1. ホーム
  2. お役立ちコラム
  3. 業界動向
  4. 建設費が高騰している原因とは?現状と今後の予想、建設業界に与える影響を解説
建設費高騰

建設費が高騰している原因とは?現状と今後の予想、建設業界に与える影響を解説

公開日:
更新日:
業界動向
2024年問題 人手不足 建設費高騰

近年の建設業界において、悩みの種の1つが、建設費の高騰です。この記事では、建設業界や建設費高騰の現状、高騰の幅、労務コスト・資材コストが高騰している理由などを解説します。高騰している理由を知り、自社の活動に活かしたいと考えている人は参考にしてください。

ANDPAD概要資料 3点セット

ANDPAD(アンドパッド)は、現場の効率化から経営改善まで一元管理するシェアNo1のクラウド型建設プロジェクト管理サービスです。ANDPADの「サービス概要」「導入メリット・導入事例」「サポート体制」がわかる資料3点セットをご用意しています。

資料をメールで受け取る

建設業界の現状

建設業界の現状

建設投資額をみると、2010年度以降は上昇が続いています。建設投資額とは、建設業界や建設プロジェクトによる投資額の総額を示すものです。2022年度は67兆円を記録し、民間の建設投資額は2022年度も上昇しています。2023年度は見込み額ですが、70兆円を超えると予想されています。

参考:令和5年度(2023年度) 建設投資見通し 概要|国土交通省

建設費高騰の現状

2015年の平均を100とすると、2022年には120を超えています。建設費は、東日本大震災後の復興需要や東京オリンピックの需要増などによって、2013年頃から上昇が続き、2020年頃に一時下がったものの、2021年から再び上昇を続けています。

なかでも、2021年後半からは、木材需要の急激な高まりである「ウッドショック」によって、木造住宅の工事費が大きく上昇しました。

参考:総合政策:建設工事費デフレーター |国土交通省

原価・粗利の可視化【ANDPAD活用方法】

原価の把握や、思わぬ粗利率の低下でお悩みの方向けに、「原価管理」にフォーカスした経営改善につながるANDPAD活用方法をご紹介しています。

資料をメールで受け取る

建設費はどれくらい高騰している?

建設費はおおまかに、労務コスト(労務費)と資材コスト(材料費)の2つに分けられます。現在、上昇しているのは、それぞれ異なる要因によるものです。それぞれの費用の内訳と、上昇の要因を解説します。

労務コスト

労務コストとは、人件費や社会保険料など、労働者に対してかかる費用です。2021年3月と2024年3月を比較すると、公共工事設計労務単価が約15%上昇しました。公共工事設計労務単価とは、建設技能者の賃金相当として積算されるものです。仮に建設コスト全体のうち労務コストが30%だとすると、労務コストの上昇によって建設コストは約4.5%上昇しています。

参考:令和6年3月から適用する公共工事設計労務単価について|国土交通省

資材コスト

資材コストとは、建設に必要な資材や設備、機器などの購入にかかる費用です。2021年度の平均と2024年3月を比較すると、建築・土木総合における資材コストの上昇率は、全国平均で約18%です。資材コストは、労務コスト以上に急激に高騰しています。

仮に、建設コスト全体のうち材料費が60%だとすると、資材コストの上昇によって、建設コストの上昇率は約10%です。仮設費や経費などを除き、建設コストは約3年間で約15%上昇していることになります。

参考:建設資材価格指数|一般財団法人 経済調査会 オフィシャルサイト

原価高騰時代に「利益」を上げ続ける最強の工務店経営術

新築注文工務店の経営者方向けに、利益・原価管理をより正確に、スピード感をもって把握するノウハウ、原価管理の精度向上を実現したANDPAD活用事例などをご紹介しています。

資料をメールで受け取る

労務コストが高騰している原因

労務コストが高騰している原因

労務コストは、なぜ高騰しているのでしょうか。人手不足と2024年問題、法定福利費の適正化の3つの原因を解説します。

人手不足

労務コストが上昇する要因の1つは、人手不足です。建設業界を選ぶ若い人が減り、労働者の高齢化が進んでいます。労働者が徐々に少なくなる一方で、職人の需要が高くなっているため、労務コストが高騰しています。

具体的には、国土交通省発表の公共工事設計労務単価は、2013年の1万5,175円から2023年には2万2,227円へと、45%以上の上昇率です。また、人手不足の影響で工期が長くなり、コストの上昇につながっています。

