株式会社Looop様のご紹介
再生可能エネルギーの普及により、電力経費をゼロにする「エネルギーフリー社会の実現」を目指す、株式会社Looop様。ソーラー発電システムをユーザーが手作りする「MY発電所キット」の販売によって急成長し、現在は、法人向け・個人向け太陽光発電システムの開発・販売を幅広く展開中だ。また、電気を創って使う自家消費型太陽光発電や、電気を蓄える蓄電池システムの開発・販売も手がけている。2016年には、再生可能エネルギーを使った電力を家庭へ供給する電力小売サービス「Looopでんき」をスタート。「Looopでんき」の低圧契約件数は、2021年3月時点で30万件を突破し、過去1年間で10万件以上の契約増を達成するなど、再生可能エネルギー関連事業で規模拡大を続けている。
今回は、全国の太陽光発電所の建設に携わりつつ、ANDPAD導入をリードされてきた、再エネ事業本部 EPC事業部 営業課 主任 坂元 大翼 様に、導入のきっかけや利用浸透のための工夫、導入後の成果について、お話を伺った。
社内の情報共有がうまくいかず、工事のやり直しなどトラブルが課題に
坂元様が所属するEPC事業部は、地面に太陽光発電設備を設置する野立ての発電所建設に携わる部門だ。近年では、建設済みの太陽光発電所を販売する案件が中心となっており、低圧から高圧まで年間50件程度を施工されているという。
ANDPAD導入前、Looop様では、営業課・施工課・エンジニアリング課と、職種で部門を分け、担当者間で情報を共有しながら、提案から工事までを進行。しかし、社員数・案件数が増えるにつれて、意思疎通が上手くいかない事態が頻発するようになったと、坂元様は語る。
「当時は、主に電話やメールでコミュニケーションを取っていたので、依頼したデータが送られてこない、全員に指示が伝わっていないといった事態が起きていました。『言った・言わない』のトラブルもありました。施工現場とのやりとりが上手く進まず、工事の遅延も発生していましたし、再度設計から検討し直す工事も出ていました。現場の状況がリアルタイムで把握できないため、不安に感じるお客様もいらっしゃいました。」
社員数が増え、管理する情報も増える中で、坂元様は、「社内の情報共有を改善しないと、業務が滞る」と危機感を抱いたという。そこで、部署間のコミュニケーション改善に向け、新たなシステムの導入を検討。太陽光関連の展示会だけではなく、建築関連の展示会にも参加し、話を聞いて回ったという。
「当時は、太陽光発電所の施工に特化した製品はなかったため、建築系の施工管理ソフトを中心に、比較検討を進めました。ANDPADは機能がシンプルで使いやすそうだと感じましたし、スケジューリングや資料・写真の共有、チャット機能が、当社にもマッチすると感じました。」
坂元様は、ANDPAD担当者の提案を受けながら、自社の業務フローに合わせて、入力情報の項目を設定。社員にとって分かりやすい管理画面を構成したという。
「ANDPADは建築・リフォームに強い施工管理アプリという印象はありましたが、当社に合わせてカスタマイズができたのも助かりました。」
現場の遠隔管理を実現。同時により多くの現場管理が可能に。
ANDPAD導入前、Looop様では、各部署ごとに独自の方法で情報を管理されていたという。資料や写真は、基幹システムやクラウドサービス、社内ネットワークに分散して保存されている状態だった。坂元様は、ANDPADで情報を一元管理するために、まず各部署のリーダーを集めて協議を行ったという。
「社内の情報を横断的に共有・管理する初めての試みだったので、従来の管理方法の課題や、必要・不必要な情報などを洗い出し、各部署と話を詰めました。」
しかし、ANDPADに対する社内の反応は厳しく、簡単には導入が進まなかったという。
「ANDPADによる管理が加わることで、部署によっては、情報管理が二重・三重になるケースが出ていました。『仕事が増えて面倒だ』という社員もいて、話を進めるのに苦労しましたね。」と坂元様。
