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ANDPAD BIM を活用して現場を可視化、作業指示・コミュニケーションが円滑に

株式会社大林組 様
従業員規模 1000名以上
利用サービス ANDPAD BIM
利用機能
課題
  • 現場の係員が日常的にBIMに触れる機会を増やしたい
効果
  • 現場を可視化、作業指示・コミュニケーションが円滑に

導入事例について詳しく知りたい方は、お問い合わせください。

1892年の創業以来、「誠実なものづくり」を掲げ、社会の発展とともに歩んできた株式会社大林組。時代のシンボルとなる数々のプロジェクトを手がけながら、人々の暮らしや産業を幅広く支えている。

130年以上にわたって建設技術を磨き続けてきた同社は、最先端技術の導入にも積極的だ。なかでもBIMにおいては、業界に先駆けて利活用を進めてきたパイオニアとして知られる。現在では、意匠・構造・設備各分野の設計情報を統合した「ワンモデル」によるBIMの一貫利用を推進し、建設プロセスのさらなる効率化と品質向上を目指している。

今回は、施工段階でのBIM活用の一環として「ANDPAD BIM」を利用されている皆様にインタビューを実施した。ANDPAD BIM を採用した理由や導入後の変化、社会的に注目を集めているプロジェクトの概要まで、詳しくお話を伺った。

現場係員が日常的にBIMに触れられるツールを検討していた

2010年代初頭からBIMの利用を開始した同社。現在では、建築本部本部長室BIMソリューション部がBIMの活用と運用をリードしている。ただ、ANDPAD BIM の導入は、東京本店建築事業部 スマートワーク企画部 スマートワーク推進課に当時在籍していた板垣様の提案が発端だったという。

板垣様(以下敬称略): スマートワーク推進課は、施工の生産性向上に向けて、東京本店や各拠点から現場をサポートする施策を実施しているセクションです。私がスマートワーク推進課に在籍していた当時は、建築の専門知識がなくても対応できるノンコア業務を洗い出し、事務部門への移管を進める検討を行っていました。また、同じ部署内にあったBIMマネジメント課とともに、現場で役に立つBIMの活用方法も模索していました。

そんなときに板垣様が出会ったのがANDPAD BIM だった。ANDPAD BIM は、BIM専用のソフトウェアを必要とせずに、ブラウザやスマートフォンでBIMの閲覧や簡易モデリングを行えるBIMビューワーだ。板垣様は、建設RXコンソーシアムでANDPAD BIM を知ったというが、どんな点に興味を持たれたのだろうか。

板垣: 当社では、BIM を施工段階で活用する取り組みが進んでいますが、BIMは操作が難しいこともあり、現場の係員が日常的にBIMに触れる機会はまだ少ないのが現状です。「どうすれば現場がBIMを使いやすくなるだろうか」と部署を横断して検討を進めていたときに出会ったのがANDPAD BIM でした。

ANDPAD BIMは、3Dモデルが手軽に閲覧できますし、BIM専用ソフトウェアのような難しい数値設定をせずに直感的に操作ができるので、BIMに馴染みのない係員も扱いやすいのではないかと考えました。特に、3D視点で現場計画を進めることが平面図では見えなかった気づきをもたらすのではないかと期待し、導入の提案を進めました。

新しいチャレンジに積極的な現場で先行導入がはじまる

板垣様の提案をきっかけに、同社ではANDPAD BIMの採用を決定。現在、複数の現場で先行導入が進んでいる。まずは、ANDPAD BIM の利用をいち早く開始した現場で所長を務める中村様にお話を伺った。

中村様(以下敬称略): 現在、大規模かつ意匠が複雑な木造施設の建築現場でANDPAD BIMを活用しています。広大な土地で、将来的には、公園、最先端テーマパーク、商業施設、物流施設を備えたエリアへと段階的に開発が進む予定です。社内から期待も寄せられていますし、社会的にも注目度が高いプロジェクトです。

株式会社大林組 所長 中村秀太郎 様

同社は、持続可能な社会の実現に向けた対策のひとつとして、木造・木質建築に積極的に取り組んでいる。今回の現場もその流れを汲んだ重要なプロジェクトと言えるが、なぜANDPAD BIM の先行導入にこの現場が選ばれたのだろうか。

