1級建築施工管理技士は、建設業界の中でも高度な知識と実務経験が求められる国家資格です。受験資格のハードルが高いだけでなく、第一次・第二次検定ともに専門性の高い内容が出題されるため、難易度は高いといえるでしょう。
しかし、試験の傾向を理解し、ポイントを押さえた対策を行えば、働きながらでも合格を目指せます。本記事では、1級建築施工管理技士の難易度の実態と、合格するためのコツを解説します。
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1級建築施工管理技士とは
1級建築施工管理技士は、建設現場の施工全体を技術的に統括するための国家資格です。下記の工事全体の管理責任を負い、大規模建築工事では「監理技術者」としての配置が義務づけられているため、企業にとって不可欠な人材となります。
- 工程管理
- 安全管理
- 品質管理
- 原価管理
1級の資格をもつことで、現場の統括役として信頼されるだけでなく、キャリアアップや収入面での評価も向上しやすくなります。
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1級建築施工管理技士の難易度は高い?
1級建築施工管理技士は合格率の数字以上に難易度の高い資格です。
第一次検定・第二次検定それぞれの合格率は比較的高く見える年もあります。しかし、両方を突破して最終合格にたどり着く割合はさらに低くなります。
とくに第二次検定では、施工経験を基に管理能力を論理的に説明する記述力が求められ、実務経験があるだけでは合格が保証されません。受験者の多くが現場経験者であるため、合格率だけで「やさしい」と判断するのは適切とはいえないでしょう。
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合格率・合格者数の推移から見る1級建築施工管理技士の難易度
1級建築施工管理技士は、第一次検定と第二次検定の両方に合格する必要がある試験です。ここでは、それぞれの合格率・合格者数の推移を解説します。
以下の記事では、1級建築施工管理技士の合格率とあわせて、試験内容や勉強方法について詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
関連記事:1級建築施工管理技士の合格率は?最新データと過去の推移・勉強法を解説
第一次検定の合格率の推移
第一次検定は、建築施工管理に関する基礎知識や法規、施工方法など幅広い分野から出題されるマークシート形式の試験です。受験者数は年々増加傾向にあります。
令和6年度からの制度改正により、学歴や実務経験の条件にかかわらず、一定年齢(実施年度内に19歳以上)に達していれば第一次検定の受験が可能になりました。受験資格の見直しによって、若年層や異業種からの挑戦がしやすくなりましたが、十分に準備をしなければ安定して突破するのは難しい試験でもあります。
直近5年の合格率は下記のとおりです。
| 年度 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 |
| 2025(令和7)年度 | 48.5% | 41,812 | 20,294 |
| 2024(令和6)年度 | 36.2% | 37,651 | 13,624 |
| 2023(令和5)年度 | 41.6% | 24,078 | 10,017 |
| 2022(令和4)年度 | 46.8% | 27,253 | 12,755 |
| 2021(令和3)年度 | 36.0% | 22,277 | 8,025 |
合格率は、おおむね35〜50%前後で推移しています。一見すると高く感じますが、出題範囲が広く、苦手分野を残したままでは合格点に届きにくいといえるでしょう。
受験者数の増減に影響される年もあるため、「合格率が高い=簡単」とは言い切れません。
第二次検定の合格率の推移
第二次検定は、実務経験にもとづく記述式問題が中心となる試験です。第一次検定を突破した受験者が多く集まるため、一定の知識レベルをもった人同士の競争になります。
とはいえ、毎年多くの受験者が不合格となっており、現場経験を論理的に説明する力が強く求められます。直近5年の合格率は、下記のとおりです。
| 年度 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 |
| 2025(令和7)年度 | 39.0% | 18,159 | 7,091 |
| 2024(令和6)年度 | 40.8% | 14,816 | 6,042 |
| 2023(令和5)年度 | 45.5% | 14,391 | 6,544 |
| 2022(令和4)年度 | 45.2% | 13,010 | 5,878 |
| 2021(令和3)年度 | 52.4% | 12,813 | 6,708 |
第二次検定の合格率は、おおよそ39〜52%の範囲で推移しています。知識試験とは異なり、経験記述の完成度によって差がつきやすく、実務経験があっても対策不足では合格が難しいといえます。
ただし、この数値は「第二次検定受験者」の合格率です。第一次検定合格者と再受験者が混在した結果なため、双方を年内に突破できる割合(最終合格率)は、さらに低いレベルで推移するとされています。
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1級建築施工管理技士の難易度が高い理由を4つの観点で解説
