知りたい情報が選べる
はじめての資料はこちら
施工図とは材料・寸法・構造など、工事の情報が細かくまとめられた図です。施工図を書くことには、工事のミスを防げる、情報共有が円滑になる、詳細な情報が一度に確認できるといったメリットがあります。
この記事では、施工図の種類や断面詳細図・平面詳細図の書き方を解説します。
施工図とは？
施工図とは、寸法・材料・構造など、工事に関する情報が細かく記載された図のことです。施工図は工事の説明書のような役割を果たすものです。一括りに施工図といっても、その種類は複数あります。後ほど全種解説するため、どのような違いがあるのか確認してください。
図面・設計図・竣工図との違い
施工図と似たものに、図面・設計図・竣工図があります。図面は、施工図の前段階に位置するものです。設計図とは、完成すべき建物の姿を表した図面のことであり、いわば計画段階での図面といえます。竣工図とは、実際に竣工した建物を図面にしたもののことです。
施工図を作成する理由
施工図を作成する理由はさまざまです。工事のミスを防げる、情報共有が円滑になるといった施工図を作成するメリットに沿って解説します。
工事のミスを防げる
施工図を作成することで、施工ミスを未然に防げます。施工図を作成せずに施工すると、サイズ違いや収まりが悪くなるといったトラブルにつながります。また、各施工会社の関係者間で図面の認識違いが起こる恐れがあり、工期の遅延や追加費用が発生してしまうことを避けるため、施工図を作成してミスを防ぎます。
情報共有が円滑になる
施工図を作成することで、情報共有が円滑になります。建築現場では、全ての施工関係者へ同じ施工図を共有できます。施工のミスにもいち早く気付けるため、早い段階での修正ができるようになります。現場での連携がスムーズに進むことも、施工図を作成する理由です。
詳細な情報が一度に確認できる
施工図は、詳細な情報が一度に確認できます。間取りはもちろん空調なども含めた、建物全ての寸法が最終決定された状態で記載されています。各施工関係者が一度に多くの情報を把握できます。
施工図の種類
施工図で代表的なものは8種類あります。ここでは、それぞれの施工図の概要を解説します。各施工図の特徴を把握しておきましょう。
1. 断面詳細図
断面詳細図は、建物を横から見た図面であり、そのなかには建物の高さや位置関係などの情報が詳細に書かれています。この図面によって、施工前に建物の寸法を正確に把握し、誤差を最小限に抑えることができます。
2. 平面詳細図
平面詳細図には、建物内部のレイアウトや家具の配置、設備の設置場所が示されています。各部屋の用途や寸法、窓やドアの位置なども詳細に記され、内装工事や電気工事の計画に欠かせません。
3. 躯体図
躯体図は、建物の主要な支持要素である柱や梁、基礎の配置が明示された図面です。これにより、建物の安定性や耐久性を確保するための計画を確認し、建設プロセスを円滑に進めることができます。
4. 外構図
外構図は、建物の周囲の詳細なレイアウトが示された図面です。プライバシーを守るための塀や植栽の配置、また雨天時の排水対策などが記載されており、環境との調和を図るために重要な役割を果たします。
5. 天井伏図
天井伏図には、照明や換気扇、火災報知器などの設置場所が詳細に描かれています。壁紙の下にある天井の構造や配線経路なども示され、建物の完成度を高めるための基本情報を提供します。
6. 割付図
割付図は、建物の外観に関する情報が包括された図面です。外装のデザインやタイルの配置などが具体化され、建築プロジェクトの視覚的なガイドとして重要な役割を果たします。
7. 配管図
配管図には、風呂やキッチンなどの水回り設備の配管ルートが示されています。設備やほかの構造物との干渉を避けつつ、効率的な施工を可能にするための基本データが提供されます。
8. プロット図
プロット図は、設備電気工事と建築工事が一体となった図面です。照明、消火設備、エアコンの取り付け位置や電源の配置、コンセントやスイッチの配置などが明確化され、各協力会社との円滑な調整に貢献します。
断面詳細図の書き方
断面詳細図の書き方を解説します。1〜7の手順に分けて解説するので、ぜひ参考にしてください。
