輝龍株式会社のご紹介
輝龍は、埼玉県さいたま市で2007年に設立したタイル工事の専門会社。社員数は43人。
関東一円をエリアに、大規模修繕工事におけるタイル工事を年間500件以上も手がけている。メインはタイル工事だが、近年は足場から塗装、防水、シールまでを一括で手がけるケースが増え、これらを含めると年間工事数は600件にのぼる。
2024年には新たに建築事業部を創設。リノベーションをはじめとする新規事業にも乗り出している。
「当社の強みは、長年500件/年以上のタイル工事をコンスタントにやってきた経験値と職人の動員力、施工力。自社とお客様にとってプラスになる取り組みを社員1人1人が考え、自主性を持って挑戦させてくれる風通しの良い会社です」と営業部部長の大迫様は話す。
紙ベースの仕事のムダをとことん減らしたかった
ANDPAD導入以前の同社にはどんな課題があったのだろうか。
「これまで営業担当者は、タイル工事を受注すると、工事の基本情報を記した“受注票”を作成し、工事内訳や現調時の写真、工程表などの書類をセットにして工事部長に提出し、申し送りをするのが当社のやり方でした」と大迫様。
問題は、そのすべてが紙ベースで行われていたことだという。
「資料を提出した後も、その資料を工事部内で何部もコピーをしたり、追加情報が入るたびに受注票を再度作成・印刷する手間がありました。大変な思いをして用意した資料でも工事担当者が現場に持っていくのを忘れたり、失くしてしまうリスクも。かさばるので持ち運びはもちろん、目当ての資料を探し出すのも一苦労でした。とにかく何もかもが紙なので、カラーコピー代も軽視できない金額になっていたと思います。
いくつかある課題の中で、私が最も非合理的だと感じていたのが、受注票を提出するためにわざわざ会社に行かなければならないことでした」と振り返る。
同社の営業部は少数精鋭の5人体制。
大迫様は、2カ月で15-30件の案件をこなすため、昼間は打ち合わせや現地調査に奔走し、夕方以降に会社に戻ってからようやく受注票の作成に取りかかる。本社のあるさいたま市から遠く離れた茨城や山梨の現場だと、会社に戻るだけで2-3時間かかり、そこから事務作業をすることに合理性が見出せなかったという。
「紙での業務をすべてクラウドに代えて情報を一元化できれば、ムダな時間、ムダな移動、ムダなやり取り、ムダなコストがなくせるはず。そう考えていたタイミングで取引先がANDPADを使っていると聞き、調べてみると当社のムダを省くのにマッチするツールだとわかったんです」(大迫様)。
好きなタイミングで、場所を選ばず作業できるのがいい。カラーコピーの手間・コストも大幅に削減
同社は早速、大迫様が中心となってANDAPADを導入した。
営業を担う大迫様に、日頃ANDPADをどんなふうに利用しているか、以前と比べての変化とともに教えていただいた。
「まず、我々営業が現場に赴いてクライアントと打ち合わせした内容をANDPADに登録します。これまで1件あたり20分ほどかけて作成していた受注票が、ANDPADの“案件管理”に移行したと捉えてもらうとわかりやすいと思います。
会社に戻ってパソコンを開かずとも、スマホで元請様の名前や現場の住所、工事の詳細を入力すれば、受注票作成は完了。同時に、受注票とセットで提出していた工程表や工事内訳などの資料も、最新のものをデジタルデータにしてANDPADに格納するだけなので、カラーコピーの手間が一切不要になりました。
例えば、600世帯のタワーマンション工事の資料を印刷するとなると、とんでもない量になりますが、これがクラウドで解決できるのだから効果は絶大ですよね」。
カラーコピー代を1部500円とした場合、1現場あたり4部として2,000円。これを1年に換算すると(工事件数600件×2,000円)、工事資料のカラーコピーだけで120万円ものコストがかかっていたことになる。それが解消されたという。
