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現地調査

現地調査とは?実施の目的や確認ポイント、調査で役立つツールまで徹底解説

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現場管理
リフォーム 不動産 現地調査

現地調査は不動産や建築業界において重要な業務の1つですが、実際に業務に携わらなければ具体的なことは分かりにくい場合があります。この記事では、現地調査の基本情報から不動産や解体工事、リフォームでの現地調査で確認する項目、調査の際に役立つツールについて解説しています。今後現地調査に関わる可能性のある人は、参考にしてください。

現地調査の基本情報

そもそも現地調査とはどのようなものなのか解説します。

現地調査

現地調査とは、住宅の建築設計やリフォーム、解体などの工事をする前に実施するものです。さまざまな業種で用いられる言葉ですが、不動産の世界では資料や図面で判断できない点を現地に行って確認することを指します。

現地調査の目的

現地調査の目的は、業種によって異なります。不動産では、土地や建物の価値を査定し、販売・賃貸のための資料作成が目的です。リフォームでは、住宅の老朽化への対応やより住みやすくなる方法を考え、新たなプランを提案することが目的です。

また、解体工事の現地調査では見積金額の決定に加え、解体する範囲や作業に必要な重機の選定、工事に伴うリスクを認識し、工事を円滑に進める目的があります。

不動産の現地調査で確認する項目

不動産の現地調査で確認の必要がある境界・越境物、地勢、前面道路、周辺環境のそれぞれについて解説します。

境界・越境物

境界石から、境界と土地の寸法を確認します。精密な測定は不要ですが、地積測量図に記載された寸法とどのくらい相違があるかを測ることは欠かせません。境界石が見つからない場合は、筆界の位置を確認したり境界確定測量をしたりして、土地の所有者と境界を定めます。

また、住宅の屋根や雨樋、庇、境界塀や植栽など境界を越える越境物がある場合は、隣地の所有者とのトラブルを避けるため、覚書の作成を検討しましょう。

地勢

地勢とは土地の状態のことです。現地調査では地勢を目視で確認します。おもに土地の高低や傾き、形状、地質などを確認し、地盤沈下や液状化現象が発生している場合は、地盤改良工事が必要です。また、高低差のある土地や三角形や台形などの不整形地は、造成工事や整形工事が必要なケースもあります。擁壁の傾きやひび割れも確認しましょう。

前面道路

接道義務を満たす住宅設計のために、前面道路の幅員と敷地が接する長さ、道路の舗装・未舗装、歩道の有無などを確認します。建築物の日射や採光、通風を確保し、緊急車両が通る通路を確保しなければなりません。そのため、「建築基準法第43条」では、建築物の敷地は4m以上の幅員の道路に2m以上接することが義務付けられています。

周辺環境

現地調査では土地や建物だけでなく、周辺環境の確認も欠かせません。周辺環境の確認を怠ると、施主とのトラブルに発展する可能性があります。特に悪臭や騒音が発生している嫌悪施設がないか、設計や住環境に影響を与えないかなどは重要です。実際に足を運んで確認することで、地図にはない情報を確認できます。

解体工事の現地調査で確認する項目

解体工事では不動産と異なる項目を確認しなければなりません。確認すべき、おもな5つの項目を解説します。

境界・敷地のスペース

境界・敷地スペースの調査により、解体重機や廃棄物を運搬するトラックを置けるか判断します。また、境界線は近隣トラブルにつながるケースが多いため、解体前に確認しましょう。隣地の境界線上にあるブロック塀やフェンスが隣人の所有物だったのに、撤去してしまいトラブルになるケースもあります。そのため、隣地との境界線を確認し、解体範囲を明確にすることが重要です。

周辺道路

重機やトラックが必要な規模の工事である場合、解体の際どのような重機を使用するか、その解体重機やトラックが搬入できるかを確認します。重機が搬入できない場合は、手作業で解体しなければなりません。手作業で解体する場合は作業員や交通誘導員の人件費が高くなり、見積金額に影響が出るため、周辺道路の確認は重要です。

建物の状況

建物の構造、建物の高さや面積、水道管やガスの位置など、建物の状況を確認します。近隣住民とのトラブルを避けるため、水道管やガス管を破裂させないよう、バルブや配管の位置も確認します。また、アスベストが屋根や外壁に使用されていると健康リスクや解体費用が高くなるおそれがあるため、使用状況を慎重に調査しましょう。

付帯物の状況

付帯物とは建物と分けられる、ベランダや浄化槽、塀、フェンス、ウッドデッキ、倉庫などのことです。解体・撤去には、建物本体の解体費用にプラスして費用が発生します。そのため、正確な見積金額を出すには付帯物の調査も重要です。また、浄化槽や太陽光発電設備は、作業に有資格者が必要となる可能性があります。