1級建築施工管理技士は、知識量が多いだけの試験ではありません。受験者のレベルの高さや試験形式、受験要件など、総合的に見て難易度が高い国家資格となっています。
1級建築施工管理技士の難易度が高い理由を、下記4つの観点から解説します。
- 受験者層
- 試験内容
- 受験資格・出願
- 他資格との比較
詳しく見ていきましょう。
1. 受験者層
1級建築施工管理技士の受験者は、すでに建設現場で実務経験を積んでいる施工管理技術者が中心です。とくに第二次検定では、第一次検定を突破した方のみが受験するため、一定の知識水準をもつ受験者同士の競争になります。
合格率が40%前後と聞くと「半分近く受かるなら簡単そう」と感じますが、実際はそうではありません。受験者のレベルがバラバラな試験での40%ではなく、現場経験のある技術者の中からさらに選ばれる40%だからです。
つまり、「初心者も含まれる試験での40%」とは重みが違います。実力のある方たちの中で、半数以上が不合格になる試験であることが、難易度の高さにつながっています。
2. 試験内容
第一次検定はマークシート形式ですが、下記のように出題範囲が広く、理解が曖昧なままでは安定して得点できません。
- 法規
- 施工管理
- 安全管理
- 品質管理
単なる暗記ではなく、分野ごとの基礎を体系的に押さえる必要があります。
さらに難易度を押し上げているのが第二次検定です。施工管理の実務経験を前提に、「管理者としてどう考え、どう判断したか」というプロセスを説明する力が求められます。
知識問題とは異なり、実務と理論を結び付けて表現する力が問われる点が、試験内容そのものの難しさにつながっています。
3. 受験資格・出願
1級建築施工管理技士は、試験そのものだけでなく「受験に至るまでのハードル」も難易度を高める要因になっています。
第二次検定を受けるには、学歴や保有資格に応じた年数の実務経験が必要です。その内容について勤務先からの証明書類も求められます。経験年数だけでなく「どの立場で、どのような工事に関わったか」まで確認されるため、条件を満たしていても書類準備に手間取る受験者は少なくありません。
また、制度改正や経過措置の内容を正しく理解していないと、本来受けられるタイミングを逃してしまう可能性もあります。
学習以前に「受験資格を満たすまでの道のり」や「出願手続きの複雑さ」も、この資格のハードルを高くしている要素といえるでしょう。
以下の記事では、1級建築施工管理技士の受験資格について詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
関連記事:1級建築施工管理技士の受験資格は?新旧制度の違いや実務経験について解説
4. 他資格との比較
1級建築施工管理技士の難易度が高い理由は、建設系資格の中でも求められる役割の広さにあります。
建築士資格は、設計の専門家としての知識・技能が問われる試験です。出題分野は、設計・構造・法規など設計業務に直結した内容が中心です。一方、1級建築施工管理技士は「現場を動かす立場」の資格であり、工程管理や品質管理、安全管理など、工事全体を統括する総合力が求められます。
また、電気工事施工管理技士や管工事施工管理技士などは「特定工種の専門管理」です。一方、建築施工管理は建築工事全体を対象としているため、関わる分野が多岐にわたります。その結果、試験範囲も広く、求められる実務経験の幅も広くなります。
このように「一分野の専門性」ではなく「現場全体を俯瞰する管理能力」が前提となる点が、他の建設系資格と比べて難易度を押し上げている大きな要因です。資格の位置づけが高いだけでなく、問われる能力の守備範囲そのものが広いことが、1級建築施工管理技士試験の難しさにつながっています。
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1級建築施工管理技士を取得する3つのメリット
1級建築施工管理技士は取得難易度の高い国家資格ですが、その分、現場での評価やキャリアへの影響が大きい資格です。収入面の向上だけでなく、担当できる工事の規模や将来の働き方にも直結するため、長期的に見てメリットの大きい資格といえます。
ここでは代表的な3つのメリットを解説します。
1. 年収アップ・資格手当が期待できる
1級資格を取得すると、資格手当の支給対象になる企業があります。金額は会社によって異なりますが、毎月の給与に一定額が上乗せされるケースが一般的です。
さらに、監理技術者として大規模工事を任されることで、役職登用や昇進につながり、結果的に年収アップが期待できる場合もあります。
また、資格取得を評価する企業では、合格時に報奨金を支給する制度を設けていることもあります。すべての会社に共通するわけではありませんが、施工管理職は資格が待遇に反映されやすい職種です。
長期的に見れば、安定した収入基盤を築くきっかけになりやすい資格といえるでしょう。
2. 監理技術者として活躍の幅が広がる
1級建築施工管理技士の大きな強みは、一定規模以上の工事で監理技術者として配置できる点です。監理技術者は、現場の技術的な統括責任者として会社にとっても欠かせない存在です。
近年は人材不足や働き方改革の影響もあり、有資格者への期待は高まっています。資格をもつことで、より規模の大きい現場や重要なポジションを任されやすくなります。
社内評価や責任ある役割へのステップアップにもつながりやすくなるでしょう。
3. 転職・キャリアアップで評価されやすい
1級建築施工管理技士は、施工管理職の中でも評価されやすい資格のひとつです。大手ゼネコンや元請企業などでは、応募条件や歓迎要件として挙げられることも多く、転職時の強みになりやすい傾向があります。
