岐建株式会社のご紹介
明治時代に宮大工として創業し、地域とともに発展を続けてきた岐建株式会社。現在では、建築事業・土木事業を幅広く展開する総合建設会社へと成長し、2023年に創業120年を迎えた。
同社は、「人と人をつなげる街づくり」をコンセプトに掲げ、学校や医療・福祉施設、工場、商業施設などの建築工事、地域のインフラ整備を担う土木工事を数多く手がけている。また、道路舗装に欠かせないアスファルト合材の製造・販売を行うメーカーとしての一面も持っている。
同社が本社を置くのは、岐阜県大垣市だ。そのほか、中部地方を中心に、滋賀・大阪にも支店・営業所を展開しているが、名古屋支店でのANDPAD施工管理、ANDPAD黒板の導入を皮切りに、本社でも利用が浸透し始めている。また、現場監督の業務支援を行うANDPAD BPOの利用にも乗り出した。
今回は、岐建株式会社において、DX推進や人材採用などを担当している経営戦略室 室長 清水様にインタビューを実施。ANDPADやANDPAD BPO導入前の課題、導入後の変化についてお話を伺った。
情報の共有・管理の課題を解決するためにANDPADを導入
岐阜県庁舎、大垣市庁舎、近江八幡市庁舎など、公共施設の施工実績を豊富に持つ同社。地域の暮らしに欠かせない大規模物件の施工を中心に手がけていることもあって、同社は膨大な施工写真や図面の管理に課題を抱えていた。施工時の情報管理や施工指示の方法が担当者ごとに異なっていて情報共有がスムーズに進まず、指示の抜け漏れや情報の行き違いが生まれて手戻りが発生し、残業の要因になっていたという。
この課題を解決するために、同社はデジタルツールを導入して改善を試みたものの、ツールの処理速度の遅さから業務負担の軽減につながらなかった。そこで、ツールの乗り換えを検討していた名古屋支店でANDPADの試験運用がはじまった。
「黒板写真の撮影と写真管理の利用からスタートし、現在名古屋支店ではほぼすべての担当者がANDPADを使って仕事をしています。本店でもANDPADを利用する現場が出てきましたので、今後は全社で活用を検討していく予定です。」(清水様)
ANDPAD BPOの写真管理支援によって業務が大幅に効率化
ANDPAD施工管理・ANDPAD黒板に次いで、同社は「ANDPAD BPO」を導入した。ANDPAD BPOは、現場経験のあるアンドパッドのスタッフが現場監督の業務を支援するサービスである。現在、同社は「黒板写真撮影・写真管理の効率化」と「若手教育」を目的にBPOサービスを活用している。
まず、「黒板写真撮影・写真管理の効率化」にANDPAD BPOがどのように貢献しているのかを見ていこう。
同社では、CSVやAIを利用して電子黒板をANDPAD上に一括作成する業務をアンドパッドに委託。この電子黒板を用いて撮影した写真は自動で黒板ごとにフォルダ分けされるため、写真管理の手間が削減できる。帳票や写真台帳も簡単に作成できるようになり、写真管理が大幅に効率化されている。
また、ANDPAD図面上の撮影箇所にピンを設置し、電子黒板とひもづける業務もアンドパッドが担当。赤色ピン(未撮影)・緑色ピン(撮影済)によって状況を可視化し、ANDPAD図面上で現場に関わる全員が進捗状況を確認できる体制へと移行している。さらには、現場監督経験のあるスタッフが写真撮影を支援するサービスもスポットで提供している。
「膨大な黒板写真の撮影・管理に対応するため、他社の人材派遣サービスもお願いしていますが、建築知識のない派遣社員の方が来ることがあり、作業の指示出しに負担がかかることがありました。その点、アンドパッドは施工管理経験のある方が写真撮影・管理の支援から現場での撮影支援までトータルに対応してくださるので助かっています。今は現場所長の判断でスポットで依頼をすることが多いですが、『負担のかかる業務をサポートしてくれてありがたい』と大変好評です。」(清水様)
若手社員の定着に向けて教育支援サービスの利用を開始、満足の声が上がる
黒板写真撮影・写真管理の支援からANDPAD BPOの利用をスタートした同社は、その後、アンドパッド担当者の提案を受け、若手技術者の育成を行う教育支援も開始した。では、なぜ若手社員の教育をアンドパッドに依頼したのか、その背景を伺った。
「当社の建築部門では、施工管理職として毎年10名ほどの新卒採用を行っています。これまでは新人教育がどうしても現場任せになることが多く、配属先の工事の進行状況によって、学ぶ内容が変わってしまったり、所長によって教育の仕方が異なったりと、知識量やスキルにばらつきが生まれるのが課題でした。ただ、限られた人員で大規模現場の施工管理にあたっているため、若手教育のための専任担当者を置く余裕がないのが現状です。」(清水様)
こうした課題を受け、「若手社員の力を一定のレベルまで揃えてから現場に配属したい」と考えた清水様は、ANDPAD BPOの教育支援サービスの利用を開始した。
研修内容としては、躯体工事・内外装工事の流れやポイントなど施工管理の基礎が中心で、構造図の読み取り・簡易施工図作成演習、積算・作図の実践演習などを行った。また、ANDPADの利用についても、現場で使いこなせるレベルまでの習得を目指した。研修は、週2回合計16日間で実施した。
「カリキュラムを一緒に考えてくれたアンドパッド担当者が、ゼネコンでの施工管理経験を持っていたので、かゆいところに手が届く、ポイントを突いた内容を提案していただけました。研修後のアンケートを見ても、『勉強になった』『現場に行くのが楽しみになった』といった声が上がっています。やはり何もわからない状況で現場に行くよりも、一定の知識を持って現場へ行った方が理解も深まりますし、所長からの指示にも適切に対応できるのではないかと思います。この研修は毎年お願いしたいと思っていますし、若手社員が前向きに現場へ出られるようなカリキュラムを今後も開発してほしいです。」(清水様)
若手社員主導でANDPADを活用したDXを進めていきたい
本社においてもANDPADの利用が浸透しはじめている同社。「今後は写真管理だけではなく、他の業務でも活用を進め、現場でANDPADを開けば仕事ができる状態を目指していきたい」と清水様は語る。
最後に、今後の展望を清水様に伺った。
「今年度の新卒社員から、研修内容にANDPADの活用が組み込まれています。これから若手はANDPADを使って仕事を進めていくので、若手主導でANDPADの利用を浸透させ、現場からDXを加速してほしいと考えています。また、若手社員の教育支援サービスも活用し、施工管理担当者のレベルアップや定着率向上につなげていきたいと思います。」(清水様)