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請求書と納品書の違いとは?役割や必要な記載事項、発行時の注意点など解説

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見積・請求・契約
インボイス 納品書 請求書 請求管理

請求書と納品書は、建設業の取引で頻繁に発行される重要書類ですが、その役割や内容には明確な違いがあります。この記事では、両者の違いや基本的な記載事項、発行時の注意点から電子化のメリットまで、建設業務に携わる人に役立つ情報を解説します。適切な書類管理は業務効率化につながるため、ぜひ参考にしてください。

請求書と納品書の違い

請求書と納品書は、目的と役割が異なります。納品書は、商品やサービスの納品事実を証明する書類です。一方、請求書は取引先に代金の支払いを依頼するための書類です。以下でそれぞれについて詳しく解説します。

請求書とは

請求書は、提供した商品やサービスの代金支払いを取引先に請求するための書類です。建設業では、同じ取引先に対して複数の取引がある場合にまとめて発行する掛売方式と、継続性がない取引に対して納品時に発行する都度方式があります。

請求書発行の目的と役割

請求書の主な目的は、取引先に対して商品やサービスの代金支払いを正式に依頼することです。請求書があることで、取引先は何に対していくら支払うべきかを明確に把握できます。また、自社においては売上管理や売掛金の把握に役立ちます。法的な発行義務はありませんが、取引事実を明確にし、代金回収をスムーズに進めるうえで重要な役割を担うものです。

請求書の基本的な記載事項と書き方

請求書には以下の項目を記載します。

  1. 請求書番号
  2. 請求書発行日
  3. 宛先(会社名または個人名)
  4. 請求者情報(自社の名称・住所・連絡先)
  5. 納品日あるいはサービスを提供した日
  6. 商品・サービス・工事の名称と詳細
  7. 数量と単位
  8. 単価(税別)
  9. 金額
  10. 小計、消費税、合計金額
  11. 支払期限
  12. 振込先情報(金融機関名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義)
  13. 備考

特に、取引先がいつまでにいくら支払うべきかを明確に記載することが重要です。また、インボイス制度対応が必要な課税事業者であれば、請求者情報の部分に、適格請求書発行事業者の登録番号も記載しましょう。

納品書とは

納品書は、商品やサービスの納品時に発行するもので、納品内容の確認や取引の証明として重要な書類です。建設業では、たとえば工事であれば、工事が完了して引き渡す際に発行します。法的な発行義務はありません。

納品書発行の目的と役割

納品書の目的は、商品やサービスを確かに納品したことを証明することです。発行側にとっては納品事実の証明となり、取引先にとっては発注内容と納品物が合致しているかを確認するための重要な書類となります。特に見積書がある場合は、納品書と照合し、正しく履行されたかを確認できます。

納品書の基本的な記載事項と書き方

納品書には以下の項目を記載します。

  1. 宛先(会社名または個人名)
  2. 納品書番号
  3. 納品日(引き渡し日)
  4. 納品者情報(自社の名称・住所・連絡先)
  5. 商品・サービス・工事の名称と詳細
  6. 数量と単位
  7. 単価(税別)
  8. 金額
  9. 小計、消費税、合計金額
  10. 備考

納品日は後の請求書の締切日に関係するため、必ず正確に記入します。商品やサービス、工事の内容は正確に把握できるよう、具体的に記載することが重要です。社印は法的義務はないものの、取引先との合意や社内規定により使用されることもあります。

納品書兼請求書とは

納品書兼請求書とは、納品書と請求書の機能を1つに統合した書類です。特に単発取引や都度請求を採用している場合に、納品と請求の手続きを一度に完了でき、取引の効率化と書類管理の簡素化に効果的です。物理的な納品物がないデザイン制作といったサービス業で多く利用されています。

納品書兼請求書のメリット

納品書兼請求書の使用には、発行側と受取側双方にメリットがあります。発行側にとっては、書類作成の手間と紙代や印刷代、郵送費などの経費削減につながります。納品と同時に請求できるため、代金回収のサイクルが早まり、資金繰りの改善にもつながります。

受取側にとっては、取引情報が1つにまとまるため、書類管理が容易になります。保管スペースを節約でき、経費処理も効率化します。双方にとって、業務効率の向上につながる有効な手段です。

納品書兼請求書を発行できる条件

納品書兼請求書は便利な書類ですが、本来は別々のタイミングで発行する書類を1つにまとめるため、すべての取引で利用できるわけではありません。発行できる条件は、主に単発的な取引や継続性のない取引の場合です。また、納品ごとに請求する「都度請求」を採用している場合も発行できます。

いずれの場合も、納品と請求を同時に行うことについて取引先の同意を得ることが重要です。

請求書と納品書は両方必要か?

