作業日報は、日々の作業を適切に管理するために欠かせないものです。この記事では、新たに作業日報のフォーマットを作成したい担当者や、現状の作業日報の課題を感じている担当者に向け、作業日報のテンプレートについてご紹介します。本記事では、作業日報の主な役割、作業日報運用のポイントなども解説します。
作業日報の全体像を把握したい場合は、こちらの記事をご覧ください。
関連記事:【建設業】作業日報の目的やフォーマットとは?記載内容やメリットについても解説
作業日報とは
作業日報とは、毎日の業務や進捗について記録し報告する文書です。1日単位の日報の他に、1週間単位の週報、1か月単位の月報を運用している企業もあります。1日の作業の振り返りや業務の進捗管理、情報共有に役立てることが可能です。作業日報は、さまざまな業界で活用されていますが、本記事では、建設業界での作業日報について解説します。
作業日報の記載項目
作業日報の基本的な項目は、以下のとおりです。
現場名
記入者名
所属部署
日付
天気
作業時間
業務内容
業務の結果・進捗
所感
明日の予定
共有事項
上記項目以外にも、自社の業務や用途に応じて、「当日の目標」「上長のコメント」などの必要な項目があれば、追加しましょう。
作業日報のテンプレート
作業日報は、業務内容や業務の進捗状況などにあわせて、自社にあったフォーマットを作成することがおすすめです。ここでは、一般的な内容を記載する場合の、作業日報のフォーマットを紹介します。
【簡易】作業日報のテンプレート
作業場所や1日の作業内容、今日の反省、明日の予定などの、基本的な項目をおさえたテンプレートです。汎用性が高く、シンプルなデザインです。テンプレートは、以下を参考にしてください。
【作業内容別】作業日報のテンプレート
作業内容それぞれの、作業時間を記載する時間報告付きのテンプレートです。いつ・何があったかを報告し、進捗状況を明らかにするのに役立ちます。以下のテンプレートを参考にしてください。
参考:作業日報 テンプレート 建設業 向け(エクセル・ナンバーズ)
【作業員別】作業日報のテンプレート
作業員ごとの作業時間・作業内容を記載するテンプレートです。作業員ごとの作業内容を、一覧で確認したい場合に最適です。末尾の「メモ」欄には、申し送り事項を記載できます。テンプレートは、以下を参考にしてください。
参考:作業日報 建設業向け(備考欄あり)2|テンプレートBANK
ANDPADには日報業務を効率化する報告機能があります。報告用のテンプレートをANDPAD内で事前に用意することで、日報業務を効率化できます。詳しくは下記の資料3点セットをご覧ください。
作業日報の主な役割
作業日報には、さまざまな役割があります。ここでは、主な4つの役割について解説します。
1日の作業を振り返る
1日の作業を振り返ることは、作業日報の大きな役割の1つです。日々の業務内容を記録することで、いつ何を行ったのかを把握できます。その日の作業の振り返りにつながり、改善点を翌日以降の作業に活かすことが可能です。
情報を共有する
作業日報を通じて、情報を共有することも可能です。現場には協力会社を含め、さまざまな人が関わるため、全員でミーティングができないケースは珍しくありません。作業日報があれば、ミーティングでの変更点や確認すべき点を共有でき、伝達ミスを防げます。うまくいった点や課題を、知識の共有として報告すれば、他の現場でも活用できます。
現場の状況を把握する
現場の状況・作業の進捗を、管理者が正しく把握する材料としての役割も持ちます。作業日報からその日の作業時間や、進捗状況、工事に遅れの有無が把握でき、納期までのスケジュール管理に役立ちます。工事の進捗だけでなく、現場の生の声が反映されるため、労働環境の把握も可能です。
労務管理をする
従業員の労務管理をすることも役割の1つです。作業日報を通して、従業員の作業量や作業内容、実働時間、残業時間を把握でき、作業負担の偏りがないかを可視化できます。働きすぎは従業員の心身に悪影響を及ぼすことから、労務管理は重要です。特に直行・直帰の多い現場では、作業日報が貴重な情報源となるでしょう。
作業日報を運用するメリット
作業日報を運用すれば、生産性の向上やトラブル発生の抑止に効果的です。ここでは、作業日報を運用するメリットについて、解説します。
生産性が向上する
作業日報を元に、管理者や上司がアドバイスを与えることで、作業を効率化できる可能性があります。業務の進捗状況や問題点が明確になり、無駄な作業やタスクの重複を避けられるためです。また、現場でも、作業日報を元に情報共有をすれば、情報共有の時間短縮につながります。互いの進捗を把握して業務を行うと、無駄を省け、効率的に業務を進められます。
トラブルの発生を抑止できる
トラブルの発生を抑止できる点もメリットです。建設現場において、代表的なトラブルはスケジュールの遅れです。工期の遅れは信用に関わるため、避けなければなりません。作業日報で、毎日の作業状況を共有し、対策することで、スケジュールの遅れを抑止できます。
人件費の最適化ができる
作業ごとの人員配置で割り振りが偏った場合は、作業日報の内容を元に、最適な人員配置に調整可能です。作業日報があれば、残業が多い現場や、労働力が足りない現場が明らかになります。状況に応じて人員を調整すれば、無駄な人件費をカットでき、コスト削減につながるでしょう。
作業日報運用の3つのポイント
作業日報を運用する際には、いくつかポイントがあります。ここでは、3つの運用のポイントについて解説します。
フォーマットを統一する
組織内で、作業日報のフォーマットを統一することが重要です。従業員や現場によってフォーマットが異なると、管理の手間が増え、集計が難しくなります。フォーマットが統一されると、管理者も確認が容易です。自社にあったフォーマットを作成し、共通で使用しましょう。
