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写真・資料共有の効率化によってタイムロスが減少、売上が向上し粗利率も改善

株式会社しばた工芸 様

従業員規模 51〜100名
利用機能
課題
  • 案件の情報管理が属人化し、部署間の引き継ぎに支障が出ていた
  • 現場調査の写真がどこにあるか分からず、現場を再訪問することで無駄な移動時間がかかっていた
  • 前工程を担当する部署から、図面や情報が来るのを待つ時間が発生していた
効果
  • 現場の写真と図面がクラウドで共有できるようになり、現場への移動時間が月20時間削減
  • 前工程から図面や情報が来るのを待つ時間や、資料を探す手間がなくなり、残業時間が15%ほど削減。リードタイムも10%ほど削減
  • 非効率な業務時間の削減で、営業担当が本来の業務に専念できるようになり、売上5%・粗利率は1%向上

株式会社しばた工芸のご紹介

商業施設や公共施設に設置されるサイン・看板・ディスプレイの製作・施工を手がけている株式会社しばた工芸。大正6年に栃木県宇都宮市で創業し、100年以上の歴史を刻んできた老舗企業だ。

同社の強みは、各種屋内外サインの企画から設計・デザイン、製作、施工までをワンストップで手がける自社一貫体制にある。栃木県鹿沼市の本社に併設された工場は国内有数の規模を誇り、看板の鉄骨を加工する鉄工場やサイン用の各種シートを出力するインクジェットルーム、LED電装ルームなど、幅広い設備・機材が揃っている。ここまでの生産体制を整えている企業は業界内では希少で、得意先からの依頼は絶えない。

そんな同社は、写真・資料管理の効率化と社内コミュニケーションの改善を目指し、2022年にANDPADを導入した。今回は、ANDPADの利用推進をリードしてきた、同社常務の柴田様、システム担当 前橋様に、導入前の課題や導入後の変化について伺った。

案件の情報管理が属人化し、部署間の引き継ぎに支障が出ていた

同社は、全国に店舗を展開する大手チェーンストアと直接取引し、店舗の内外装に用いられるサインを製作・施工している。そのほか、大手什器メーカーや店舗内装工事会社、ゼネコンからも信頼を得ており、商業施設や栃木県内の官公庁施設、スタジアムなど、さまざまな場所でも同社が製作したサインが採用されている。

「直接取引をさせていただいているお客様からは、新築工事の計画段階から声をかけていただくことが多いです。デザインの提案、屋外広告物条例の確認などから携わり、社内の部署でバトンを渡しながらオープンまで伴走していきます。」(柴田様)

1年程度かかる長期プロジェクトから、1日で終了するサインのメンテナンスまで、同社には幅広い案件が寄せられる。施工件数は年間2,000件にのぼり、施工エリアも全国と広大だ。こうした大小さまざまな案件を複数部署が連携しながら進めるなかで、課題だったのが「社内での情報共有」だった。案件の情報が混在し、担当者間の行き違いが生まれ、サイン製作や施工にミスが発生していたという。

「以前は、建築図面やデザイン図・設計図、現場写真といったデータの受け渡し方法が、USBでの手渡しやメール、メッセンジャーアプリなどバラバラで、どこに情報があるのかが不明瞭でした。社内の共有ネットワーク上にフォルダを作成して管理しようと試みましたが、こちらも社員がそれぞれ自分の管理しやすいように情報を保管してしまい、どのフォルダに何の情報が入っているか、担当者本人しかわからず、確認するのに非常に手間がかかっていました。最新の図面が行方不明になったり、変更が伝わっていなかったりして、誤ったものを製作してしまったり、施工してしまうケースもありました。」(柴田様)

そこで同社は、フォルダ分けのマニュアルを作成したり、社内システムの活用を促したりと試行錯誤を続けたが、なかなか浸透はしなかった。特に、サインの施工を行う工事部は、紙や電話でのやりとりのみで業務を進めており、共有フォルダにアクセスすることはほぼなかったという。

「ITに馴染みのない社員でも簡単に使えるツールを導入し、全部署で工事履歴を確認できるようにしたい」そんな想いで、柴田様と前橋様は施工管理アプリの導入を検討した。

「ANDPADを含め、数社を比較検討しましたが、建築現場で生まれる課題や不満を一番理解して、解決策を考えてくれているのがANDPADだと感じました。『あったらいいな』という機能がすでに実装されていたり、開発途中であることを聞き、ANDPADの導入を決めました。」(柴田様)

