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請求書の分割は違法?合法?正しい発行方法やメリット・デメリット、注意点を解説

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見積・請求・契約
請求書 請求管理

請求書を分割発行することは、プロジェクトが長期にわたる建設業においては、多々あることです。請求書の分割自体は、双方の同意があれば可能です。

この記事では、請求書を分割して発行できる場面やメリット・デメリット、請求書の書き方などを解説します。請求書の分割が違法になる可能性についても解説するため、請求書の分割発行を考える担当者は参考にしてください。

請求書の分割とは

請求書の分割とはどのようなものか解説します。

分割払い

分割払いは、購入した商品や利用するサービスの代金を2回や3回など複数回に分けて支払うことで、割賦払いとも呼ばれています。自動車ローン、クレジットカードの支払いなどが分割払いの例として挙げられます。

分割発行

分割発行とは、商品やサービスを販売・提供した側が複数の担当者や部署などにそれぞれ請求書を発行することです。主に、長期プロジェクトの進み具合に合わせて、漸進的に請求書を発行する場面で利用されます。

請求書の分割が認められる条件

請求書の分割が認められるには条件があります。ここでは、3つの条件を解説します。

顧客や取引先からの同意がある場合

請求書を分割するためには、顧客や取引先との合意が必須です。部署や担当者別に請求書を分割したい場合、事前に確認しなければなりません。自社と顧客、取引先との間で合意があれば、法的にも問題なく進められます。双方が同意する形式で進めることが重要です。

分割納品を行う場合

商品を複数回に分けて納品する場合にも、請求書の分割が可能です。納品のたびに請求書を発行する必要があるためです。分割納品は、同じ場所に複数回に分けて納品する場合と、異なる場所に分けて納品する場合に分類されます。

プロジェクトが長期にわたる場合

ソフトウェア開発や建設工事など、取引が長期にわたる場合にも請求書の分割が可能です。一般的に、各フェーズが完了するタイミングや作業の節目などで請求書を発行します。プロジェクトの進み具合に合わせて、漸進的に請求書を発行する場合もあります。

請求書の分割が違法になる場合とは?

請求書の分割は、場合により違法と見なされます。ここでは、3つの状況を解説します。

契約書の内容と一致しない場合

顧客や取引先と一括払いの約束で契約書を発行した場合、双方が同意せずに請求書を分割することは禁じられています。自社の都合のみで約束を反故にすることは、契約違反であるためです。契約書の内容を反故にすると、契約不履行により契約を解除されたり、損害賠償を請求されたりする恐れがあります。顧客や取引先との関係が悪化したり、社会的信用を失いかねません。

税金を回避する目的と見なされる場合

消費税の支払いを免れるために、意図的に請求書を分割する行為は禁止されています。請求書を意図的に分割し、利益を翌期へ繰り越して当期の納税額を抑える行為は、税務署から脱税と見なされ、刑事罰が科せられたり、追徴課税を受けたりすることが考えられます。売上と収益は正しく報告し、決められた税金を納めなければなりません。

規制違反を回避する目的と見なされる場合

請求書を分割して、従業員の実際の労働時間よりも少なく働いているように見せかける行為も違法です。実際には、法定労働時間を超えているにもかかわらず、従業員の労働時間を分散させる目的で請求書を不正に分割することも違法行為と見なされます。

請求書を分割するメリット

請求書を分割することで得られるメリットを4つに分けて解説します。

利便性が向上する

請求書を分割すれば、支払期日も分割されます。顧客や取引先は大金を一度に支払う必要がなくなり、予算の範囲内での資金管理が可能です。これにより、作業負担が分散され、経費管理がスムーズになり、利便性が高まります。資金繰りの無理のない計画やキャッシュフローの改善も期待できるでしょう。

売上が向上する

分割払いにすることで、高額な商品やサービスを購入する際の障壁が下がります。分割払いに対応できないと、高額な商品やサービスほど購入されにくくなります。柔軟な支払い方法は、売上の向上、顧客獲得にもつながります。1回の支払金額が少なくなるため、支払い遅延のリスクも抑えられるでしょう。

支払い負担が減る

請求額が大きく、一括での支払いが困難な場合は、請求書を分割することで支払いも複数回に分けられます。1回あたりの支払金額が減るため、資金繰りに課題を抱えている企業にとってはとくに有効です。なお、請求書を発行する側が、顧客や取引先の支払い能力に合わせて柔軟な対応をすることで、長期的に取引関係の維持にもつながります。

支払いの遅延を防げる

高額の商品やサービスを一括で請求すると、期限までに全額を支払い切れない恐れがあります。未払いや支払い遅延が生じると、請求書を発行した側のキャッシュフローが回らなくなることも考えられます。請求書を分割することで、1回の支払額を減らせるため、期限内の支払い促進につながります。支払いの遅延リスクも低減するため、安定した取引が期待できるでしょう。

