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絶縁抵抗測定

絶縁抵抗測定とは?基準値や測定方法・実施手順、注意点などをわかりやすく解説

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現場管理
絶縁抵抗測定

絶縁抵抗測定とは、測定する部分を流れる電流が規定の値を上回っていないかを確認することです。この記事では、絶縁抵抗測定の概要や目的、測定する手順について解説します。施工管理を行う建設会社の担当者は、参考にしてください。

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絶縁抵抗測定とは

絶縁抵抗測定とはどのようなものか、電気抵抗の意味とあわせて、解説します。

絶縁抵抗測定の概要

絶縁抵抗測定とは、測定する部分に、規定値以上の電流が漏れにくいか(=抵抗値が高いか)を確認する作業のことです。絶縁体の抵抗値を測定することで、絶縁不良が起こっていないか、正しく絶縁できているか、電流が流れていないかを確認できます。絶縁抵抗値を測る単位として、Ω(オーム)や、Ωの100万倍を示すMΩ(メガオーム)が使われます。

電気抵抗とは

電気抵抗とは、電気の流れにくさを数値化したものです。値が大きければ大きいほど、電流は流れにくくなります。電気抵抗値をあらわす単位は、Ω(オーム)です。電気抵抗は、以下の式で求められます。

R(抵抗)=V(電圧)÷I(電流)
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絶縁抵抗測定の目的

絶縁部分が劣化することにより、感電や漏電などの危険性が高まります。絶縁抵抗測定を実施することで、感電や漏電などのトラブルにいち早く気がつけるため、危険を予防できます。絶縁体は、経年劣化するもので、永久的に効果が持続するものではありません。漏電した部分に燃えやすい木くずやホコリなどが近づくことで、発火して火災事故が発生することも十分に考えられます。

絶縁抵抗測定の基準値

絶縁抵抗測定の判断基準値は、電気設備に関する技術基準を定義した省令により、決められています。

絶縁抵抗測定の基準値

引用:電気設備に関する技術基準を定める省令 | e-Gov 法令検索

なお、新設時の絶縁抵抗値は1MΩ以上が望ましいとされています。

参考:参考資料(点検・設備の解説)|国土交通省

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絶縁抵抗計の種類

絶縁体の絶縁機能を調査する計器として、絶縁抵抗計が知られています。計器は、アナログ式とデジタル式、低圧用と高圧用、単レンジと多レンジなど、機能や用途によって使いわけが可能です。それぞれの違いや特徴については、以下で解説します。

アナログ式とデジタル式の違い

絶縁抵抗計には、アナログ式とデジタル式があります。アナログ式の絶縁抵抗計は、メーターの針が直接指した目盛を読み込み、絶縁抵抗値を確認する仕組みです。目盛は、対数表示で表示されます。初期位置のままで針の振れがなければ、絶縁状態は持続していると判断できます。

デジタル式の絶縁抵抗計は、ディスプレイ上に抵抗値が数字として表示される仕組みです。正確な値がわかる、目盛を読み取る手間がかからないという、2つのメリットがあります。

低圧用と高圧用の違い

絶縁抵抗計には、低圧用と高圧用があり、調査対象の電圧に合わせた使いわけが必要です。低圧用の絶縁抵抗計は1,000Vまで、高圧用の絶縁抵抗計は1,000Vを超える電圧のときに使用しましょう。一般的な電気工事や、低圧用の配電路などには、低圧用の絶縁抵抗計を使用します。

高圧用の絶縁抵抗計を使用する場面は、高圧ケーブル、高電圧機器の測定などがあり、主に電気設備保守業務に使われます。低圧用の絶縁抵抗計でも、測定レンジを1,000Vにすれば高圧電路の測定は可能です。

しかし、高圧電路では、JIS C 1302で定められた試験電圧を使用する必要があり、専用の高圧用絶縁抵抗計が推奨されます

単レンジと多レンジの違い

絶縁抵抗計は、単レンジ式と多レンジ式にわけられます。レンジは、計測範囲を示す言葉です。単レンジ式は、測定する電圧の切り替えができません。多レンジ式は、2つ以上の定格測定電圧を発生できます。切り替えは、製品のロータリースイッチ部分で行います。測定電圧の組み合わせは、一定ではなく製品によりさまざまです。作業用途により、適したものを選びましょう。

