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請求書の仕訳とは?勘定科目や処理の流れ、仕訳時に気を付けるポイントを解説

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見積・請求・契約
請求書 請求管理

請求書の仕訳は、経理処理の重要な業務であり、企業のお金の流れを適切に管理するためには欠かせません。この記事では、請求書の仕訳方法や注意点、効率的な処理方法について解説します。ぜひ役立ててください。

請求書の仕訳とは

請求書の仕訳とは、工事やサービスの提供時、費用の入金時に発生する経理処理です。取引内容を「借方」と「貸方」に分け、勘定科目ごとに分類して帳簿に記入します。工事完了後の請求書発行時には、簿記では「借方」に「売掛金」を、「貸方」に「売上」を記録します。

仕訳は、資産の増減を管理し、工事代金の回収や支払い漏れの防止が可能です。建設会社の経営管理において、重要な役割を担っているといえるでしょう。

請求書を発行した場合に使用する勘定科目

請求書を発行する際に使用する主な勘定科目は、「売掛金」と「売上」です。売掛金は工事やサービス提供後に発生する未収金額を記録し、売上はその取引の収益を記録します。工事が完了し、請求書を発行した場合の仕訳も、「売掛金」と「売上」です。入金時には、「現金」または「普通預金」と「売掛金」の仕訳を行い、取引を完了させます。

請求書を受領した場合に使用する勘定科目

請求書を受領した際に使用する主な勘定科目は、「工事原価」と「買掛金」です。協力会社から材料や施工サービスを受け取った時点で「工事原価」を借方に、支払うべき金額を「買掛金」として貸方に記録します。後日支払いが行われた際に、「買掛金」と「現金」または「普通預金」の仕訳を行い、買掛金を減少させます。

請求書の仕訳における売掛金とは

売掛金とは、工事やサービスを提供した後に代金を後日受け取る権利です。建設業では、この未収金を「完成工事未収入金」という勘定科目で管理します。たとえば、工事を完了し、月末締め翌月末払いで契約している場合、工事完了時点で「完成工事未収入金」として計上し、後日収益を受け取ります。

買掛金との違い

買掛金とは、工事資材やサービスを購入した際に、代金を後日支払う義務を指します。建設業では「工事未払金」という勘定科目で管理することが一般的です。完成工事未収入金と異なり、工事未払金は工事原価を施工会社側が負う債務です。完成工事未収入金は工事を成功した建設会社側の権利であり、売買の立場が逆になります。

両者は対になるもので、企業間取引での支払いを効率化するために用いられ、場合によっては相殺して支払いを行うケースもあります。

未収金との違い

未収金は、売掛金と同様に後日回収される債権ですが、発生源が異なります。売掛金は企業の営業活動から生じたものであり、未収金は営業活動以外の収益に関連する債権です。不動産の売却代金や賃貸料などが未収金に該当します。未収金は1年以内に回収予定なら流動資産、1年を超えるのであれば固定資産として計上します。

請求書の作成から仕訳業務の流れ

経理処理の流れは、請求書の作成から仕訳、入金までの一連の手順です。以下に詳しく解説します。

請求書の作成

請求書の作成は、工事やサービスを提供した後に行いましょう。請求書発行元と取引先の名称、取引年月日、取引内容、税込金額、支払期日、問い合わせ先などを記載します。また、インボイス制度への対応として登録番号の記載も必要です。

複数の工事案件がある場合は、まとめて請求書を送付します。請求書は、取引先に対して工事代金の支払いを求める重要な書類であり、正確な情報の記載が大切です。

帳簿に売上を「売掛金」として記入する

商品を発送した後、帳簿に請求書の仕訳を記載します。「借方」に「売掛金」、「貸方」に「売上」の記入が必要です。会計システムに摘要欄やコメント機能があれば、取引日や取引先の情報を記載することがポイントです。取引内容の確認が容易になり、後で帳簿を見返した際に理解しやすくなります。仕訳の正確な記録は、経理業務の円滑な進行に役立つでしょう。

先方からの入金を確認・管理する

請求書の支払期日に、先方が指定口座に入金をしているかを確認します。入金が確認できたら、領収書を発行し送付します。工事の請負契約書とは違い、領収書は「金銭または有価証券の受取書」にあたるため、5万円以上の支払いを受けた際には、収入印紙の貼付が必要です。入金確認ができない場合は、速やかに先方に連絡し、入金の催促を行います。

売掛金の入金を帳簿に記録する

入金が確認できたら、完成工事未収入金(売掛金)を帳簿に記録します。以下は、事前に完成工事未収入金で計上したお金が入金された際の仕訳です。「借方」に「当座預金」、「貸方」に「完成工事未収入金」を記載し、金額は入金額を反映させます。たとえば、600万円の入金があった場合の仕訳は以下の通りです。

