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是正工事とは?発生原因から対応手順・費用負担・再発防止策まで徹底解説 

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現場管理
品質管理 是正工事

是正工事とは、やり直し工事や補修工事などとも呼ばれ、建築物や設備に見つかった不具合や施工ミスを修正する工事のことです。この記事では、是正工事の基本から是正工事が発生する原因、是正工事でトラブルを減らす方法について解説します。施工管理を行う建設会社の担当者は、参考にしてください。

是正工事の基本を解説

是正工事とはどのようなものか、定義と関連する法律について解説します。

是正工事とは

是正工事とは、工事中や工事が終わった後などに見つかった不具合や欠陥を直すための工事のことです。「補修工事」「やり直し工事」などと呼ばれることもあります。契約内容に対して不備や不具合がある工事は、契約に適合しているとはいえず、施主は、施工会社に対して契約内容に従った工事を行うように是正を求めることができます。

是正工事に関連する法律

建設業は、適切な施工の確保や建設業の健全な発展のために、さまざまな規制を受けています。建設業法は、建設工事を請け負う際に適用される法律であり、是正工事に深く関わる契約不適合責任についても定めています。あらかじめ決めていた契約と異なる工事を行った場合や設計図書と異なる施工を行った場合などに、契約不適合責任が発生します。

建築基準法や消防法、地域の条例などの法令に違反している場合についても、是正工事が必要です。

是正工事が必要となるケース

是正工事が必要となるケースとして、契約内容や設計図書と異なる施工がされた場合と、建築基準法や消防法などの法令に違反している場合の2つが挙げられます。それぞれのケースについて解説します。

契約内容や設計図書と異なる施工がされた場合(契約不適合責任)

契約不適合責任により、是正工事が必要となるケースとして、完成した建築物が設計図書や仕様、契約書などと異なっているケースが挙げられます。色や仕上げ材の相違などの軽微なものから、構造や寸法などの甚大なものまで、契約不適合責任が適用される範囲は幅があります。

契約内容や設計図書と異なる施工がされた場合、契約内容に適合するよう、やり直しや修補などの是正工事を求められます。場合によっては、損害賠償を請求されたり、契約が破棄されたりすることもあります。

建築基準法や消防法などの法令に違反している場合

建築基準法や消防法、地域の条例などの法令に違反して建てられた建築物は、具体的には以下が挙げられます。

  • 建ぺい率や容積率の制限を超えている
  • 構造が基準を満たしていない
  • 無許可で増改築されている
  • 防火規制に違反している
  • 接道義務に違反している
  • 完了検査を受けていない

建築基準法や消防法、地域の条例に反している建築物は、周辺に悪影響を及ぼしたり、災害時に深刻な被害をもたらしたりする可能性があります。

違反建築物とは

違反建築物は、建築基準法や消防法などの関連法規に違反して建てられた建築物を指す言葉です。違反建築物は、利用者や入居者の安全が確保できないだけでなく、行政から是正指導が入り、使用制限がかかる可能性があります。

また、違反建築物は建築基準法違反に限定されるわけではありません。例えば、農業従事者用住宅のみ建設を許可されている区域に、一般用の住宅を建てた場合には、都市計画法違反建築物となります。

違反建築物の例

違反建築物の例を挙げます。

  • 床面積が10平方メートルを超える増築にもかかわらず、確認申請を提出していない
  • 増築により建ぺい率、容積率の制限を超えている
  • 延焼ライン内に増築した建物の防火性能が不足している
  • リフォームして、内装制限の規制に適合しない内装材に変更した
  • 採光基準を満たしていない建物を建設した

是正工事を要求されたときに行うべき対応

施主から是正工事を要求された場合、どのような対応をとるべきでしょうか。ここでは、是正工事を要求された場合のステップを、3つに分けて解説します。

指摘された箇所を確認する

施主から是正工事の必要性を指摘された場合は、迅速に対応することが重要です。まず、施主の声に耳を傾け、真摯に対応します。軽微な修正でも軽視してはなりません。不誠実な対応は、重大なトラブルに発展する可能性も考えられます。是正工事を求められている箇所を確認し、差異や不一致の程度を確認します。

