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写真撮影・整理で70分、台帳作成で50分の作業時間を短縮

上村建設株式会社 様

従業員規模 301〜1000名
利用機能
課題
  • 1フロアごとに数百枚単位で写真を撮影し、整理することが現場監督の大きな負担に
  • 紙の書類を現場で持ち運ぶのが負担に。手元にない資料を取りに何度も階段を上り下りすることも
  • データが社内サーバや個人PCなどに点在。欲しい情報を探し出すのが難しかった
効果
  • ANDPAD黒板を活用し、写真撮影・整理にかかる時間が1フロアあたり70分削減
  • 仕上げ表や最新図面をANDPADに保存。資料を持ち歩く手間や資料を取りに戻る負担が解消
  • 現場写真や図面などの工事情報をANDPADで一元管理。欲しい情報のありかが一目瞭然に

上村建設株式会社のご紹介

1959年の設立以来、福岡に根ざし、地域の発展とともに歩んできた上村建設株式会社様。RC造の賃貸マンション建設を主軸に、ビルや物流施設、商業施設、公共施設、戸建住宅など、多種多様な建物の建築工事に携わる県内トップクラスの総合建設会社である。福岡市は、人口増加率が国内でも群を抜いており、アジアの玄関口として世界からの注目も集めている。上村建設株式会社様は、福岡に暮らす人々の多様化するニーズを敏感に察知し、「福岡の暮らし」を支えている。

上村建設様は、2020年よりRC造のマンション建設現場においてANDPADの試験運用をスタート。現在は、全現場への展開を目指すフェーズに入っている。今回は、上村建設株式会社 工事部 部長 山本 浩二様、所長 冨川 博行様、工事主任 宮里 航世様に、ANDPAD導入前の課題や導入後の変化についてお話を伺った。

  

左から)山本様、冨川様、宮里様

写真管理・写真台帳作成にかかる負荷が課題に

賃貸マンションや施設など、年間約80棟の建築を手がける上村建設様では、約70の現場が常に動いているような状況が続いている。特に主力事業であるRC造のマンションは、品質管理のため、壁・梁の圧接位置・配筋・スラブ・柱など、1フロアごとに数百枚単位で写真を撮影しなければならない。この膨大な写真の撮影・整理が現場監督の大きな負担になっていたという。まず、同社が抱えていた課題について工事主任の宮里様に伺った。

「以前は、タブレットで写真を撮影するサービスを利用していましたが、鉄筋と鉄筋の間が狭いと近くまで寄れず、撮影に時間がかかっていました。タブレットを吊り下げているネックストラップが足場にひっかかったり、タブレットを仮置きした場所に忘れてきてしまったりと、持ち運びにも課題がありました。」(宮里様)

また、写真の取り込み・整理にも時間がかかっていたと宮里様は話す。

「タブレットをPCにつなぎデータを取り込んでいたのですが、データ容量が重く、枚数も多いため、毎回取り込みに10分ほどかかっており、無駄な待ち時間が発生していました。撮影日順に並んでいる写真を躯体の記号順に並べ替える作業にも時間がかかっていましたね。写真台帳作成に必要な写真を選んだり、黒板誤記を一つひとつ探して手打ちで修正したりする手間も感じていました。」(宮里様)

現場監督は、この過程を経て完成した写真台帳をもとに報告書を作成。紙に印刷してファイリングしてから、現場所長に報告を上げていたという。報告を受ける立場である冨川様は、どのような点を課題に感じていたのだろうか。

「報告書作成に時間がかかり、当日中に報告内容を確認できず、翌日確認になってしまうことが多かったです。写真の撮り直しは、現場と連絡を取り合いながら指示を出していましたが、コンクリート打設前の確認など、急を要する指示が続く時は慌ただしくなりましたね。福岡市の都心部の場合、現場事務所を近隣に設置できず、15分程度距離が離れてしまうこともあります。現場と事務所の往復で時間がとられ、他の仕事が進まないこともありました。」(冨川様)

紙の資料の多さも現場監督の負担に

さらに冨川様は、「印刷に使う大量の紙とインク代も気になっていた」と話す。上村建設様では、工事写真や報告書、安全管理書類に加え、マンションの部屋ごとの仕上げ表・仕様書を紙で出力して現場巡視に使用していた。紙やインクのコストに加え、各種資料の持ち運びも現場監督の負担になっていたという。

「手元に資料がない部屋について職人さんから質問されると、その場では回答ができません。資料を取りに何度も階段を上り下りしなければならないのは大変でしたね。また、質問への回答を保留にしている間に別の仕事に終われ、再度聞かれてしまうこともありました。図面やメモ帳、スケールを交互に持ち替えながら一人でチェックをするのも大変でした。」(宮里様)

