雷害対策における避雷針工事で高い実績を誇るNIPエンジニアリング株式会社。業界のトップランナーが取り組む社内改革にもANDPADが活躍している。
長時間労働からの脱却
ベンジャミン・フランクリンによって発明されたという避雷針。建物を保護するために設置される、この「最古の電気設備」を設計から施工までワンストップで対応できる企業は少ない。そのため同社では2~3名で編成された班ごとに「一日に複数の現場」を掛け持ちして対応している。作業時間に制約があるなかで工事を完了させるため、施工の難易度が高い現場は班のメンバーが入れ替わるケースもあり、情報共有が重要となる。
各班は4~5件の避雷針を1日で設置することも珍しくない。そして現場が終われば、事務所での大量の現場写真の整理と報告書の作成が待っている。そこで同社は、残業の原因となっている現場写真の「撮影」と「整理」の最適化に取り組むなか、出会ったのがANDPADであった。同社では現場写真をスマホで撮影するスタイルが定着していたため、ANDPADは自社の働き方にマッチしていることが決め手となった。そして自社の改革を進めるうえで、活用できる機能を備えていることも導入を後押しした。
移動時間が活用できる
同社ではANDPADの電子小黒板機能である「ANDPAD黒板」を活用することで、写真の撮影・整理業務の最適化を図っている。同機能によって、移動時間が電子小黒板の入力作業をするための時間へと変わった。そして事前に入力した黒板情報によって現場では効率よく作業が進められるうえ、撮影漏れもなくなった。撮影した写真はフォルダごとに整理されるため「報告書の作成が容易になった」と現場からも好評だという。さらに社内ではクラウドにアップした写真を使って、報告書の作成を遠隔支援する試みも軌道に乗り始めているという。
社内システムとの連携がスムーズ
同社の案件の管理は自社システムをベースにしている。異なるシステムをまたぐ場合、再入力などの手間が発生するケースもあるだろう。そのようなケースでも、ANDPADにはCSVデータをインポートして「案件情報」を作成できる機能があるので安心だ。
案件ごとに共有すべき顧客の基本情報、図面、工事の注意点、駐車スペース、コインパーキングの有無なども追記できるため、情報共有に要していた時間の削減にも手ごたえを感じているようだ。
ANDPADを定着させる仕組み
いかに便利で直感的に使用できるツールであっても、ベテランになるほど「新しいテクノロジー」に対して苦手意識が強い傾向がある。それにもかかわらず同社は、営業から現場まですべての従業員がANDPADのアカウントを取得している(一部の協力会社にも導入済み)。導入から2年ほどの期間でここまで拡大できた理由の1つは、各アカウントの利用状況を管理者が把握するレポート機能が充実しているからだという。使用状況を確認して利用を促すだけではなく、サポートや定期的な勉強会の実施によりANDPADを活用するメリットや効果的な活用法を学ぶ機会を用意して定着、使用機会の拡大を図っている。
社内改革はANDPADを中心に
ANDPADの活用を推進するため、営業所単位で実施している遠隔支援を、本社で一括管理できる体制の構築を目指している春木氏。目標はANDPADを活用して繁忙期を予測しつつ受注の段階で着工、竣工までの人と材料を手配できる組織づくりだ。デジタル化による遠隔支援に取り組むようになってからは、報告書フォーマットの標準化にも取り組むようになり、誰でも同じ品質かつ短時間で作成できる仕組みも用意した。ANDPADの導入によって得られた業務効率化のメリットを拡大すべく、組織が生まれ変わりつつある。残業時間削減のためにANDPADと歩み始めた小さな一歩が、DXへとジャンプアップするときは近いのかもしれない。
ゲリラ豪雨などによる自然災害の発生が拡大するなかで、避雷針の重要性はより高まっている。「顧客に最高技術で最大の安全安心を提供し、社会の発展に貢献する」ためANDPADによる改革が進められている。
NIPエンジニアリング株式会社のご紹介
社名:NIPエンジニアリング株式会社
本社:兵庫県尼崎市潮江5-8-31
URL: https://www.nip-eng.co.jp/
(電気と工事 2024年7月号に掲載されたものの転載)