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図面やりとりの共有に効果 全社員と主要協力会社に浸透

1stSERVICE株式会社 様
従業員規模 〜20名
利用機能
課題
  • 社内資料を社内サーバーに保存していたため、外部の端末からアクセスできず、現場からの確認が困難だった
  • 図面のやり取りにFAXを使用しており、現場での印刷や事務処理に多くの時間と労力がかかっていた
  • 日報・勤怠管理のデジタルツールは導入していたが、資料共有機能が不足しており、業務の効率化が十分に図れなかった
効果
  • クラウド上で資料を一元管理できるようになり、モバイル端末を通じて現場からも社内資料を確認できるようになった
  • 図面や仕様書の変更をリアルタイムで共有できるようになり、現場は常に最新情報に基づいて施工できるようになった
  • 図面の共有や写真台帳の作成がANDPAD上で簡単に行えるようになり、事務処理の負担が大幅に軽減された

導入事例について詳しく知りたい方は、お問い合わせください。

富山県に本社を構える1stSERVICE(読み=ファーストサービス。代表取締役=寺松誠氏、本社・富山県富山市東流杉160―1)は、祖業となる空調・換気設備を中心に、給排水・衛生設備、電気設備、消火設備など、建築設備全般の設計・施工を展開している。メインの業務となるのが、家電量販店の新店改装に伴う設備工事。このほかドラッグストアやカフェチェーンなど、店舗の設備工事も手掛ける。同社は社員数32名で、東北から沖縄まで全国の現場を手掛け、富山県内のほか東京、福岡、沖縄に事業所を配し、全国約50社の協力会社を組織している。顧客とスタッフを第一(=1st)に考え、難しい工事でも〝NO〟と言わないスタンスを貫く同社への信頼は厚く、コロナ禍も仕事量は増え続け、その一方で業務の効率化が急務となっていた。本稿では、そうした中で同社がANDPADを導入した経緯と導入の効果、そして建設業の時間外労働の上限規制が開始する中、今後の課題と、それに向けた取り組み方針を紹介する。

1stSERVICEがANDPADを導入したのは2021年。きっかけはアンドパッドからの提案だった。実際に営業担当に話を聞いてみると、ANDPADは社内の資料をまとめるツールとして活用できそうと映った。というのは、それまで1stSERVICEの社内資料は社内サーバーに貯めており、外部の端末から見ることができなかった。対してANDPADはクラウド上で資料を一元管理するため、モバイル端末を通して現場からも社内の資料を確認できる。特にその点が現場の担当者にとって使いやすいのではないかと考え、導入に至った。

現在、同社は主に社内の日報と、現場資料の共有化に活用している。同社専務取締役の田中仁朗氏は、特に有用な点について「(会社と現場とで双方向の)図面のやりとりを共有できること」を挙げる。図面や仕様書に関する指示や変更を、文字等を書き込みリアルタイムに発信・共有することで、現場は常に最新の情報に基づき施工できる。また資料そのものをやりとりすることで、文字だけでは伝わりづらい情報も素早く正確に伝達できるため緊急連絡に適しており、同時に記録としても残るため、後から振り返ることができる。実際の運用面では、図面が少ない小規模現場などでは、ANDPAD上で図面を共有すれば、本社から現場に図面をFAXせずに現場で必要な分だけ印刷してもらう運用としており、事務処理の負担が軽減している。加えて写真台帳の作成機能は、写真を簡単にテンプレートに落とし込むことができ、表紙も容易に作成できる。同社は表計算ソフトで台帳を作成してきたが、マクロが突然使えなくなるなどの問題点もあり、この機能は非常に有用性が高い。

同社はANDPADを導入する以前、日報・勤怠管理のデジタルツールを導入していた。ただ同社は資料の共有機能も必要だったため、ANDPADに切り替えた(ツールの併用も考えたが、ANDPADを使いこなしてもらうメリットの方が大きいと判断した)。ANDPADを導入した当初、以前のツールとの違いに戸惑う社員はいたが、利用しやすいように同社でフォーマットを用意し、時間をかけて慣れてもらった。今では社員は毎日、日報を記入するためにANDPADを開くという習慣が根付いている。

