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予定管理のデジタル化で無駄を減らし、働き方改革につなげる

中日コプロ株式会社 様
従業員規模 301〜1000名
利用機能
課題
  • 作業員がホワイトボードを確認せず、修理に出す予定の工事車両に乗ってしまうなど、予定管理が徹底されていなかった
  • 予定を組む社員に情報が属人化され、他の人が正確に最新情報を把握できなかった
効果
  • 予定を確認する電話の回数が3分の1まで減少
  • 予定をホワイトボードに書き出す作業時間がなくなり、残業削減に直結
  • 予定確認のために帰社する必要がなくなり、事務所の滞在時間が50%削減
  • 緊急対応案件が発生しても、作業員と車両の空き状況をすぐに把握でき、スピード感のある差配を実現

導入事例について詳しく知りたい方は、お問い合わせください。

中日コプロ株式会社様のご紹介

1958年設立の中日コプロ株式会社(本社:愛知県名古屋市)様は、主にレストランや宿泊施設運営などのサービス業務、オフィスビルなどのビルメンテナンス業務、給排水管更生工事などの工事業務を手掛けている。社員数は全体で約600名、そのうち工事部は40名程度。

今回、ANDPADボードを導入したのは工事業務を手掛ける工事部だ。取材対応いただいた鳴海営業所は、おもに下水管の維持管理などの公共工事を請け負っている。営業エリアは東海三県(愛知県、岐阜県、三重県)と静岡県の一部を担当している。

下水管は経年変化で様々な支障が出ており、維持管理が重要になっている。清掃はもちろん、継ぎ目の傷みや管のたるみ、クラックなどを調査し、悪い箇所があれば、どんな補修方法があるかを発注者に提案している。 

担当する工期は、大雨で下水管が詰まったときの緊急対応など1日で終わる短いものもあれば、長ければ半年かかるものもある。自社の作業員だけでは足りない場合に備えて、数社の協力会社とも取引がある。

そんな中日コプロ様では、作業員の予定管理において、いくつか問題が発生していた。それらを解消するためにANDPADボードを導入した経緯と成果について、鳴海営業所 所長 久野様と係長 渡邊様に話を伺った。

作業員、車両、協力会社の予定を同時管理できるツールが必要だった

中日コプロ様は以前、渡邊様がエクセルで作った表を印刷したA3用紙に「日付」「現場名」「現場で使う工事車両」「チームスタッフの名前」といった現場作業の予定を手書きし、その後、社内にあるホワイトボードに予定を書き写していた。用紙はファイリングされ、常に渡邊様のデスク上に置いてあり、誰でも見られるよう共有されていた。

ホワイトボードに書き出すのは、主に短い工期の単発案件だ。長期案件は現場代理人が進捗状況を把握している。基本的に手の空いた作業員が長期案件をこなしつつ、並行して単発案件もこなす。

現場作業員や事務員が予定を確認するには、一度事務所に行って用紙のファイルかホワイトボードを見るしかなかった。

この方法だと、特に工事車両の管理に問題が生じていた。車検、修理、貸し出しといった車両の予定を書くのだが、例えば「作業車Aを来週、修理に出す」という予定を入れているにもかかわらず、作業員がホワイトボードを確認せず、勝手に作業車Aに乗って行ってしまい、いざ修理に出そうと思っても出せなかった。それに渡邊様が気付いて、「至急戻って欲しい」といった電話連絡を入れることが起きていた。

また、管理職の立場からは「予定表に全ての予定が書いてあるのか、変更が全て反映されているのかなどが判別しにくかった」と久野様は言う。なぜなら、基本的に渡邊様がすべて予定を組んでいたため、情報が属人化され、他の人が正確に最新情報を把握できない状態だった。予定表の用紙に手書きで予定を書いていたが、「作業車Bより作業車Aが乗りやすいから」といった理由で、時々、作業員の方で予定を書き換えてしまうこともあった。そのため、常に最新かつ正確な情報ではないという問題点もあった。

こうしたアナログの方法による課題を解決し、働き方改革を含めて会社の体制を変えていきたい。また、渡邊様が苦労している差配の役割を少しでも軽減させたい。久野様はそう考えてシステムをいろいろと探していた。だが、作業員、協力会社、車両の3つを同時に管理できるものはなかなか見つからなかった。自社でシステム開発をおこなうことも考えたが、数百万円単位の高額な費用がかかるため断念した。

模索していた時、ANDPADボードがリリースされたという情報が久野様の耳に入った。そこで機能の説明を聞き、「これなら使えそうだ」ということで導入に至った。

電話の回数が3分の1まで減り、過去の案件の検索時間も削減

ANDPADボード導入後は、社員全員が気軽に予定を確認できるようになり、管理面での問題が大きく減った。作業員がどの現場にいるか、誰がどの車両を使うか、いち早く全員で情報共有できるようになったからだ。例えば車両管理においては、「車両Aは修理のため、来週は利用不可」と事前にアナウンスができるため、間違えてその車両に乗ってしまい、会社に引き返すといった時間のロスが削減された。

