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建築板金における稼働管理と人工計算にかかる負担を大幅に効率化

株式会社タケノ 様
従業員規模 21〜50名
利用機能
課題
  • 職長からの日報の提出忘れや遅延により、正確な原価計算や請求書の照合が困難だった
  • 紙の日報の内容を表計算ソフトに転記する作業に、1日2時間ほどかかるケースがあった
  • 稼働管理をホワイトボードで行っており、現場の状況確認や職人の割振りに多くの時間がかかっていた
効果
  • 原価計算や支払い計算が正確になり、追加工事が発生しても稼働をきちんと把握できるようになった
  • 日報がペーパーレス化され、表計算ソフトへの転記作業が不要になり、事務作業を大幅に削減
  • 急な工程変更時も、外出先から職人の稼働管理が可能に。無駄のない効率的な手配を実現

導入事例について詳しく知りたい方は、お問い合わせください。

株式会社タケノのご紹介

株式会社タケノは石川県で1923年創業、1967年に設立した建築板金会社で、屋根工事や外壁工事、雨どい工事などを手掛けている。主な営業エリアは石川県全域、富山県と福井県の一部で、大小合わせて年間約1000件の工事を請け負っている。大型物件からゼネコンの下請け工事、一般住宅まで幅広い案件を扱っており、特に工場や倉庫、店舗の工事が中心となっている。従業員は約40人、協力会社の作業員は約20人おり、拠点は野々市市(本社)と加賀市(加賀店)の2つがある。

ANDPADの利用を始めたのは約3年前のこと。現在はANDPADの施工管理ボード機能を利用している。導入前は、日報の提出、職人の稼働管理に課題があった。それをどう克服していったのか。同社の竹野社長、取締役の初崎様、越田様にそれぞれお話を伺った。

日報に基づいた原価計算や転記作業の負担が激減

日報には、日付、現場名、作業内容、作業時間などを記載する。基本的に同社の職長が、現場ごとに日報を書いている。現場は細かい仕事も含めると、1日10件弱が同時に稼働することもある。日報は、1件あたり4,5枚になるため、1日で40〜50枚の書類が積み上がる。この日報を基に原価計算をしたり、毎月借りるレッカー車の使用頻度の突き合わせ、社員の給料や外注している協力会社の人工の把握や支払額を算出したりする。

ANDPAD導入以前は、この日報の集計作業に大きな負担があった。職人から提出された紙の日報の回収、表計算ソフトへの転記、事務員による手計算などの作業に時間がかかっていた。

職長が直行直帰して日報が提出されず、そのまま忘れてしまい、請求書と照合できないことが発生していた。また、遠い現場で働く職長に対しては、毎日会社に戻って来させる訳にもいかず、1週間分の日報を後日まとめて提出してもらうようにしていた。だが、そこでも提出漏れが発生していた。

日報を忘れると、現場の職人がどんな作業を、どれくらいの工数をかけていたかまったくわからない。そのため、請求書と日報が照合できないときは、事務員が職長に何度も電話で確認する必要があった。そして後日、職長が過去の記憶をたどりながら記入するケースもあり、その内容が本当に正確かどうかわからないという問題があった。

表計算ソフトへの転記作業についても、「現場に何時から何時まで誰が行ったのか」という、情報の記載の仕方が職長によってまちまちだった。そのため、事務員が「この日報の情報は本当に正しいのか?」と疑問を持つことがあった。

紙に記載された内容を手入力するという作業も発生していた。案件が複数あると、転記だけで1日2時間ほど要するケースもあり、その時間の削減が課題だった。

ANDPAD導入後は、職長が直接ANDPADに日報を記入し、事務員が出来高の進展を把握するため、案件カレンダーに実績人工を入力して、その日の作業内容や人数をすぐに確認できるようになった。また、日報の表計算ソフトへの転記作業が不要となり、正確な請求が可能になった。追加工事の発生時も都度把握できるようになり、原価計算や支払い計算が容易になったことで、粗利益率の改善にもつながることが期待されている。

ホワイトボードのデジタル化で職人の稼働管理を効率化

ANDPAD導入以前の職人の稼働管理については、社内のホワイトボードに現場名、元請け名、主任、工期、内訳などを書いて管理していた。社員が毎日出社してホワイトボードで状況を確認してから作業に取りかかっていたが、現場の協力会社への指示などは口頭に頼らざるを得ず、情報の漏れが起こりがちだった。

