2級建築施工管理技士の合格率を調べると、「思ったより低い」「難しそうだ」と感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、この試験は合格率の数字だけを見て難易度を判断すると、実態を見誤りやすい資格でもあります。
2級建築施工管理技士には、一次試験と二次試験という異なる性質の試験があり、さらに年度や受験者層の違いによって合格率の見え方も変わります。その仕組みを理解しないまま数字だけを追ってしまうと、必要以上に不安を感じてしまうことも少なくありません。
この記事では、2級建築施工管理技士の合格率を正しく読み解くために、試験の前提や一次・二次の違い、年度ごとの傾向、合格率が変動する理由を整理します。そのうえで、合格率を上げるための現実的な勉強の考え方や、合格後の資格の活かし方までをわかりやすく解説していきますので、受験を検討している方は参考にしてください。
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2級建築施工管理技士の合格率を見る前に知っておきたい試験の前提
合格率の数字をチェックする前に、まずは試験の全体像を把握しておく必要があります。この試験には、はじめて受験する方が見落としがちな独自の仕組みがあるからです。
試験のステップや受験資格のルールを知ることで、なぜ年度によって合格率が変動するのか、その理由が見えてきます。
ここでは、2級建築施工管理技士試験における、合格率を見る前に知るべき、試験の基本を確認していきましょう。
なお以下の記事では、合格率と合わせて理解しておきたい、受検資格について解説しています。
関連記事:2級建築施工管理技士の受験資格を解説!一次・二次の条件と実務経験の考え方
2級建築施工管理技士は一次試験と二次試験の2段階
2級建築施工管理技士の試験は、第一次検定(旧学科)と第二次検定(旧実地)の2段階で構成されています。
一次試験はマークシート方式で、施工管理法や関連法規、安全管理などの幅広い知識を問う内容です。対する二次試験は記述式となっており、実際の現場経験をもとに管理内容を文章で説明する能力が試されます。
知識を問う試験と、経験を言葉にする試験の2段階に分かれているため、それぞれの合格率を別々に考えることが大切です。
受験資格は段階ごとに異なる
一次試験と二次試験では、求められる受験資格に違いがあります。
一次試験は17歳以上であれば実務経験がなくても挑戦できるため、工業高校の学生や入社したばかりの若手など、経験が浅い層も数多く受験しています。
一方、二次試験は一定期間の実務経験が必要となるため、受験者のほとんどが現場を知る実務者です。
受験者の経験値にこれだけの差があることが、一次と二次の合格率に開きが出る大きな要因になっています。
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2級建築施工管理技士の合格率はどのくらい?
全体像を押さえたところで、次に直近の合格率の推移を見ていきましょう。
年度ごとのデータを確認すると、2級建築施工管理技士の合格率は、単純に数字だけで難易度を判断できるものではないことがわかります。
合格率は毎年一定の範囲で推移している
第一次検定の合格率は、ここ数年40%台で大きく変わっていません。このことから、第一次検定は毎年ほぼ同じ難易度で実施されていると考えられます。
一方で、第二次検定の合格率は年によって大きく差が出ているのが特徴です。直近3年間のデータを見ると、第二次検定は20%台まで下がった年もあれば、40%台まで上がった年もあり、難易度や受験者の状況によって結果が大きく変わっていることがわかります。
直近3年間の合格率は以下のとおりです。
| 実施年度 | 第一次検定(合格率) | 第二次検定(合格率) |
| 令和4年度 | 42.3% | 36.6% |
| 令和5年度 | 45.2% | 26.6% |
| 令和6年度 | 45.6% | 40.7% |