残置物

残置物とは、建物内に残された物のことを指します。付帯物と同様に、撤去には解体工事費用と別に処分費用がかかります。そのため、正確な見積金額を出すには、事前に残置物の有無や数を確認することが重要です。

リフォームの現地調査で確認する項目

リフォームでは、屋内の確認が重要になります。確認すべき、おもな4つの項目について解説します。

キッチンの場合

キッチン本体のサイズを計測し、使用する人に合うかを確認します。キッチンは電化製品を多く使用する場所です。リフォーム後に電化製品の数を増やす場合は、コンセントの位置や数を変更する必要があります。併せて、電気容量の確認も必要です。

浴室の場合

新しいシステムバスのサイズを把握するため、既存の浴槽サイズを計測します。その後、既存の給排水管と、新しいシステムバスの接続方法を確認しましょう。古家の場合は給水管を広げる引き直しや、劣化による交換が必要となる可能性があります。

トイレの場合

室内の広さや水圧に合わせて、新しい便器を選びます。トイレの排水には床排水と壁排水の2通りがあるため、排水位置に適したものを選びましょう。また、壁や床が劣化している場合は、内装のリフォームが必要です。手すりの設置やバリアフリー化を検討する場合は、レイアウトの調整も考えましょう。

構造や外観の場合

近くで目視すると、外壁のひび割れやシーリングの傷みが見つかることがあります。また、外壁を触って白い粉がつく場合は、塗装が劣化している証拠です。目視で確認できない壁や床の裏側は、音で判断します。

現地調査で役立つツール

現地調査の際は、調査で使用するツールの準備が欠かせません。役立つおもな8つのツールを解説します。

住宅地図

住宅地図は、現地調査において欠かせないアイテムです。駅からの最短ルートや周辺施設、アクセスなどを確認できます。近年では、スマートフォンの地図アプリでも確認できます。アプリを使用すれば、わざわざ住宅地図を持ち歩いたりプリントしたりする必要がありません。

デジタルカメラ

デジタルカメラは、現地状況の撮影に使用します。内観や外観、境界線だけでなく、現地周辺の環境を撮影します。住宅地図と同様、近年のスマートフォンはカメラの性能が向上しており、スマートフォンで代用しても問題ありません。

メジャー

メジャーは道路幅や間口、奥行きを計測する際に使用します。5.5mの長さがあれば、ほとんどの場合で問題ありません。しかし、7.5mの長さがあると、より多くの現場で活躍するでしょう。建物の寸法であれば、スマートフォンのメジャーアプリで代用可能なケースがあります。

現地調査シート

現地調査シートは、物件の所有者から聞き取り調査をする際に使用します。詳細をノートに記載する方法もありますが、事前に質問する内容を決め、フォーマットを作成しておけば、ヒアリングの際に役立ちます。また、ヒアリング後も情報が整理しやすいでしょう。

方位磁石

方位磁石は、どの方角に道路が面しているか、またはそれぞれの部屋の採光部を確認する際などに使用します。住宅地図やデジタルカメラと同じく、スマートフォンにも方位磁石機能があるため、代用も可能です。

水平器

水平器は、建物や建具の歪みや傾きを計測する際に使用します。ビー玉を転がして計測する方法もありますが、水平器を使用した方が正確に計測できます。できるだけ水平器を使用するようにしましょう。

クラック・スケール

クラックとは、ひび割れのことを指します。建物の基礎や外壁のクラックは、一定以上の幅だとリスクとなります。クラック・スケールは、その名の通り建物の基礎や外壁のクラックの幅を測定するアイテムです。

双眼鏡

双眼鏡は使用頻度は少ないですが、持参しておくと時折役に立ちます。屋根や高い位置の外壁などの状況確認や、遠くから外壁を確認する際に使用します。使用の際には、プライバシー侵害の誤解を受けないための配慮が必要です。

現地調査は「ANDPAD 3Dスキャン」で効率化!

「ANDPAD 3Dスキャン」では、現地調査によって得た情報を容易に共有可能です。iPhone Pro、iPad Proを活用すると動画を撮影する感覚で3Dデータを作成でき、測定忘れの解消にもつながります。また、3Dに直接メモを記入でき、クラウドへアップロードすることでリアルタイムに情報を共有できます。

まとめ

目視での確認を実施する現地調査は、建築や不動産業界において重要な業務です。自身が携わる業界で確認すべき項目や準備しておくべきツールを把握し、確認漏れがないよう注意しましょう。

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