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ブラックボックスの現場をクラウドで見える化し、スマートな現場へ

白石建設株式会社 様

従業員規模 101〜300名
利用機能
課題
  • 現場情報がパソコンのローカルディスク上にあるなど、ブラックボックス化
  • 検査時の指摘事項が紙に手書きのため、共有がうまくいかず工事の手戻りが発生することも
  • 検査後に、是正事項を表計算ソフトに打ち直すダメ帳作成に、非常に手間がかかっていた
効果
  • 写真撮影と同時に、写真に文字を書くこともでき、状況確認や報告・相談のスピードが向上
  • ANDPAD図面による検査で、経験や知識不足に関わらず指摘内容が確実に伝わり、手戻りの発生を防止
  • 検査後の、ダメ帳作成にかかる作業時間を80%削減

白石建設株式会社のご紹介

1949年創業の白石建設株式会社(東京都杉並区)は、総合建築工事の請負や企画設計をメイン事業とするゼネコンだ。主にRC造の建築工事を得意とし、最近では寺院や幼稚園といった木造建築、不動産の売買交渉や賃借および仲介も手掛けている。従業員は100名程度で、一級建築士が15名、一級建築施工管理技士が41名いる(2022年11月時点)。

社員一人ひとりが「品質はすべてに優先する」を心に刻み、毎日よりよいものをお客様へお届けする想いでチャンレンジを続けている。近年は建築物の多様化が進んでいるため、建物をいかに合理的に造り上げていくかに注力。多数の女性の現場監督が活躍しており、多彩な人材が活躍できるよう環境構築も進めている。

そんな同社では、現場情報のブラックボックス化が課題だった。例えば、所長と若手社員の間に発生していたジェネレーションギャップ、本社と現場の場所が物理的に離れているが故のコミュニケーションエラーなど、意思疎通に手こずっていた。それがANDPAD導入後、どう変わったのか。建築部 技術部長 春日 靖雅 様に、ゼネコンにおける「現場情報の共有」という観点で、現場を見える化していった取り組みとその成果についてお話を伺った。

先輩に質問しづらい状況が生まれ、工事の手戻りにつながっていた

ANDPAD導入以前、同社は現場情報のブラックボックス化に悩まされていた。パソコンのローカルディスク上に情報があり、上司や本社側で動向を瞬時に把握できない。また、会社のサーバー内のいろいろな情報について、どこに何が入っているのか現場の若手社員にとって見つけるのが難しいうえ、上司にもなかなか聞きづらいという問題があった。

同社は過去10年間、若手社員の採用ができていなかった。そのため中間管理職がおらず、現場所長と2〜3年経験した社員が一緒に仕事をせざるを得ない状況だった。ジェネレーションギャップがあり、技術力の経験格差が大きく、「そんなことも知らないのか」と所長から言われてしまう。そんな恐怖で、若手社員が先輩社員に質問しづらいという状況が生まれていた。

同社では、工事が進む過程で、隠蔽部分が見えなくなる前に一度中間検査を行っている。4人ほどの検査官で手分けして検査するため、多くの是正事項や細かい指摘事項が出てくる。それを若手社員はすべて紙の検査用紙に手書きで記録しなければならなかった。指摘する方も若手社員が書き終わるまで待ち、その間、他の箇所をチェックしていたりすると、どんどん書かなければいけない内容が溜まっていく。そのため、なぐり書きのようになってしまうことも多々あった。

細かくて難しい指摘事項は若手社員には分からず、検査官が指摘している内容を正しく理解できないまま用紙に手書きしていく。言葉をそのまま文字にするため、後で記載内容を見たとき何を言っているのか不明というケースもあった。指摘場所にはマスキングテープが貼られているが、図面と位置が少しずれたりすると、協力会社の担当者が見に行ったときに場所や内容がうまく伝わらず、工事の手戻りにつながることがあった。

コミュニケーション改善で、検査用紙のまとめ作業を80%削減

こうした状況を受け、ANDPAD導入以前から社内で業務改善を進め、約1年間かけてどのツールを導入するか検討していた。ちょうど2018年くらいに、木造戸建て住宅の領域でANDPADが普及している様子を見た春日様が、一度トライしてみようと導入を決めた。

所長は事務所から若手社員に指示を出すが、実際に若手社員が理解できているのか心配になる。若手社員からすれば、自分がやっていることが本当に合っているのか分からない中で、模索しながら作業をしている。ANDPAD導入以前は、そんな状況が多々見受けられた。

しかしANDPAD導入後は、撮影と同時に写真に文字や印を書くことができ、現場の状況の確認や報告、相談が素早くできるようになった。所長と直接話すのは緊張するという若手社員も、ANDPAD上なら気楽にチャットでやり取りできるようになった。そのため、コミュニケーションの改善も見られた。

検査する側としては、現場での記録係が2人の場合、それを一つにまとめて読み合わせするとなると待ち時間が発生してしまう。ANDPADで検査を進めれば、それを一つにまとめる時間が不要となる。また、協力会社ごとに是正箇所を記載したダメ帳という帳面を作成する必要がある。その作業もANDPADでできるようになったのも大きく、「検査後に実施する検査用紙のまとめ作業が80%削減できた」と春日様は話す。

さらに、女性社員が多数在籍している中、設計図書を抱えて現場作業や移動をするのが大変で「なるべくコンパクトな持ち物で現場へ行きたい」という声が社内からあがっていた。そういう観点でも、スマートフォンやタブレットで作業できるANDPADが活躍している。

是正報告の確認や報告書作成の時間を大幅に削減

同社では、ANDPAD図面も活用している。導入以前は、検査用の図面を印刷して準備。それを検査当日に1枚の用紙に全員で指摘事項を記載し、その用紙をもとに検査総括を行う。その後、すべての指摘事項を表計算ソフトに打ち直してダメ帳を作成し、協力会社ごとにまとめる。そのダメ帳を基に、協力会社が是正するといった流れで検査を実施していた。

この方法だと、手書きされたすべての指摘事項を表計算ソフトに入力するのに、非常に手間がかかっていた。特に竣工検査では、竣工間際で社員が疲れている中で是正指示の整理に夜遅くまでかかっており苦労していた。

それがANDPAD図面なら、図面登録が瞬時にでき作業が楽になった。みんな同時に指摘事項をANDPADに記入でき、ペンだけでなく音声でも入力可能で、記入速度もアップした。写真撮影も同時にできるため、是正箇所が非常に認識しやすくなった。社員全員が写真と図面を共有しながら、是正箇所の読み合わせを同時にできるようになったことで、「経験や知識不足に関わらず指摘内容が確実に伝わるようになった」と春日様は言う。

若手社員が一番喜んだのは、検査用紙を自動出力できること。検査実施後、ボタン一つで表計算ソフトのダメ帳ができ上がるため、協力会社からの是正報告の確認や、若手社員の報告書作成の時間を大幅に削減できた。

同社では、現在、「安全パトロール」というかたちで現場担当者と本社の担当が月1回現場訪問し、安全面において指摘事項を紙ベースでチェックしながら実施している。今後はそれもペーパーレス化して、安全への意識をより高めていこうとしている。ANDPADでの現場の見える化をより進め、スマートな現場を作り、若手社員育成にも役立てる。白石建設株式会社はANDPADを使いながら、さらなる変革を目指している。

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