工事に使用する鉄筋の数や重量を把握し、正確な見積もりを出すために用いられるのが、鉄筋積算です。この記事では、鉄筋積算の概要をはじめ、具体的な計算方法や効率化のポイントなどについて解説します。また、鉄筋積算ソフトを導入することで得られるメリット、ソフトの選び方なども取り上げるので、ぜひ最後までご覧ください。
鉄筋積算とは
鉄筋積算とは、コンクリートを補強するための資材である、鉄筋の量や費用を算出する業務を指します。工事の予算を立てたり、適正な価格で受注したりするために必要とされている、重要度の高い作業です。なお、積算と混同されやすい用語として「見積もり」がありますが、以下の点が異なります。
- 積算:利益を考慮せず、工事の総費用を算出する
- 見積もり:積算額に利益を加算した費用を算出する
基礎の鉄筋の数量拾いと積算方法
ここでは、建物の基礎部分の鉄筋の数量拾いと、積算の方法について解説します。
基礎の長さを拾う
はじめに、平面図や立面図、断面図などから、基礎の長さを計算します。基礎の長さを拾う際は、ベースの長さや立ち上がりの長さに誤差が生じないように注意しましょう。基礎は、地面と建物をつなぐ重要な部分です。誤差が生じると、基礎工事に影響がおよび、建物の強度に問題が発生する恐れがあります。
鉄筋の長さと重さを拾う
次に、鉄筋の長さと重さを拾います。工事の際に使用する鉄筋の長さや重さは、あらかじめ設計図に記載されている数値を参考にします。鉄筋の長さや重さを拾う際は、キロやトンなどさまざまな単位を混同しないように注意して計算しましょう。なお、鉄筋1メートルあたりの重さは、単位重量と呼ばれています。
鉄筋の数量を計算する
最後に、コンクリート数量と鉄筋数量を用いて、鉄筋の数量を計算します。以下は、1辺1メートルの立方体のコンクリートに、直径1センチ、長さ1メートルの鉄棒が25本入っている場合の計算式の例です。この計算式においては、長さ1メートルの鉄棒の重さを500グラムと仮定します。
- コンクリート数量:1メートル×1メートル×1メートル=1立方メートル
- 鉄筋数量:1メートル×25本×500グラム=12500グラム(0.0125トン)
梁の鉄筋の数量拾いと積算方法
ここでは、梁の鉄筋の数量拾い、および積算方法について詳しく解説します。
材料の拾い方
はじめに、梁の鉄筋の拾い出しをします。梁に使用される一般的な鉄筋の種類は、以下の8種類です。なお、建築図面によっては、異なる名前で記載されている場合があります。
- 上主筋
- 上宙吊筋
- あばら筋(スターラップ)
- 腹筋
- 下宙吊筋
- 下主筋
- 中子筋
- 巾止筋
拾い出しに失敗すると、現場での深刻なミスにつながりかねないため、一つひとつの名称を慎重に確認しながら作業を進めましょう。
圧接の注意点
梁の鉄筋積算をする際は、圧接に注意しましょう。圧接は、追い出し筋側と追い終い筋側、それぞれの柱面からL/4を基準にした範囲内でなければなりません。L/4は、長さ÷4を意味します。また、圧接の位置は、せん断力に対抗するために、継ぎ手部分から500ミリずつずらして調整してください。
特殊な計算
梁の鉄筋積算においては、特殊な計算方法があります。鉄筋コンクリートの梁には、あばら筋と呼ばれる補強筋の一種が用いられています。これを踏まえて、専用の比率を用いて計算しなければなりません。
鉄筋積算に鉄筋積算ソフトの導入がおすすめの理由・メリット
鉄筋積算をするには、鉄筋積算ソフトの導入がおすすめです。以下で、おすすめの理由とメリットについて解説します。
作業効率の向上
鉄筋積算ソフトの導入メリットとして、作業効率の向上が挙げられます。資材や人材などの数量、コストなどを算出する積算は、手間と時間がかかる業務です。鉄筋積算ソフトを使用すれば、設計図や仕様書から必要な情報を抽出し、計算してくれます。そのため、煩雑な作業にかかる時間を大幅に短縮し、業務を効率的に遂行できます。