とくに令和5年度の第二次検定は合格率が30%を下回っており、しっかり準備していた人でも苦戦しやすい年だったといえるでしょう。
こうした変動がある試験だからこそ、「例年通り」と考えず、どの年でも対応できるよう、少し厳しめを想定した対策をしておくことが安心につながります。
参考:令和4年度 2級建築施工管理技術検定 結果表
参考:令和5年度 2級建築施工管理技術検定 結果表
参考:令和6年度 2級建築施工管理技術検定 結果表
合格率が高い年と低い年が出る主な理由
合格率が年によって変動する主な理由は、試験問題が急に難しくなることよりも、「受験者層が変わること」にあります。
近年は制度の見直しなどにより、以前よりも試験を受けやすい年が出てきました。その結果、実務経験が浅い人や、まずは試してみようという受験者が増えることがあります。
こうした年は、準備が十分でない人も多く受験するため、全体として合格率が下がりやすくなります。反対に、受験者数が落ち着き、しっかり対策した人が多い年は、合格率が高く見えることもあるのです。
合格率=試験の難しさではない
このように、合格率は誰が受験したかによって変わる数字であり、そのまま試験の難しさを表しているわけではありません。
合格基準が同じであれば、準備が整っている受験者が多い年は合格率が高くなり、そうでない年は低くなります。
そのため、合格率の数字だけを見て「今年は難しそう」「自分には無理かもしれない」と感じる必要はありません。
合格率は不安になるための数字ではなく、どの程度の準備が必要かを考えるための目安として捉えることが大切です。
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2級建築施工管理技士の一次試験と二次試験で合格率は異なる
2級建築施工管理技士の試験は、一次試験と二次試験で合格の考え方や評価方法が大きく異なります。
合格率の違いを正しく理解するためにも、それぞれの合格ラインと試験の特徴を押さえておきましょう。
一次試験と二次試験の合格ライン
一次試験の合格ラインは、全40問中60%以上の正解が目安とされているため、40問中24問の正解が必要です。
この基準は、年度や前期・後期といった実施時期に関わらず、基本的に変わりません。
二次試験は記述式の試験で、全体の60%以上の得点が合格条件です。60%の基準は一次試験と同様ですが、二次試験は選択問題ではないため、何問正解すればよいという明確な基準がありません。
具体的には、工程管理・品質管理・安全管理などのテーマごとに、実際の現場経験をもとにした内容が評価されます。
明確な配点は公表されていませんが、必要な内容が書けていない場合は部分点が伸びにくいため、具体性とわかりやすさを意識した記述が求められているのです。
一次試験(学科)の合格率と特徴
一次試験は、施工管理に関する基礎知識を問う学科試験で、選択式の問題が中心です。出題内容には一定の傾向があり、過去問を繰り返し解く学習法が有効とされています。
また、一次試験は勉強した時間や対策量が比較的そのまま得点に反映されやすい試験でもあります。
若手からベテランまで幅広い層が受験するため受験者数は多いものの、出題傾向が安定している分、計画的に学習を進めれば合格を十分に狙える試験といえるでしょう。
二次試験(実地)の合格率と特徴
二次試験では、知識そのものよりも、自分の現場経験を文章で説明する力が重視されます。
そのため、現場経験が豊富であっても、内容を整理してわかりやすく書けなければ評価につながりません。
また、多くの受験者が一次試験に合格してから二次試験の対策をはじめるため、準備期間が短くなりがちです。この点も、二次試験の合格率が低く見えやすい理由のひとつです。
二次試験を安定して突破するためには、一次試験の勉強と並行して、早い段階から経験記述の準備を進めておくことが重要だといえるでしょう。
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2級建築施工管理技士のストレート合格は可能?
