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徹底したペーパーレス!住宅設備のプロが目指す現場管理の完全デジタル化

静岡伊奈製品販売株式会社 様

従業員規模 21〜50名
利用機能
課題
  • 職人の作業スケジュールがバッティングするなど、稼働管理で非効率が生じていた
  • 現場の住所や図面・報告書など、FAXによるやりとりで残業が発生していた
  • 施工店からの工事完了報告書の送付が滞り、月末の請求処理業務を圧迫していた
効果
  • スマホひとつで職人の稼動状況の共有と調整ができ、無駄のない効率的な手配が可能に
  • FAXによる書類のやりとりが解消され、1日の業務終了時間が1時間以上早まった
  • 工事の完了が写真付きでリアルタイムに把握でき、請求処理の遅延が解消

静岡伊奈製品販売株式会社のご紹介

1902年に創業の住宅資材の商社である株式会社丸八から分離し、1967年に設立されたのが静岡伊奈製品販売株式会社だ。同社の社長である河合貴芳氏は現在5代目を務めている。主な業務は、トイレやユニットバスなどの水回り商品、インテリア内装や外壁タイルなどの建材、サッシやエクステリアなどの金属商品の販売及び施工をおこなっている。取引先はハウスメーカーや工務店、衛生設備業者、タイル工事業者、左官工事業者、エクステリア業者など約500社に上り、静岡県全域と愛知県東部で営業を展開している。

同社の組織体制は、29名の社員からなり、そのうち12名が営業担当者で、施工管理(現場監督)も兼ねている。主な業務は商談や受注、協力会社の手配、部材の発注依頼、完了報告の確認などだ。部材の発注や販売管理情報の入力、入金管理、請求書の支払処理などは、事務担当スタッフが担当している。

現在、同社では社内のほか、協力会社(主に施工店)も含めANDPADボードを利用している。ANDPADボードを導入する以前は、職人のスケジュール把握や社内でのコミュニケーション不足による現場管理の不徹底、紙ベースの管理による事務作業の遅延など、いくつもの課題があった。

これらの課題を解決し、どんな成果を得たのか。同社の河合貴芳 社長と、ANDPAD初期導入を推進したバス・キッチンの施工担当である佐藤兆是 営業課長に話を聞いた。

スケジュール調整不足による非効率を解消し、受注ロスが減少

課題の一つは、従来のFAXや電話でのやりとりでは、施工店との連携がスムーズにいかず、手戻りなどにより利益が低下する懸念が常にあったことだ。

施工は午前8時30分に始まるが、過去にはFAXを送っても、職人が予定通りに来てくれないというトラブルもあった。これはお互いがFAXを見落としていたり、電話確認を忘れたりしていたため起きていた。特にリフォームの場合、当日に作業ができないと、作業期間が延びて別の専門工事のスケジュールが後ろ倒しになってしまい、各施工店や施主にも迷惑がかかってしまう。そのため、なんとかして職人に来てもらうなど必死に調整していた。

また、別の担当者が同じ職人に依頼し、工事日が被ってしまうという課題もあった。事業拡大により、営業担当者が増えたことで社内の調整不足が生じたり、職人のスケジュールをきちんと把握しきれないことが原因だった。

これまでは、受注後に商品納入日と施工日の両方を調整していた。商品の納入日に合わせて、職人のスケジュールを確認する必要があるが、職人は、多くの場合現場に出ているため、事務所にいるケースはほとんどない。

そのため、例えば佐藤課長が先方の事務所にFAXを送り、職人のスケジュールを抑えたはずが、別の営業担当者が電話でその職人を先に抑えていて、別の職人と再調整する必要が生じるなど、社内での連絡不足が非効率の原因となっていた。

ANDPADボードの導入によって、職人にとっては自分のスケジュールをANDPADボード上で確認できるため、工事日時を失念することがなくなった。また、施工日の入力と地図・図面の添付により、スマートフォン一つで情報共有がしやすくなった。さらに、営業担当者にとっては、施工店ごとに職人の手が空いている日時が一目でわかり、図面から作業時間を見積もることで、効率的なスケジュールを組めるようになり、仕事の割り振りがしやすくなった。

実際の施工では、キッチンなら半日で終わり、ユニットバスなら丸1日かかるなど、箇所によって必要日数が異なる。ANDPADボードに格納した図面を見れば、各工事に必要な日数を営業担当者だけでなく、施工店も簡単に予測がつくため、お互いにスケジュールを組みやすくなった。営業担当者と施工店のコミュニケーションが改善されたことで、お互いに受注ロスが減少した。また、社内の連絡不足に起因するストレスが解消され、チームワークも向上した。