ヒューマンエラーの改善
ヒューマンエラーの防止も、鉄筋積算ソフトの導入によるメリットのひとつです。積算は正確さが求められる業務ですが、人の手で行う場合にはヒューマンエラーの発生リスクがあります。計算ミスが発生してしまうと、正確な見積もりを算出できません。鉄筋積算ソフトを用いて計算すれば、ヒューマンエラーの発生を防げます。
正確な見積もりの算出
正確な見積もりを算出できる点も、主なメリットとして挙げられます。見積もりを間違えた状態で工事を進めてしまうと、大幅な赤字につながる可能性もあります。鉄筋積算ソフトを使うことで、現場ごと、項目ごとの利益率も詳細に算出できるため、効率的な積算が可能です。
鉄筋積算を効率化するポイント
鉄筋積算の効率化を目指すにあたって、どのような点を押さえればよいかを解説します。
チェックリストの採用
鉄筋積算を効率化したいなら、チェックリストの採用がおすすめです。チェックリストとは、業務内容やタスクを可視化したものです。鉄筋積算の場合、構造部位ごとに確認項目を整理し、どの部位の、どの鉄筋を拾ったのかを明確にします。チェックリストを導入すれば、全体の業務の進捗がわかるだけではなく、業務の見落としも防止できます。
加工歩掛やヒューマンエラーを防ぐ工夫
加工歩掛やヒューマンエラーを防ぐ工夫も、鉄筋積算の効率化に欠かせません。具体的には、以下の方法がおすすめです。
- 歩掛のテンプレート化
- 入力ルールの明確化
ヒューマンエラーが減少すれば、作業の効率化だけではなく、クライアントからの信頼獲得にもつながります。
属人化しない積算体制の実現
鉄筋積算の効率化には、属人化しない積算体制の実現も重要です。属人化とは、特定の業務に関する手順や状況を、特定の個人だけが把握している状態を指します。属人化が進むと、急な休職や退職が生じた場合に、業務がストップしかねません。属人化の対策として、業務の標準化やマニュアル化、ITツールの活用などが挙げられます。
鉄筋積算ソフトを選ぶ際のポイント
昨今は多種多様な鉄筋積算ソフトが登場していますが、どのような点を重視して選ぶべきであるかを解説します。
操作性
鉄筋積算ソフトを選ぶ際は、操作性を重視しましょう。操作方法がわかりにくかったり、複雑であったりすると、導入しても従業員が持て余す可能性があります。そのため、鉄筋積算ソフトは直感的に操作ができる、シンプルなものを選びましょう。ソフトによっては、無料で利用できるサンプルを提供しているものがあるため、導入前に操作感を確認するのもおすすめです。
サポート体制
サポート体制が整っているか否かも、鉄筋積算ソフトを選ぶ際に重視したいポイントです。鉄筋積算ソフトにはマニュアルが付属しているものの、マニュアルだけでは解決できないトラブルが発生する可能性もあるでしょう。サポート体制が整っていれば、解決が難しいトラブルにも、スムーズに対応できます。
他システムとの連携
鉄筋積算ソフトを選ぶときは、他システムとの連携に関しても確認しましょう。鉄筋積算ソフトのなかには、他の会計システムと連携できるものもあります。連携ができないと、発注や請求書のたびに同じ情報の入力を繰り返さなければなりません。複数のシステムと連携できれば、入力の工程を省けるため、全体の業務効率が向上します。
まとめ
鉄筋積算は、正確な見積もりを出すために欠かせない業務です。ただし、計算方法が複雑であったり、扱う数値が多かったりするため、ミスが発生することも少なくありません。必要に応じて鉄筋積算ソフトの導入も検討しましょう。
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