 

アンドパッド社は、導入前の綿密なニーズのヒアリングはもちろん、導入時には社内・社外向けの説明会を開催し、また導入後も社内浸透のサポートを重視している。同社が社内浸透の手法とするのが、導入先の社員の中からANDPADを率先して浸透させる役割の「推進者」を立ててもらい、その推進者と協力して導入を進めている。1stSERVICEの場合も、社内の推進者が継続的に利用を呼び掛ける中で徐々に利用者が増え、今では全社員と主要な協力会社が利用するまでに浸透した。浸透の過程ではアンドパッド社の担当者が、運用の中で出てくる疑問に都度答え、利用しやすいようにテンプレートの作成も支援した。また定期的な訪問時に新機能を紹介すると共に、1stSERVICEから開発要望を聞き、次の機能開発に活かしている。

協力会社の利用拡大へ、アンドパッドが協力会社向けのマニュアル作成など支援

2024年問題の年を迎えて現場の生産性向上が必須の課題となる中、1stSERVICEは今年、アンドパッド社のサポートも受けながら、より多くの協力会社にANDPADを利用してもらえるよう取り組む。

同社の現場は全国に広がり、仕事のボリュームも各地で分散している(規模は大小様々だが常時30現場が稼働している)ため、協力会社も一つの地域にまとまっておらず、全国に分散している。協力会は約50社から構成されるが、実際に協力してもらう会社の数はもっと多い。

頻繁に同社の案件に協力してくれる会社にはアカウントを登録して利用してもらっているが、1現場のみ協力してもらうような会社は、アカウントを登録してもらえないケースもある。また、ANDPADを十分に利用してもらえるかどうかは、協力会社のITリテラシーに依る部分も大きい。協力会社の中には、ANDPADで写真を共有できると知っても、日頃使い慣れているチャットアプリで写真を送付してくるケースもある。

これまで協力会社の利用が十分に進んでいなかったのは、初見で目当ての機能に辿り着けなかったり、使っている内に分からないことが出てきたりして、ANDPADを使うのが億劫になってしまったためと見られる。そこで同社は協力会社に使いこなしてもらうため、社内でルールをもう一度定め直し、それをもとにアンドパッド社の担当者と共に、協力会社向けのマニュアルの作成を進めている。

アンドパッド社によると、今回のように協力会社によるANDPADの利用に関して課題を感じているケースでは、その対策となるマニュアル作成の経験を豊富に有している。同社は全体共通のマニュアルから個社向けにアレンジしてマニュアルを作成しており、今回のケースも同様。もちろんマニュアルを作成して終わりではなく、マニュアルを教材とした説明会を開催するなど、様々な形で協力会社への浸透をサポートしていく。今後1stSERVICEは、マニュアルをもとにした成功事例ができれば、6月頃に予定する協力会の総会で発表し、広く協力会社と共有することも考えている。

同社は今後、ANDPADをフル活用して生産性向上を推進し、同社社員と協力会社の働き方を改善していく。そうした成果はやがて、競争力や採用活動にも好影響をもたらすと考えられる。

年初の能登半島地震は、能登地方を中心に広範囲に甚大な被害をもたらした。現在も復旧活動が続く中、同社は隣県に位置することもあり、地震発生直後から被災地に入り、ライフラインの復旧作業に当たっている。同社の主要顧客である大手家電量販店の店舗も被災し、同社が復旧工事に従事。電池一本も買えない状況にあった被災地に、日常を取り戻すための支援を進めている。

こうした社会的重要性を有する同社にあって、その根幹を担う社員や協力会社を働き方の面から支援できるANDPADは、今後ますます重要になっていくと見られる。

(空調タイムス(2024/4/3発行)に掲載記事の転載)

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