また、急な工程変更時の対応が煩雑で、メールや電話での個別連絡が必要だった。

稼働している現場への職人の割り振りは、本社と加賀店で2人ずつ、計4人で行っている。前日の15時の休憩時間や昼休みの間に、翌日必要な人数を職長に確認し、その後、各職人の割り振りをおこなう。職長から「10人必要」と言われれば10人を配置し、「3人でいい」と言われれば、残りの7人を他の現場に振り分ける。

以前は会社でホワイトボードを見ながら割り振りをする必要があったが、ANDPADの導入後は、外出先でも対応できるようになった。

ANDPADボード上の職人の予定を更新したら、全員に通知が届くようになっている。導入当初は、初回の通知を見て予定を確認し、その後に変更があっても2回目の通知を見落として、変更前の予定で行動する職人もいた。

そうした混乱を避けるため、18時半以降に1回だけ最新の予定を確認するようにルール化した。割り振りの担当者は、それまでにしっかり配置確認をし、間違いのない情報発信を心がけている。

現在はスマホやタブレットでいつでも職人の予定を確認できるため、個別の電話連絡のやりとりが減り、業務効率が改善した。職人側も、ANDPADボードを開けば、いつでも最新の予定を確認できるようになった。

「急な雨など、天候の変化で作業ができないから別の現場に行ってほしい」「長期休暇の間に現場の状況が変わって、作業日が変更された」といったケースもまれにある。

以前はホワイトボードを眺めながら、誰がどこに行くのかを割り振っていたが、今ではANDPAD上で割り振りを行い、リアルタイムに全員が確認できるようになったため、日程変更の段取りが楽になった。

「誰がいつ休むのか」休暇届けの曖昧さを解消

主に2つの大きな課題をANDPADの導入によって解決し、劇的な業務効率化を達成したが、他にも変革できたことがある。

例えば、現場の地図の共有だ。大きな現場では、職長が事前に現場監督と協力会社の職人を引き合わせるため、着工の1週間から2週間前に現場に連れていくことがある。だが小さな現場では基本的に、紙の地図を職人に手渡して自分で現場へ行ってもらっていた。

以前は紙の地図を出力し、職人に会社へ来てもらうか、社員が先方に赴いて手渡ししていた。それでも場所がわかりにくいケースでは、小さな現場でも現場へ同行することがあり、地図のやりとりだけでかなりの時間を要していた。

だが、ANDPADなら案件の住所とインターネットマップが紐付いているため、そうした現場案内の手間が一切なくなった。

また社員の休暇届けについても、ANDPAD導入以前は紙ベースだったが、現在はANDPADの日報機能で運用するようになった。紙の届け出がしにくく、社内の関係者に休暇情報が伝わりにくいという問題があったためだ。多くの人が休暇届けを提出せず、職長に口頭で伝えるだけで済ませていたため、書類としての確認ができず事務員が困っていた。

紙の届け出だと、誰が休んでいるのか、またその休暇が有給なのか振替休日なのか、あるいは欠勤なのかが曖昧になることが多く、明確に区別することが重要だった。また、休暇届けを誰でも確認できるようにすることも必要だった。

現在は休暇届けを日報機能で運用することで、誰でも確認できるようになり、休暇の内容も明確に区別されるため間違いがなくなった。それによって休暇の管理が簡単になり、以前のような曖昧さが解消された。

他にも、チャット機能を使って全員に対するお知らせを発信している。例えば、風が強い日には注意を促したり、暑い日には熱中症対策を呼びかけたり、事故の報告や注意喚起を行ったりしている。社内の懇親会の案内や年末調整の書類提出の期限通知など、さまざまな内容をチャットで連絡している。

「以前はメールや電話で通知しており、その後、社内の掲示板を使って通知するようにしていたが、掲示板を見ない人もいました。そのため、チャット機能をもっと活用していけば、見る人も増えるだろうと考えました」と竹野社長は話す。全員への通知だけでなく個別や選択的な通知も可能で、便利に活用できると考えている。

まだまだ効率化できる部分はあるものの、大きな課題を解決してきた株式会社タケノは、着実に働き方改革の歩みを進めている。

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