また、経験と資格を活かして現場全体を統括する立場へキャリアを広げやすく、将来的にはマネジメント中心の働き方へ移行しやすい点も特徴です。体力的な負担が大きい作業中心の業務から、管理業務へ役割をシフトしやすいことは、長期的なキャリア形成において大きなメリットといえるでしょう。
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1級建築施工管理技士を取得する際のデメリット
1級建築施工管理技士はメリットの大きい資格ですが、取得までの道のりは決して楽ではありません。ここでは、受験前に知っておきたいデメリットを紹介します。
1. 合格までの学習負担が大きい
施工管理の仕事は勤務時間が不規則になりやすく、繁忙期には残業や休日出勤が続くこともあります。そのため、安定した学習時間を確保するのが難しいと感じる場合があります。
第一次検定では法規・施工・安全など、幅広い分野の知識が求められ、短期間の詰め込みだけで対応するのは難しい試験といえるでしょう。無理な計画で途中挫折しないためにも、スケジュールに余裕をもち、継続できる学習ペースを作ることが重要です。
2. 第二次検定の経験記述対策が難しく、落ちるリスクがある
第二次検定では記述式問題の比重が高く、事前対策の有無が結果に直結しやすい試験です。試験の形式上、現場での経験が豊富であっても、「読み手に伝わる形」で整理できなければ得点につながりにくい傾向があります。
また、制限時間内に構成を考えながら書き上げる必要があるため、記述に不慣れな受験者にとっては時間配分も大きなハードルになるでしょう。事前に経験内容を整理し、想定テーマごとの回答を準備することや、添削指導を受けて表現を磨くことが、不合格リスクを下げる有効な対策になります。
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1級建築施工管理技士に合格するためのコツ
1級建築施工管理技士に合格するには、やみくもに勉強するのではなく、試験の特性に合わせた戦略的な対策が欠かせません。ここでは、1級建築施工管理技士に合格するためのコツを紹介します。
- 第二次検定を最優先で対策する
- 独学か講座かを早めに決める
- 合格率に左右されずに継続する
詳しく見ていきましょう。
第二次検定を最優先で対策する
合格に直結しやすいのが、第二次検定の記述対策です。第一次検定は知識の積み重ねで対応できますが、第二次検定では実務経験を管理者の視点で整理し、論理的に説明する力が求められます。
記述問題は短期間で仕上げにくいため、早い段階から準備を行う必要があります。自身の現場経験を振り返り、下記について文章にまとめる練習を進めておきましょう。
- どのような課題があったか
- どのように判断したか
- どのような対策を行ったか
可能であれば添削指導を受けることで、客観的な視点から改善点を把握しやすくなります。
独学か講座かを早めに決める
早い段階で学習方法を決めておくことで、学習計画を立てやすくなります。独学は費用を抑えられる反面、疑問点を解消しにくく、記述対策の添削機会が限られるという点が課題です。
一方、通信講座や講習を利用すれば、試験範囲に沿ったカリキュラムや経験記述の添削指導を受けられる場合があります。記述対策に不安がある場合は、学習サポートを活用することで効率的に力を伸ばしやすくなります。
自分の生活リズムや学習スタイルに合った方法を選び、途中で方針を大きく変えないことが継続のポイントです。
合格率に左右されずに継続する
合格率は難易度の目安にはなりますが、一喜一憂する必要はありません。受験者の多くは実務経験者であり、忙しい中で学習時間を確保しているという点は誰も同じです。
重要なのは、短期間の詰め込みではなく、無理のないペースで学習を継続することです。通勤時間や休憩時間などのスキマ時間を活用し、日々少しずつ知識を積み上げていくことが合格につながります。
継続できる仕組みを作れた方ほど、着実に合格へ近づける試験といえるでしょう。
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1級建築施工管理技士を活かせる職場を探すなら「ビルダーワーク」

1級建築施工管理技士を取得すると、大規模工事を担える人材として転職市場での評価が高まり、キャリアの選択肢も広がります。元請企業やゼネコンでは、監理技術者になれる有資格者のニーズが高い状況です。
資格を活かしたキャリアアップを目指す方におすすめなのが、建設業界に特化した転職支援サービス「ビルダーワーク」です。運営元の「アンドパッド」は建設DX分野で多くの企業とつながりがあり、一般の求人サイトには掲載されていない非公開求人も取り扱っています。
施工管理経験をもつ有資格者向けのポジションも多く、資格を活かせる環境を探している方にとって心強い選択肢といえます。
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まとめ
1級建築施工管理技士は、大規模建築工事を管理できる技術者として高く評価される国家資格です。試験は決して簡単ではありませんが、合格すれば監理技術者として活躍の場が広がります。年収アップやキャリアの選択肢増加といったメリットが期待できるでしょう。
一方で、学習時間の確保や第二次検定の経験記述対策など、乗り越えるべきハードルもあります。だからこそ、早めの計画と継続的な学習が合格への近道です。
資格取得後は、専門性を正しく評価してくれる環境を選ぶことで、その価値を最大限に活かせるでしょう。