参考:令和5年3月から適用する公共工事設計労務単価について|国土交通省

2024年問題

「2024年問題」とは、働き方改革による残業の上限規制が施行されたことです。建設業界は5年の猶予期間がありましたが、2024年4月に適用されました。これまで建設業界は労働時間や休日労働の多い業種とされ、イメージの低下から若い人の就労が減少していました。

良くないイメージの脱却が期待されますが、残業の上限規制によって、現在は労務コストの上昇につながっています。また、残業が規制され工期が伸びると、仮設費も増加します。

法定福利費の適正化

法定福利費とは、建設会社が負担する従業員の保険料です。法定福利費は、企業ごとに金額を変更したり、加入しない判断をしたりはできません。

保険に加入していない従業員は、現場への入場が認められない取り扱いが求められ、対策が強化されています。また、2017年に請負代金内訳書に法定福利費を明示するよう、ガイドラインで示され、元請企業は遵守するよう定められました。労働環境の改善が進んでいることで、労務コストの上昇につながっています。

関連記事:法定福利費の計算方法は?仕訳方法、注意点についても徹底解説

マンガでわかるANDPAD

労働時間の削減、生産性向上に役立つANDPAD。シェアNo1のクラウド型建設プロジェクトサービスをマンガでわかりやすくご紹介します。

資料をメールで受け取る

資材コストが高騰している原因

資材コストの高騰は、輸送コストと新型コロナウイルス、ウクライナ問題も原因となっています。それぞれについて解説します。

輸送コストの上昇

建築資材の輸送コストも上昇しています。建築資材の輸送は船やトラックなどを使用するため、燃料として石油を消費します。ウクライナ問題によって、原油価格は高値が続いており、下がる見通しは立っていません。

新型コロナウイルスの影響

2020年から流行した、新型コロナウイルスの影響です。建設業界においては、新型コロナウイルスを起点として、ウッドショックが起こりました。

ウッドショックとは、コロナ禍から回復する過程でアメリカや欧州、中国などで郊外に住宅を建てる人や住宅を求める人が増え、世界的に木材価格が高騰した現象です。ウッドショックに加えて、世界的なコンテナ不足も木材価格上昇につながりました。

ウクライナ問題の影響

2022年から起こった、ウクライナ問題の影響です。ロシアとウクライナによる紛争によって、両国の経済活動が停滞しており、建設資材の高騰につながっています。

ロシアは世界有数のエネルギー資源の生産国で、天然ガス・石油などの価格高騰につながり、輸送費のコストが上昇しています。ウクライナは鉄鋼や木材の輸出国で、供給に影響が出ているため、資材コストの上昇が防げません。

円安の影響

円安が続いていることによる影響を受けて、輸入建築資材の価格が高騰しています。日本では、多くの建築資材を輸入しているため、円安が進むと資材コストが上昇します。加えて、ガソリン代や電気料金も上昇傾向です。その影響で、資材を加工する工場の電気代や輸送費の上昇という影響があります。

原価・粗利の可視化【ANDPAD活用方法】

原価の把握や、思わぬ粗利率の低下でお悩みの方向けに、「原価管理」にフォーカスした経営改善につながるANDPAD活用方法をご紹介しています。

資料をメールで受け取る

建設費の高騰が建設業界に与える影響

建設費の高騰が建設業界に与える影響

建設費の高騰は、建設業界にさまざまな影響を与えています。はじめに影響があるのは、ゼネコンや開発会社をはじめ、各建設会社の利益率低下です。極力建設費が上昇しないよう努力することで、価格競争が激化し、建設業界全体の収益低下につながります。

また、価格競争で補いきれないほど建設費が高騰すると、売値が上昇し購入者の購買意欲が低下することで、業界全体の売上低迷につながる可能性もあります。

建設費の今後の予想

今後も、建設費が下がる気配はありません。むしろ、需要が低迷しない限りは、建設費の上昇は続く可能性が高いでしょう。建設費の高騰には人手不足が影響しており、短期間で解決できる問題ではないためです。

ただし、急激なコストの高騰は、新型コロナウイルスやウクライナ問題などが影響しています。これらの問題が解決するにつれて、これ以上の急激な上昇はなくなるとも考えられます。

