電気工事において、労力や資材の正確な数値を把握するために用いられるのが、歩掛表です。この記事では、歩掛の基本知識をはじめ、メリットや作成の方法と流れ、そして注意点などについて解説します。また、歩掛表の作成をサポートしてくれる積算ソフトの選び方も取り上げるため、施工管理の担当者はぜひ参考にしてください。
電気工事における「歩掛」とは?基本知識を解説
そもそも歩掛とは、電気工事における各種作業工程に必要な時間や日数、作業員の数などを一定の基準のもと数値化したものです。工事費用の見積もりは、作業現場ごとの取り付け場所、施工方法などによって、細かく条件が異なります。そのため、歩掛を使用することで、正確な工事費用の見積もりを出せるようにしています。
電気工事における歩掛表の種類と特徴
歩掛表と一口にいっても、以下のようにいくつか種類が存在するため、それぞれの特徴を踏まえて自社に適した歩掛表を選択しましょう。
- 標準歩掛表
- カスタム歩掛表
標準歩掛表は、国土交通省をはじめとする公的機関の基準に合わせて作成された歩掛表です。公的な基準に合わせているため、業界での信頼性が高く、積算根拠の説明性が高まります。カスタム歩掛表は、企業ごとのニーズに合わせてカスタマイズした歩掛表です。多様な現場の状況に合わせて作成するため、標準歩掛表を利用していたとき以上の業務の効率化が期待できます。
電気工事の歩掛表を作成する方法と流れ
以下では、正確な電気工事の歩掛表を作成する具体的な方法、そして流れについて解説します。
1. 必要な設備の把握
まずは、図面や指示書をもとに必要な設備の洗い出しを行います。その際、以下のような点をチェックしましょう。
- 建物特有の設備が必要か
- 不足している設備はないか
- 改修しなければならない設備はないか
場合によっては、建物の外に新しく設備を設ける必要があるため、確認漏れが発生しないように注意してください。
2. 労務費の算出
必要な設備の把握が完了したら、次は労務費を算出します。労務費には直接労務費と間接労務費の2種類が存在しており、それぞれの詳細は以下のとおりです。
- 直接労務費:労働者に直接支払われる費用のこと(給与や賞与など)
- 間接労務費:給与以外で労働者のために支出される費用のこと(健康保険や雇用保険など)
作業員ごとに作業費を計算し、工事全体で労務費がいくらかかるか算出するのが一般的です。
3. 材料費の算出
労務費を算出したら、材料費の算出を行います。図面を確認し、必要な材料を洗い出しましょう。
このとき、部材の数や長さを間違えないように注意してください。この工程でミスが発生してしまうと、赤字工事の原因になりかねません。ダブルチェックを行う、不明瞭な部分は有識者に確認するなど、ヒューマンエラーの対策をしましょう。
電気工事の歩掛表のメリット
電気工事に歩掛表を導入することで、具体的にどのようなメリットを享受できるかについて、解説します。
赤字工事を削減する
電気工事に歩掛表を導入するメリットとして、赤字工事の削減が挙げられます。電気工事において避けたい事態の1つが、赤字の発生です。赤字の発生は、資金繰りの悪化や従業員のモチベーションの低下などを招きます。歩掛を用いれば、材料一つひとつの価格を正確に見積もれるため、赤字発生のリスクを下げられます。
正しい労務費を知る
正しい労務費がわかる点も、電気工事の歩掛のメリットです。算出が難しい原価として、労務費が挙げられます。労務費とは、電気工事にかかわる作業員の賃金や賞与などの人件費のことです。労務費の適正な費用が分かれば、赤字のリスクを下げるだけでなく、自社状況の把握や利益の向上にもつながります。
お客様への信頼が向上する
電気工事に歩掛を導入すると、お客様への信頼が向上します。どんぶり勘定で見積もりを行うと、積算根拠の説明を行えません。その結果、クライアントに不信感を持たれるリスクがあります。しかし、適切な歩掛を用いれば、クライアントを納得させられる見積もりの作成が可能です。また、価格交渉を有利に進められます。
正しくスケジュールを管理する