1. 中心線
中心線は壁や柱を描く際の基準線であり、各部に線を引くことで壁や柱の位置を明確にします。中心線がずれると寸法が正確でなくなるため、地盤面の高さを示す「GL」や階数を示す「F」も一緒に記入しましょう。
2. 梁・柱
中心線を引いた後には、建物に応じて梁や柱のサイズを確認しながら記入してください。
3. 壁の線
壁の線を描き、それに加えて内装材の仕上げ材を追加してください。内装材はタイル、クロス、石材などで、図面に使用する材料と厚さを明確にします。
4. 床・天井の情報
床と天井の下地情報を追加します。下地材は仕上げ材を取り付けるために必要です。胴縁やプラスターボードなどの素材や機能性についても記入してください。天井の下地も忘れずに記入してください。
5. 仕上げ材
まだ記入されていない部分に適切な仕上げ材を加えます。床や天井、窓、ふすま、障子など、建物の外観部分の詳細も記入してください。
6. 見えがかり線
見えがかり線を記入して、仕上げ面の情報を整理します。開口部やパペットなど、外観の細部を記入して、完成したイメージを具体化します。
7. 部屋名・寸法
最後に部屋の名前や寸法などの情報を記入します。部屋の用途（洋室、和室、リビングなど）と使用する材料や寸法について確認し、漏れがないように細部まで詳細に記入します。
平面詳細図の書き方
次に、平面詳細図の書き方を解説します。平面詳細図は、以下の1〜6の手順に沿って作成してください。
1. 壁と柱の中心線
断面詳細図と同様に、壁芯と柱の中心線から書き始めます。方眼紙などの線を基準にして、柱の等間隔（910mm）で書くと良いでしょう。
2. 壁と柱の線の下書き
壁と柱の下書き線を引いてください。壁芯から、壁の厚さを振り分けます。柱も壁と同様に、中心線から柱の太さの分を振り分けます。例えば、壁の厚さが150mmであった場合、壁芯から75mmずつ振り分けていきましょう。
しかし、この段階ではあくまでも「下書き」です。薄く細い線で書き進めていきます。
3. 壁と柱の線を清書する
壁と柱の下書き線が完了したら、次に「仕上げ線」を引きます。壁と柱の下書き線に沿って、太くハッキリと仕上げ線を描きます。
大壁や半壁、真壁など壁の種類によって書き方が異なります。壁の種類を必ず確認しましょう。
4. 開口部の追加
開口部の情報を追記します。開口部には、窓やドアなどが含まれます。開口部には、片引戸や両・片開き扉、折りたたみ扉など複数の種類があります。また、外に面している開口部の場合、雨戸や格子がついています。
5. 設備器具と床仕上げ
次に設備器具や床仕上げを書き込みます。キッチンや換気扇、化粧台、トイレ、家具などの位置を記入してください。床仕上げを書く際は、割付図も記入しましょう。シューズボックスや家具の位置を考慮し、タイルなどの割付をします。割付図を作成する場合、できるだけ詳細に書き込んでください。
6. 基本線や方位など
建物や設備を描いたのち、基準線・方位・部屋名などを記入します。基準線は一点鎖線で記入し、寸法は、案内線（下書き線）を引いた後に清書しましょう。室名にも案内線を引いてください。ここまでの作業が完了したら、仕上げと最終チェックを行い、施工図が完成します。
まとめ
施工図は、材料・寸法・構造などの情報がまとまっているものです。施工ミスを減らす、多くの情報を一度に確認するなどの目的で作成されます。しかし、せっかく施工図を作成しても広く共有できなければ、最大限の効果を実感できません。
そのような場合におすすめしたいのが、クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD（アンドパッド）」の導入です。シェアNo.1サービスとして、業種を問わず、数多くの企業・ユーザーが利用しています。使いやすいUI・UXを実現する開発力や手厚いサポートが特徴です。気になる人は、ぜひ以下より資料をご覧ください。
ANDPAD（アンドパッド）は、現場の効率化から経営改善まで一元管理するシェアNo1のクラウド型建設プロジェクト管理サービスです。ANDPADの「サービス概要」「導入メリット・導入事例」「サポート体制」がわかる資料3点セットをご用意しています。