建設費を少しでも抑える方法

建設費高騰の原因は分かったものの、建設費を少しでも抑えたいと考える人は多いでしょう。2つの方法を解説します。

業務効率化が可能なシステムの導入

業務効率化システムを導入する方法です。建設会社の業務を、ITやデジタルの技術によって効率化できます。生産性が向上することで、労務費の削減につながるでしょう。また、人的ミスを減らせます。

下記では、業務効率化を実現するための4つの手段について紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:施工管理業務を効率化する手段 4選

マンガでわかるANDPAD

労働時間の削減、生産性向上に役立つANDPAD。シェアNo1のクラウド型建設プロジェクトサービスをマンガでわかりやすくご紹介します。

資料をメールで受け取る

正確な原価管理で利益率改善するなら「ANDPAD引合粗利管理」

ANDPAD引合粗利管理では、工事原価をリアルタイムに把握できます。正確な原価管理をもとに、事前想定の粗利を確保できます。見込管理を重視したダッシュボードで、スムーズなチーム運営を実現可能です。

原価・粗利の可視化【ANDPAD活用方法】

原価の把握や、思わぬ粗利率の低下でお悩みの方向けに、「原価管理」にフォーカスした経営改善につながるANDPAD活用方法をご紹介しています。

資料をメールで受け取る

まとめ

建設費は2015年の平均を100とすると、2022年には120を超えています。建設費は労務コストと資材コストから成り立ち、どちらも高騰しています。労務コストの高騰は人手不足、2024年問題、法定福利費の適正化がおもな原因です。資材コストの高騰は輸送コストの上昇、新型コロナウイルスやウクライナ問題の影響がおもな原因となっています。

クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD(アンドパッド)」は、業種を問わず数多くの企業やユーザーが利用しています。生産性が向上することで建設費を抑えることに役立ちます。まずは資料請求、またはお問い合わせください。

ANDPAD概要資料 3点セット

ANDPAD(アンドパッド)は、現場の効率化から経営改善まで一元管理するシェアNo1のクラウド型建設プロジェクト管理サービスです。ANDPADの「サービス概要」「導入メリット・導入事例」「サポート体制」がわかる資料3点セットをご用意しています。

資料をメールで受け取る

【監修】ANDPAD(アンドパッド)

現場の効率化から経営改善まで、建設業界のDX化をワンプラットフォームで実現・サポートするANDPAD(アンドパッド)です。現場管理、経営、法令対応など、建設業界にまつわる様々なお役立ち情報を提供します。

製品に関するお問い合わせはこちら
フォームからお問い合わせ

この記事をシェア
Facebook X hatena LINE

カテゴリーから探す

タグから探す

2024年問題 36協定 4号建築物 4号特例 AI ANDPAD BIM CIM DX ERP ICT IoT IT KY活動 QC工程表 SaaS インボイス ウェアラブルカメラ ガントチャート工程表 クラウド グリーンファイル クリティカルパス ネットワーク工程表 バーチャート工程表 ヒヤリハット マイルストーン メガテスター リスクアセスメント リフォーム 一般管理費 不動産 予材管理 人工 人手不足 仕訳 作業員名簿 作業手順書 作業日報 個別原価計算 働き方改革 共通仮設費 再下請負通知書 出勤簿 出面管理 出面表 利益率 前受金 労務費 勤怠管理 印紙 危険予知活動 原価管理 収入印紙 受発注 図面管理 基礎工事 安全パトロール 安全書類 安全管理 安全衛生管理 完成工事高 実行予算 工事写真 工事写真台帳 工事原価 工事台帳 工事報告書 工事安全衛生計画書 工事請負契約書 工事黒板 工務店 工期 工程管理 工程表 建築基準法 建設業会計 建設業法 建設費高騰 新築 施主検査 施工体制台帳 施工体系図 施工図 施工管理 施工要領書 施工計画書 歩掛 残業上限規制 法定福利費 注文書 注文請書 現地調査 現場管理費 直接工事費 省エネ基準 省エネ基準適合住宅 省エネ基準適合義務化 積算 絶縁抵抗測定 絶縁抵抗計 補助金 見積書 請求書 請求管理 遠隔臨場 配筋検査 間接工事費 集客 電子黒板 風速計 風量測定

お客様のお悩み・課題に合わせた
活用方法をご提案いたします。

専門のスタッフが課題に合わせて対応いたします。
まずはお問い合わせください。

TEL.03-6831-4551

月〜金 10:00~19:00(祝日・年末年始は除く)