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賃貸管理の品質が上がり、顧客の不満が満足に変わった

プロパティワコー株式会社 様
従業員規模 21〜50名
利用機能
課題
  • 協力会社からの現場写真やメールでの連絡などでは、意思疎通がうまくいかなかった
  • 入居者からの苦情で原状回復の追加工事が発生し、大家の負担も増加
  • 現場訪問や関係者とのやりとりなどで、1人の担当者に大きな負担がかかっていた
効果
  • 現場から是正箇所を提案され、入居者の苦情が劇的に減った
  • 退去者の気持ちを読み取り、オーナーの負担を軽減
  • 報告書作成が5分程度で終わるようになり、ひと月あたり10時間ほど削減
  • 担当者が現場に行く回数が減り、移動に使う時間もひと月あたり6~7時間削減

導入事例について詳しく知りたい方は、お問い合わせください。

プロパティワコー株式会社様のご紹介

1986年設立のプロパティワコー株式会社様は、大分県の大分市と別府市を中心にアパマンショップのフランチャイズとして、アパートやマンションの賃貸仲介と賃貸管理を手がけている。「お客様が全てに優先し、全ての組織はお客様のために存在します。お客様の満足感、納得感のもと、全社員の物心両面の幸福を追求します」など3つの経営理念に基づき、地域密着型で経営している。今では管理棟数約200棟、管理戸数1900戸まで増えた。
業務拡大の一方で、原状回復工事の品質が落ち、社内業務の増加で社員が退職するなど、様々な問題が表面化してきた。その解決のためにANDPADを2020年から導入し、短期間で大きな効果が表れてきた。
今回、プロパティワコー株式会社様の代表取締役 齋藤 正浩 様と、賃貸管理部の中原 裕貴 様に、ANDPAD導入の経緯と成果について伺った。

現場から是正箇所を提案され、入居者の苦情が劇的に減った

「ここの工事はどうなっているのか?」――そんな苦情が入居直後の部屋の入居者から出ていた。原因を探るため、すぐさま中原様が現場へ行ってみると、たしかに原状回復工事の仕上がりが悪い。対応するため追加工事をすることになり、アパートやマンションの大家(オーナー)の負担が増える。そんな“三方悪し”の状況がたびたび起こっていた。
なぜそんなことになるのか。現場管理を担当する工事会社が依頼した職人の仕事の質という面はたしかに考えられる。だが、よくよく調べると、もっと根深い問題があった。
退去後の部屋をリフォーム、クリーニングして元に戻す原状回復工事においては、退去者とプロパティワコー様の賃貸管理部担当者が部屋の汚れ具合などを見ながら、必要な工事の見積書を作る。それを受け取った工事会社が工事指示書を作成し、クロス工事、設備工事などの職人に仕事を割り振っていく。職人たちは指示書に基づいて工事していくが、途中で指示書に書かれていない、例えばエアコンの不具合や水道のパッキンの緩みなどに気付くこともある。
だが、指示書に書かれていない以上、勝手に工事を追加するわけにもいかない。何か気付いたとしても、その場でスルーしていたのだ。
これは、明らかに現場とのコミュニケーション不足が招いた事態だった。ANDPAD導入以前は、協力会社からの現場写真、チャットツールを使った連絡、メールでのやり取りなどが全てばらばらになされていたため、プロパティワコー様の賃貸管理部担当者とコミュニケーションが上手く取れなかった。また、現場写真もエクセルに張り付けてからコメントを付けるなど手間がかかっていた。

そうした問題の解決方法をリサーチしていたら、ある取引先からANDPADを導入して業務改善した話を教えてもらった。そこで社長の齋藤様が導入を即決した。すると状況が一変した。
ANDPADなら案件ごとにそれらが全て収められており、工事の途中でもタブレットやスマホでリアルタイムに状況把握できる。またANDPADの報告書機能を活かして、写真付きの工事完了報告書の提出を徹底した。その上で、「どんなささいなことでもいいから、なにか気付いたら連絡してほしい。こちらですぐ判断する」と職人に依頼した。すると、職人の方から工事途中で、是正が必要な箇所の指摘と追加工事の提案が上がるようになったのだ。
追加工事の判断がしやすくなったことで、工事の品質が大幅にアップし、入居者からの苦情が劇的に減った。これが大きな導入成果だった。