写真管理に絞って運用を開始、徐々に利用する機能を拡大

同社は、社内ネットワークの活用だけではなく、これまでに別のITツールの導入に取り組んできた。ただ、いずれも軌道に乗らなかったため、ANDPAD導入にあたっても、「今回もうまくいかないだろう」「自分には使いこなせない」といった否定的な意見が社内からは上がったという。

そこで、システム担当の前橋様は、ITに苦手意識を持つ社員もスムーズに利用ができるように、アプリダウンロード用のQRコードを作成して社内に掲示し、利用の浸透を図った。また、社員からの質問にもきめ細かく対応していったという。

「自分のメールアドレスやパスワードがわからない社員もいたため、最初は一緒にアプリをダウンロードして、ログインするところからサポートしました。『何でも気軽に聞いてください』といったスタンスで臨みましたね。」(前橋様)

また、柴田様はアンドパッド担当者と相談し、まずは導入のハードルを下げるため「写真機能に絞って利用をスタートする」と決めたという。

「私は、現場の写真を社内で共有できていないことが一番の課題だと感じていました。当社は遠方の現場にも数多く対応しているのですが、設計部や製作部の社員は現地に行くのが難しいため、製作物がどのように納まったのかを目にすることができません。より質の高いサイン製作を目指すためにも、写真で施工状況を確認し、現場からのフィードバックを受けられる環境を整えたいと考えました。」(柴田様)

アンドパッド担当者が講習会を開いて丁寧に操作方法をレクチャーしたことで、最初はANDPADに抵抗を感じていた社員も、スムーズに写真撮影や保存ができるようになった。そこで、徐々に活用の範囲を広げていったという。

移動時間・残業時間・リードタイムが減少、社員が自分の業務に専念できる環境に

導入から2年、「もうANDPADがなかった状態には戻れない」と柴田様が語るほど、同社ではANDPADの利用が浸透している。では、社内の情報共有が効率化したことで、どんな変化が生まれたのだろうか。

まずは、柴田様が最大の課題として挙げていた「現場写真の共有」について伺った。

「工事部が施工中や施工後の写真をANDPADにアップしてくれるようになったため、制作部が工事当日や翌日に、本社で写真を確認しているシーンが増えてきました。当社の手がけるサインは、多くの人の目に触れるものが多いので、自分の仕事の成果も確認できますし、改善点を次のデザイン提案や製作に活かせる環境が整ってきたと思います。全員で情報を共有することで、社内に一体感も生まれはじめています。」(柴田様)

同社では、片道2〜3時間かかる場所で施工を行うことも珍しくない。この現場への移動時間や残業時間も、ANDPADの運用によって削減できたという。

「以前は『現場調査の写真がどこにあるか分からない』『寸法を記載した図面を紛失した』といった理由で現場を再訪問するケースがありました。ANDPAD導入後は、写真がクラウドにすぐに保存されますので紛失の心配もなく、全社員に共有もできます。写真や図面に書き込みもできるので、寸法や変更点もすぐに確認ができるようになりました。私個人の肌感覚ではありますが、移動時間は担当者あたり月20時間削減、残業時間は15%ほど削減できたと感じています。」(柴田様)

さらには、図面や写真を全員がリアルタイムで確認できるようになり、前工程を担当する部署から、図面や情報が来るのを待つ時間も減った。資料を探す手間や、内容が正しいのかを確認する無駄な時間もなくなり、リードタイムを10%ほど短縮できたという。

「現場への移動時間・残業時間・リードタイムの削減によって、各部門の担当者が自分の仕事に集中できる時間が増えました。特に、営業担当が本来の業務に専念し、お客様に向き合えるようになったことで、売上は5%、粗利率は1%向上しています。」(柴田様)

ANDPADをデータベースとして活用し、さらなる事業拡大を目指す

同社は、全国展開するチェーンストアと長年取引を続けている実績を強みに、今後は飲食チェーンなど、他の業態にもお客様の層を広げていく考えだ。

「ANDPADに情報が蓄積されはじめているので、『あの店舗のデータを知りたい・写真を見たい』といったお客様からの問い合わせにもスピーディーにお答えできるようになってきました。ANDPADは、過去の工事履歴を管理するデータベースとして非常に優秀だと思いますし、多店舗展開をする企業への提案において強力なツールになると考えています。」(柴田様)

最後に、今後のANDPAD活用の方向性について柴田様に伺った。

「今はほぼ全社員がANDPADを利用していますが、まだまだ改善の余地はあると感じています。今後は、社員間での電話でのやりとり、『言った・言わない』を減らすために、チャットの活用を進めていきたいです。」(柴田様)

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