中村: 当社が担当する現場は、建物内部に大空間のアトリウムを備えた木造建築物で、ほかにはない独創的なデザインになっています。また、部材にCLT(Cross Laminated Timber)を採用して大空間を形にしていくのも国内ではまだ事例がほとんどありません。私たちにとっても初めてづくしの現場だからこそ、当社からの作業指示を協力会社にわかりやすく伝えなければと考えていました。そんなときに東京本店から紹介を受けたのが、ANDPAD BIM でした。

本現場が先行導入に選ばれたのには、「中村様がデジタル技術に明るく、新しい試みに積極的にチャレンジする所長として社内で認知されていたから」と、アンドパッド担当者は話す。実際に、今回の現場事務所には他にはない取り組みが多くみられた。

中村: 今回の現場をスタートするにあたり、まず導入したのが3Dプリンタです。3Dプリンタで建物全体の模型や部材を出力し、構造や完成イメージへの理解を深めました。また、CLTを用いて、木のぬくもりが感じられる現場事務所を建てたことも重要な試みです。その他にも、一緒に働く方々が快適に過ごせるように多くの工夫を凝らしています。

朝礼でANDPAD BIM を活用、作業指示がスムーズに

では、現場ではANDPAD BIM をどのように利用しているのだろうか。

中村: 現在は、ANDPAD BIM のBIMモデルをデジタルサイネージに投影して朝礼を行っています。当日の作業内容をはじめ、重機の配置や危険作業エリア、作業動線、立入禁止エリアなどをBIMモデルとANDPAD BIMの簡易モデリング機能を用いて周知しています。朝礼での利用を開始したのは、協力会社のみなさんにも「この現場は新しい・おもしろい」と感じてもらいたいと思ったからです。実際に協力会社からも良い反応を得ています。

では、ANDPAD BIM を使用してみて、中村様はどのような効果を感じているのだろうか。

中村: メイン施設は木造建築の平屋なのですが、意匠が非常に複雑です。CLTの部材を何層にも組み上げて建てていくため、平面図だけでは「今どの階層で工事が進行しているのか」「部材と部材が重なっている箇所の下はどのような状況か」がわかりづらいのが課題でした。以前は、平面図をデジタルサイネージに投影して朝礼を行い、協力会社への指示を出していましたが、全体像や高さのイメージが掴みにくかったと思います。

ANDPAD BIM では、その場にいるように状況や形状を視覚的にとらえることができるので、安全な作業通路や立入禁止区域の検討がスムーズにできるようになり、作業指示がしやすくなりました。建物の全体像を可視化してイメージを共有できるので、職人さんとの認識のズレをなくすのに役立っています。

BIMモデルの活用は作成して運用する難易度が高いため、これまで施工でBIMを利用することはほぼありませんでしたが、ANDPAD BIM は直感的に操作ができるので、BIMモデル活用へのハードルがぐっと下がったように思います。

建物の全体像を可視化し、協力会社との目線を合わせる

今回は、実際に現場でANDPAD BIM を利用している3名にもお話を伺うことができた。皆さんは、ANDPAD BIM 導入後にどのような変化を実感されているのだろうか。

中屋様(以下敬称略): 一般的な真四角の建物ではなく、同じ角度がひとつもない自由曲線で設計されている複雑な形状なので、平面図だと全体像をとらえるのに苦労します。その点、ANDPAD BIM のBIMモデルの場合、いろいろな角度から建物を見られるので、私たちにとっても協力会社の方々にとっても理解がしやすくなっています。朝礼時には、みなさん興味を持ってキープランを見てくれている印象です。

株式会社大林組 工事係長 中屋昌之 様

栗栖様(以下敬称略): 私は、当日のキープランと翌日のキープランを照らし合わせて、翌日の朝礼に掲示するビューを作成しています。ANDPAD BIM は、作業通路やクレーンの配置、立入禁止区域、作業通路が可視化できてわかりやすいですし、ビューワー上で「上部でボートを貼る作業をしているため立入禁止」といった表現もでき、イメージしやすくなっています。最初は、エリア機能(簡易モデリング機能)の操作や高さの属性の付与に苦労しましたが、徐々に慣れることができました。

