株式会社ミヨシテックのご紹介
水道・ガス・電気の設備工事会社として、創業より50年以上にわたり、人々の暮らしに欠かせないライフラインを支え続けている株式会社ミヨシテック。設備工事の設計・施工・メンテナンスにトータルに対応できる技術力を強みに、地域で厚い信頼を獲得している企業だ。
そんな同社は、経済産業省がDXの優良事例を選出する「DXセレクション2024」に選ばれるほど、DXに力を入れている企業でもある。長年デジタル活用に取り組んできた同社は、なぜANDPADを選んだのか、またどのようにANDPADを活用しているのか。株式会社ミヨシテック 代表取締役社長 永谷様、取締役本部長 奥田様、主任 藤原様にインタビューを実施した。
業界に先駆けてITツールの活用を開始したパイオニア
本社を置く大阪府寝屋川市を拠点に、大阪府・京都府において大小さまざまな設備工事を年間1,800件ほど施工している同社。法人向けサービスにおいては、大手電機メーカー内に営業所を構え、構内のレイアウト変更にともなう生産設備工事や空調設備工事などを長年手がけている。また、大阪市や寝屋川市の公共工事、商業施設などの各種設備工事にも幅広く対応しており、さらには、大阪ガスの特約店・大手ハウスメーカーの協力会社として、新築戸建住宅のガス内管工事やガス機器設置工事、水道工事にも携わっている。
同社は、この新築戸建住宅における豊富な設備工事の実績を活かし、現在は個人向けのリフォーム事業にも参入。2023年9月には、本社1階に水回りリフォームのショールームをオープンした。
「当社は、大手電機メーカー様や大阪ガス様、大手ハウスメーカー様など、高い工事品質を求められるお客様と長年にわたってお付き合いをさせていただき、技術と対応力を磨いてきました。この実績が信頼となり、現在も安定的に依頼をいただいています。また、業務用設備のメンテナンスに力を入れるため、専門企業とのM&Aも実施しています。」(永谷様)
また、同社はDXに積極的に取り組む企業として、業界内の注目を集めている。現在は、同社の業務アプリ開発やデータ管理の手法を学ぶために、全国から企業が集まってくるという。
「2012年からチャットツールを導入し、タブレットやスマートフォンも早いうちから社員に支給してきました。私自身が新しいもの好きなので、これまでたくさんのITツールを試してきましたが、社員から『これは使えない』と言われて運用を断念したシステムもあります。社員と一緒になって試行錯誤を繰り返し、現在の形があります。」(永谷様)
情報の属人化を防ぐためにANDPADを導入
同社がANDPADを導入したのは2018年。業界内でも先駆けてデジタル化に取り組んできた同社は、なぜANDPADの導入を決めたのだろうか。当時の課題を伺った。
「導入のきっかけは、私が東京で開催された展示会でANDPADに出会い、興味を持ったからです。当時、チャットツールでのコミュニケーションはすでに軌道に乗っていましたが、写真の管理に課題を抱えていました。クラウドストレージで写真を管理する社員もいれば、社内のファイルサーバで管理する社員もいて、データを集約できていなかったのです。」(永谷様)
「当時は、営業・設計・施工管理・現場作業員のそれぞれが情報を持っていたので、その人に聞かないと写真や情報を確認できませんでした。図面も紙で製本して管理していたため、誰かが持ち出してしまうと、他部署のメンバーが確認できなくなってしまうのも課題でした。」(奥田様)
写真や図面のデータを誰もが確認できる状態にするために、同社はANDPADの運用を開始。まずは、戸建住宅の設備工事を手がける部門から利用をスタートした。
「写真や図面をANDPADにアップすれば、リアルタイムで全員に共有できるので、社員は実際に利用していきながら利便性に気づいていったようです。以前からITツールを活用していたこともあって、導入に対する反発はありませんでした。」(永谷様)
紙の使用量が半減、移動時間は約3分の1に減少
同社では現在、法人向けサービス・個人向けサービスの両部門でANDPADを運用。写真管理や資料管理、工程表といった各機能を活用しながら案件を管理している。また、ANDPADに集約した情報を同社の基幹システムと連携し、業務効率化を図っているという。