当日作成して提出してもらう
作業日報は、当日作成して提出してもらうことが原則です。忙しい、時間がない、といった理由で翌日以降に持ち越すと、作業内容や工数を正確に記載できない可能性があります。気づきや課題を忘れてしまう恐れもあるため、当日作成・提出を基本にしましょう。
管理者はフィードバックをする
管理者は作業日報の受け取りだけでなく、内容を確認し、必ずフィードバックをしましょう。正しい評価は、現場の従業員のモチベーション向上につながります。管理者と従業員が直接話す機会がない場合も、作業日報にコメントがあると、コミュニケーションが生まれます。よい点を褒め、ミスにはアドバイスを与えると効果的です。
作業日報の運用方法別でみるメリット・デメリット
作業日報の運用は、主に「紙」への手書き、エクセル・ワードに入力、管理アプリに分けられます。ここでは、運用方法別のメリット・デメリットを解説します。
作業日報を「紙」に手書きする運用
テンプレートを事前に印刷しておき、手書きで記入する運用方法です。手書きのメリット・デメリットを解説します。
作業日報を「紙」に手書きする運用のメリット
昔からの方法であるため、慣れている人が多い運用方法です。ITやパソコンの知識がなくても、誰でも記入・管理ができます。簡単に始められ、導入ハードルが低い点がメリットです。
作業日報を「紙」に手書きする運用のデメリット
欲しい情報の検索ができず、過去の作業日報を探し出すのが困難な点は、デメリットにあげられます。長期的な管理になるほど、紙がかさばり、整理して管理する手間と保管場所が必要です。印刷後は、テンプレートの項目の修正や、追加といった変更が容易ではありません。
関連記事:【例文あり】作業日報の書き方とは?作業日誌との違いや書き方のコツを解説
関連記事:作業日報の保存期間は?法律や管理ポイント、メリット・デメリットを解説!
エクセル・ワードを用いた作業日報の運用
次にエクセル・ワードを使った運用方法です。エクセル・ワードのメリット・デメリットを解説します。
関連記事:エクセルでの作業日報の作り方・注意点とは?メリット・デメリットも解説
エクセル・ワードを用いて作業日報を運用するメリット
エクセル・ワードは、他の業務でも使用している企業が多いため、導入コストをかけずに運用できます。プリントアウトして書面で提出、メール添付で提出のどちらも可能で、扱いやすい点もメリットです。項目の追加や削除が柔軟にでき、数値を集計してデータ分析もできます。
エクセル・ワードを用いて作業日報を運用するデメリット
エクセル・ワードは、社内でルールを作らないと、どこに何のファイルがあるのかがわからなくなり、過去の履歴を管理しにくい点がデメリットです。フォーマットに修正があるたびに、関係者への周知も欠かせません。複数人で共有すると、ファイル破損のリスクがあることも注意しましょう。
容量制限があり、大量の作業日報を保存するのには不向きです。スマートフォンでの操作が難しく、パソコンで作業することが前提となります。
クラウド型の管理サービスを用いた作業日報の運用
最後にクラウド型の管理サービスを使った運用方法です。クラウド型の管理サービスのメリット・デメリットを解説します。
クラウド型の管理サービスを用いて作業日報を運用するメリット
作業日報に関する業務は、現場側、管理者側両方にとって負担がかかります。クラウド型の管理サービスを導入すれば、双方の負担を大幅に軽減できるのが、大きなメリットです。
クラウド型の管理サービスは、スマートフォンやタブレットから操作できるため、どこにいても記入・確認ができます。修正があった際も、リアルタイムで共有でき、便利です。現場写真もアップできると、現場の状況や進捗状況をわかりやすく共有できます。
クラウド型の管理サービスを用いて作業日報を運用するデメリット
導入コストがかかる点は、デメリットです。苦手意識を持つ従業員が一定数いる可能性もあります。そのため、誰でも簡単に使えるような、操作性がよく、わかりやすいサービスを選びましょう。導入前に、社内で講習会を開くことも重要です。
作業日報に特化した分、それ以外の用途では活用が難しい場合があります。デメリットもあるものの、作業日報に関する業務を大幅に効率化できるため、メリットが大きいといえます。
クラウド型の管理サービスは業務の効率化・生産性向上に役立つ
クラウド型の管理サービスのシステムやアプリの導入は、作業日報に関する業務負担の軽減に加え、業務の効率化・生産性の向上に役立ちます。建設業界向けの管理サービスは、作業日報に限らず、即時共有、過去に遡って参照、集計、分析といった、さまざまな業務も効率化できます。パソコンやスマートフォンなどで入力したデータを、クラウドで一元管理でき、臨機応変な活用が可能です。
ANDPADの報告機能を活用し、日報業務を効率化した事例がございます。生産性向上の手段の一つとしてぜひ参考にしてみてください。
【活用事例】デジタル化でより精緻な原価管理を|長野スーパー株式会社 様
紙の日報から、個人の労務費や材料費を算出して工事費用を管理していました。日報チェックに膨大な時間がかかっていたところ、ANDPADをご導入いただき、作業が10分の1に削減させることができた事例です。詳しくは下記のページをご覧ください。
まとめ
作業日報とは、業務や作業の進捗について記録する文書です。作業日報はさまざまなテンプレートがあるため、自社にあったフォーマットを選びましょう。運用方法は、紙、エクセル・ワード、クラウド型の管理サービスを活用した方法があります。
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