そこで、坂元様は、ANDPADへの理解を深めてもらうため、アンドパッド社員とともに、繰り返し説明会を開催。使い方の資料を配布し、「まずは一度使ってみてほしい」と根気よく声をかけ続けたという。また、社内の組織変更によって、営業・施工管理・エンジニアリングといった各担当者が事業部ごとにまとまり、担当者間の距離が近くなったことも功を奏した。現在では、案件発生から工事完了、メンテナンスまで一貫して情報管理ができている。
坂元様は、遠隔地での現場管理において、特に利便性を感じていると語る。
「障害物や土地の起伏による設置位置の変更や、資材搬入路の変更など、現場に行かなければ分からない相談に対して、遠隔で問題解決ができるようになったのは大きいですね。ANDPADで写真を見れば現状が把握できますし、そのままチャットや電話で指示もできます。特に、施工管理の訪問回数は、半分程度削減できたと思いますね。スマホで簡単に作業報告ができると分かり、協力業者さんたちも喜んで利用してくれています。使い勝手がいいと評判ですよ。」
また、最近では太陽光発電所建設に関わる申請書類の管理や、建設後の保守管理サービスにも、ANDPADを活用するようになったという。
「社内メンバーしかアクセスできない社内メモ機能を活用し、情報漏洩対策をしっかり行いながら、各種申請書類を管理しています。今まで会社のパソコンでしか見られなかった情報に、社外からもアクセスできるようになり助かっています。現在は、建設後の遠隔監視・メンテナンスを担うO&M事業部にも、工事情報の詳細な履歴や現場写真を引き継いでいます。定期メンテナンス、トラブル時の対応にも役立っています。」と坂元様は話す。
再工事や工期の大幅な遅延がゼロに。社内の雰囲気も明るく。
ANDPADを通じて、リアルタイムで情報が共有できるようになり、Looop様では、工期の大幅な遅延や再工事はほぼゼロになり、コスト削減も実現した。お客様にもスケジュールや状況を伝えやすくなり、不安の解消につながったという。ムダやミスの削減にともなって業務全体のボリュームも減り、「ANDPADを使うと仕事が増える」とネガティブだった方々の反応も、大きく変わってきた。
「今回のコロナ禍によって、ANDPAD利用率は一気に向上しました。極力現場には行かず、工事を進めなければなりませんでしたが、現場の状況をリアルタイムで確認できたので、大きな混乱はなかったです。現場に赴いた担当者と施工業者さんを、他のメンバーが遠隔でバックアップし、検討や指示を行いました。最小人数での工事に、ANDPADは大きく貢献しています。」
また、ANDPADは、会社全体の雰囲気にも変化を及ぼしたと、坂元様は語る。
「部署間のコミュニケーションがスムーズになったことで、社内全体に団結力が生まれたと思います。メンテナンスまで一貫した情報共有を行うことで、施工品質も向上しました。業務にも余裕が生まれ、新しい施工方法の開発や商品開発、情報管理体制の見直しも進み始めました。」
現在では、坂元様が所属するEPC事業部だけではなく、自家消費・PPAサービスを担う部門でもANDPADを導入。「ANDPADを利用したい」という声が、他部門からも上がっているそうだ。
「自家消費は、屋根の上に太陽光発電装置を設置する事業です。現場とのやりとりや確認事項も一層多くなるため、ANDPADは関係各所をつなぐコミュニケーションの要になっています。遠隔地での工事も増えていますので、ANDPADはますます重要な役割を担っていくでしょう。今後もANDPADの活用方法を見直しながら、再生可能エネルギーの最大普及に向け、新しいサービスを展開していきたいです。」と坂元様は、意欲的に語ってくださった。
2011年の東日本大震災の被災地へのボランティア活動を契機に創業、エネルギーに関するトータルソリューションを提供する企業へと成長したLooop様。エネルギー事業を起点に、さまざまな社会課題の解決を目指すLooop様の取り組みに、今後も注目していきたい。