請求書と納品書は、どちらも取引において重要な役割を果たすため、基本的に両方とも必要です。納品書は商品やサービスの内容確認に、請求書は金額の確認に用いられます。

支払い前に両書類の内容が一致しているかを確認することで、人的ミスによる未入金などを防げます。また、会計業務においても保管義務があるため、適切な管理が必要です。特に決算時期の取引では、納品書の日付が会計上の確定日付として重要な役割を果たします。両書類を適切に管理することで、スムーズな取引と正確な会計処理を実現できます。

領収書とは

領収書は、商品やサービスの代金を受領したことを証明する書類です。あくまでも入金確認後に発行するもので、請求書とは明確に区別する必要があります。民法第486条では「弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる」と規定されており、支払いを証明する重要な証憑となります。

領収書には、受領者の氏名(社名)、支払者の氏名(社名)、取引日付、金額、取引内容などを記載します。

参照:民法 | e-Gov 法令検索

一般的な取引の流れ

一般的なビジネスにおける取引の流れは、複数の書類の発行とやりとりによって成立します。標準的な取引では、次のようなステップで進めます。

  1. 依頼を受ける
  2. 見積書を提示する
  3. 発注書・契約書を交わす
  4. 納品書を発行する
  5. 請求書を発行する
  6. 支払いを受ける
  7. 領収書を発行する

ただし、継続的な取引関係にある場合や少額取引の場合は、見積書の省略や納品書兼請求書の使用など、一部の書類を簡略化することもあります。また、必要に応じて、受注側が受注時に受注請負書を発行したり、発注側が納品物の受領・確認書類となる検収書を発行したりする場合もあります。

請求書・納品書発行の際の注意点

請求書や納品書発行時は、インボイス制度への対応、記載内容の確認、送付漏れ防止、電子帳簿保存法の遵守が重要です。それぞれについて解説します。

インボイス制度に留意する

2023年10月から導入されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)により、請求書や納品書の発行方式が変わりました。適格請求書として機能させるためには、従来の記載事項に加えて「適用税率および税率ごとに区分した消費税額」「適格請求書発行事業者の登録番号」の記載が必要です。

紙でも電子データでも発行可能ですが、記載事項が増えたため、電子化によって業務効率化を図る企業が増えています。

参考:適格請求書等保存方式の概要|国税庁

内容に誤りがないよう十分に確認する

納品書や請求書は、取引の重要な証明書類です。記載内容に誤りがあると、取引先との信頼関係を損なうだけでなく、場合によっては法的責任を問われる可能性もあります。発行前は、品目名、数量、単価、合計金額などの記載事項を必ず確認しましょう。

万が一、見積書、納品書、請求書といった複数の書類間での数値や内容に不一致があった場合には、関連書類すべてを更新する必要があります。

請求書の送付漏れに注意する

請求書は、代金を回収するために必須の書類です。送付漏れがあると、支払いが行われず資金繰りに影響するだけでなく、取引先との関係にも支障をきたします。請求書の送付漏れが発生した場合は、取引先への迅速かつ誠実な対応が重要です。再発防止には、請求書管理の仕組みを見直し、チェック体制を整えましょう。

電子帳簿保存法の要件を確認する

電子帳簿保存法では、2024年1月以降に、電子的に発行・受領した取引書類は、データのまま保存することが義務付けられています。基本的な保存期間は7年間です。紙に印刷しての保存は認められません。電子化を進める際には、取引先の同意を得ることや、社内の運用フローを整備すること、システム障害や情報漏えい対策などが重要です。

請求書や納品書を電子化する企業が増えている

近年、テレワークの普及やデジタル化の加速により、請求書や納品書を電子化する企業が増加しています。e-文書法や電子帳簿保存法の整備により、これまで紙での保存が義務付けられていた文書が電子データでも保存できるようになりました。特に2022年の電子帳簿保存法改正や2023年のインボイス制度導入により、電子化の流れがさらに加速しています。

参考:適格請求書等保存方式の概要|国税庁
参考:民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律 | e-Gov 法令検索

請求書や納品書を電子化するメリット

請求書や納品書の電子化は業務効率向上、コスト削減、書類管理の簡素化など多くのメリットがあります。それぞれを解説します。

業務の効率化を進められる

請求書や納品書の電子化により、大幅な業務効率化が実現できます。従来の紙ベースの処理では、印刷、封入、発送などの手間がかかり、特に月末・月初に集中する請求業務は経理担当者の大きな負担となっていました。電子化することで、メールやシステムを通じた即時送付や万が一の修正・再発行の迅速対応が可能になり、作業時間が大幅に削減できます。

コスト削減につながる

請求書や納品書の電子化は、さまざまなコスト削減をもたらします。紙代、インク代、封筒代、郵送費といった直接的な経費の大幅削減だけでなく、業務効率化による人件費の削減も可能です。高額な取引に必須の収入印紙の貼付も不要となるため、印紙代の削減にもなります。さらに、紙の場合の保管スペースの確保にかかるコストも削減できます。

書類の一元管理・保管がしやすくなる

電子化された請求書や納品書は、一元管理が容易になります。紙の書類のような膨大な量のファイリングは不要なうえ、劣化や破損、紛失のリスクも軽減されます。検索機能を活用して過去のデータをすぐに探し出せたり、クラウドサービスを利用して場所を選ばずデータへアクセスできたりと、利便性が向上します。

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建設業界の請求書管理業務には、工事ごとの振り分けや出来高査定、立替経費の相殺など、業界特有の要件があります。ANDPAD請求管理は、これらの課題を解決する建設業特化の請求管理システムです。

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まとめ

請求書と納品書には明確な違いがあります。請求書は代金支払いを依頼する書類、納品書は納品事実を証明する書類です。発行時には、インボイス制度や電子帳簿保存法などに関して、常に最新情報へ対応できるように注意しなければなりません。

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