建物の屋根からソーラーシェアリング、メガソーラーまで多彩な規模の太陽光発電事業を手がけるエイコーエナジオ。事業拡大に向けて採用し、品質管理向上の鍵となったクラウド型施工管理サービス「ANDPAD」の実力に迫る。
施工・保守・報告を一元管理、スピードと品質のレベルアップへ
エイコーエナジオは、太陽光発電を軸に事業を展開する再生可能エネルギー事業者だ。2017年に創業して以降、自社開発の太陽光発電所をはじめ、カーボンニュートラルへの関心の高まりを背景にした需要家向けの非FIT太陽光発電所の開発に邁進。北海道から九州まで全国各地で多様な規模の発電所を開発・運営している。
発電所を用地から検討して開発と運営を行うケースもあれば、開発のみ、保守のみの場合も。いずれも「ルールを守りながら品質の高い太陽光発電所をつくり、責任を持って運営することが何より重要」(同社常務取締役の塩川挙一氏)と、発電量や収益性だけでなく、長期安定運用を前提とした品質管理も重視する。そんな事業運営を支えるべく、2024年末からクラウド型施工管理サービス「ANDPAD」の活用を開始した。
発電所の管理を担う山崎智央氏は導入の背景について「当社は施工を協力企業に任せているため、施工品質を客観的に把握し、情報を全社で共有する仕組みが不可欠でした」と振り返る。従来はメールや電話での連携、個人のクラウドストレージへの情報の分散など属人化が課題となっていたが、ANDPADの導入により、工程、図面、写真、チャットを案件ごとに一元管理できる体制が整った。

特に効果を発揮しているのが図面機能だ。現場で発見した不具合箇所を図面上にピンポイントで示して共有できるため、認識のずれが大幅に減少したという。事業開発を担当する宮﨑敦司氏は「以前は説明に時間がかかり、是正内容の行き違いも起きやすかった。今は共有されている図面や写真を見れば一目瞭然で、指示から対応確認までANDPADで完結できています」と語る。また遠隔地の発電所においても、撮影から報告書作成まで完結できるため、現地調査や報告にかかる工数も大幅に削減された。バックオフィス部門もリアルタイムで現場状況を把握でき、支払いや契約管理の判断がしやすくなったという。
エイコーエナジオは2029年までに累計50MW規模の開発を目標に掲げ、事業拡大を進めていく考えだ。「情報を点ではなく面で捉え、誰もが同じ情報にアクセスできる状態をつくることが、品質とスピードを両立させる鍵となります」と山崎氏は強調する。ANDPADを基盤としたDXを推進しながら、同社は持続可能なエネルギー事業の次の段階へと歩みを進めている。
会社概要
株式会社エイコーの環境事業として誕生し、2017年に設立。用地検討からO&Mまでワンストップで請け負い、再生可能エネルギー事業開発や発電所の運営・保守を行っている。
自社で運営する岡山県の「和気ソーラーパーク」はゴルフ場の跡地を開発して2020年に運転を開始。東京ドーム21個分の広大な面積に7万枚を超えるソーラーパネルを設置し、一般家庭約6000世帯の年間使用量に相当する電力を生み出している。

右)常務取締役 塩川挙一氏
中央)電力事業管理部 主査 山崎智央氏
左)事業開発部 事業開発課 宮﨑敦司氏
本記事は、ソーラージャーナル(2026年3月15日発行)に掲載いただいたものの転載になります。
写真/冨岡誠、取材・文/本多祐介


