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完成工事高

完成工事高とは?計上基準や関連する勘定科目なども解説!

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経営
完成工事高 建設業会計

完成工事高とは、建設業会計における勘定科目の1つです。完成や引き渡しが済んでいる建設工事を対象として、売上高や収益を指します。

この記事では、完成工事高の概要や計上基準について解説します。完成工事高以外の勘定科目や、会計以外の完成工事高の用途なども解説するので、参考にしてみてください。

建設業会計については、下記で詳しく解説しています。

関連記事:建設業会計とは?建設業会計の勘定科目や注意点など徹底解説

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完成工事高とは?

完成工事高とは?

完成工事高とは、建設会社における本業の売上高や収益を指します。一般的な業種で用いられる売上高との違いは、建設会社の本業のみが範囲という点です。

例えば、建設業と並行して不動産業を営んでいたり、資材の卸売をしていたりして、売上や収益があったとします。それらは完成工事高には含めず、雑収入などの勘定科目で計上されます。

完成工事高の計上基準

完成工事高における計上基準は、工事完成基準と工事進行基準の2つです。下記で、それぞれの詳細を解説するので、参考にしてみてください。

工事完成基準

工事完成基準は、工事が終了して引き渡しまで終わったタイミングで売上を計上する方法です。なお、支出だけは未成工事支出金として計上し続けます。

数年に渡るような長い工事だとしても、1回で会計処理を終えられるのが利点です。計上を何回もする必要がないため手間を減らせますが、工事の途中で売上や経費を計上できない点には注意が必要です。

工事進行基準

工事進行基準では、工事の進行状況に合わせて売上を計上します。メリットは、工事が完了していない状態でも、当期の分だけ発行済みの請求書を工事完成高に計上できることです。

しかし、工事進行基準を適用するには一定の条件を満たす必要があります。1つ目は工期が1年以上であること、2つ目は請負金額が10億円以上の取引であることです。

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完成工事高以外の勘定科目

完成工事高以外の勘定科目

建設業会計には、完成工事高以外にもさまざまな勘定科目があります。勘定科目の種類とそれぞれの詳細は、以下の通りです。

完成工事未収入金

一般的な業種における売掛金に相当する勘定科目が、完成工事未収入金です。完成工事高として計上した金額の内、まだ受注先から代金を回収していない状態の額を表します。

しかし、回収していない代金全てが計上される訳ではありません。対象となるのは、決算期から1年以内かつ、回収できる見込みのある物だけです。

未成工事受入金

未成工事受入金とは、一般会計では前受金に相当する勘定科目です。工事完成や引き渡しよりも前に、代金を受け取った場合に計上されます。

工事が長期間に渡って行われる際は、継続的に工事を行うための資金が必要です。そのため、請負代金の一部を事前に受け取ることがあり、未成工事受入金が利用されます。

なお、工事の中では流動負債として貸借対照表に記載され、工事が完成したら完成工事高に振り替えられます。

未成工事支出金

完成まで数年以上かかる大規模な工事の場合に用いられるのが、未成工事支出金です。工事が完成して売上計上が可能になるまで、途中で発生した工事関係の支出が計上されます。

貸借対照表上では流動資産に区分されます。そして、完成工事高が計上される際に完成工事原価へと振り替えられます。

工事未払金

工事が終わっても支払いが終わっていない費用は、工事未払金として計上されるため対応が必要です。なお、一般会計では買掛金に相当する他、貸借対照表上では流動負債の区分になります。

未払いの費用全てが対象ではなく、工事に直接的に必要となった費用のみが計上されます。具体的には、工事に使うために購入した材料や、作業を協力業社に発注した際に発生した外注費などです。

完成工事原価

完成工事高の原価のことを、完成工事原価と呼びます。一般的な業種における、製造原価に相当する物です。

完成工事原価は単体ではなく、労務費、材料費、外注費、経費の4つで構成されています。計算方法は、期首棚卸高から期末棚卸高の差額に、未成工事支出金の期首から期末の差額、仕入高と外注費を加えて行います。

