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協力会社の作業水準を平準化し、きれいな駐車場の運営を長期継続

大栄不動産株式会社 様
従業員規模 101〜300名
利用機能
課題
  • 4社ある協力会社の作業水準がまちまちで、指導してもなかなか足並みが揃わなかった
  • クレームなどがあれば施設担当者が現場に行き、事務所に戻って状況を報告。写真が後回しだったため対応が遅れることも
効果
  • 現場撮影した写真をリアルタイムで確認でき、管理業務の平準化を実現
  • 対応着手後の時間が約半分、解決策を立てる時間が3分の1に短縮
  • 月末月初の報告書をまとめていた時間が、少なくとも1日1~2時間は減少
  • 報告書を基にした請求書確認の作業が早くなり、残業がほぼゼロに

導入事例について詳しく知りたい方は、お問い合わせください。

大栄不動産株式会社様のご紹介

大栄不動産株式会社様の歴史は古い。1950年、前身の株式会社八重洲ビルディングが設立され、東京都中央区京橋の4階建て空襲焼け残りビルを取得してビル賃室業を開始した。初代社長には埼玉銀行元頭取が就任し、70年以上かけて総合不動産業として基盤を固めてきた。今回、ANDPADを導入したパーキング事業部は、ビル証券化、増資、グループ会社再編などの企業体質強化を行う中で新たな業務の柱として、2004年に誕生した部署だ。
「社会に貢献してお客様に本当に必要とされる存在であり続ける」という理念のもと、土地の有効活用として地主(オーナー)の駐車場の開設を支援する。大型商業施設、病院などの駐車場、駐輪場の企画立案や受託管理業務なども幅広く展開。現在は首都圏を中心に約800カ所の駐車場(月極と時間貸し)の企画立案、工事、管理から開設後のフォローまで一貫したサービスを提供している。そんな中、業務ではアナログな部分が多く、対応が後手に回るという課題があった。21年5月に導入したANDPADが業務改善にどれほど寄与したのか。大栄不動産株式会社パーキング事業部次長の中村 徹様に話を伺った。

 

駐車場の形態に適した管理業務がしやすくなった

駐車場を開設するには、何よりも土地を有効活用したいという人の情報が必要だ。もともと経営層が埼玉銀行(現りそな銀行)の流れを組んでいることもあって銀行経由で情報が入ることもあれば、会社のホームページ経由でオーナーから直接連絡が入ることもある。そうしてオーナーとの接点を持ち、現地調査、周辺の料金調査をする。その上で月極か時間貸しか、どちらが適しているのかを判断し、それから賃料を決める。ほぼ大栄不動産様による一括借り上げで駐車場を運営しており、オーナーには毎月安定した賃料が入り利益還元できる仕組みだ。
オーナーの了解を得られれば、月極の場合はオーナーが、時間貸しの場合は大栄不動産様が費用を負担して駐車場を造成し開設する。ここまでが営業担当者11名の仕事で、その先は施設担当者6名が運営、管理をしていく。協力会社の仕事のチェック、機械が故障したときの修繕に係る機器メーカーとの交渉、クレーム対応などを施設担当者が担う。

約800カ所ある駐車場に関する問い合わせは全て自社のコールセンターで対処しているが、巡回、清掃、点検、修繕などは基本的に協力会社へ依頼している。約450カ所が月極、約350カ所が時間貸しだが、月極と時間貸しでは管理の仕方が異なる。
月極は機械設備がそれほど多くなく、特に注意すべきは路面の状態だ。アスファルト式と砂利式があり、砂利式は時間が経つと土がえぐれて水が溜まることがある。それがクレームにつながるため、未然に防ぐため事前に点検し対処する。一方、時間貸しは、車止めのフラップ板が跳ね上がるロック装置方式と入り口にバーがあるゲート方式があり、どちらも精算機が設置されている。そうした機器類がきちんと稼働しているかを確認する。どちらの駐車場も、無断駐車などの不正利用がないかチェックする。

オーナーから預る大切な土地だから、きれいに整備しながら運営していくのが至上命令だ。協力会社は4社あるが、ANDPAD導入前は作業水準が各社まちまちで、都度指導していたもののなかなか足並みが揃わないという課題があった。
ANDPAD導入後は、現場撮影した写真がリアルタイムで上がってくるため、清掃や点検などこちらが協力会社に求める水準に達しているか簡単に確認できるようになった。現場の点検項目の効率化が進み、「一番求めていた管理業務の平準化ができました」と中村様は笑みをこぼす。

 

