分譲マンション建設を主力とする大勝は、7年ほど前から現場の労働時間削減に本気で取り組んできた。『ANDPAD』を3年前に導入。ANDPADの活用と業務代行サービス「ANDPAD BPO」を掛け合わせることで、時短+業務負担軽減を実現している。建築工事部長の瓜生取締役、設備部門担当の平井主任、横浜市内の分譲マンション建設工事を担う井実所長、施工管理の青木主任、長谷川さんに話を伺った。
同社が労働時間の短縮に取り組み始めたのは2019年頃から。「現場業務の中で一番時間を取られるのが図面チェックと写真管理。まずはこの2つの負担を解消しようと、専任スタッフが図面チェックを行う“施工支援室”を立ち上げ、黒板作成や写真管理の一部を外部委託することにした」と瓜生取締役は振り返る。
以降、いくつかの写真管理ソフトや業務代行サービスを利用してきたが、2023年の『ANDPAD』導入が、現場の業務負担軽減の大きな転機になったという。

スマホさえあれば仕事ができる
現場はどう変わったのか。「紙で持ち歩いていた図面がすべてANDPAD内にあるので、スマホさえあればいつでもどこでもデジタルの図面が開けるようになった。身軽になり、どこかに置き忘れたり、濡らすリスクがないのも心理的に楽。紙やインクのコストも削減できている」(井実所長)。
同じ現場で施工管理を担う青木主任はスマホを2台持ち、ANDPADで複数の図面を同時に確認しながら職人との打ち合わせを行う。「印刷の必要がなく、完成したばかりの図面をタイムリーに職人さんと共有し電話で打ち合わせができるなど、時間のロスがかなり減った。足りない資料を事務所まで取りに行く手間が解消されたメリットもかなり大きい」(青木主任)。
設備検査を大幅に時短
設備・電気の施工検査を担う平井主任は、『ANDPAD図面』を使って業務を効率化している。「是正箇所があればスマホで写真を撮影し、指摘内容と業種をANDPADに入力するだけ。この作業を現場で丁寧に行えば、従来は1現場あたり1–2時間かかっていた写真付きの是正指示台帳が10分程度でできあがる。あとは協力会社が適切に是正工事を行い、是正後の写真を送ってくれれば、私が再度現場に行って写真を撮影する手間も省ける。以前と比べて3割ほど楽になった実感がある。今後関係者全員が是正後の写真を漏れなくあげるようになれば確認の手間が7割は減らせると思う」(平井主任)。

現場情報がリアルタイムに共有され、情報の一元管理もスムーズ
高精度な仮設計画が可能に
全現場を統括する瓜生取締役は、「緻密な見積作成にもANDPADは欠かせない」と話す。前述の施工支援室は、契約の前段階からANDPADで図面を共有し、仮設計画を立案する役目を担う。
「重機や養生、足場といった仮設工事のコストを規模や安全性を踏まえてよく練り込み、それを積算部による本体工事の見積と合算して精度をとことん上げることで、計画と実際の工事とのギャップを最小限に留められる。各所長の考え方や最新の機材情報を学んで次の仮設計画に生かせるのも、ANDPADで図面や情報を共有できるおかげ」(瓜生取締役)。
ANDPADとBPOサービスが独自の強みに
このように、活用が広がるANDPADに加え、現場では業務代行サービス『ANDPAD BPO』を積極的に活用しはじめ、独自の強みとする。新規入場者向け教育動画の作成や配筋写真撮影のレクチャーに加え、ほとんどの現場で利用しているのが「電子黒板作成+図面のピン立て作業」だ。
「以前利用していた他社の業務代行サービスだと豆図付き黒板作成に2-3週間かかっていたが、ANDPAD BPOは1-2日で納品される。大幅な時短になるうえ、AIで人の手間を最小限にできるぶんコストがかなり抑えられるので助かっている」と井実所長は評価する。アンドパッドのBPO担当者が「元現場監督」であり、現場の労務環境をよくしたいという明確な志と熱意を持ち、現場を熟知していることも安心して仕事を任せられる要因になっていると話す。
さらに同社では、派遣を含む業界未経験の社員が現場写真の撮影を担当し、現場作業の効率化につなげている。配筋写真業務を担う長谷川さんもその1人だ。「撮影→整理→台帳作成までの一連の作業はすべてANDPADのボタン1つで完了するので難しいことは何もない。とても効率的に仕事ができる」と話す。
以前は、写真の整理・台帳作成に手が回らなかったり、再撮影のタイミングを逃してしまうこともあったが、ANDPADで写真をタイムリーに確認できるうえ、ANDPADとBPOサービスを活用することで、写真管理や残業時間の課題はかなり解消されつつある。
「今ではANDPAD BPOありで現場の人員配置を行っており、これが使えないと会社全体の売上にも影響する。事業継続に不可欠な存在だ」と瓜生取締役は強調する。「今後はANDPADと連携してBIMにも取り組みたい」と話す。

ANDPAD BPOで黒板作成時間が大幅削減
今回、お話を伺ったのは…
株式会社大勝
本社:神奈川県横浜市
創業:1968年
社員:100人
主な事業内容:分譲マンション建設
強み:事業主と住まい手双方が安心・信頼・満足できる住環境づくりの徹底
(建設産業大予測2026 2026/ 1/25発行)掲載記事の転載)