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完成工事総利益

完成工事総利益は、商業・工業簿記における売上総損益に当たる勘定科目です。完成工事高の額から、完成工事原価を引いて算出されます。

完成工事総利益の額は、建設業者における粗利益の額と同等です。 完成工事高と似ていますが、完成工事高は粗利益ではなく売上高や収益を表すため、混同しないようにしましょう。

引当金

建設業会計には引当金という特有の勘定科目があります。そのなかでも代表的な引当金が、以下の3種類です。

1. 完成工事補償引当金

完成工事補償引当金は、完成引渡しをした工事において、造成不良や設備の故障などの瑕疵があった場合に備えて計上します。

建物は引き渡して完了ではなく、引き渡し後も責任を負う可能性があるため必要となります。なお、一般会計における製品保証引当金に相当する部分です。

2. 工事損失引当金

受注した工事で今後発生する可能性のある赤字を、あらかじめ当期分に計上する引当金が工事損失引当金です。

計上するための条件は2つあります。1つ目は金額を合理的に見積もれることで、2つ目は発生する可能性が高いことです。

3. 環境対策引当金

環境対策引当金は、環境対策に関連する支出をあらかじめ見積って計上します。代表的なのは、アスベストの撤去やポリ塩化ビフェニルの処分に必要な費用などです。

会計以外の完成工事高の用途

会計以外の完成工事高の用途

完成工事高は、会計以外にもさまざまな用途で使われています。具体的な使用例は、下記の通りです。

建設業関係の統計調査

会計以外の完成工事高の用途として挙げられるのが、建設業関係の統計調査です。主に、以下の3種類の統計調査で、完成工事高のデータが用いられています。

1. 建設工事施工統計調査

建設工事施工統計調査は、建設業者が受け持った建設工事における、完成工事高などに関する調査です。この調査によって、建設業の実態や建設活動の状況が把握しやすくなります。国の経済政策や建設行政に役立てるのが主な目的で、毎年行われています。

2. 建設工事受注動態統計調査

建設工事受注動態統計調査は、建設工事を受注状況について調べて、経済施策・社会施策のための基礎資料の参考としています。

調査対象となる条件は2種類です。1つは、一定の条件を満たした業者が受注した国内の建設工事です。もう一1つは、国土交通大臣が指定する企業が受注した、国内と海外で施工される建設工事となります。

3. 建設総合統計

完成工事高が用いられている建設業関係の統計調査の1つが、建設総合統計です。建設総合統計は出来高を基準にして、国内の建設活動について把握することを目的としています。

月別・地域別・発注者別・工事種類別などに種類を分けて、国内の建設工事の出来高を推計して発表しています。

経営事項審査の審査項目

会計以外の完成工事高の用途として挙げられるのが、経営事項審査の審査項目です。経営事項審査とは、公共工事の受注に必要な審査の1種です。

評価の基準として、総合評定値(P)」と呼ばれる点数があります。そして、点数は経営規模(X)、経営状況(Y)、技術力(Z)、その他の審査項目(W)の4つで構成されています。完成工事高は、総合評定値(P)において数値の4分の1を占めるため、重要度は高いです。

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まとめ

今回は、完成工事高の概要や計上基準、建設業会計における完成工事高ではない勘定科目や、会計以外の完成工事高の用途について解説してきました。

完成工事高に代表されるように、建設業会計は一般の会計よりも処理が複雑になりがちで、ミスも発生しやすいでしょう。そこでおすすめしたいのが、専用ツールによるサポートです。

ANDPADには、受発注業務の管理や引合粗利管理など、会計業務を効率的に進めるのに役立つ機能が多数搭載されています。

経営だけではなく、現場の作業効率化にも役立つので、建設業関係の方はぜひANDPADの導入を検討してみてください。

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