紙のやりとりをなくして事務作業を効率化、生産性も向上

ANDPADボードを導入する前は、現場情報をまとめる事務作業に手間取り、長時間労働が発生し、生産性が低下するという課題もあった。

当時は住所、工事依頼書、2枚以上の図面など、最低でも4枚をプリントアウトしてFAXで送るなど、紙ベースで情報を管理していた。施工が完了すると、あらかじめ紙で渡していたチェックシートに施工店が記入し、完了報告書としてFAXで送ってもらう。その後、施工店からもらった請求書を処理をして、工事代金を支払うという流れだった。

しかし、施工店にFAXが届いていなかったり、紙を紛失したり、完了報告書が届くのが遅れたりしていた。施工店に何度連絡しても、完了報告書が送られてこないケースもあった。そのため、事務作業が滞り、毎月20日の締め日を過ぎると請求処理が非常に困難な状況に陥った。また、社内で月末に開かれる会議の資料作成が間に合わず、事務員の残業が発生していた。

これらの問題を解消するために、ANDPADボードに案件情報を集約し、施工が完了した時点で現場写真を送ってもらうようにした。工事の進捗状況をリアルタイムで把握できるようになり、完了のタイミングも把握でき、完了報告書の提出を促しやすくなった。その結果、「全体的に段取りが改善されて生産性が向上した」と佐藤課長は話す。

現在は、受注後に営業担当者が現場へ行き、施工店に注意してほしい箇所を撮影してANDPADボードに送っている。もし図面の変更があれば、再度ANDPADボードから最新の図面を共有し、施工日を迎える。施工店は、着工前、施工後の配管など隠れてしまう箇所、そして完成現場を異なる角度から2枚以上撮影した写真を、報告書と一緒にANDPADボードのタイムラインで送信し、営業担当者が確認後、完了ボタンを押せば工事完了となる。

この間、紙のやりとりはぼなくなった。年間の工事件数はバス・キッチンが400~500件ほどだ。そのため、概算で(住所・工事依頼書・図面など)4枚×400件=1600枚以上の紙と印刷代、FAXの送信コストを削減できた。

将来の目標は「現場へ極力行かずに施工管理できるシステムの構築」

ANDPADボード導入以前は、営業担当者が書類をFAXで送付して職人を手配したり、電話で職人に工事の修正を依頼するなどしていた。

また、現場の地図は住宅地図データを引用して紙に印刷するなど、事務作業に時間がかかり、長時間労働につながっていた。このような状況が続けば、人為的なエラーが発生しやすい環境になり、信用問題やリピーター減少などの問題が生じる可能性があった。河合社長はこの点を懸念していた。

ANDPADボードの導入による事務作業のデジタル化により、社内全体で作業終了時間が1時間以上早まった。工程表や写真で進捗状況をデジタル管理することで、書類作成や地図検索などの手間が省け、作業時間の短縮を実現した。

また、情報共有の円滑化も進んだ。工程表や写真で進捗状況をリアルタイムに共有することで、現場と職人と販売店が一体となって工程管理ができるようになった。従来の紙のチェックシートだけでは、工事が滞りなく完了したという根拠が曖昧だったが、ANDPADボードでは、写真やデータに基づいた確実な情報共有が可能になった。

工程管理や現場の進捗確認について、タイムラグのない透明性の高い方法で共有できるようになり、常に最新の情報に基づいたコミュニケーションが可能になった。これにより、「ハウスメーカーや施工店に対して安心感を与えられる材料が増えた」と河合社長は話す。ANDPADボードは、元請けや協力会社との信頼関係の構築にも貢献しており、新規取引先を開拓する際にも、先方が安心できる材料の一つとなるだろう。

今後は、インテリア内装タイル、外壁タイルといったタイル工事におけるANDPADボード利用の推進を目指している。現在、タイル工事が年間200件以上あり、年々需要が増えているからだ。バスやキッチンなどと違い、タイル工事は3日間にわたることもあり、工程管理がより大事になってくる。

また、現在は営業担当者が受注後のチェックや商品搬入の手伝いなどで、現場に行く機会が多いが、将来的にはANDPADボードだけで現場管理を完結できるシステムの構築を目指している。現場に行かなくても、ANDPADボードを通じて必要な情報を確認できる環境を実現することで、さらなる効率化と利便性の向上を目指している。

ANDPADボード導入により、静岡伊奈製品販売株式会社は多くの課題を克服し、業務効率を大幅に向上させることができた。今後もさらなる飛躍を目指していくことだろう。

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