建築業における見積もりは、工事費用の概算を示す重要な書類で、他の業界とは異なります。この記事では、建築業の見積もりとは何か、一般的な見積書との違い、算出方法、作成方法や作成する際のポイントなどを解説します。おすすめのクラウドサービスも紹介しているので、建築業で見積もりを作成する際にお役立てください。
建築業における見積もりとは?
建築業における見積もりの役割と重要性、一般的な見積書との違いについて解説します。
建築業の見積もりの役割と重要性
建築業における見積もりは、工事にかかる費用の概算を提示し、発注者が適切に判断できるようにする重要な書類です。受注者と発注者の間で工事内容や費用に対する認識を共有し、トラブルを防ぐ役割も果たします。また、透明性を確保し、信頼関係を構築するために、見積もりには工事の総額だけでなく、各工程の内訳や費用の詳細も記載します。
建築業の見積もりの算出方法
建築業の見積もり金額は、「(材料費+人件費)×利益率」で算出できます。ここでは、材料費・掛け率の仕組みや人件費の内訳、基本的な算出方法について解説します。
材料費・掛け率の仕組み
建築工事の材料費は、「仕入れ価格×数量」で算出できます。材料費には、主資材だけでなく、副資材の費用や運搬にかかる費用も含まれます。材料費は、需要や供給の影響で変動することがあります。材料は通常、メーカーから仕入れ、定価に掛け率を掛けて販売されます。
例えば、定価2万円、掛け率50%の場合、仕入れ価格は1万円となります。掛け率は取引条件により変動し、交渉次第で利益を増やすことも可能です。
人件費の内訳
人件費は、建築工事に従事する職人などへの賃金や手当です。見積もりの際は、作業ごとの手間を正確に反映することが重要です。誤った見積もりをすると、赤字になるリスクがあります。
作業の手間は、「歩掛(ぶがかり)」で数値化します。歩掛の単位は「人工(にんく)」で、1人工は1人の作業員が8時間でこなせる作業量です。作業ごとの人工は、「人工=(1人×所要作業時間)÷8時間」で算出できます。例えば、4時間かかる作業Aは0.5人工(1人×4時間÷8)となり、作業Aが3件の場合は1.5人工(0.5人工×3)です。
建築業の見積もりを作成する際のポイント
建築業の見積もりを作成する際のポイントは、主に3つあります。ここでは、それぞれのポイントについて解説します。
見積もりの内訳を階層構造にして管理する
見積もりは、発注の判断材料となるため、専門性のない発注者でも理解できるように作成しなければなりません。特に建築の見積もりは、作業内容が多く、複雑になりやすいため、注意が必要です。内訳を階層ごとに整理すれば、見積もりが分かりやすくなります。例えば、以下のように階層分けをします。
内容 | 数量 | 単位 | 単価 | 価格 | 備考 |
作業○○ | |||||
作業○○ – A | |||||
作業○○ – B |
計算ミスがないか確認する
見積もりを提出後に修正することは難しいため、計算ミスがないかの確認も必要です。誤りがある場合は、発注者に連絡し、訂正したものを再提出する必要があります。特に金額に大きな誤りがあると、発注者は再検討が必要となり、受注者の信頼も損なわれかねません。提出前に、計算式や金額に誤りがないかを十分に確認しましょう。
定期的に単価の見直しをする
見積もりを作成する際には、定期的な単価の見直しが重要です。材料費や人件費、歩掛などは市場の変動により変わるためです。社会情勢によっては材料費が急激に高騰することもあります。単価の変動は最終的な合計金額にも影響するため、定期的な単価の確認は欠かせません。
効率的な建築業の見積もりの作成方法
建築業の見積もりを効率的に作成する方法は、主に2つあります。以下で、それぞれの方法について詳しく解説します。
見積もりテンプレートを活用する
見積もりテンプレートを活用する方法があります。Excelのテンプレートには必要な関数が設定されているため、Excelに不慣れな人でも見積もりを簡単に作成できます。また、テンプレートを使うことで、項目の漏れを防ぎ、正確かつスムーズに見積もりを作成することが可能です。ただし、手入力が基本のため、入力ミスや計算ミスが発生しやすい点には注意しましょう。
専用ソフトやサービスを活用する
専門ソフトやサービスを活用する方法もあります。見積もりの作成に時間がかかる、または自信がない場合は、専用ソフトやサービスの活用を検討しましょう。ソフトやサービスでは、積算結果を取り込む機能や、過去のデータをもとに見積もりを作成できる機能などが搭載されています。
また、複数人で業務を分担できるため、ヒューマンエラーを防ぎ、業務負担を軽減することも可能です。
建築業の見積もり作成・発注業務も効率化する「ANDPAD受発注」
効率的に見積もりを作成したい場合、クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD(アンドパッド)」の「ANDPAD受発注」がおすすめです。帳票作成や押印、郵送などの非効率な作業をデジタル化し、受発注業務の手間と作業時間を大幅に削減できます。ANDPAD受発注の主な機能は、以下の通りです。
- 見積・発注
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まとめ
建築業の見積もりは、工事にかかる費用の概算を示す重要な書類です。見積もり作成では、計算ミスを防ぎ、単価を定期的に見直すことが大切です。効率的に作成するためには、専用ソフトを活用しましょう。
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