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竣工図とは?施工図や設計図との違い・活用シーン・保存義務を解説

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現場管理
施工図 竣工検査

竣工図(しゅんこうず)は、建築物の最終確認に必要です。建築物の保守管理や法的な手続きなどに活用するため、正確な情報を記載することが求められます。この記事では、竣工図の概要や定義、施工図・設計図との違いを解説します。竣工から物件の引き渡しまでの流れや保存義務なども解説するため、ぜひ参考にしてください。

竣工図とは

竣工図(しゅんこうず)とは、建物の完成時点の最終的な設計図のことです。建物は工事開始から設計の変更を経て完成するため、設計図と一致しない場合が多くあります。たとえば、電気設備や配管などは、施工の途中で変更する可能性が高くなっています。竣工図はリフォームや修繕といった作業をする際に重要な資料となり、適切に保管することが必要です。

竣工の定義

竣工(しゅんこう)とは、建設業界の用語で「建設工事の完了」のことです。別名で「落成(らくせい)」「竣成(しゅんせい)」「竣功(しゅんこう)」などもありますが、すべて「完成」を意味します。厳密に定義すると、以下のとおりの意味です。

  • 落成:企業の社屋や公共の建築物の完成
  • 竣成:大規模な建物の完成
  • 竣功:神社仏閣の完成

それぞれ戸建住宅の建築において使用される機会は少なく、明確な違いもありません。

竣工図と施工図・設計図との違い

竣工図と施工図・設計図は、記載内容と目的が異なります。それぞれの違いは、以下のとおりです。

  • 竣工図:竣工後の建物を記載し、将来の修繕やリフォームなどに使用
  • 施工図:施工の具体的な手順をはじめとした詳細な情報を記載し、その情報に沿って作業を進める
  • 設計図:計画段階の建物を図面化し、現場の作業員や施主とイメージを共有するための資料

竣工から物件の引き渡しまでの流れ

竣工から物件の引き渡しまで、さまざまな工程を経て建物が完成します。ここでは、その流れを解説します。

自社検査

自社検査とは、計画通りに施工されているかどうか確認する検査です。施工を担当した建築会社の設計士や工事の責任者が、建物の完成状態を確認します。自社検査は施工に関するトラブルを未然に防止するため、引き渡し前に必ず実施しなければなりません。ただし、自社検査の実施状況は建築会社によって異なる場合があるため、施主側から自社検査の実施を確認することが重要です。

完了検査

完了検査とは、公的機関による検査です。役所または指定確認検査機関が、建築基準法に基づき適切に施工されているかどうかを確認します。工事完了後は、市区町村や指定確認検査機関に工事完了後4日以内に『完了検査申請書』を提出する必要があります。違反建築物でないことが確認された後は、「検査済証」が発行されます。

竣工検査(施主検査)

竣工検査(施主検査)は、建築物の最終的な出来上がりを確認する検査です。「施主検査」や「内覧会」とも呼ばれており、その場合は施主が立ち会います。検査の際は、扉の閉まり具合やコンセントの位置など施主自身の確認が必要です。建物の設備の不具合が確認された場合、施工会社に修繕を依頼します。

物件の引き渡し

最後に物件の引き渡しです。この引き渡しが所有の境目となり、土地や建物の所有権が移転し、施主に権利と責任が移ります。施主検査までのチェックの終了後、完了検査後の「竣工図」や「検査済証」などの書類一式を渡します。書類の引き渡し内容については、契約段階で明確にしておくことが重要です。竣工図や検査済証などの引き渡し書類について、契約書面に明記しておきましょう。

竣工図を作成・活用するシーン

竣工図は、以下のように建築物の詳細の把握や法的な手続き、資産管理などの際に活用できます。

  • 建築物の保守管理:建築物の構造や設備、配管、電気回路などを把握し、修繕やリフォームなどに活用する
  • 法的な手続き:建築物の登記(不動産の所有者を記載する手続き)の際に使用する
  • 資産管理:建築物について正確な記載が残るため、売却や賃貸などの資料として活用し、円滑な取引につなげられる