正しいスケジュール管理ができるようになることも、電気工事の歩掛のメリットです。電気工事では、天候不良をはじめさまざまな要因で工数が変動する場合があります。当初の見積もりから工数がずれ込むと、スケジュールの遅延やコストの増加につながります。しかし、歩掛によって正しい工数を把握できれば、スケジュール管理を正確に行えます。
情報を経営強化へつなげる
電気工事の歩掛には、情報を経営強化につなげられるというメリットがあります。歩掛によって適正価格の見積もりを作成すれば、正確な経営状況の把握が可能です。経営状況を多角的に分析すれば、自社の課題や強みがわかるようになります。明確になった課題を解決しつつ、強みを伸ばせれば、利益の向上も期待できるでしょう。
電気工事の歩掛表を作成する際の注意点
ここでは、電気工事の歩掛表を作成するにあたって、どのような点に注意する必要があるかについて、解説します。
工事の規模を正確に算出する
電気工事の歩掛表を作成する際は、工事の規模を正確に算出してください。工事にかかるコストは、工事の規模によって変動します。規模を正確に把握できれば、より正確な見積もりを出すことが可能です。工事の規模を見誤らないためには、図面や配線図を細かく確認する、材料の種類や数などをメモしながら作業を進めるなどの方法が有効です。
適正な単価設定をする
電気工事の歩掛表を作成するときの注意点として、適正な単価設定も挙げられます。歩掛を作成する際は材料ごと、作業ごとにそれぞれ異なる単価を積み上げていきます。この単価が適正でない場合、自社の利益を確保できない、クライアントからの信頼を失うなど、さまざまな問題につながりかねません。積算をしっかり行い、適正な単価を設定しましょう。
過去の案件の単価も参考にする
電気工事の歩掛表を作成する際は、過去の案件の単価も参考にしましょう。似たような案件を参考にすれば、スムーズに見積もりを進められます。なお、似た案件とはあくまで似た案件であり、実際の案件とは仔細が異なっているケースがほとんどです。あくまで参考情報として活用し、物価や人件費を最新のものにして計算し直してください。
電気工事の歩掛の効率化を目指すなら積算ソフトの導入がおすすめ
電気工事の歩掛は工事の内容によって単価が異なるため、作業が滞ることも珍しくありません。歩掛の効率化を目指すなら、積算ソフトの導入がおすすめです。積算ソフトは、見積もりや工事コストを算出するためのソフトです。積算ソフトを用いれば、設計図書や積算基準をもとに、正確かつ適正な工事費の算出ができます。
電気工事の歩掛を任せる積算ソフトを選ぶポイント
最後に、電気工事の歩掛を任せる積算ソフトの選定をする際、どのようなポイントを押さえればよいかについて解説します。
入力のしやすさ
積算ソフトを選ぶ際は、入力のしやすさを重視しましょう。現在、さまざまなメーカーの積算ソフトが販売されていますが、操作性はソフトごとに異なります。操作性に問題があると、作業効率が低下してしまい、業績にも悪影響を及ぼしかねません。シンプルなレイアウトで、直感的な操作ができるような積算ソフトを選びましょう。
サポート体制
サポート体制の有無も、積算ソフトを選ぶ際の重要なポイントとして挙げられます。新しいソフトを業務に導入するにあたって、トラブルの発生はつきものです。サポート体制が不十分だと、トラブルが発生したときに作業全体がストップする可能性もあります。そのため、電話やメール、リモートサポートに対応しているものを選択しましょう。
他システムとの連携
積算ソフトを選ぶにあたって、他システムと連携ができるか否かも重要なポイントです。積算ソフトによっては工事原価システムをはじめ、さまざまなシステムと連携できます。他システムと連携できれば、データの一元管理が可能になるため、作業効率の向上が期待できるでしょう。
まとめ
電気工事の歩掛表は、赤字工事の削減や正しい労務費の把握などをサポートしてくれる存在です。しかし、歩掛表の作成は、人件費をはじめさまざまな情報が必要なうえ、ヒューマンエラーも発生しやすいです。施工管理や情報共有の効率化を図るには、ANDPAD(アンドパッド)の利用を検討してください。
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