借方貸方
当座預金|6,000,000円完成工事未収入金|6,000,000円

入金の経緯をコメント機能などで記録すれば、後の確認がしやすくなります。

帳簿と口座を照合して売掛金残高を確認する

売掛金の入金を帳簿に記載した後は、実際の売掛金残高と帳簿上の残高が一致しているかを照合します。差異がない場合、経理処理は完了です。差異が発生していれば、帳簿の入力ミスや入金額の不足が考えられるため、必要に応じて帳簿の修正や先方への連絡を行いましょう。

入金時に振込手数料が差し引かれている場合は、不足金額分を「支払手数料」として処理を行います。

請求書における仕訳の具体例

請求書を受け取った際の仕訳方法について具体例を紹介します。

掛取引の請求書受領時

掛取引の請求書受領時は、商品が届き請求書を受け取った際に行う仕訳です。たとえば、A社からの商品を掛取引で仕入れた場合、仕入れた商品が届いた時点で「仕入」と「買掛金」を計上します。後日、買掛金を支払う際には「買掛金」と「普通預金」を使用して支払処理を行います。掛取引では、代金支払い前に買掛金として未払い分の処理が必要です。

請求書を受領した際の仕訳は以下の通りです。

借方貸方
仕入|100,000円買掛金|100,000円

買掛金を口座振込にて支払った場合の仕訳は以下の通りです。

借方貸方
買掛金|100,000円普通預金|100,000円

後払いの場合

代金を後日支払う場合の仕訳は「未払金」を使用します。たとえば、パソコンを購入し、請求書を受領した後に代金を後日支払う際には、仕訳は「備品」と「未払金」を計上します。商品の受領日や入金時期によって勘定科目が異なるため、適切な仕訳が必要です。請求書を受領し、代金を後日支払う際の仕訳は以下の通りです。

借方貸方
備品|300,000円未払金|300,000円

購入代金を口座振込で支払った場合の仕訳は以下の通りです。

借方貸方
未払金|300,000円普通預金|300,000円

即現金支払いの場合

請求書を受領した後、すぐに現金で支払うケースでは、取引と支払いを同時に行います。たとえば、C商店から机を現金で購入した場合、仕訳は「消耗品費」と「現金」を使用して記入します。この場合、代金支払いが即時であるため、未払い金や口座振込の処理は必要ありません。現金で購入した場合の仕訳は以下の通りです。

借方貸方
消耗品費|20,000円現金|20,000円

請求書の仕訳時に気をつけるべきポイント

請求書の仕訳時には、正確な勘定科目を選定し、記入ミスを避けることが重要です。建設業特有のポイントを解説します。

勘定科目の分類と適切なルールを守る

仕訳を行う際は、建設業会計における勘定科目の分類や適切なルールを守ることが重要です。一般的な会計と同様に「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」に分かれますが、建設業では独自の名称が使われます。

工事が完了した際の売上は「完成工事高」、工事にかかった原価は「完成工事原価」として計上します。代金回収が未完了の場合は「完成工事未収入金」、工事代金の支払いが未完了の場合は「工事未払金」です。そのほかにも、進行中の工事にかかった費用は「未成工事支出金」、工事の前払いとして受け取った金額は「未成工事受入金」として処理します。

複式簿記では取引を「借方」と「貸方」の両方から記録し、プロジェクトの進捗や損益の正確な把握が重要です。

請求書の内容に誤りがないか確認する

請求書の内容に誤りがないかの確認は、経理業務で重要な作業です。金額や振込先に誤りがあると、訂正に多くの時間がかかるため、事前の確認を徹底するとよいでしょう。宛名や発行事業者名、取引内容、金額、消費税、支払期日などに間違いがないかの目視確認が不可欠です。

多くの企業では、専用システムを導入し転記ミスを防いでいますが、基本的な確認を欠かさないように注意が必要です。

摘要欄に請求発生月を記入する

帳簿の摘要欄には、請求発生月や取引先名など詳細情報を記入することが重要です。同額の請求が複数発生した場合でも、どの取引に対応するかが明確になります。請求金額に変更がある場合は、逆仕訳を行い、訂正仕訳を追加します。

請求書発行日は「掛売方式」か「都度方式」かによって異なるため注意が必要です。掛売方式は定期的な請求や支払いであり、都度方式は納品完了時に請求します。

売掛金の管理を徹底する

売掛金の管理は企業の成長にとって重要です。回収が遅れると、企業の財務に影響を及ぼし、未回収のリスクが高まります。売掛金は振替伝票で管理します。請求書控えを基に売掛金と売上を記入し、会計ソフトを活用することでミスを減らせます。売掛金回収代行サービスを利用することで、回収リスクをゼロにし、業務負担の軽減も可能です。

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まとめ

請求書の仕訳は経理業務において重要な役割を果たします。特に建設業会計は独自の勘定科目があるため適切な選定をし、記入ミスを防ぐことが大切です。売掛金の管理や仕訳後の確認作業を徹底することが求められるでしょう。

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