2級建築施工管理技士では、一次試験と二次試験を同じ年度に合格する「ストレート合格」を目指す人も少なくありません。
合格率だけを見ると難しく感じるかもしれませんが、その数字がどのように算出されているのかを理解すると、見え方は大きく変わります。
まずは、ストレート合格の合格率が低く見える理由から確認していきましょう。
ストレート合格の合格率が低く見える理由
ストレート合格率が低く見える理由のひとつは、一次試験と二次試験の合格率を掛け合わせた数字になるためです。
一次試験と二次試験は、それぞれ独立した試験です。そのため、両方に合格する人の割合は「一次に受かる確率 × 二次に受かる確率」で考えます。
たとえば、一次試験の合格率が50%、二次試験の合格率が40%の場合、両方を一度に合格できる人は計算上約20%となります。
一次試験に合格した人のうち、さらに二次試験にも合格できる人が限られるため、両方を同じ年に突破できる割合は、一次や二次単体の合格率よりも低くなるのです。
また、多くの受験者が一次試験の勉強に時間を取られ、二次試験の準備まで手が回らないことも少なくありません。その結果、合格率の数字以上に、ストレート合格は難しく感じられやすくなっています。
制度変更後はストレート受験者が増えている
近年は「技士補」制度の導入により、一次試験と二次試験を同じ年に受けられる人が増え、ストレート受験という選択肢自体は広がっています。
一方で、受験の進め方はひとつに限られなくなりました。
まずは一次試験だけに集中し、合格後に二次試験へ進む人も多くなり、受験スタイルが人によって分かれるようになっています。
このように、制度変更によって受験の選択肢が広がったことで、合格率の数字だけを見ると実態がわかりにくくなっています。そのため、ストレート合格の可能性を考える際は、合格率だけでなく、制度や受験の流れもあわせて理解しておくことが大切です。
ストレート合格する人が実際にやっている準備
ストレート合格を実現している人の多くは、一次試験の勉強と並行して、早い段階から二次試験の準備にも取り組んでいます。二次対策を後回しにせず、早めに全体像を把握している点が特徴です。
まず行っているのが、経験記述に使う内容の整理です。一次試験が終わってから慌てて考えるのではなく、事前に「どの現場経験を書くか」「どの管理項目(工程・品質・安全など)で活用できるか」を洗い出しています。
次に、合格している人ほど、最初から完璧な文章を書こうとはしません。事前に「何を書くか」と「どのような順番で書くか」を決めた文章の型を用意しています。
たとえば以下のような内容をまとめておくとよいでしょう。
- 現場の概要
- 課題と対応内容
- 工夫した点や結果
上記のように流れをあらかじめ決めておくことで、試験直前は内容を当てはめるだけで済み、負担を減らせます。
こうした準備を踏まえたうえで、試験日から逆算し、一次と二次を切り分けて考えるのではなく、同時進行で無理のない学習計画を立てています。この進め方が、ストレート合格につながりやすいポイントといえるでしょう。
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2級建築施工管理技士の合格率が伸びない人に共通する3つの原因
「勉強しているはずなのに、なかなか結果につながらない」という場合、知識量そのものではなく、取り組み方のバランスに原因があるかもしれません。
ここでは、合格ラインにあと一歩届かない方に多く見られる共通点を整理しました。
二次試験で経験をうまく説明できていない
現場での経験は十分にあるのに、それを「試験で求められる形」でアウトプットできていないケースです。
たとえば、文章が一生懸命頑張ったといった抽象的な表現に留まっていたり、評価の対象となる管理項目(工程・品質・安全など)から内容がズレていたりすると、点数には結びつきません。
実力不足というよりも、記述のルールやコツを知らないだけで損をしている受験者は、実は多いのが実情です。
勉強範囲を広げすぎて点が取れていない
「どこが出るか分からないからすべてやらなければ」という不安から、学習範囲を広げすぎてしまうのも失敗しやすいパターンです。
試験には毎年一定の出題傾向があり、よく出る分野とそうでない分野がはっきり分かれています。すべての項目を均等に学ぼうとすると、一問あたりの理解が浅くなり、結果として本番でどっちつかずの解答になってしまいます。
合格率を確実に上げるためには、満点を目指すのではなく、頻出問題に絞って確実に60%を確保する「選択と集中」が欠かせません。
合格率の数字だけを見て不安になっている
合格率の低さを見て「自分には無理かもしれない」と、早い段階で心理的なブレーキをかけてしまうのも注意が必要です。
不安が大きくなると、自分の弱点を冷静に分析する余裕がなくなったり、学習の優先順位がブレたりしがちです。
