遠隔臨場システムを活用することで、リアルタイムで遠隔地から現場の確認や指示ができます。そのため、コストの削減や業務効率化、リスク低減などにつながります。この記事では、遠隔臨場システムのメリットとあわせ、選び方や課題などを解説します。遠隔臨場システムを取り入れ、業務効率化や品質改善を図りたい人は、参考にしてください。
遠隔臨場とは
遠隔臨場とは、カメラやスマートフォンなどの撮影機器を使用して、建設現場や土木現場の確認を遠隔地からリアルタイムで行うことです。現場に足を運ぶことなく、離れた場所から臨場を行います。
遠隔臨場システムとは
遠隔臨場システムとは、遠隔地からの臨場の実施に必要な機器やサービス全般を指す言葉です。建設現場や工事現場などの映像をリアルタイムで事務所に送信し、監督者や責任者が遠隔地から映像や声を通して確認や指示ができます。
必要な機器には、ウェアラブルカメラやスマートグラスといった撮影機器、パソコンやスマートフォンといった受信機器が挙げられます。撮影機器と受信機器でクラウド配信サービスやWeb会議システムを通して通信します。遠隔臨場システムは、国土交通省のプロジェクト「i-Construction」の一環で、建設現場でのICT活用を促進するために普及が進んでいます。
遠隔臨場システムの主な種類
遠隔臨場システムの主な種類として、センサー、クラウドツール、ウェアラブルカメラが挙げられます。それぞれ、以下のように遠隔臨場に活用できます。
- センサー:現場に固定して観察できる
- クラウドツール:カメラやセンサーなどのデータを複数人で閲覧できる
- ウェアラブルカメラ:現場の映像をリアルタイムに共有し、遠隔地から支援や指示ができる
遠隔臨場システムのメリット
遠隔臨場システムを導入するメリットについて、解説します。
業務効率化が期待できる
遠隔臨場システムを導入することで、これまで現地に赴いて確認が必要だった作業が遠隔で実施できます。その結果、移動や待機にかかる時間が削減でき、業務効率化につながるでしょう。システムによっては、配信画面に直接書き込みができるため、スムーズな意思疎通が実現します。遠隔地からの指導も可能なため、人材育成の効率化も期待できます。
安全性・作業品質が向上する
遠隔臨場システムは、インフラ点検や災害復旧作業においても効果を発揮します。監督者や責任者が現地に行かずにドローンやロボットカメラを使用して、詳細に状況を把握できるため、現場作業の精度向上、施工品質の改善につながります。危険なエリアに立ち入るリスクや熱中症や転倒などの労災リスクを低減できるため、安全性の向上にも役立つでしょう。
遠隔臨場システムの選び方・比較ポイント
遠隔臨場システムは、費用やどのような機能が備わっているかがシステムによって異なります。ここでは、遠隔臨場システムの選び方を解説します。
システム導入にかかるコストを比較する
遠隔臨場システムを導入する場合、機器の購入費用やシステムの使用料金、通信費用などが発生します。これらのコストは、遠隔臨場システムの種類や規模などにより差があるため、得られるメリットとコストを比較して予算を決定するとよいでしょう。また、必要な機器を購入せず、レンタルする方法もあります。どちらを選ぶかは予算のほか、使用する期間や目的などを含めて検討しましょう。
通信環境の確保が必要かどうかを確認する
遠隔臨場システムは、閲覧側の通信環境だけでなく、発信する現場側の安定した通信環境が欠かせません。山岳地域や高所などが現場になる場合、映像が途切れたり、送受信ができなかったりといった問題がないか事前に確認しましょう。
ストレスなく使用できるかを確認する
遠隔臨場システムの使用者は、監督や責任者に限らず、現場の若手作業員や発注側の担当者など多岐にわたります。操作方法がややこしく、使いにくい場合、別途トレーニングや研修が必要となり、運用面での負担が発生します。快適にシステムを使用できるか、操作性や利便性に課題はないかを考慮して、システムを比較しましょう。
効率化したい業務に対応しているかを見極める
遠隔臨場システムによっては、カメラの貸し出しのみ、クラウドツールのみなど、条件が制限されているものもあります。システムの特徴を把握し、自社が効率化したい業務に対応しているものを選びましょう。