「コロナ禍をきっかけに、当社のDXは一気に加速しました。社内にシステム部を立ち上げて、クラウド型の顧客管理システムを本格的に稼働させ、さまざまなITツールとの連携を図っていきました。現在では、電話入電システムと顧客管理システムを連携させ、お問い合わせがあった時点でチャットツールに伝言を残せるようにしています。また、自社で販売代理店もしているロボパットというRPA(Robotic Process Automation)を活用して、顧客管理システムからボタンひとつでANDPADに案件登録ができるように開発を進めました。基幹システムとして利用しているクラウドサービスは、業務アプリの開発に優れているのですが、写真や図面の管理はANDPADの方が利便性が高いため、両者の良い部分を活かしながらデータを管理しています。」(永谷様)
複数システムへの二重入力によって入力ミスが発生することを防ぐために、顧客管理システムとANDPADの連携を図った同社。ボタンひとつクリックするだけで、顧客の氏名や着工日など、さまざまなデータが連携される仕組みには驚かされるばかりだ。こうした最先端の取り組みを次々と進める同社は、ANDPADの導入後にどんな変化を感じているのだろうか。
「以前は、各部署や担当者しかわからない情報が多く、図面や資料も紙で引き継ぎをしていたため、注意事項が協力会社さんまで伝わらなかったり、『資料・写真を送った・届いていない』『言った・言わない』といった行き違いが起きていました。現在は、全部署がANDPADで写真や情報を確認できるので、引き継ぎミスはほぼなくなりましたし、紙の資料を作成してファイリングする事務員の作業量も減っています。紙の量も半減し、ペーパーレス化も進みました。」(奥田様)
また、最近では社員の方々の発案により、報告機能の活用もスタートしたという。
「ハウスメーカー様ごとに施工の仕上がりを確認するチェックシートを紙で運用していたのですが、施工後は見返す機会も少なく、紙の資料の増加につながっていました。また、何か確認したいことが発生したときも、紙の資料から探し出すのが大変で、リアルタイムでのフォローができていませんでした。現在は、写真で現場の状況が確認ができるようになったので、チェックシートもANDPADの報告機能に移行し、同時に確認できるようにしています。紙のチェックシートに手書きをする手間がなくせましたし、写真撮影や現状確認のために訪問する移動時間も大幅に削減できました。」(藤原様)
建築業界にはDXと働き方改革が不可欠、積極的に挑戦を
基幹システムを中心に、ANDPADをはじめとする多様なITツールを連携し、データの一元管理を実現した同社。ただ、同社は現状に甘んじることなく、5年後・10年後を見据えた上で、さらにDXを進化させていく考えだ。
「法人向けサービスでの実績を活かし、今後はBtoCのリフォーム事業に一層注力して、地域のお客様の暮らしに貢献していきたいと考えています。また、福利厚生や就業環境の整った環境で職人さんが長く活躍できるように、自社職人を育成する構想も描いています。ANDPADの運用によって、協力会社さんのDXも支援していきたいですね。」(永谷様)
また、永谷様は、DXと同時に、建設業界の喫緊の課題である「働き方改革」にも力を注いでいくという。
「現場への移動時間削減のために、可能な限り近隣の現場を発注いただけるようにハウスメーカー様にお願いをしています。また、19時50分にはオフィスの電気を強制消灯し、社員が早く帰宅するように促しています。ANDPADは、移動時間の削減や隙間時間の活用に有効なツールだと感じていますので、今後も活用していきたいです。」(永谷様)
最後に、これからDXを考えている建築業界の方々へメッセージをいただいた。
「人手不足や残業時間の上限規制など、建築業界は大きな課題を抱えています。この課題を解決し、企業として生き残っていくためには、DX以外に方法はないと感じています。新たな人材を迎え、育てていくためにもDXは不可欠です。当社の取り組みを公開する見学会も開催していますので、興味をお持ちの企業はぜひご連絡いただけると嬉しいです。」(永谷様)
大阪の設備工事ならミヨシテック(HPはこちら:miyoshitec.co.jp)