竣工図の保存義務

建設業法において、竣工図は「営業に関する図書」に該当し、10年間の保存義務があります。2008年に建設業法施行規則が改正され、保存が義務づけられました。竣工図は電子保存にも対応しており、電子計算機その他の機器を用いて図書の代替ができます。ただし、法的証拠能力を備えたファイリングシステムが必要です。

竣工図以外に必要なもの

竣工図に加えて、竣工写真や竣工届といった資料もあります。ここでは、それぞれについて解説します。

竣工写真

竣工写真とは、竣工時に外観や内観、内装、設備などを撮影した写真です。将来の維持管理や改修・リフォームをする際、参考資料として活用できます。また、竣工写真は完成後の一番新しい状態を撮影するため、施主にとって記念の写真でもあります。施主に許可を得たうえで、建築会社の広告・宣伝用の写真として活用することも可能です。

竣工届

竣工届とは、施工完了後に建設会社が自治体に提出する書類です。別名「完了届」とも呼ばれており、工事の概要や完了日などが記載されます。竣工届を使用する工事は、足場や仮囲いなどで道路に影響を与えるものです。歩道の段差を解消したり、道路の法面を埋め立てて宅地造成したりする際は、必ず提出する必要があります。

竣工図の管理は施工管理アプリがおすすめ

竣工図を管理する際は、施工管理アプリがおすすめです。ここでは、メリットについて解説します。

情報を一元管理できる

施工管理アプリは図面や写真、工程や日報などの情報を一元管理できます。現場と事務所どちらでも閲覧できるため、図面や書類などのスムーズな情報共有が可能です。チャット機能が搭載されているアプリを活用すると、ほとんどの業務で情報を共有できます。アプリ上でデータ管理を一元化し、関係者全員に最新の情報を共有することで、工事品質の維持・向上につなげられます。

業務効率が向上する

施工管理アプリは、書類の作成や写真の整理などに活用できます。アプリ上で作業が完結するため、現場と事務所を移動する時間の短縮につなげられます。写真の自動整理機能によって、煩雑な管理の手間の削減も可能です。タブレットやスマートフォンでデータ管理ができるため、資料の検索も容易になります。

ペーパーレス化を実現できる

施工管理アプリは、書類や写真を管理することでペーパーレス化を実現できます。アプリ上で日報や工程管理表などを管理するため、印刷や郵送などのコストの削減も可能です。施工会社と協力会社が同じ施工管理アプリを使用すると、書類をはじめとした資料を共有できます。オンライン上で協力会社間のやり取りが完結するため、業務効率の向上にもつながります。

竣工図を「ANDPAD」で効率的に管理・共有

施工管理アプリ「ANDPAD」は、竣工図をはじめとした図面・工程表・写真などを、クラウド上で一元管理できます。最新の施工情報をいつでも閲覧でき、手待ち・手戻りをなくして現場への訪問回数の削減につなげることができます。

ANDPADはペーパーレス化の促進も可能です。営業、見積、設計、施工管理などの資料をクラウド上で管理し、必要な時に必要なものを取り出せる体制の構築ができます。

ANDPAD 3Dスキャン

「ANDPAD 3Dスキャン」は、現地調査時の野帳や図面作成で利用するツールです。スマートフォンやタブレットを活用することで、簡単に現地調査情報、施工記録を3Dで保存・共有ができます。スキャン情報にメモを加えるだけで、3次元+αの情報共有が可能です。3Dによる現地調査情報を関係者とリアルタイムに確認できるため、現場にいながら遠隔地の関係者との相談にも対応しています。

まとめ

竣工図(しゅんこうず)とは、最終的な建築物の設計図です。将来の修繕やリフォームなどに使用するため、詳細な情報が記録されます。竣工時には竣工図以外にも、竣工写真や竣工届といった書類や写真も必要です。施工管理アプリを活用し、煩雑な業務を効率化しましょう。

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