対応するカメラの種類を確認する
遠隔臨場に使用するカメラが現場や用途に適しているかも確認しましょう。固定カメラは、現場全体の把握や管理に適しています。一方、ブレや傾きが気になる人は、補正機能を備えた小型・ハンズフリーのカメラが便利でしょう。ウェアラブルカメラは、主にヘルメット型、ヘッドセット型、メガネ型に分けられます。業務内容や現場の特徴に合わせて、適したカメラを選ぶとよいでしょう。
既存設備に対応できるかを確認する
遠隔臨場システムは、スマートフォンやタブレットにアプリをダウンロードするだけで使用できるものから、専用のカメラやスマートグラスの用意が必要なものまで多岐にわたります。既存設備やシステムとスムーズに連携できるものは、現場での活用範囲が広がり、業務効率が向上します。
遠隔臨場システムの費用相場
遠隔臨場システムは、一般的に初期費用と、サポート料金やレンタル料金などの月額使用料がかかります。導入規模や機能などによって費用は異なりますが、月額使用料やライセンス料は、1人3,000〜9,000円程度が多く、別途通信料やウェアラブルデバイス代金が必要となります。
一般的にウェアラブルカメラは5万〜10万円、ヘッドセットは1,000〜5万円ほどの価格帯ですが、必要な機器をまとめて安くレンタルできるプランもあります。予算相場については1人あたり数万〜数十万円程度と考えておくとよいでしょう。
遠隔臨場システム導入の課題
遠隔臨場システムを導入する際には、通信環境やコスト、ルール整備など解決すべき課題があります。ここでは、3つの課題について解説します。
通信環境を整備する必要がある
遠隔臨場では、建設現場や工事現場から事務所や事業所などに映像を送り、双方でやり取りします。正確に現場の状況を把握し、スムーズかつ的確にコミュニケーションを取るためには、安定した通信環境の整備が欠かせません。建設現場に有線ネットワークが常設されているケースは稀なため、一般的にはモバイルネットワークの通信環境を整備する必要があります。
トンネルや山間部といった電波が届きにくいエリアでは、スムーズに映像が視聴できなかったり、映像や音声が途切れたりすることも考えられます。重要工程の立会では、映像や音声が途切れないよう一層の対策が必要です。回線速度や通信の安定性、遅延に注意しましょう。
導入コストがかかる
遠隔臨場には、通信環境の構築や撮影機器が必要です。そのため、導入時にはまとまった初期費用が必要になります。場合によっては、購入ではなくレンタルも検討しましょう。遠隔臨場に関連する製品の購入費用が、IT導入補助金の対象になることがあります。これを活用すると、導入コストを抑えられます。
従業員に配慮し、ルールを整備する必要がある
遠隔臨場により、建設現場の様子を常時録画している場合、監視されていると従業員が感じる可能性があります。目的は業務効率化や安全性向上にあることを、事前に説明しておくことが大切です。
また、遠隔臨場システムの導入にあたっては、事前にルールを整備しましょう。明確なルールにより、システムの使用方法や責任分担が明らかになり、トラブルの発生を未然に防ぐことができます。ルールは必要に応じて、都度見直すことも重要です。
遠隔臨場システムの導入には、「ANDPAD遠隔臨場」がおすすめ
遠隔臨場システムの導入には、建設プロジェクト管理ツール「ANDPAD遠隔臨場」がおすすめです。Webカメラを用いた遠隔臨場サービスを提供する企業と連携し、ANDPAD上で案件ごとに現場の映像や写真を確認できます。
また、360度カメラの「RICOH THETA」をはじめ、定点カメラやウェアラブルカメラなど、現場のシーンに応じた機器に対応しています。建設現場に設置し、午前・午後・1日のタイムラプスを再生できるクラウドカメラ「コネクトカメラ」との連携により、現場業務のムダをなくし、生産性の向上につながります。
まとめ
遠隔臨場システムを導入することで、業務効率化や安全性の向上が期待できます。遠隔臨場システムは、コストや操作性、既存設備との整合性を確認し、自社の課題を解決してくれたり、業務を効率化するものを選びましょう。
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