上村建設株式会社のご紹介
上村建設株式会社様は、「福岡の暮らしをつくる」をテーマに掲げ、設立より60年以上にわたり、地域の発展を支えている総合建設会社である。福岡県内での賃貸マンション建設を中心に、公共施設、商業施設、戸建住宅まで、さまざまな建物の建築工事を手がけながら、アジアの玄関口である福岡とともに成長を続けている。また、上村建設様は、建物管理やメンテナンス、リニューアルまでを自社一貫で行うワンストップソリューション体制を構築し、地域のお客様のニーズにも幅広く対応。長年築いてきた信頼と実績のもと、地域に根ざした「100年企業」を目指している。
上村建設様では、マンションの改修工事や修繕・メンテナンス、戸建住宅のリフォーム・リノベーションを専門とするリニューアル事業部にANDPADを導入いただいている。今回は、企画管理課と法人課を統括するリニューアル事業部 課長 行冨 嘉恭様と、賃貸物件の改修工事の現場管理や課員のマネジメントに関わる、リニューアル事業部 企画管理課 課長代理 永井 康博様に、ANDPAD導入の経緯や導入後の成果について伺った。
お客様満足度を向上させるため予実管理の改善を目指す
上村建設様は、マンションの施工棟数が年間平均60棟、グループの不動産会社であるハッピーハウス様の管理戸数は2万8,000戸を超え 、土地活用・マンション経営の分野において、九州トップクラスの実績を誇る。長年お付き合いを続ける物件オーナー様も増えており、大規模改修工事やリノベーション需要も高まっている。
改修工事やリフォーム案件が増加する中で、リニューアル事業部は、二つの課題に直面していたという。まずは、「顧客満足度の向上」である。福岡県に根ざした事業展開が強みである上村建設様は、地域での信頼度が高く、オーナー様の顧客満足度も高い。しかし、現状に安穏とすることなく、さらに高い目標の達成を目指している。
「工事終了時のアンケートでお客様に評価をしていただいていますが、工程管理に関する満足度が他と比べて若干低かったのです。お渡しした工程表より工事が遅れて完了した現場のお客様が不満を抱かれたのかもしれません。顧客満足度を高めるためには、お客様にお伝えした工期を守ることが必須です。そのために、予定工程と実施工程を同時に管理する予実管理のさらなる改善が必要でした。」と行冨様は語る。
適正工期を遵守するために、行冨様や永井様が着手したのが、もうひとつの課題であった「工程管理の改善」である。当時は、工事担当者1名が抱える現場数が増加していた。現場管理を効率的に進めるためにも、社員と協力業者の情報共有やコミュニケーションをスムーズにする必要があったという。
「当時は工程の遅延や仕様間違いといった問題が発生した時点で、工事担当者が改善策を打ち出し、協力業者さんに伝えていました。ひとつの現場が遅延すると、他の現場の工程の進捗に影響が出て、新たな問題に気づくのが遅れることもあり、こういった問題をどうやって管理し解決するべきか、頭を悩ませていました。」と、永井様は当時を振り返る。
そこで、リニューアル事業部では、現場によって異なる状況を全体的に把握し、現場を一元管理する方法を検討し始めた。行冨様たちは施工管理アプリに業務改善の可能性を見出し、いくつか比較検討をした上で、ANDPADの導入を決めた。
「簡単に案件情報を立ち上げることができましたし、アイコンをポンポンと押せば進んでいく操作性も魅力でした。社員と協力業者さんの間で情報共有がしやすいという点も決め手となりました。」と行冨様。
永井様も「年配の協力業者さんも多いので、少しでもハードルが高いと感じると、みなさん使ってくれません。ANDPADは使いやすいからこそ、もっと積極的に利用しようと声かけができています。」と操作の手軽さが導入促進に繋がっていると語る。
現場でANDPADを活用する永井様
工程表のテンプレート運用により工期の短縮・効率化を達成
上村建設様は、ANDPAD導入にあたり、予実管理の新しい仕組みづくりに取り組まれたという。まず工程管理は、予定工程と実施工程を並列で管理できる工程表をANDPAD上に作成。また、過去実績データから適正工期を算出する仕組みもつくり、工期短縮と効率化の推進を図られたそうだ。
「ANDPADでの現場管理を軸に、当社が使用していた週間管理表を掛け合わせて、運用を開始しました。現在も検証と改善を繰り返しています。ANDPADのテンプレートが思った以上に自由にカスタマイズできたことが、当社の予実管理にマッチしています。」と行冨様。
