株式会社大雄様のご紹介
岐阜県各務原市の本社を拠点に、岐阜県南部、愛知県尾張地区に根ざして事業を展開している株式会社大雄様。1962年、公共工事等を請け負う土木工事会社として創業し、半世紀以上の歩みの中で、注文住宅やリフォーム、不動産売買など、暮らしに関わる事業をワンストップで手がける総合住宅会社へと成長した。現在では、「食」でも幸せな暮らしをお手伝いしたいと、焼きたてパンを提供するベーカリーやカフェも出店し、地域のお客様から広く親しまれている。
大雄様は、2020年にANDPAD施工管理、ANDPAD引合粗利管理を導入している。今回は、注文住宅の設計を手がけながら、社内システムの構築にも携わる、株式会社大雄 ユーハウス事業部 設計課 課長 成瀬 慎吾様に、ANDPAD導入のきっかけや導入後の変化について伺った。年々事業拡大を続ける地域密着型ビルダーの取り組みに、ぜひ注目してほしい。
ANDPAD施工管理で、コミュニケーションミスの解消とペーパーレス化を実現
大雄様のユーハウス事業部では、「自分らしい暮らし方の出来る家」をコンセプトに、注文住宅ブランド「YOU HOUSE」を展開。土木工事部門を有する強みを活かし、土地探しから土地造成、設計、施工までトータルに対応し、お客様の理想の住まいを自由設計で実現している。
当初は、一人の担当者が営業から設計まで一貫して対応していたが、着工棟数の増加と、高度化するお客様の要望にきめ細かく対応するため、大雄様は分業化を推進。営業・設計・コーディネーター・プランナー・現場監督と役割が分かれた結果、職種間での行き違いが発生しはじめたという。
「以前は、図面変更があった場合、設計者が図面を出力して、現場監督が現地へ行って図面を差し替えていました。そのため最新図面がどれか分からなくなったり、お客様の細かい要望が職人さんに伝わらないまま工事が進行して、手直し工事が発生したりする事態が発生していました。土木工事部門で2004年にISOを取得した経緯もあり、住宅事業にもISOの品質管理を展開していたため、保管書類の増加にも課題を抱えていました。」と、成瀬様は当時を振り返る。
そこで成瀬様は、コミュニケーションミスの解消とペーパーレス化の推進に向け、まず2018年に施工管理ツールを導入。最新図面を協力会社や職人へスピーディに共有できるようになり、業務効率化は進んだ。しかし、ペーパーレス化の実現には至らなかったという。
「導入目的のひとつとしてFAXの削減を掲げていましたが、協力会社や職人さんに毎週の工事予定を共有する週間工程表のFAXはなくすことができませんでした。そこで2020年に、チャット機能がついているANDPADへの切り替えを決めました。今では作成した工程表をチャットで送付しているので、FAXはほぼなくなりました。チャットでのコミュニケーションも活発になり、行き違いも防げています。」と、成瀬様は話す。
全部署の発注業務・原価管理を集約する「購買部」を新設
ANDPADへの切り替えによって現場管理の改善が進んだ頃、大雄様の注文住宅の着工棟数は年間50棟から90棟へと増加。100棟ビルダーへの成長が視野に入ってきた。しかし、原価管理や住宅履歴などの情報は、まだ紙や表計算ソフトで管理しており、部署間で情報共有をする仕組みもなかったという。
「棟数が年々増えていくにつれ、特に原価管理が課題になっていきました。注文住宅・リフォーム・土木工事、それぞれの事業部で現場監督や購買担当者が発注を行っていたため、同じ工事内容でも発注価格が定まっていなかったのです。発注単価の情報を全社で収集できれば、当社のボリュームメリットを活かし、原価を下げられる可能性があると感じました。」
また、棟数の増加にともなって、発注や請求業務に関わる担当者の負担も増えていったと、成瀬様は語る。
「注文住宅部門の発注業務は、協力会社へ見積りをメールし、返信を確認して記録をつけ、注文請書を発送する流れでしたが、この業務を購買担当者1名が行っていたのです。紙ベースでの処理では、限界が来ていたように思います。」
今後もさらに棟数を増やしていくためには、発注業務・原価管理の一元化が欠かせないと考えた大雄様は、新たに事業部間を横断した購買部の設置を決定。購買部の業務基盤を構築するツールとして、ANDPAD引合粗利管理を選択したという。
「ANDPAD引合粗利管理は、発注業務はもちろん、商談管理や住宅履歴管理も行える点に魅力を感じました。すでに施工管理で利用していましたし、いろいろなツールに分散している情報をANDPADで一元管理したいと考えました。」と、成瀬様。
また、ANDPADの使い勝手の良さと、開発体制への期待も込めての決定だったと、成瀬様は語る。
「ANDPADは操作性が高いので、高齢の職人さんや新入社員でも、誰もがマニュアルなしで直感的に使える点が良いと思います。最初は機能に物足りなさを感じる部分がありましたが、『今後も開発を続けていく』という言葉の通り、実際に新しい機能も増え、使いやすさが増しています。導入が決まってからは、営業拠点を回ってPC画面を見ながら一緒に操作説明を行い、使い始めてからのフォローもこまめに対応しました。定期的に開催していた説明会では、Zoomでの録画機能も活用しました。」
蓄積する情報を活用し、100棟ビルダーへの成長を目指す
購買部の発足とANDPAD引合粗利管理の導入によって、発注単価などのデータ収集・情報共有を行う基盤を整えた大雄様。現在の活用状況について伺った。
「今までは組織や部署を横断して発注単価や粗利等のデータを見ることが難しかったのですが、ANDPAD引合粗利管理の導入によって、一元管理できる基盤が整ったと思います。今はまだ情報を蓄積している段階ですが、今後はデータ分析を行った上で、交渉事にも活用していきたいと考えています。」
また、発注業務の集約によって、現場監督の業務軽減も図れたと、成瀬様は話す。
「注文住宅事業の部門で購買を担当していた社員を購買部に置き、全部署の発注業務を集約しました。以前は、他部署の現場監督が自身で発注業務を行っていたので、業務工数が削減できています。また、購買部が中立的な立場で発注を行うことで、これまでのミスが見える化し、正しい情報を蓄積できています。以前は事業部内だけで業務が完結していましたが、購買部が入ることで部署間のコミュニケーションも活発になりました。」と、成瀬様。
また、商談や住宅履歴の情報もANDPAD引合粗利管理に一元化したことで、予想以上の効果も生まれたという。
「商談管理では、上司が部下の状況を把握しやすくなったので、今後さらに有効活用できると感じています。住宅履歴については、引き渡し後に、わざわざ別のツールに図面や情報を再入力する手間が省けました。業務や情報を属人化せず、オープンにしてシステム化することで、経験の浅い新卒の現場監督の育成にも役立てられると考えています。」
最後に、今後の展望について成瀬様に伺った。
「今後さらにANDPADの機能を活用し、正確な情報入力を定着させていきたいです。その上で正しい情報をもとに分析を行い、品質と価格の両立を実現したいです。」
地域に必要とされる企業を目指し、さらなる高みを目指す大雄様。今後もANDPADを通じて、そのチャレンジに寄与していきたい。