アナログ脱却で協力会社、顧客の満足度が向上

数年前、デジタル化の一環で、あるクラウドシステムを使い始めた。そこに集約する駐輪場管理関連の情報は、駐車場の数と形態(月極か、時間貸しか)くらいで、現場の写真データは会社に戻ってパソコンに入れ、クレーム対応はメモ書きで残すなど、アナログの手作業は多く残ったままだった。
中村様の前任者が、そうした管理記録は紙ベースではなくシステム内に蓄積するかたちにしたいと動きだした。ある展示会で、競合他社のカスタマイズの自由度が高い管理システムと、ある程度決まったかたちのインターフェイスであるANDPADを比較。後者の方が業務を効率化しやすいと判断し、導入を決めた。その読みが見事に当たった。
最大の成果は、大きな費用をかけずに協力会社からの報告の頻度と精度が上がったことだ。4社のうち1社は、導入前まで巡回先だけなどで情報量が少ない報告書だったが、今ではきちんと写真付きで報告してもらえるようになった。その1社は「写真付き報告書にすると今の金額では請け負えません」と反対していたが、ANDPADを使うようになってからは「報告が楽になりました」と変化した。

今では全ての協力会社が毎日のように写真を添付した報告書を上げるようになり、それを全てANDPAD上で担当者がリアルタイムに見られる。そのため、かつては掌握が遅れていた事項を速やかに把握できるようになり、色々やりとりする無駄な時間が減った。
報告の精度と頻度の向上は、すなわちきれいな駐車場の長期継続の実現、ひいては顧客満足度の向上に直結する。オーナーは駐車場近くに住んでいることが多いため、パーキング事業部よりいち早く情報が入りやすい。だから駐車場が傷んでいたりして、その対応が後手に回れば悪印象になる。先手で問題への対応ができるようになったため、「その分だけ顧客満足度につながりました」と中村様は手ごたえを感じている。

駐車場運営では、オーナーとの賃料交渉がシビアな仕事になる。ANDPAD導入後は、最新の点検状況を素早く報告できるようになり、交渉のしやすさが大きく変わった。賃料交渉は営業担当者の仕事だが、それまでの報告書をANDPADで見ながらオーナーに細かく説明できる。しかも文章だけではなく現場写真付きだ。報告書を過去にさかのぼり、デジタルデータで見られるのが賃料交渉の場面でも役立っている。

 

仕事が“後手”から“先手”へ、縦割りの壁もなくなった

協力会社の反対意見などが多少あったものの、比較的早くANDPADを導入できた。その秘訣は、中村様の「早く運用したい」という強い思いに加え、率先して使って意見をフィードバックしてくれる若手社員がいたからだ。結果として駐車場管理の改善だけでなく、社内体制の改善にもつながった。まず、月末月初に協力会社の報告書をまとめていた時間が削減された。(1)都内約200件、(2)埼玉県内で約300件、(3)23区以外の都下や埼玉県内の一部で約300件、3つのエリアの報告書を社員3人で分担してまとめている。さらに上司への報告書も作っている。今ではANDPAD上の報告書を取りまとめれば済むようになったため、月末月初に縛られる時間が少なくとも1日1~2時間は減った。

また、協力会社からの請求書は報告書を基に照合するが、ANDPAD導入前はその作業が遅れることもしばしば。業務が重なると請求書の確認が後回しになり、わざわざ残業して処理していたが、導入後は確認作業が早くなり残業がほぼなくなった。
他にも「今まで悪い意味で縦割りの壁があったが、それが取り払われました」と中村様は話す。ANDPAD導入前は、駐車場が開設すると営業担当者はその案件から離れてしまい、どんな点検がされているかまったく掌握していなかった。だが導入後は、自分が担当した駐車場の状況をいつでも確認できる。意識が高まり、営業担当者が駐車場の近くに行った際、自ら点検作業をするようになった。
アナログ時代は、クレームなどがあれば施設担当者がまず現場に行き、現況確認後に事務所へ戻り、わざわざ担当者が社内に集まって対面で報告していた。状況説明を言葉だけ交わしており、写真は後回しで添付していたため全てが後手に回っていた。

「時間に追われて仕事をしていたということを、現場の施設担当者は認識していなかったかもしれません。でも今は、自らきちんと先に計画を立てて動けています。“後手”から“先手”の仕事になりました」と、中村様は振り返る。
これにより対応着手後の時間が約半分になり、解決策を立てる時間も3分の1まで短縮した。1つの現場に全員がコミットできるため、施設担当者1人では判断できない問題にも知恵を出し合える。時間に余裕ができたため、解決策のもう一歩先、改善策をしっかり練ることもできる。

最近、大阪府高槻市や茨城県水戸市などのエリアを担当する協力会社を1社増やした。報告書を簡単に共有できるようになり、首都圏以外にも販路拡大をしやすくなったという訳だ。現在は管理業務を中心に使っているため、今後は駐車場開設までを担う施工会社、いずれは本社のビル業務などにまで段階的に利用を拡大していきたいという。競合が多い不動産業界にあって、大栄不動産様がANDPADの利用で存在感をどう増していくのか、要注目だ。

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