情報管理が煩雑化、新人教育に活用できない状態

上村建設様では、毎年16〜18名程度の新入社員を採用。新人に業務の流れを教える上で、過去の事例を参照して指導に役立てているという。ただ「データが社内のファイルサーバや個人のPCなどに点在しており、欲しい情報を探し出すのが難しかった」と、山本様は語る。

「工事写真の撮影方法や資料作成方法は、過去の資料を参照して教えているのですが、どの資料がどこに保管されているのかを把握するのが大変でした。個人間で資料をやりとりしている場合、その情報は他の社員は確認できません。現場事務所で管理している情報も本社からは確認できず、報告がない限り工事の状況を知ることができませんでした。人材育成のためにも情報を一元管理する必要性を感じていました。」(山本様)

写真撮影・整理、写真台帳作成にかかっていた時間を大幅に削減

これらの課題を受け、上村建設様は「写真管理の効率化」「ペーパーレス化」「情報管理の一元化」を目的に、一部の現場でANDPADの試験運用をスタート。ここからは、運用後に生まれた変化について項目ごとに見ていこう。

まず、写真管理においては、ANDPAD黒板を活用して業務効率化を図っている。運用開始後、写真撮影・整理にかかっていた時間は、1フロア当たり平均160分から90分に削減。また、写真台帳の作成時間は1フロア当たり平均60分から10分へ短縮した。この成果につながった理由を宮里様、冨川様に伺った。

「ANDPAD導入後は、タブレットからスマートフォンに変わったので、小回りが利くようになり、狭い箇所の撮影もスムーズになりました。黒板付きの写真がリアルタイムでクラウドにアップされるので、写真をPCに取り込む手間もなくなっています。黒板ごとに自動的に分類されて写真が保存されるので、いちいち整理をする必要もありません。該当フォルダから写真を選択すれば台帳もすぐに作成できるので、作業時間を大幅に短縮できました。」(宮里様)

「クラウドにアップされた写真は、事務所でもリアルタイムで確認ができるので、修正指示をスピーディーに出せるようになり、現場と事務所を行き来する無駄な移動がなくなりました。ANDPAD黒板には絞り込み機能もあるので、検査員の方にもスムーズに写真を見ていただくことができています。」(冨川様)

写真や資料をANDPADで一元管理、協力会社からも喜びの声

次は、「ペーパーレス化」の実現だ。上村建設様では、各部屋の仕上げ表や最新図面をANDPADに保存して資料を管理し、いつでもどこでもスマートフォンで資料を確認できる環境を構築。大量の資料や黒板を持ち歩く手間や、忘れた資料を取りに戻る負担もなくなった。

現在は、協力会社の番頭や職人にもIDを付与し、ANDPADチャットや工程表も活用して最新情報を共有しているという。ANDPAD運用に対する協力会社の反応はどうだったのだろうか。

「設備配管図や承認図のやりとりも、今はすべてANDPADを介して行っています。お互いが資料をアップした時には通知がきますので、タイムリーに情報を確認できるようになり、連絡漏れもなくなりました。職人さんたちからも『データのありかが一目瞭然になって分かりやすくなった』『事務所に戻らなければ分からなかった資料を現場で確認できるのが便利』『たくさんの資料を持ち運ばなくてよくなり、雨にも濡れなくて助かる』との声が上がっています。」(冨川様)

また、ANDPADに現場写真や図面、仕様書などを保存するようになり、工事情報の一元管理も可能になったという。

「事務所はもちろん、本社でも現場の状況がリアルタイムで確認できるので、新入社員にも情報を共有しやすくなりました。ANDPADでの一元管理によって書類の電子化を加速し、ペーパーレス化を促進したいですね。」(山本様)

働き方改革を現場任せにしない、三位一体でDXを推進

上村建設様は今後、現場監督だけではなく、品質管理担当や安全管理担当にもIDを付与し、社内利用を拡大する予定だ。また、協力会社の活用促進も図り、業務効率化をさらに進めていく。この新たな方針を打ち出すにあたり、山本様は役職者が集まる定例会議に冨川様を招集。ANDPADがもたらした成果について直接説明をさせたという。

「現場での運用方法や過去との比較を機能ごとに説明し、今後は当社・協力会社が統一してANDPADを活用していくべきだと伝えました。最先端の現場事例を共有したことで、前向きな意見が聞かれるようになったと感じています。」(冨川様)

最後に、今後DXを進めていく上での展望を山本様に伺った。

「2024年4月から、建設業でも時間外労働の上限規制がスタートします。残業削減や休日の取得推進は、現場任せでは進みません。私たち本部が先陣を切って働き方改革を進めていく必要があります。私たちの仕事は、現場監督や協力会社さんがいなければ成り立たないものです。社員や職人さん一人ひとりを大切に、いかに少ない人数で生産性向上を目指すかが最も重要なポイントです。今後は、ANDPADを活用して全社的にDXを推進し、本部・現場・協力会社の『三位一体』で成果を上げていきたいですね。」

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