またANDPADボード導入前は、渡邊様が予定をホワイトボードに書く作業に1時間ほど費やしていたが、その作業もなくなり残業の削減に直結した。以前は、紙の予定表に手書きした内容をホワイトボードに書き写す際、渡邊様が「自分が書いた予定と違っている」と気づき、書き直すこともあった。ANDPADボードはIDごとに作業権限を付与できるため、作業員が勝手に予定を書き換えてしまう心配も、書き直す手間もなくなった。

案件を受注した際、過去の事例を参考に見積もりを作ったり、作業員や車両を差配することがある。

金額を算出する上で、過去のデータは大事だ。例えば、前回は1日仕事で作業員を4人配置したが、今回は同じような仕事でも3人で作業してもらうとなった場合、それだけでコストが変わってくるからだ。

どの現場に、どの車両を使い、作業員を何名配置したか。ANDPADボード導入前は、およそ10年分保管されている紙の案件資料をめくってそれを探していた。以前請け負ったことのある案件を新たに受注し、見積もりを作成する際に、その当時の営業担当に見積もり内容を確認すれば良いのだが、小規模案件については営業担当も記憶があいまいなケースがあった。

そのためANDPADボードに案件の履歴が残ることで、過去の事例を検索しやすくなったのも大きなメリットだ。検索機能により、過去の事例を探し出す時間が大幅に減った。

営業担当が仕事を受注する際、大型案件は課長へ、小規模案件は渡邊様に受注の可否について問い合わせの電話をする。特に作業員や車両を手配できるかどうかがカギになるからだ。また、案件によっては協力会社に依頼するときもある。

ANDPADボード導入前は、こうした営業担当や協力会社との打ち合わせなど、渡邊様への電話が多い日は1日50件ほどあった。渡辺様が現場で作業している時に電話がかかってくると、そこで作業がストップしていたが、今は営業担当側で、ANDPADボードの予定を見て、受注できるかどうかの一次判断ができるようになった。こうして営業担当や協力会社との電話の回数が、導入前と比べて3分の1まで減った。

緊急対応時の情報の錯綜が減り、仕事量も調整しやすくなった

中日コプロ様のもとには、市役所などの自治体から「下水管が詰まって水があふれているから、すぐに対応してほしい」といった緊急対応の要請電話が頻繁にかかってくる。おおむね3日に1件程度(年間120件程度)で、そのうち17時以降の就業時間外対応が60件程度、22時以降の深夜帯は年に4~5回ある。また、自治体からの緊急案件は「90分以内に対応可否の返答をしなければならない」という制約がある。

特に年度末になると繫忙期で工事が集中するため、工程の進捗管理がシビアになってくる。渡邊様は24時間対応できるような態勢をとっており、差配の作業も増える。そのため、どの作業員、どの車両の予定が空いているか、どの作業員がどの現場に行けばいいのかといった情報が錯綜することもあった。渡邊様が外出先だと電話に出られなかったり、事務所に一度電話して、事務員に手書きの予定表を確認してもらったり、自ら会社に戻って確認してから対応するなどタイムロスが生じていた。

また夜間の緊急対応では、バキュームカーで汚水を吸ったまま自社の駐車場に止めておくことがある。ホワイトボードを利用していた頃は、現場に携わってない作業員に、そのバキュームカーが昨晩使われたことが周知されず、そのまま翌朝現場に乗って行ってしまい、現場で作業できずにまた戻ってくるというケースもあった。

ANDPADボード導入後は、予定確認のタイムロスがなくなり、迅速に対応できるようになった。予定や工程の確認作業でわざわざ会社に戻る必要もなくなり、渡邊様の事務所の滞在時間は50%減ったという。車両の予定も管理しやすいため、バキュームカーの乗り間違いもなくなった。

就業時間外の自治体からの緊急対応については、自宅が会社に近い作業員が優先的に出動することになる。工事車両が会社の駐車場に置いてあり、必ず一度会社に来なければならないという事情がある。一方で、民間の工場などで土曜・日曜の仕事も多いが、時間外の緊急対応に頻繁に協力してもらっている作業員に関しては、土曜・日曜の仕事をなるべく減らすなどして仕事量のバランスをとっている。ANDPADボード導入後は、管理職も予定の全体を見渡せるようになり、仕事量に偏りが出ないよう差配しやすくなった。

中日コプロ様では今、ノー残業デー、有給休暇の取得などを通じて仕事と子育てを両立させることができる働きやすい環境づくりに取り組んでいる。足元の課題を見つめ直しながら、予定管理のデジタル化を足がかりにその目的を達成するため、まい進している。

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