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情報共有の改善により、「品質管理」の精度を向上

アーバンライフ株式会社 様
従業員規模 21〜50名
利用機能
課題
  • 自社担当者が、商社やメーカーと工務店の間に入って調整をしていたが、うまく情報共有できないケースも
  • 是正を指示する際に、文字だけで伝えることが多く、工務店側が是正箇所を見つけにくかった
効果
  • 協力会社間の直接やりとりで業務負担が軽減され、連絡ミスも大幅に削減
  • 「是正箇所が分かりにくい」という図面の問題を一気に解決

導入事例について詳しく知りたい方は、お問い合わせください。

アーバンライフ株式会社のご紹介

1970年7月創業のアーバンライフ株式会社(大阪府大阪市)は、新築分譲マンションのデベロッパーとして事業を開始、兵庫県芦屋市での第一号物件の開発・販売から始まった。その後、2018年9月に三菱地所グループ入りする少し前から買取再販事業を始めた。
買取再販事業とは、既存マンションの有効活用を目的として中古物件を取得し、時代やユーザーニーズにマッチするよう間取り、壁紙、水回り設備を一新するなどの新たな付加価値を創造(リノベーション)して再びエンドユーザーに販売する事業である。三菱地所グループに入った後は、この買取再販事業がメインとなった。70平米前後、3LDKの部屋をメインに取り扱い、当初は年間50戸程度だったが、22年度は200戸程度を見込むなど年々供給戸数を伸ばしてきた。
新築マンションでは竣工までの工期が長く、大手の設計事務所やゼネコンなどのエキスパートとタッグを組むことが多い。それに対して、リノベーションは2カ月前後の工期で、最終引渡しまで含めると事業期間が約6カ月。この間、工務店と工事を進める上で、どうしても知識や情報共有にレベル差が生じていた。工務店各社でもレベル差が大きく、かつ短工期の中でどうすれば情報共有でミスをなくし、一定かつ高水準の品質管理ができるか。それが、新築マンション開発分譲から買取再販に業態転換するときの最大の課題だった。リノベーション事業部の作井様、野村様、西浜様に、ANDPADを導入するまでの経緯と成果についてお話を伺った。

情報の属人化で、情報の共有と品質管理が課題に

買取再販の基本的な流れは、まずリノベーション事業部営業推進課担当が仲介会社を通じて物件の情報提供を受け、工事内容や販売ターゲットを考え、販売価格等を試算する。その試算が買取条件に合えば、取得契約に向けて交渉し、契約を結んだ時点からリノベーションの計画と調整が始まる。
その後、物件の内覧を具体的な工事内容を決めた上で、工務店に見積もり依頼を行う。工務店とは複数回のやりとりを経て、最終的な見積もりを固めて工事を発注する。工事完了後、まず工務店が検査して、その後、アーバンライフ社が施主検査を実施。それに合格すれば販売に移る。その際にステージング(家具・設備等設置)をして、営業担当が仲介会社を通じて再びエンドユーザーに販売するという流れだ。

2021年4月にリノベーション事業部に計画課が設置されるまでは、営業担当が工務店と直接やりとりをしていた。つまり、工事の進捗と品質は営業担当の能力に任せる形となっていた。そうした属人性を薄めて組織全体で案件管理に取り組むために、営業推進課と計画課に機能を分けた。営業推進課は買い取りや再販などの営業活動に専念し、計画課が工事の中身をしっかり管理できる体制にした。
ただ、計画課の立ち上げ当初は、営業推進課も計画課も工務店と別々に打ち合わせを行うなど、社内での情報共有がうまくいかない状況があった。例えば、発注工務店に偏りが出たり、責任の所在が曖昧だったりなど、品質管理に懸念が生じるリスクがあった。
そうした中で、取引先の一社が「ANDPADで施工管理するようになって効率が良くなった」という話を聞いた。アーバンライフ社では、できるだけ省力化と情報共有化を図りたいという計画課の目的に合致するため、ANDPADの導入を決めた。

 

協力会社間の直接やりとりで業務負担が軽減され、連絡ミスも大幅に削減

ANDPADの利用者は、リノベーション事業部営業推進課が14名。計画課は9名で、そのうち竣工検査するスタッフが3名いる。外部発注の会社として、工務店が10社前後。ステージング会社が3~4名。彼らが同じ情報を常に確認できるように、チャット機能などを活用して情報共有している。
アーバンライフ社の場合、品質基準が高く、施主支給でキッチン、ユニットバス、洗面化粧台などの材料を商社やメーカーから直接現場に入れてもらう。工務店としては、そのタイミングで設備会社に来てもらうといった様々な段取りが発生する。
ANDPAD導入前は、計画課の担当者が商社やメーカーと工務店の間に入って調整をしていたが、情報共有がうまく行かないケースが発生することもあった。

ANDPAD導入後は、物件毎に商社やメーカー、工務店など関係者全員を招待し、資料の共有をはじめチャット機能などを使い細かいことまで双方で直接やりとりできるようになった。ANDPADの中で連絡を一元化できたことで情報共有の問題は解決できた。
特に昨今、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、給湯器やトイレなどの在庫を確保できないといった問題が日本全体で生じていた。納期遅れなどの際に、設備工事を遅らせるといった柔軟な対応も、協力会社間で直接連絡できたことで「当社を介さずにできるから業務的な負担も軽くなった」と野村様は話す。

ANDPADを使えば、案件ごとに情報がリアルタイムで把握できるため、連絡ミスによるトラブルが大幅に減った。工事の変更や遅延など細かいことまでチャットにきちんとアップするように徹底したことで、全員が情報共有できるようになり、臨機応変にいろいろなことを調整できるようになった。

 

「是正箇所が分かりにくい」という図面の問題を一気に解決

アーバンライフ社は、買取再販の戸数を21年度は100戸、22年度は120戸を目標にしていた。実際には、それぞれ150戸、180戸となり、当初の計画よりも事業拡大のスピードは早く、それに対応できる効率化が必要で、高水準での品質管理が最大の課題だった。
ANDPADを先行採用していた同グループ内の三菱地所ホームが、ANDPAD図面(オプション機能)も活用していた。折しも、図面を使った施工検査のDX化を模索していたタイミングで紹介されて、アーバンライフ社も導入を決めた。
ANDPAD図面なら、図面の重要な部分の色を変えたり太く目立たせたり、内容ごとに瞬時にわかりやすくすることができる。これがリノベーションの施工検査・是正工事で威力を発揮した。
導入前は図面を紙で管理しており、計画課からの修正指示も、例えば「壁のクロスに傷、床から200ミリ」といった文字だけで伝えることが多く、竣工検査の完了時点で販売を始めるため、目印のシールなどを貼らない。だから工務店側も、是正箇所を見つけにくいというケースがあった。
ANDPAD図面の導入後は、竣工検査の途中で是正指示をタブレットで図面上に記し、それをそのまま指示として情報共有できるようになった。写真と是正箇所を紐づけして、番号付きで一覧で管理できるため、工務店側も是正箇所を素早く的確に把握できるようになった。
今後は、取り扱う物件のボリュームをさらに増やしていく。本社のある大阪市を中心として関西圏で、年間300戸程度を目指している。その際に人材も増やす必要はあるが、何よりも仕事内容の伝達の仕方が最も大事になってくる。
アーバンライフ社は、これからも三菱地所グループの一員としてさらなる成長を目指すため、ANDPADを活用した情報共有を徹底し、品質管理のクオリティを高める努力を惜しまない。

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