世界的な経済誌「フィナンシャル・タイムズ」のアジア急成長企業に2年連続でランクインしたビーライトネオ。発電所の設計・施工からメンテナンスまで、サービス品質の向上と事業拡大を両立させる秘訣に迫る。
DX化で工数が半日から10分に「担当者の業務負担も軽減」
電気設備工事をコアとして、発電所運営事業など総合建設サービスを多角的に展開しているビーライトグループ。グループの一社であるビーライトネオは2016年の設立以来、太陽光発電のEPC事業やO&M事業を軸に、急速に事業を拡大している。施工や電気工事を行う「アライアンスメンバー企業」との連携によって構築された、北海道から九州まで迅速に現場対応ができるネットワークが最大の強みだ。
全国の受注案件が続々と増える中、エネルギー事業本部の久々野真輝氏は、管理業務を効率化するためにクラウド型の建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を導入した。「さらなる事業成長を目指すには、業務スピードを上げ、全社のサービス品質を統一することが最重要。ANDPADなら業務管理の効率をアップできると考え、導入を決めました」と振り返る。ANDPADの報告機能によって、現場調査のたびに提出する現場調査報告書の作成工数が大きく削減されたという。以前は作成に半日程度かかっていたが、今は約10分で提出できるようになり、「担当者の業務負担も軽減できていると感じます」と笑顔を見せる。
サービス品質を全社で統一、次なるステージへDX化を加速
従来、工程表などは現場監督ごとに異なる書式で作っていたが、ANDPADの導入をきっかけに、フォーマットを全社で統一した。電子小黒板付きの写真を簡単に撮れる「ANDPAD黒板」を活用することで、どの写真を撮影すべきか、担当者の意識をすり合わせるのにも役立っているという。
サービス品質の向上やコンプライアンスの強化にも力を入れる。現場で毎朝行うKY(危険予知)活動に加えて、ANDPADを通じて全員が案件のステータスを共有できるようになったため、工程管理の精度が上がったという。また、施工後に行う社内検査の抜け漏れを防ぐために、ANDPADを活用した検査体制の構築を進めている。
今後は、グループのさらなる事業効率化を目指し、受発注業務のDX化も予定している。「部署や人員を増やすことだけが業務効率化ではありません。効率よく管理を行い、ビジネスを加速するためにコンプライアンスを強化しつつ、経営から現場まで自社に最適なDXに取り組んでいく」と久々野氏は意気込む。
会社概要
電気工事のネットワークを広くつなげることで、安心・安全・高品質なサービスを全国で提供し、太陽光発電の設計・施工・メンテナンスに迅速に対応する。再エネの普及促進やサステナブルな社会づくりに貢献する。
太陽光発電を活用して、世界中で加速する脱炭素社会やSDGsの達成を目指した活動に取り組んでいる。
株式会社ビーライトネオ
エネルギー事業部 課長
久々野 真輝氏
写真/松尾夏樹 取材・文/山下幸恵(office SOTO)
※本記事は2024年1月31日発行「ソーラージャーナル」において掲載された記事の転載となります。