架台メーカーとしてEPC事業にも力を入れる動力は、施工管理に加えて、受発注業務にもANDPADを活用している。
「施工品質を向上するためにANDPADは欠かせない」と話す動力九州営業所の西岡晋宏所長に、ANDPADの活用法を聞いた。
現場からの資料のリクエスト、ANDPAD上で完結
動力は、架台メーカーとして独自のさまざまな太陽光架台を開発するとともに、設計・工事、メンテナンスといったEPC事業にも力を入れている。受注件数が増える中、紙のファイルとメールによる管理手法に限界を感じ、6年前にクラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を導入した。写真や図面、工程表などの資料を一元管理できるANDPADを活用し、あらゆる情報を集約して情報の共有やコミュニケーションの円滑化を図ったという。「以前は、現場から資料を送ってほしいと言われると、大容量のファイルをメールし、届いたかどうか電話で確認していました。今は、必要な情報をすべてANDPAD上にアップしているので、『ANDPADのここを見てください』と伝えるだけで完結し、担当者の負担が軽減されています」と西岡氏は話す。
細かなルールも全社で統一、施工品質のアップを目指す
業務効率化の手応えを感じたことから、続いて、見積・発注・納品・請求を一気通貫で管理できるシステム「ANDPAD受発注」の活用を始めた。各担当者が作成していた見積書や注文書などをANDPAD上に取り込み、全社でフォーマットを統一した。また、外注工事の完了報告などもANDPADを通じて行うフローに変えた。
「フローを変更することに戸惑いを感じる協力会社もいましたが、繰り返し説明して理解してもらい、今では『スマホでできるから便利だね』と言ってもらえます。納品や検収のステータスを全社で共有しやすくなり、ANDPAD上で請求業務もできるようになったので、月次決算のスピードが格段に上がりました」と西岡氏は笑顔を見せる。
また、請求書などを電子化したことで、電子帳簿保存法やインボイス制度といった法令への対応もスムーズにできたという。「ANDPAD受発注の導入は、業務フローやフォーマットを今一度見直す良い機会になったと感じています。案件の管理は煩雑で、ともすると属人的になりがちですが、施工の品質を高めるには、全社で統一したルールを運用することが大切です。今後は、現場でより詳細な指示を行えるようにANDPADをもっと使いこなして、施工品質の向上に役立てていきたいと考えています」と西岡氏は前を向く。
会社概要
株式会社動力 九州営業所 所長
西岡晋宏 氏
社名には、「エネルギー」という意味の他、人べんをつけると「働く力」、ローマ字表記では「努力」とも読めることから、「チームワークで新たな時代を支えるエネルギーになる」という思いが込められている。
本記事は、ソーラージャーナル(2025年8月1日発行)に掲載いただいたものの転載になります。
写真/鍋田広一(パンフィールド) 取材・文/山下幸恵(office SOTO)