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【建設業】働き方改革の週休2日は義務?メリット・デメリット・課題を解説

業界動向
2024年問題 人手不足 働き方改革 残業上限規制

働き方改革によって、建設業では、労働時間の削減が求められています。従来のように長時間労働を続けると、法律に違反する可能性があるため注意が必要です。この記事では、建設業の週休2日の義務化や現状・課題などについて解説します。建設業における、働き方改革を実施する際の注意点も紹介します。ぜひ参考にしてください。

働き方改革の全体像を把握した場合は、こちらの記事をご覧ください。

関連記事:働き方改革を建設業で実現するには?工数削減の方法や管理のポイントを解説

働き方改革とは

働き方改革とは

働き方改革とは、多様な働き方を選択できる社会を目指す取り組みのことです。個人の事情に応じて、柔軟な働き方が選択できる社会を実現するための改革を指します。

厚生労働省が推進しているのは、労働時間法制の見直しや、公正な雇用の待遇の確保などです。働き方改革によって、働き手を増やしたり、労働の生産性を向上させることへの期待度が高まっています。

参考:働き方改革~一億総活躍社会の実現に向けて)|厚生労働省

【建設業】働き方改革の週休2日は義務化される?

建設業では週休2日を実施する企業は、まだまだ少ない傾向にありますが、2024年4月1日から、時間外労働の上限が適用されます。時間外労働に適用される内容は、以下のとおりです。

  • 年720時間以内

  • 月100時間未満(休日労働を含む)

  • 月平均80時間以内(休日労働を含む)

月平均の労働時間は、「2か月平均」~「6か月平均」まであります。災害時における、復旧や復興の事業は、年720時間以内のみが適用されます。

参考:時間外労働の上限規制 | 働き方改革特設サイト | 厚生労働省

関連記事:2024年問題で建設業界がすべきことは?具体的な課題と対応策を解説
関連記事:2024年からの建設業における残業規制

【建設業】働き方改革の週休2日の現状

国土交通省の発表によると、令和3年度に完成した営繕工事では、9割以上で週休2日を達成しています。受発注者間の協議や、適正な工期設定などにおいても、週休2日を実現しました。しかし、建設業では、多くの企業が週休1日となっているのが現状です。建設業では、従来の慣習を含む複合的な要因が、週休2日の導入を難しくしているためです。要因の具体例として、デジタル化の遅れ・IT人材の不足・労働者の高齢化などがあげられます。

参考:建設業の働き方改革の現状と課題|国土交通省
参考:令和3年度完成工事の9割以上で週休2日を達成!|国土交通省

【建設業】働き方改革の課題

建設業では、人材不足や長時間労働が問題となっています。ここでは、建設業における働き方改革の課題を解説します。

人材が不足している

建設業では、若手とシニアの労働者のどちらも減少しています。「令和4年版厚生労働白書」によると、今後の生産年齢人口減少の加速が予想されています。若手の労働者の確保は、少子化が進んでいることもあり難易度が上がっています。シニアの労働者は、団塊ジュニア世代の離職が起こり始めることで減少し、後継者不足の問題へとつながります。

参考:令和4年版厚生労働白書|厚生労働省

関連記事:施工管理の人手不足が深刻化

長時間労働が常態化している

建設業では、工期の遅れを取り戻すための長時間労働が必要となる場合があります。建設業は多重請負構造によって、複数の協力会社に業務を依頼することが一般的です。建設現場が大きくなるほど、協力業者の数が増えます。元請け会社だけではなく、協力会社においても長時間労働となる可能性があります。建設業と製造業・調査産業の年間実労働時間は、以下のとおりです。

  • 建設業:1,978時間

  • 製造業:1,874時間

  • 調査産業計:1,632時間

参考:最近の建設業を巡る状況について|国土交通省

【建設業】週休2日のメリット

【建設業】週休2日のメリット

週休2日制は、従業員の確保や企業のイメージアップにつながります。ここでは、建設業に週休2日を導入するメリットを解説します。

従業員を確保しやすくなる

週休2日を導入すると、従業員を確保しやすくなります。建設現場が働きやすい環境になると、従業員のワークライフバランスが充実しやすくなるためです。働きやすい職場は、離職率の低下や若手人材の確保、定着率の向上にもつながります。また、教育体制や働き方を見直すことで、人手不足の解消も期待できるでしょう。

従業員のモチベーションの向上につながる

週休2日によって、従業員は仕事によるストレスを軽減でき、モチベーションが向上しやすくなります。従業員の休日が増えると、体調や精神などの不調を解消しやすくなるためです。家族や友人と過ごせる時間も増えて、プライベートが充実することにつながります。従業員のモチベーションが高まると、仕事の質が向上し、業務効率の改善も期待できます。