「何よりいいのは、自分の好きな場所・好きなタイミングでスマホを使って事務作業ができること。変な話、トイレでも作業ができますから(笑)。移動やデスクに縛られるストレスがなくなり、働き方の自由度が格段に上がりました。
工事部にとっても、スマホでいつでもどこでも見たい資料を取り出して確認することができ、なおかつ忘れたり失くしたりする心配がない今は、メリットしかないはずです」。
工事ルールの共有や人工報告もANDPADでペーパーレス化
ANDPADの“社内メモ”や“写真”機能も活用している。
「社内メモには『現場の朝礼は何時から』『禁煙厳守』『マスク着用』など、クライアントさんと打ち合わせた現場ルールなどをすべて列挙して工事担当者と共有します。営業の部下たちには、言った言わないのトラブルを防ぐために、細かいことでもいいから必ず社内メモに残しなさいと指導していますが、自分たちの立場を守るためにも必要なルーティーンだと思っています。
写真機能は、当社ならではの使い方だと思うのですが、現場でのミス・トラブル報告に利用。そして、地味ながら一番便利に使っているのが地図アプリです。これがあるだけでナビに住所を入れる必要がなくなり、移動がすごく楽になりました」。
さらに、お金にまつわる報告、請求業務にもANDPADを利用しているという。
「追加工事が発生した際に、請求漏れを防ぐための連絡を工事部が現場ごとにチャットで報告してくれるので、請求業務の際にすごく助かっています。以前だと日報や人工計算も紙ベースだったので、月ごとに集計して人工計算書を作成する手間、それを会社に取りに行く手間が必要でしたが、これもANDPADでペーパーレス化できました」。
営業効率が上がり1人で売上げ3億を達成。時間の余裕が生まれ社内コミュニケーションが活発化
ANDPADを使って1年が経過した今、「営業効率・生産性の向上、売上げの向上、経費削減による粗利の向上が実現できている」と大迫様は話す。
「夕方会社に戻って受注票をつくらなきゃいけなかった頃は、1日2件の営業で手一杯でした。けれども今は、事務作業の8-9割がスマホで完結できるので、会社にいないとできない仕事はほぼありません。やらなきゃいけない作業が減り、より自主的な働き方ができるので、今は3件目の営業先に躊躇なく向かうことができます。
時間と気持ちに余裕が生まれ、お客様に会う頻度が増え、提案の質も上がったためか、これまでは私1人で年間売上げ2億円が限界でしたが、この1年で3億円を突破することができました」。
この売上げ向上には、工事部の貢献も大きいという。
「当社の場合、工事品質と工事スピードを評価していただいて新規受注やリピートにつながるケースが多いのが特徴です。我々営業が打ち合わせや現調をしっかり行い、ANDPADで工事情報をスピーディかつ正確に現場に引き継ぎ、工事部がより工事に専念できるようになったのも効いているのではないかと思うんです」。
さらに、時間と気持ちに余裕が生まれたことで、社員とのコミュニケーションを積極的に行えるようになった。
「社内でデスクワークをする時間が減ったぶん、仲間がどんな考えで現場を回しているのか、じっくりと耳を傾けたり、まだ知識・経験が浅いスタッフに自分のノウハウを伝えてアドバイスをしたり、現場でのミスやトラブルを未然に防ぐような話題の会話ができたりと、チームが前向きになる交流がグッと増えた気がします」。
限られた業務時間で進化を続けるにはDXが不可欠
同社は、2024年4月から週休2日制を導入した。大迫様は、これまで以上に効率化や生産性を意識しながら、成長し続けたいと話す。
「この限られた業務時間の中で、今期13億5000万円、来期15億円、3年以内に20億円の売上げ目標を掲げています。“事業は人なり”で、まずは人がいないと何も始まりませんが、人の努力だけでは限界があるのも事実。その中でANDPADなどをうまく使ってDXを進め、タイル工事事業と元請け事業をバランスよく手がけながら、会社として進化できたらと考えています」。