退去者の気持ちを読み取り、オーナーの負担を軽減

ANDPADは、部屋の退去から次の入居まであらゆる場面で使われている。
まず、退去の立ち会いの時に原状回復工事の見積書を作るが、その日程をグループチャットで工事会社と共有できる。退去時にはチェックシートに基づいて、部屋の汚れや傷がどこにあるのか、それが入居者の故意過失なのかどうか、故意過失なら工事費の請求をさせていただくといった現場で交わされた情報を記録する。それもANDPAD内で共有できる。
本部でその見積書の内容をチェックし、修正を加えながら発注書を作成する。入居日、完工日、駐車場の場所、家の鍵がどうなっているかなどもチャットで残しておけば、工事会社が工事に取りかかりやすい。工事が完了すれば、写真付きで報告書がANDPAD内に上がってくるため、わざわざ現地に行かずともプロパティワコー様の賃貸管理部担当者、賃貸仲介営業担当者もすぐに状況把握できる。
実はANDPAD導入前は、故意過失と見なされた箇所について、入居者が納得してチェックシートにサインしているのか、「自分のせいではない気がする」と不満を抱いたままサインしているのか、細かなニュアンスが伝わらなかった。だがANDPADなら、そうした退去者の状況もチャットに残しておけるため、対応方法をより具体的に考えられる。

追加の修繕工事についても、オーナーの理解を得られやすくなった。ANDPAD導入以前は、工事の不具合に気付いた入居者の苦情を受けてから工事にとりかかる事が多かった。例えば水道のパッキンが緩んで、蛇口をひねると水が滴り落ちるとしよう。これが退去直後の原状回復工事の途中なら数百円で済むが、入居後の工事となると水道工事会社を手配する必要があるため、人件費が数千円上乗せされる。それを後からオーナーに請求しようとすると、「そんな話は聞いていない」とトラブルの種になることもしばしばあった。
だが、工事途中で職人から追加工事の提案が上がるようになり、トラブルが無くなった。以前から、オーナーとの管理契約書に3万円以内の軽微な追加工事なら工事完了後に請求しても良いという条項を入れていたのだが、そもそも是正が必要な箇所の指摘が上がっていなかったため、それが上手く運用されていなかった。
ANDPAD導入後は、工事途中でオーナーに相談できるようになったため、追加工事がしやすくなり、オーナーの負担も軽減できるようになった。

 「人材確保できない」危機感が工事・業務改善につながる

ANDPADで社内業務の改善も図れた。
原状回復工事は、通常の月で30~40件、引っ越しが多い2~4月になると月60~70件になる。現場写真は、単身者世帯の部屋なら30枚程度、ファミリー世帯なら70~100枚撮影する。
ANDPAD導入以前は、エクセルデータに写真を張り付けて、そこからコメントを追記するなど、1件の写真整理だけで社員1人当たり30分程度の作業時間を要していた。導入以後は、リアルタイムで現場写真が上がってくるようになり、報告書もANDPADで簡単に作成できるため、5分程度で終わるようになり、トータルで月600分(10時間)ほど時間を削減できた。
原状回復工事における現場担当者の移動時間も、月6~7時間削減できた。現場に行く回数も減った。大規模リフォームや、入居年数が長かった物件に関しては今も現場に見に行く。だが、新築で1年程度しか入居していないなど、単身用世帯の部屋でクロスの入れ替えだけで済むといった部屋が、管理物件全体の2割ほどある。こうしたところは写真を見ればリアルタイムで状況把握ができるため、よほどのことがない限り現場へ行く必要がなくなった。

このように様々な効果をもたらしたANDPADだが、実は導入した背景には切実な理由があった。もともと少数精鋭で経営していたため、1人の担当者が現場へ行く回数が多かった。マンパワーに頼りきりだったのだ。特に、入居者、工事会社、オーナーとのやりとりが多く、拘束時間が長くなりがちな賃貸管理部は誰も行きたがらない部署になってしまった。
このままでは退職者が増え、人材確保もままならない。そんな危機感から社長の齋藤様は、担当者が現場に行く回数を早急に減らし、負担を軽くするため、お金がかかってもいいからアウトソーシングできるような業務を仕分けていた。その業務を担えるツールの一つとして、ANDPADを見つけたというわけだ。
確認のための電話を減らすという目的もあった。賃貸仲介営業担当者が「入居希望者に部屋を見せたいが大丈夫か?」といったことを、賃貸管理部担当者に問い合わせることがある。だが、以前は入居者からの苦情への対応などで、なかなか賃貸管理部担当者に電話がつながらない状況があった。そうこうしている内に、入居希望者は別の物件に行くため、顧客を一人失う。そんな状態を解消したいという狙いも、ANDPAD導入の背景にあった。
様々な困難を乗り越えながら、工事と業務、両方の改善を着実に進めてきたプロパティワコー様。デジタル化を武器に、徹底した地元密着型で顧客満足度を上げながら、さらに地盤を固めていくだろう。

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