新日本建工株式会社のご紹介
香川県⾼松市に本社があり、四国全域や近畿圏において、オフィスビルや、病院、学校などあらゆるタイプの建物において、内装工事業を展開している新日本建工株式会社様。昭和48年に設立しており、従業員数は60名となる。軽鉄ボード・耐火間仕切り資材などをメインとして、年間約700件以上の内装工事を手掛けている。
2022年4月に公表したSDGs宣言では、「安全かつ高度な品質の提供」、「現場と未来をつくる職人の育成」を事業活動における目標として掲げた。未来に向けた職人の育成のために、同社の岡村社長らによって開設された一般社団法人職人育成塾では、2016年の開校以来、現在までの総計で約200名の新しい職人を輩出している。
そんな同社では、番頭の業務負荷軽減と、職人の労働環境改善を目的としたDXに取り組んでいる。今回は、新日本建工株式会社 常務取締役・営業本部長 原井徹氏に、ANDPAD導入前の課題や導入後の変化についてお話を伺った。
煩雑な番頭業務の分業化や、工事に関わる作業効率化が課題に
同社では、時間外労働の上限規制が施行される前に、「職人ファーストな職場環境」のために作業効率化ツールの導入を検討していたという。ANDPAD導入前の社内における解決すべき課題について伺った。
社内においては、現場にかかわるすべての情報が番頭に集約されており、業務量の多さから番頭がすべき本来の業務を行うことが難しい状態が続いていた。「当時の番頭は、元請け監督、職長、材料メーカー、別現場の番頭というように、工事にかかわるすべての窓口として対応するという厳しい状況がありました。」と原井氏は語った。
当時について原井氏は、「週に40程度の現場が同時に稼働しており、日々工事変更が発生し、そのたびに、30人規模での職人配置の調整業務に追われていました。その結果、番頭は営業活動など注力すべき業務に時間を配分できないことが課題になっていました。」と話す。
番頭は、職人の配置や出来形の報告、建材・工事の品質検査、工事の各プロセスでの確認、資料作成、提出された書類の確認、電話連絡など多忙な職場環境にあり、どうにかして効率化することが課題となっていた。「番頭業務のなかに集約されている各方面への電話連絡や、現場への訪問など、効率的に削減する必要がありました。」と原井氏は話す。
ANDPAD導入により、番頭の業務負荷軽減と工事プロセスの効率化を実現
社内におけるANDPAD導入の決め手について、原井氏は「職人ファーストな職場環境の実現のためには、企業の個別的な課題解決に向けた開発により、ツールをカスタマイズできるANDPADが最適である」との判断に至ったと語る。
導入後は、ANDPADが「内装工事における高効率な作業進行のためのハブ」として機能することで、「番頭業務における事務作業を分業化」、「各種工事プロセスにおけるデータの一元管理」などを実現している。この結果として、番頭と協力会社との仲介役となる番頭事務職の新設とともに、番頭業務が効率化し、本来の営業活動が十分に行えるようになった。
番頭事務については、煩雑な番頭業務の分業化のために「番頭に集約している業務から、番頭事務に移行できる業務を精緻に見つけ出すことに取り組みました。」と原井氏は語った。この結果として、番頭事務では、出来形報告の更新業務、現場に関する資料の管理・共有、資材の発注データの管理、職人へのお知らせの配信などを担うようになっている。
番頭の業務においては、材料の発注に関して、職人と番頭がチャット上で写真・文書で確認することができるため、電話連絡が最低限で済み、効率的な材料発注を実現している。「1日の電話連絡回数が10回から2回くらいまで削減できています」と原井氏は語る。また、出来形の報告なども画像・文書による資料が閲覧できることで、現場への訪問回数も、大幅に削減された。
現場における安全衛生・施工品質の向上を実現
チャット機能の活用で、番頭と職長による現場に関する打ち合わせがスムーズに行えるので、業務指示や、安全確認、改善点の反映などが的確におこなえるようになったという。同社では、このようなANDPADの機能性から、内装工事における安全性と品質における優良化に取り組んでいる。
原井氏は「番頭事務は、チャット機能を使って、各職人さんに対して作業の安全上の注意事項や、災害事例の伝達も行っています。例えば暑い季節には、熱中症の予防のために気温上昇への注意喚起や、塩分・水分補給の推奨などを休憩時間前に1日2回ほど伝達して、安全化に努めています。」とANDPADが安全衛生にも十分な効用を発揮していると感じている。
さらに同社では、施工品質向上の観点から、職人の実務能力向上のため、資格を取得することを推奨している。こちらも番頭事務から、資格試験や講習会などについて、各職人に対して、出欠の確認をチャットを活用して実施しているという。
また、業務フローの可視化による品質管理にも取り組んでいる。原井氏は「職人の配置や、出来形の報告、建材などの品質検査などもデータ化することで、番頭や、別現場の番頭、番頭事務、職長、職人などが、必要な範囲でデータにアクセスでき、進捗状況を関係者全員で簡単に共有できます。」と、現場での業務フローも可視化できるようになったことを実感している。
この業務フローの可視化により、各作業プロセスが後手に回ることなく、安全に適正な品質管理によって工事を推進できる。原井氏は、「リアルタイムでスピーディーに動ける作業環境を作り上げることができました」と喜びを語った。
次の課題も、アンドパッドとの伴走で乗り越えていく
今後の取り組みにおいて新日本建工様では、安全パトロール・自主検査・現場への入場前の送り出し教育・番頭/営業スケジュール管理の4つを強化していく計画だ。
上記の新たな取り組みにおいても、ANDPADの各機能を用いて成果につなげていく予定だ。
伴走するアンドパッドが新しいニーズに次々と応えていくことで、同社はこれからも、さらに高効率で高品質な事業展開と、優良な職場環境づくりをおこなっていく。