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絶縁抵抗測定の実施手順

絶縁抵抗測定を実施する手順を4つのステップで解説します。決まった手順にのっとり、正確に計測することが重要です。

1. バッテリーが十分であるか確認する

絶縁抵抗計は、バッテリーの容量が不十分であると、正しい測定ができない可能性があります。絶縁抵抗計のバッテリーをチェックし、容量が不足していないかを確認しましょう。

2. 電圧レンジを設定する

続いて、電圧レンジを設定します。絶縁抵抗計には単レンジ式と多レンジ式があることは、前述しましたが、一般的な絶縁抵抗計は、1つの計器で電圧を切り替えて使う多レンジ式を採用しています。測定電圧が高すぎると、測定対象の設備が壊れる可能性があるため、適切に設定しなければなりません。

一般的な電気機器の絶縁抵抗を検査する場合は、JIS C 1302により推奨されている測定電圧に従いましょう。製品の仕様書に、測定電圧と抵抗値が記載されている場合もあります。事前に確認しましょう。

3. ゼロ確認を行う

ゼロ確認とは、絶縁抵抗計が正確に動いているかを確認する作業のことです。絶縁抵抗計のリード線をつないだ状態で、0MΩと表示されていることを確認しましょう。0MΩ以外の数値が提示された場合、正しく計測できない可能性があります。

電気設備や電路の絶縁抵抗を測定する場合は、検電器で停電状態を確認してから実施しましょう。ブレーカーでの測定は、ブレーカーのスイッチをオフにします。

4. 数値を計測する

対象部分にリード線を当てて、数値を測定します。アナログ式の絶縁抵抗計は針の動き、デジタル式の絶縁抵抗計の場合は、画面に表示された数値で確認しましょう。正常に測定が行われている場合は、絶縁抵抗計に、絶縁抵抗値が表示されます。

絶縁抵抗値は、時間とともに変化する性質があり、測定してすぐは、絶縁抵抗値が本来よりも小さく表示される傾向にあります。測定直後は、絶縁抵抗計からの充電電流が大きいためです。充電電流が安定するまで待ちましょう。

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絶縁抵抗測定の測定場所

絶縁抵抗測定を実施する場所は、線間絶縁抵抗と対地間絶縁抵抗があります。それぞれの特徴を解説します。

線間絶縁抵抗

線間絶縁抵抗は、各相間の絶縁抵抗が正常に機能しているかを調べるために測定します。線間絶縁抵抗が劣化すると短絡状態(ショート)になります。短絡状態とは、電気が負荷を経由せず、電位差がある電線から電線へ、一瞬で大きな電流が流れることです。測定においては、アース端子とライン端子の区別は不要です。

対地間絶縁抵抗

対地間絶縁抵抗は、各相と大地間の絶縁抵抗を調べるために測定します。さまざまな影響により、対地間絶縁抵抗の機能が低下すると、電線と大地が電気的につながる地絡状態になり、大地に多くの電流が漏れ出てしまいます。

本来は電流が流れない場所にも充電される状態になるため、接触した人が感電しかねません。対地間絶縁抵抗では、アース測定コードを測定対象となる回路の接地端子に接続し、ライン測定コードを測定対象に当てます。

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絶縁抵抗測定を実施する際の注意点

絶縁抵抗測定を実施する際は、正しく測定するため、事故を起こさないために注意を払う必要があります。ここでは、3つの注意点を解説します。

測定前に掃除をする

測定する絶縁体の表面にホコリや汚れ、ゴミなどがあると、正しい数値が表示されません。絶縁体部分の汚れや不要物は、乾いたウエスでふき取り、きれいにしましょう。こびりついた汚れは、アルコール液またはアルコールと水を1対1で合わせた液につけ、ふき取ります。

測定後は放電をする

静電容量の大きい機器や電路の絶縁抵抗測定を行ったあとは、放電しましょう。残留した電圧により、感電する危険性があるためです。絶縁抵抗計には、自動放電機能を搭載しているものもあります。機能を利用する際は、説明書の手順に従いましょう。

絶縁保護具を使用する

絶縁抵抗を測定する際は、絶縁手袋や絶縁衣などの絶縁保護具を着用します。電流に触れることによる、感電事故を防ぐためです。絶縁用手袋は手にフィットするサイズを選び、袖口は折り曲げずに着用します。

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まとめ

絶縁抵抗測定は、絶縁部分が劣化していないか、電流が正しく絶縁されているかを調べることです。対象部分に規定値以上の電流が流れている場合、建設作業中に、感電や漏電などの事故が起きる危険性があります。建設業においても、電気工事を行う場合は、絶縁抵抗測定を行わなくてはなりません。

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