上村建設様では、新たな予実管理の運用を通じて、工期遅延に迅速に対応できる体制が構築されつつあるという。今後は、社員と協力業者が情報を共有する意識付けや情報共有のスピード感を改善するために、さらにANDPADの利用浸透を進めていく構えだ。永井様に協力業者の利用頻度を向上させるための工夫を伺った。
「ANDPADの操作方法や便利さは、協力業者さんに向けて継続的にアピールしています。協力業者さんたちがANDPADで情報を確認するようになったのは大きな進歩ですが、まだ人によって利用頻度にばらつきのある現状なので、協力業者さんの利用を促すために、これまでメールや電話、スマホのコミュニケーションアプリで行っていた現場状況の報告や予定の連絡をANDPADでの情報発信に切替え、現場に携わる協力業者さんたちの利用頻度を上げて情報共有や個別の連絡ができるよう働きかけています。」
また、上村建設様では、協力業者からの日報も少しずつチャットでの送信に切り替え、活用を積極的に推進。ANDPADで報告を行い、作業履歴を残すことによって、協力業者が安心して働ける体制づくりも進めている。
「工程表も見やすいですし、必要な資料や情報、添付された最新図面をリアルタイムで協力業者さんに共有できるので、お互いに進捗・管理をスムーズに行っています。担当物件の詳細な情報やコインパーキングの場所といった地域特性もアップしているので、協力業者さんからの評判もいいですよ。写真管理も、画像ごとにフォルダ分けができるので便利です。工種別に写真を分けて、メールを送る手間がなくなりました。メールが使えない協力業者さんには、現場まで行って修正指示を出していましたが、チャット上に画像をアップして指示ができるようになって、とても便利に感じています。」と永井様は語る。
工期を守ることによってお客様満足度20%向上を実現
ANDPAD予実管理と週間管理表を併用したWチェックでの工程管理方法により、事前手配や確認、タイムリーな現場対応が可能となり、上村建設様では、大規模改修工事の工事期間を25%程度削減し、生産性が向上。何より当初の導入目的であったお客様満足度が20%向上したという。また、ANDPAD検査の項目をカスタマイズすることによって、検査の品質もレベルアップしたと感じられているそうだ。
「ANDPAD導入前は、工期の遅延に気がついてから対処していましたが、今では工事の進捗具合がリアルタイムで分かるため、遅延しそうな現場を予想できるようになりました。傷口が大きくなる前に手を打てるようになったので、工程の遅延を未然に防ぐ現場が増えてきています。営業担当者も工事状況が分かるので、お客様に報告がしやすくなったと言っています。全体としてお客様の満足度も上がっていますね。」と永井様。
行冨様も大規模改修工事の適正工期が実施工程と近くなっていると語る。
「工程管理と現場の問題を見える化できたことは、導入後の成果ですね。大規模改修工事に入る前は、着工前会議の時に適正工期や安全の検討を行いますが、ANDPADを導入したことで、会議前から工程の見直しが図れるようになりました。最新の資料をANDPAD上にデータで保管することで、協力業者さんも現場で必要な情報にすぐにアクセスできるようになった結果、見落としも減りました。どこにいても現場の状況が確認できるので、移動時間の削減にもつながっています。今後コロナ禍での労働環境の変化への対応にも役立っていくものと思います。」
また、ANDPAD導入によって、管理職側の働き方にも変化が起きたと永井様はいう。
「ANDPADで現場の状況を把握することにより現場へ足を運ぶ回数が減り、目標達成に向けた確認や改善事項を検討する時間の確保、スタッフのフォローといったマネジメント業務により一層力を注げるようになりました。」
今後さらなる活用浸透に向けて行冨様はこう語る。
「携帯アプリで現場管理を行うことにスタッフを含め関係者のほとんどが戸惑い、使い勝手が悪いように感じていました。しかし、ANDPADを使い慣れていくと無駄を省くといった業務の効率化や社員が個々のやり方で進めていた業務が統一化され、その便利さに質も上がってきています。」
ANDPAD導入の成果が着実に生まれはじめている上村建設様は、今後も工程管理の運用をさらに改善し、顧客満足度を高めていく取り組みを継続される。福岡の街づくりや福岡のお客様に誠実に寄り添う、上村建設様の活躍から今後も目が離せない。