建設業の労働に対するイメージが回復する

週休2日を導入すると、建設業の「3K(きつい・汚い・危険)」のイメージの払拭につながります。週休2日によって、業界や企業のイメージがよくなると、離職率や若年層の就職離れを防ぎやすくなります。人材の獲得だけでなく、取引先や顧客などからの信頼も得やすくなるでしょう。

【建設業】週休2日のデメリット

建設業には、工期やコストなどの問題があります。ここでは、建設業における週休2日のデメリットを解説します。

工期内の対応が難しくなる

業務内容を変えずに休日を増やすと、工期内の対応が難しくなるため、納期に間に合わなくなる可能性があります。1日あたりの業務量が増加し、サービス残業が増加するリスクも高まります。工期内の対応だけでなく、現場の安全管理や品質の確保への配慮も必要です。管理職は労働計画の見直しや作業の効率化のために、書類作成をはじめとした業務や残業が増加する可能性があります。

工事にかかるコストが増える

週休2日によって工期が長くなると、工事にかかるコスト全般が増加します。増加するコストは、人件費や機材のレンタル費用などがあげられます。業務生産性の見直しや改善、技術革新などにより、コストを抑える必要があります。現場によっては、デジタルの機器を導入できないケースがあるため注意が必要です。

賃金の減少によるリスクがある

賃金の減少により、現場の人材不足につながり、工期を守れなくなる可能性が高くなります。週休2日が導入されることで、休日労働の割り増し賃金が期待できなくなり、賃金が減少します。建設業では、日当月給の制度で賃金が支払われる場合があります。人材不足を補うために、協力会社を探す負担が増えるなど、賃金減少によるリスクは高いです。

【建設業】働き方改革における一人親方への対応

建設の現場では、一人親方に依頼するケースがあります。ここでは、建設業における働き方改革の一人親方への対応を解説します。

一人親方とは

一人親方とは、個人の建設業事業者のことです。一人親方は、元請けの企業と雇用契約を結ばずに、現場の作業を担当します。建設現場を自由に変えられるため、裁量で仕事量を調節できる点が特徴です。一人親方は家族や身内のみで、工事を請け負うケースが一般的です。労働日数の合計が100日未満の場合、一人親方だとみなされます。

参考:下請指導ガイドラインの改訂で追加する内容(簡易版1/2)

週休2日の確保が必要になる

一般の企業と同様に、一人親方にも週休2日の確保が必要となります。国土交通省のガイドラインには、一人親方を含めた協力会社の休日についての記載があります。働き方改革の取り組みは、長時間労働を是正するために、公共・民間工事問わず広めることが目的です。

参考:適正な工期設定等のためのガイドラインについて|国土交通省

保険への加入を進める

一人親方は、保険加入が任意でした。国土交通省の下請指導ガイドラインによると、雇用契約締結と社会保険加入が促されています。元請けの企業が、労災の責任や労災保険の加入責任などを負う可能性があるためです。企業が経費の削減のために、従業員を一人親方にさせることは偽装請負です。偽装請負には、労働者1人あたり6か月以下の懲役、もしくは30万円以下の罰金が課されます。

参考:建設市場整備:社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン|国土交通省
参考:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 | e-Gov法令検索

【建設業】働き方改革を推進する際の注意点

【建設業】働き方改革を推進する際の注意点

建設業には、工期や生産性の見直しが必要です。ここでは、建設業における働き方改革を推進する際の注意点を解説します。

適切な工期を設定する

国土交通省のガイドラインによると、建設業は適切な工期の設定が求められています。発注者と受注者は対等な関係であり、不当な契約があってはならないためです。不当な短い工期であるダンピングのような、請負契約は禁止されています。元請けと協力会社がお互いに協議し、適切な工期を設定することが必要です。

参考:建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン|国土交通省

生産性を向上させる

週休2日を実現するためには、建設現場の生産性の向上が重要です。工期書類の作成や申請手続きを電子化することで、書類のペーパーレス化ができます。デジタル技術を活用することで、工程管理の負担が大幅に削減でき、工期短縮・省人化などが図れます。ただし、デジタル技術を活用する際は、企業文化と組織風土を醸成することが必要です。

まとめ

建設業において、働き方改革としての週休2日を導入することで、長期的には利益が得られるようになります。従業員の確保とモチベーションの維持、生産性の向上などを実現できるでしょう。短期的には、工期・コスト・管理職の負担の増加などの課題がある点に注意が必要です。

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