請求書を分割するデメリット

請求書を分割することは、メリットだけでなくデメリットもあります。ここでは、3つのデメリットについて、解説します。

全体像が把握しにくい

請求書を分割すると、全体の請求額の把握が困難になります。分割払いは、代金が支払われるタイミングがばらけるためです。宛先を分けて請求書を発行する方法も、請求先が多方面に及ぶことから、合計金額がわかりにくくなります。これにより、請求漏れのリスクが高まったり、支払い漏れが発生しやすくなったりします。

入金、支払いを確認する手間が増える

こまめに入金や支払いをチェックする手間が増えることは大きなデメリットです。分割払いは、支払いのタイミングが複数に分かれます。そのため、その都度、請求書の発行や入金のチェックが必要で、最終的に全額が入金されたかも確認しなければなりません。業務管理においては、どこまで入金されているかを把握しなければならない場面も出てくるでしょう。

顧客や取引先との間でトラブルになる可能性がある

請求書の分割方法や1回の支払い金額などに、顧客や取引先との認識の齟齬があった場合、トラブルに発展しかねません。万が一、トラブルが発生すると、取引が停止する、計画がとん挫するなどといったことにより、業績に悪影響を及ぼすことも考えられます。

顧客や取引先との間で、分割回数や支払時期などを取り決め、書面に残しておきましょう。取引の際は、契約内容を詳細に記載することが、信頼関係を構築し、透明性が高い取引の実現に有効です。

分割払い請求書の記載情報

分割払い請求書を発行する場合、基本的な請求書情報と合わせて、分割払いに関する情報を記載する必要があります。ここでは、それぞれで必要な項目について、解説します。

基本的な請求書情報

分割払いの請求書であっても、基本的な請求書情報については、一般的な請求書と同様に記載します。基本的な請求書情報は以下のとおりです。

  • 請求書番号
  • 請求書の発行日
  • 顧客や取引先の情報
  • 自社の情報
  • 納品日あるいはサービスを提供した日
  • 商品やサービスの内容
  • 税抜きまたは税込みの請求金額と適用税率
  • 税率ごとの消費税額
  • 書類の交付を受ける事業者名あるいは名称
  • 支払期限
  • 振込先

分割払いに関する情報

分割払い請求書には、以下の項目を記載します。

  • 分割回数
  • 今回が何回目の支払いであるか
  • 今回の請求額
  • 分割払いに関する条件

分割請求書を作成する際の注意点

請求書を分割で作成する場合、トラブルや支払い漏れなどを防ぐために、記載すべき項目を確認しておきましょう。

合計金額を確認する

請求書を分割発行する際は、分割払い請求書の発行時と同様に、合計金額を確認しましょう。請求書の合計金額と全体の請求金額が一致していないと、脱税の嫌疑をかけられかねません。請求金額が異なると、代金を正しく回収できずキャッシュフローに影響を及ぼすことも考えられます。

分割払いの条件を記載し、トラブルを防ぐ

顧客や取引先と分割払いの条件を詳細に記載した請求書を発行し、未然にトラブルを防ぎましょう。発行日や支払期限、分割の回数などを明記することで、部門や部署ごとの支払いタイミングのズレや、支払い漏れの発生を防げます。請求書に記載されている情報に誤りがないかも確認しましょう。

ミスがあると、トラブルに発展しかねません。正確な請求書の作成は、円滑な取引を維持するために重要です。

回数分の請求書を発行する

分割払い請求書は、支払いの回数分だけ作成する必要があります。支払いのたびに請求書を発行しないと、支払いが遅延したり、忘れられたりして、自社の資金繰りに影響を及ぼす恐れがあります。分割分の請求書を作成し、各請求書には、何回目の請求であるかを明記しましょう。

社内規律を確認する

請求書を分割で発行する前に、社内規定を確認し、分割請求の可否や条件を確認しましょう。請求書を分割することは、顧客や取引先の支払い負担を軽減するメリットがあります。一方、管理が複雑になることはデメリットです。社内規律や法律について認識することで、請求書の発行や管理も適切に行えるでしょう。不安がある場合は、専門家に相談することもおすすめです。

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まとめ

請求書を分割発行することは、売上向上や利便性向上などのメリットがあります。ただし、請求ごとに請求書を発行する必要があるため、支払い漏れや合計額に違いがないかなどを確認しましょう。分割請求は、顧客や取引先と自社との合意のうえで実施されるものです。支払額や支払い回数などの規定を書面で交わしておきましょう。

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