株式会社大林組 係員 栗栖達季 様

松村様(以下敬称略): 図面を見ても自分がどこにいるのかわからなくなるくらい、建物の形が非常に複雑です。また、今回は、CLTの部材を嵌合して何層にも組み上げていくのですが、真上から見た平面図の場合、職人さんに「今何層目まで組み上がっているのか」が伝えにくいのが課題でした。その点、ANDPAD BIM を用いてBIMモデルで説明すると、「今はこの位置で作業が行われていて、ここに隙間がある」「作業通路はこれぐらいの幅しかない」といった注意点を一緒に確認しながら具体的に指示できるようになりました。

株式会社大林組 主任 松村嶺 様

松村: タワーマンションなど、同じフロアが重なっていくような建物の場合、階ごとの現場計画を転用できるケースもありますが、今回の場合はエリアによって形が全く違うため、一つひとつ現場計画を立てる必要があります。難易度は高いですが、毎日新しいことに取り組めていて楽しいです。

全体朝礼や協力会社への指示出しにおいて、ANDPAD BIM の活用に取り組まれている同社。アンドパッドは、皆さんが現場で感じた改善要望のフィードバックを受けながら、より使いやすい製品になるように開発を進めている。

日本橋では、土工事でANDPAD BIMの利用がスタート

同社において、2件目のANDPAD BIM 導入現場となったのが、日本橋の木造ハイブリット構造の賃貸オフィスビル建設プロジェクトだ。ANDPAD BIM 導入のきっかけとなった板垣様が所属している現場で、ANDPAD BIM の利用がはじまっている。

板垣: 私は、スマートワーク推進課から再び現場事務所へ配属となり、現在は主任を務めています。本現場は現在掘削工事の段階ですが、作業可能箇所や作業動線、立入禁止区域を協力会社へ説明する際にANDPAD BIM を利用しています。BIMモデルは平面図よりも掘削範囲の深さや形状がわかりやすいので、重機や資材の設置箇所も把握しやすいですし、協力会社との認識も合わせやすくなっています。

株式会社大林組 日本橋江戸桜通り工事事務所 主任 板垣和樹 様

また、「若手係員のOJTにも効果がある」と板垣様は話す。

板垣: 経験が浅い係員は、工程表や平面図に「このエリアを○メートル掘削する」とあっても具体的にイメージがしづらいものです、その点、BIMモデルで見ると高さがわかるので「この高さなら手すりが必要だ」「ここは上下で干渉してるから作業ができない」といった気づきが生まれやすく、会話の幅が広がったように思います。断面図のない部分の理解を補完するツールとしてもANDPAD BIM が役立っています。

そのほか、ANDPAD BIM のエリア機能を使い、BIMビュー上にラベル付BOXを配置しながら仮設計画の検討を進めています。平面図で検討を進める場合、山留や切梁の高さを調べる必要がありますが、ANDPAD BIM では高さ方向の情報や周辺環境が可視化されているので手間なく検討を開始できますし、平面図だけでは把握しきれない箇所にも気づけます。検討の初期段階で利用しやすいツールだと感じています。

協力会社に的確な作業指示を出すための「コミュニケーションツール」として活用

同社は現在、ANDPAD BIM を平面図の理解をサポートするツールとして位置付けている。中村様は、「やはり平面図がすべての基本になる」と話す。最後に、ANDPAD BIM の今後の活用について展望を伺った。

中村: 私自身、新しいものが好きなので最新技術をどんどん現場に取り入れてはいるのですが、やはりタブレットだけで図面を見ていると空間認識能力が乏しくなると感じています。また、協力会社の職人さんはまだ紙の図面を見て作業にあたっていますので、若手の係員には「まず平面図で現場を理解した上で全体像を描けるようになろう」と指導しています。

ANDPAD BIM は、平面図でわかりづらい部分を可視化し、職人さんへ的確に指示を出すためのコミュニケーションツールとして今後も活用していきたいと考えています。アンドパッドの皆さんには、BIMモデルの取り扱いに慣れていない係員でも直感的にBIMモデルを使えて、現場で役立つ機能やツールをぜひ開発してほしいですね。

 

※ 取材当時(2026年1月現在)の部署名になります。

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