建築積算数量の拾い方(拾い出し)とは、設計図や仕様書をもとに必要な資材や労務量を数値化する作業です。基本の計算方法や注意点を理解し、効率的な手法を取り入れることで、ミスを減らし、業務をスムーズに進められます。
この記事では、建築積算数量の拾い方の基本と注意点、効率化する方法をわかりやすく解説します。これから積算業務に携わる人はもちろん、経験者の人の見直しにも役立つ内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
建築積算数量の拾い方の基本を解説
建築積算数量の定義や計算式、所定数量と設計数量の違いを解説します。
建築積算数量の拾い方とは
建築積算数量の拾い方とは、設計図や仕様書をもとに、工事に必要な資材や労務量を数値として算出する方法です。平面図・立面図・断面図など複数の図面を照合しながら、必要な数量を正確に導き出します。算出した数量に単価を掛け合わせることで、工事費の算出につなげます。
建築積算数量の計算式
建築積算では、工事費を算出する際に「工事費=数量×単価」という基本式が使われます。なかでも「数量」の算出は、積算全体の精度を左右する重要な工程であり、この作業が一般的に「数量の拾い出し」と呼ばれています。
数量の拾い出しでは、設計図や仕様書を詳細に確認しながら、実際に使用する資材の種類や数量、施工する範囲などを正確に把握する必要があります。これらの情報をもとに、面積・体積・長さなど適切な単位に換算し、数値として整理していくことが求められます。
建築積算における設計数量と所定数量の違い
「設計数量」は、図面上の寸法や記号をもとに理論的に算出された数量です。たとえば、柱の鉄筋本数や壁の面積などが該当します。一方、実際の施工では材料の切断ロスや作業上の無駄が生じるため、設計数量だけでは足りないことがあります。
そのため、設計数量に資材ごとの割増係数をかけて算出するのが「所定数量」です。鉄筋やボルトは4%といった基準があり、公的な積算基準で確認できます。
建築積算における数量拾いの注意点
建築積算における数量拾いの作業では、正確性が求められるため、注意すべきポイントがいくつか存在します。特に重要となる注意点は、大きく分けて3つあります。以下で、3つの注意点について具体的に解説します。
数量の拾い落としに注意する
図面情報は見落としのないよう丁寧に確認することが大切です。数量の拾い漏れがあると、工事にさまざまな支障が出る可能性があります。たとえば、材料や作業量の不足により、実際の工事費が見積額を上回ってしまうことがあります。逆に、多く見積もりすぎると、価格競争で不利になることもあるでしょう。
さらに、必要な人員や資材が手配できず、工期に遅れが生じるリスクもあります。ミスを防ぐためには、複数人で数量をチェックするといった、精度を高める工夫が必要です。
桁数や計算のミスを防ぐ
桁数の間違いや計算ミスも、積算では大きなトラブルにつながりかねません。数量に誤りがあると、必要な資材が現場に届かないことがあります。その結果、急な調達や代替対応が必要になり、工期の遅れにつながる可能性があるため、注意が必要です。
特に桁数の間違いは、見積額や発注量に大きなズレを生む可能性があり、大きな損失や工期遅延のリスクがあります。手作業で数量を拾う場合は、計算や数値の扱いに十分注意を払いましょう。
転記・転用時のミスに注意する
数量を他の資料に書き写す際のミスにも注意が必要です。特に、数字や単位、カンマの位置などの誤記は、重大なトラブルにつながります。拾い出し自体に漏れや重複がなくても、転記ミスがあると実際の数量と大きくズレてしまいます。ミスを防ぐには、複数人で確認するなど、チェック体制が欠かせません。
建築積算における数量拾いを効率化するコツ
建築積算で数量を拾い出す際は、効率よく進めることが大切です。以下で、4つのポイントを解説します。
拾い出し用のテンプレートを作る
拾い出し作業を効率よく進めるためには、専用のフォーマットを用意すると便利です。既存のものがない場合は、Excelなどによる自作がおすすめです。フォーマットを作る際は、何の数量を拾い出すのかを明確にし、図面との対応関係や計算のしやすさを意識しましょう。
また、設計内容や施工条件が変更されることもあるため、作成したフォーマットは定期的に見直し、最新の内容に更新して使うようにしましょう。
マーカーで視認性を高める
数量の拾い漏れを防ぐために、各項目にマーカーで印をつける方法は効果的です。図面の色と重ならず、目立ちやすいピンクなどの色を選ぶのがおすすめです。ただし、マーカーの色によっては印刷時に薄くなったり消えたりすることがあるので注意が必要です。
特に黄色やオレンジなど明るい色は、コピー機によっては写らない場合があります。実際に図面にマーカーを引いて、見やすさや印刷した際の見え方を確認することをおすすめします。
国土交通省の「公共建築数量積算基準」を確認する
数量を拾い出す際には、必ず国土交通省が定める「公共建築数量積算基準」を確認することが重要です。数量の表現方法や測定の手順、単位の扱いなど、積算業務に関わる細かなルールが詳細に定められており、正確な積算を行う上での基準となります。
特に、数量の計算においては、小数点第3位で四捨五入することが原則とされており、ルールを理解していないと、積算結果に誤差が生じる可能性もあります。作業の精度を保つためにも、積算を始める前に基準書をしっかりと確認し、正しい手順で数量を拾い出す習慣を身につけることが大切です。
積算ソフトを活用する
専用のフォーマットが用意されておらず、数量拾いの書式作成が難しい場合には、積算ソフトの導入を検討することで業務の効率化につながります。積算ソフトを活用すれば、煩雑な計算作業を自動化できるため、手作業でのミスを防ぎつつ、作業時間の短縮や担当者の負担軽減にも効果を発揮します。
ソフトを導入する際には、自社の業務内容や求める機能を明確にした上で、操作性、カスタマイズの柔軟性、サポート体制、費用面など、複数の観点から比較検討することが大切です。
数量拾いに関するよくある質問
数量拾いに関するよくある質問を3つピックアップし、解説します。
拾い出しと積算との違いは?
拾い出しとは、図面をもとに必要な資材や工事量を正確に割り出す作業です。対して積算は、拾い出した数量に単価をかけて、工事全体の費用を算定する工程を指します。
つまり、拾い出しは積算作業の基盤となる工程であり、数量の算出に誤りがあると見積もり全体に影響を及ぼす恐れがあります。積算は工事にかかる費用全体を算出する最終的な工程であり、費用の正確さは数量の拾い出し精度に大きく依存します。
拾い出しはどのような図面から行う?
拾い出しは、意匠図・構造図・設備図などの設計図面をもとに行われます。建物の間取りや仕上げ材、構造の骨組み、電気・配管の取り回しなど、図面ごとの役割を理解しながら必要な数量を正確に算出していきます。
拾い出しにはどんなスキルが必要?
数量拾いを正確に行うには、図面を読み解く力や正確な計算力、Excelや積算ソフトの操作スキルが求められます。さらに、工事の流れや現場の状況を理解する実務経験も重要です。
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まとめ
建築積算数量の拾い方とは、設計図や仕様書から必要な資材や労務量を数値化する方法です。工事全体のコスト管理や工程の計画に直結する非常に重要なプロセスであり、精度の高い拾い出しが求められます。作業の効率化には、専用のテンプレートを使った管理や国土交通省の基準確認、積算ソフトの活用が効果的です。
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