事写真の整理は、撮影計画を立て、必要な写真を事前に把握することから始まります。国土交通省の「写真管理基準」を参考に、施工前、施工中、施工後の必要な写真を再確認しましょう。撮影した写真は、パソコン内で施工順に並び替え、各工程の説明を準備します。
2. フォルダの整理
国土交通省の「写真管理基準」に従い、以下の順で写真のフォルダ分けをします。
着工前および完成写真
施工状況写真
安全管理写真
使用材料写真
品質管理写真
出来形管理写真
災害写真
事故写真
その他(公害、環境、補償等)
施工箇所や関連性でフォルダをまとめ、確認する人の見やすさを意識した構成にしましょう。工程写真の場合は、あとから施工箇所ごとの工程を確認できるよう、工程順に写真を配置します。
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3. 写真挿入や工事情報の入力
工事写真台帳のフォーマットをエクセルで作成し、写真の貼り付けや工事情報の追記を行います。
台帳のフォーマット作成
工事写真台帳の表紙には、工事名・工期・施工者名を記載します。台帳の各ページには、工種・測点(位置)・設計寸法・実測寸法・略図などの補足情報を記載するためのスペースを設けると便利です。また、写真ごとに工程の説明を記載するセルを用意しましょう。
写真の貼り付けと編集
エクセルのテンプレートへの写真の貼り付けは、「挿入」タブから行います。写真を挿入したら、サイズの調整をします。施工箇所や関連性で写真をグループ化し、アルバム形式で貼り付けると見やすいでしょう。完成前後の写真は比較しやすいよう、見開きで見られるよう配置します。
工事情報の追記
写真を貼り付けた余白に、工種・測点(位置)・設計寸法・実測寸法・略図などの補足情報を記載します。写真撮影時に黒板に情報を書くこともありますが、黒板がない場合や黒板の文字が判別できない場合には、台帳に直接記載する必要があります。同じページに設計寸法・実測寸法・判定を記載し、一目で成果がわかるようにしましょう。
エクセルでの工事写真台帳の課題
エクセルは手軽に工事写真台帳を作成するのに適したツールですが、パフォーマンス、共同作業、セキュリティ面に課題があります。以下で、エクセルの工事写真台帳における3つの主な課題を解説します。
データ量の増加によるパフォーマンスへの影響
エクセルで作成した工事写真台帳は、貼り付ける写真数が増えるとファイルサイズが膨張し、動作が著しく遅くなる可能性があります。大規模なプロジェクトでは写真数も多くなるため、データ処理に時間がかかり、作業効率が低下するでしょう。パソコンのメモリ使用量も増加し、システムの安定性が損なわれ、フリーズするおそれもあります。
共同作業におけるファイル管理の複雑さ
工事写真台帳を複数人が同時に編集する際、版管理が煩雑になり、最新情報の把握が困難になります。エクセルファイルは権限設定や共有方法が複雑なため、情報の一貫性維持が課題です。一方、オフライン操作に切り替えると作業が個人に依存しやすくなり、撮影箇所の重複や漏れ、抜けが発生する危険性が高まります。
セキュリティの低さ
エクセルの無料テンプレートを使用することで、データの改ざんや不正アクセスのリスクが高まります。また、エクセルのバージョン更新に伴う互換性の問題により、重要なデータが失われるケースも考えられます。工事情報には機密性の高いものも含まれるため、不十分なセキュリティ対策による情報漏えいが起きないように注意しなければなりません。
工事写真台帳にアプリを使用するメリット
工事写真台帳は、専用のアプリで作成することもできます。ここでは、アプリを使用するメリットについて解説します。
高いセキュリティによる安全なデータの保存とアクセス
アプリは一般的に、メーカーによる強固なセキュリティ対策が特徴です。情報漏えいやウイルス感染への対策も徹底されています。台帳の管理がクラウド化されることで、場所を問わずアクセスでき、関係者全員が工事の進捗状況をリアルタイムで把握できます。
現場からのリアルタイム共有による業務効率化
アプリを使用した工事写真台帳は、撮影した写真の共有・管理が容易です。クラウド上でのデータ保管が基本となるため、エクセル管理で必要だった写真データのパソコンへの取り込み作業が不要になります。常に最新版で保存されるため、複数の関係者が同時に進捗状況を把握でき、意思決定の迅速化につながるでしょう。
さらに、自動振り分け機能があれば写真整理が効率化され、現場作業者の負担が大幅に軽減されます。
工事写真台帳にアプリを使用するデメリット
アプリによる工事写真台帳の作成には、コストや慣れるまでの時間といったデメリットもあります。2つのデメリットを解説します。
コストがかかる
工事写真台帳を管理できるアプリには、初期費用や月額料金が発生するものが多く、継続的なランニングコストがかかります。料金は利用人数や搭載機能によって異なります。導入と運用にかかる費用に対し、予算を考慮した選定が重要になります。
操作に慣れるまで時間を要する
エクセルでの操作に慣れている人は、アプリ導入直後に、新しい機能に戸惑いや抵抗感を覚えることがあります。撮影作業や台帳作成作業を効率よく進めるためにも、現場導入前に一連の流れをリハーサルしたり、教育の時間を設けたりすることをおすすめします。
工事写真の一元管理、台帳作成業務を効率化するなら「ANDPAD」
クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」は、工事写真の管理と台帳作成を効率化します。クラウド保存機能により撮影した写真が自動的に保存されるため、パソコンへの取り込み作業が不要になります。黒板ごとに写真が自動整理されるため、写真整理にかかる時間を大幅に短縮できるのが特徴です。
さらに、選択した写真から1クリックで写真台帳を作成でき、コメント入力や写真の並び替え、PDF出力までアプリ上で完結する仕組みとなっています。
また、工事写真台帳作成をはじめとした現場業務を代行するサービス「ANDPAD BPO」もあります。現場監督の業務負荷軽減、人手不足の解決に取り組んでいきたい方はぜひ下記ページをご覧ください。
まとめ
工事写真台帳は、エクセルで管理する方法が手軽で一般的ですが、ファイルサイズの膨張やデータ共有の難しさ、セキュリティ対策などの課題があります。専用のアプリやクラウドサービスは、エクセルの課題を解決し、業務の効率化も可能にする優れたツールといえるでしょう。
クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」は、シェアNo.1サービスとして、業種を問わず、数多くの企業・ユーザーが利用しています。使いやすいUI・UXを実現する開発力と、年間数千を超える導入説明会の実施など、手厚いサポートが魅力です。工事写真台帳の効率化には、ぜひANDPADを一度ご検討ください。