是正工事の必要があるか検討する

契約書や設計図書、仕様書に記載された施工内容と、建築物を照らし合わせて、相違を明確にします。その上で、是正工事の必要があるかを検討します。契約書や設計図書通りに施工されている場合は、契約不適合責任は発生しません。ただし、施主のイメージと異なる場合には、丁寧に説明を行い、理解を得ることが重要です。
契約書や設計図書と異なる工事であった場合は、是正工事が必要になり、工事のスケジュールや費用負担の有無などについて話し合いを進めます。

是正工事が必要となった原因を追究する

是正工事が必要であると判断した場合、原因を究明し、工事ミスの原因がどこにあるのかを特定しなければなりません。是正工事が発生する背景には、以下のような共通点があります。

  • 施工品質にばらつきがある
  • 社内の情報共有が不十分である
  • 完成イメージの共有が不十分である
  • 現場管理が属人化している

是正工事の計画・施工・完了報告の流れ

是正工事は、是正計画に基づいて、速やかに実施することが重要です。是正計画書を指定の日時までに提出しないと、是正勧告が出されることもあるため、迅速に進めていきましょう。

是正工事が必要と判断されたら、施主にその旨を説明し、是正工事の計画を立てます。是正計画が承認されたら、是正工事を実施します。スケジュールや方法などを明確にし、施主から理解を得た上で実行に移すことが大切です。是正工事が完了したら、最終確認を施主とともに行い、文書に残しておきましょう。

是正工事で気を付けること

是正工事は、すべて対応する必要はありませんが、是正工事が必要とされたら、原則無料で対応しなければなりません。注意点を2つに分けて解説します。

是正工事はすべて対応しなければならないわけではない

施主が「やり直してほしい」といった工事に、すべて対応する必要はありません。契約内容と相違ない工事ができていれば、契約不適合ではないため、是正工事に応じる必要は必ずしもないのです。

是正工事が必要か否かの判断は、契約内容と異なっていないかに委ねられます。施主の主観的な理由での是正工事に対応するのであれば、費用の追加も交渉可能です。ただし、建築基準法違反の場合は、契約書や書類に関係なく、無償での対応が必要です。

原則、無料で是正工事には対応する

前述した通り、契約と異なる工事や建築基準法に違反した工事を行った場合は、原則、無料で是正工事に対応しなければなりません。通常、現場の監督・指揮の責任を負う施工会社が費用を負担します。図面や仕様書を無視したり、明らかに協力会社の施工ミスがある場合には、協力会社に無償でのやり直しを求めたり、必要な費用を請求したりできます。

是正工事でトラブルを減らすために

是正工事で後々トラブルに発展しないために、書面での契約や専門家への相談などが有効です。是正工事のトラブルを避けるためにできることを3つ解説します。

書面で契約を交わす

是正工事には、契約の変更が必要です。口頭のみで済ませるのではなく、書面で契約を交わしましょう。契約は、口頭でも成立しますが、建設工事の請負契約の当事者は、契約の締結に際して、署名または記名押印をした書面を互いに交付する義務があるとされています。

発注者側と受注者側とのあいだで、工事や施工内容・品質など、どのような合意が交わされたのかを明確にすることが重要です。行き違いを防ぐためにも、設計図書や仕様書、契約書の他、是正工事の際のやり取りや打ち合わせは記録しておきましょう。

品質管理・検査体制を整える

工事を円滑に進めるためには、事前の対策が必要です。各工程で検査を実施し、問題点を早期に発見することで是正工事や契約時のトラブルを防止できます。協力会社と品質に関する情報を共有し、品質向上を目指すことも大切です。

契約内容を周知徹底するとともに、チーム全体で工程を共有することで、ミスや手戻りを防げます。図面や仕様書の確認、材料の受け入れチェック、作業中の検査などの体制を整えましょう。

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また、検査報告書はボタンひとつでPDFへ出力可能です。

まとめ

是正工事が必要となるケースとして、契約内容や設計図書と異なる施工がされた場合や違反建築物に該当する場合が挙げられます。是正工事は、どの段階でミスがあったのかを明らかにし、再発防止策について検討することが重要です。工事におけるトラブルや是正工事の発生を防ぐために、契約内容の周知徹底や品質管理・検査体制の整備が欠かせません。

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