岡田建設株式会社のご紹介
愛知県豊川市に本社を置き、住宅事業・総合建設業を営んでいる岡田建設株式会社様。1957年の創業以来、半世紀以上にわたって愛知県のまちづくりに取り組んできた地域密着企業である。現在では、分譲住宅・注文住宅のブランド「パシフィックホーム」を積極的に展開中だ。
岡田建設様は、最近のトレンドである駅近の狭小住宅はあえて手がけず、40坪程度の住宅に2~3台分の駐車スペースを設けるような、ゆとりのある家づくりを提案。大型収納や土間収納、ファミリークローゼット、家事室などを備えた収納力のある間取りを特徴としている。また、分譲住宅の計画から施工、販売までを自社一貫で手がけている点も強みの一つだ。お客様の生の声を反映しながら、常に住まいづくりをブラッシュアップし、お客様の「あったらいいな」という思いを叶え、同業他社と差別化を図る。ライフスタイルにこだわりを持つお客様ほど、パシフィックホームを選ぶ流れが生まれている。
岡田建設様は、2020年に「働き方改革」を進めるべく、ANDPADを導入した。今回は、経営企画部 部長 渡部 和哉様に、導入の経緯や現在の利用状況、今後の展開について伺った。
働き方改革と生産性向上に向けて、施工管理のIT化に取り組む
総合建設会社として、愛知県内の河川・道路・公園等を整備する土木工事にも携わる岡田建設様。土木工事分野では、国土交通省が推進する「i-Construction」に足並みを揃えて、ICTを積極的に導入。ドローンでの測量や3次元設計データ作成、ICT建機などを取り入れ、生産性向上を目指している。そんな会社全体の流れを受けて、「住宅事業においても取り組みを進めたいと、数年前からITツールに関心を持っていました。」と、渡部様は語る。
「当社は現在、年間約250棟の分譲住宅を販売しています。現場の規模は、一棟現場から十数棟をまとめて販売する分譲地までさまざまです。また、エリアも愛知県内全域から三重県・岐阜県の一部へと拡大しています。複数の現場を担当する現場監督は、移動に長く時間をとられていましたし、現場での指示・確認に加え、事務所での写真整理や書類作成に追われていました。業務効率化は課題になっていました。」
そこで、岡田建設様は、社員の「働き方改革」を目的に、施工管理ツールの導入を検討。複数の製品を比較した上で、ANDPADの導入を決めたという。
「ANDPADをはじめ、近年いろいろなツールが登場していますが、その中でもANDPADは群を抜いてシェアを伸ばしていますし、機能のアップデートが早い点にメリットを感じました。『こんなことはできる?』と質問したら、『ちょうど最近対応を始めました』『今開発の議論を進めています』といった答えが返ってきます。ユーザーの声を大切に、機能を改善していく姿勢と開発スピードが魅力でした。」
現場情報をリアルタイムに確認でき、現場監督の属人的な管理から一元管理へ
岡田建設様では、現在約45名がANDPADを利用。そのうち8~9割が現場監督だ。スムーズに現場管理をスタートできるように、ANDPADには専任の管理者が一斉に案件を登録し、現場監督へ担当案件を割り振る。場合によっては、協力会社や建材会社、職人の手配、ANDPADへの招待まで、管理者が行うという。
導入開始後、少しづつANDPADの便利さを実感するシーンも増えてきたという。
「以前は、デジカメで現場を撮影し、事務所に戻ってからパソコンに取り込んで写真整理をしていました。今は、ANDPADアプリで撮影すれば、その場で適切なフォルダに格納することができます。写真管理については、ひと手間も、ふた手間も削減できました。」
また、現場での「言った・言わない」も減ってきている、と渡部様は指摘する。
「大工さんが現場から帰ってしまった後でも、ANDPADに格納されている写真や図面に書き込みをして、伝達事項を素早く指示できるようになりました。事務所に戻ってわざわざメールやFAXを送る必要がないので、抜け漏れがなくなりました。」
そのほか、岡田建設様では、品質管理においてもANDPADを活用。20代~30代の若手現場監督がベテランの職人に明確に指示を出せるように、ANDPADに検査項目を細かく設定している。岡田建設様の基準に沿った施工や、写真付きの報告を求めることで、品質向上に役立てているという。
「これまでは、現場監督の日報でしか進捗状況が分かりませんでしたが、今はチャットや写真でリアルタイムに状況が確認できます。現場の見える化が進み、効率的に現場管理や品質管理を行う材料が揃ってきています。」と、渡部様は話す。
「ANDPAD受発注」導入、協力会社の働き方も改善し品質改善につなげる
現在、岡田建設様では、ANDPAD施工管理に加え、ANDPAD受発注の導入準備を進めている。社内向け、建材メーカー・建材商社・住宅設備会社向け、職人向けと、3回に分けて説明会を行い、利用を開始している。ANDPAD受発注導入の背景について、渡部様に伺った。
「自社だけではなく、協力会社の受発注業務の効率化も図りたいと考え、ANDPAD受発注の導入を決めました。私たちがお付き合いしている職人さんは、現場作業も書類仕事も両方こなす一人親方が多いんです。毎回同じ職人さんや協力会社と取引をしているのですが、250棟あればその分だけ、発注書・請書・請求書をやりとりしなければなりません。自社の経理部門でも、発注書の印刷・郵送・ファイリングといった手間のかかる作業が発生しています。今後は、紙を8割~9割削減したいと考えています。」
協力会社や職人の方への説明会の様子を語る。
「一人ひとりのITスキルに差があるので、説明会の場では、動揺したり、難色を示したりする職人さんもいました。しかし、ANDPADは機能性が高く、直感的に操作ができるので、徐々に慣れていただけると思います。スマートフォンやタブレットから、どこでも受発注処理ができるようになれば、事務所に戻って書類を作成したり、FAXする手間がなくなります。手間と経費の大幅な削減が見込めますし、現場監督も職人さんも、確実に働き方が変わるでしょう。最近では、長期優良住宅など、価格帯の高い分譲住宅も手がけるようになっています。価格に見合った品質をお客様にご提供できるように、事務仕事の手間を省いた分、品質向上に向けた取り組みに力を入れていきたいです。」と、渡部様は今後の展望を語る。
岡田建設様では、時代の変化に対応し、今後はANDPADに蓄積したデータを、リスク対策や経営判断にも活かしていく考えだ。地域で高い評価を受けるハウスビルダーの取り組みに、引き続き注目していきたい。