合格率はあくまで他人の結果を集計した数字にすぎません。大切なのは周囲の動向に振り回されることではなく、自分が合格基準を超えるための準備に淡々と取り組む視点です。
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2級建築施工管理技士の合格率を上げるための現実的な勉強の考え方
合格圏内に滑り込むために必要なのは、気合や根性よりも、無理なく続けられる学習の組み立て方です。
ここでは、忙しい現場仕事と両立しながら合格を勝ち取るための、現実的な考え方を紹介します。
勉強時間は目安を決めて進める
まずは合格までに必要な総学習時間の目安を把握し、そこから逆算してスケジュールを立てることからはじめましょう。
「毎日3時間机に向かう」といった無理なノルマに縛られると、仕事が忙しくなった途端に計画が崩れてしまいます。
それよりも「今週中に過去問を何年分終わらせるか」といった、試験日をゴールにした期限付きの目標を立てるほうが、モチベーションを維持しやすくなります。
現場での拘束時間が長いからこそ、スキマ時間を活用した無理のない計画を前提にすることが合格への近道です。
一次は過去問、二次は経験を文章にまとめる
一次試験対策は、とにかく過去問を繰り返し解き、出題パターンを体に覚えさせることが最優先です。
新しいテキストを読み込むよりも、間違えた問題の解説を読んで解き直す練習を重ねるほうが、効率よく得点力を引き上げられます。
同時に、二次試験に向けては、自分の現場経験を早めに棚卸しして、文章として書き出しておくことが効果的です。
直前になって慌てて書きはじめるのではなく、早めに「型」を作っておくことで、試験本番でも迷いなく書き進められるでしょう。
独学か講座かは苦手なところで選ぶ
暗記が得意な方であれば、一次試験は市販のテキストと過去問を使った独学でも合格ラインに届きます。
一方で、二次試験の記述に苦手意識があるなら、添削サービスなどの外部サポートを検討してみるのもひとつの選択肢です。
記述問題は、自分では正しく書けているつもりでも、どこで減点されているのかをひとりで判断するのは簡単ではありません。第三者に内容を見てもらうことで、現場では当たり前の言葉が採点者には伝わっていないといった、自分では気づきにくい欠点が見えてきます。
「何が何でも独学で通す」ことにこだわるのではなく、自分の弱点をどう効率よく補うかという視点で学習方法を選ぶことが、結果として合格を引き寄せることにつながります。
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2級建築施工管理技士の合格後に差がつく資格の活かし方
試験合格はゴールではなく、新しいキャリアのスタートラインです。資格を得ることで主任技術者への道が開け、任せてもらえる仕事の幅は大きく広がります。
しかし、資格の価値は正当に評価してくれる環境で使ってこそ発揮されるものです。
建設業界は資格保有者を求めていますが、会社によって手当や昇進スピードには大きな差があります。今の職場で上を目指すのか、あるいは転職専門サービスを活用して、より好条件な現場へ挑戦するのかなど、活用方法は多用です。
自分の市場価値が上がったことを自覚し、納得のいく待遇を手にすることが、資格を最大限に活かす手段といえるでしょう。
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2級建築施工管理技士の資格を活かせる!転職に備えるならビルダーワーク

2級建築施工管理技士の資格は、転職市場において一定の評価を受けやすく、キャリア形成のうえで有利に働く資格です。合格を目指して学習を進める段階から、資格取得後の活かし方についても視野に入れておくことは、合理的な判断といえるでしょう。
一方で、資格を取得しても、必ずしも社内評価や待遇に反映されるとは限りません。給与や担当業務に明確な変化が見られない場合、資格の効果を十分に発揮できていないケースもあります。
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試験対策に集中することは重要ですが、合格後に自分の専門性を適切に評価してくれる環境があることを把握しておくことで、資格取得に向けた取り組みをより前向きに進めやすくなるでしょう。
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まとめ
2級建築施工管理技士の合格率は年度によって多少の変動がありますが、対策のポイントを押さえて学習を進めれば、十分に合格を目指せる試験です。
合格率の数字に過度に左右される必要はありません。過去問演習を中心とした学習と、早い段階からの記述対策を、計画的に積み重ねていくことが重要です。
また、資格取得後は、その価値を適切に評価してくれる環境を選ぶことで、キャリアの選択肢はさらに広がります。2級建築施工管理技士の資格を活かし、自身の目指す働き方やキャリア形成につなげていきましょう。

